「社会参加(労働)」でフレイル予防対策をしよう!

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「社会参加(労働)」でフレイル予防対策をしよう!

最近聞くようになってきた「フレイル」という言葉。「フレイル」とは、「加齢により心と体の働きが弱くなってきた」状態のことを指し、英語の「Frailty(フレイルティ)」が語源となっています。「Frailty」を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などを意味しますが、一方でしかるべき処置によって再び健常な状態に戻ることも示唆されているため、日本では「虚弱」ではなく「フレイル」という言葉を使っています。今回はこの「フレイル」に陥らないための予防策として、「社会参加(労働)」を中心にお伝えしたいと思います。

この記事の目次

    フレイルとその原因

    フレイルとは高齢期に病気や老化などによる影響を受けて、心身の活力(筋力や認知機能など)を含む生活機能が低下し、将来要介護状態となる危険性が高い状態のことをいいます。

    フレイルになる原因

    そもそもなぜフレイルという状態になってしまうのか。原因は様々ですが、2大要因と言われるのが、生活習慣病等の疾病と老化です。

    高血圧、糖尿病さらには脳卒中や慢性腎臓病などの持病で活動が制限されフレイルになる場合や、老化による身体・認知機能低下によってフレイルになるケースが目立ちます。
    他にも喫煙、うつ、孤立なども、疾病や老化の過程に影響してフレイルを生み出す要因となります。

    フレイルと診断されるケース

    国立長寿医療研究センターが提唱するフレイルの進行に関わる評価基準(※)は5項目あり、3項目以上該当した場合をフレイル、1~2項目該当した場合を前フレイル(プレフレイル)、該当項目が0の場合は健常となります。

    ①体重減少

    6か月間で2~3㎏以上の(意図しない)体重減少があった場合、フレイルの状態に近しいとされます。

    ②倦怠感

    ここ2週間、わけもなく疲れたような感じがする場合、フレイルの状態に近しいとされます。

    ③運動量

    軽い運動・体操・スポーツ・農作業など定期的に体を動かすことを1週間の間でしていない場合、フレイルに近しいと診断されます。

    ④握力

    利き手の測定で男性26㎏未満、女性18㎏未満の場合、フレイルに近しいとされます。

    ➄通常歩行速度

    5m歩行した際、速度が1m/秒未満の場合、フレイルに近しいとされます。

    (※)長寿医療研究開発費 平成26年度 総括報告書 フレイルの進行に関わる要因に関する研究(25-11) 国立長寿医療研究センター より引用

    フレイル予防に必要なこと

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    フレイルが始まると、なんとなく元気が出ない・疲れやすくなる・歩行が遅くなる・家にこもることが多くなった、といった兆候が見られます。

    フレイルは、なる前の段階からの予防がとても大切ですが、そうした兆候に早めに気付き、適切な対策をとることで回避できる状態でもあります。

    そのためには、生活機能が保たれていることが重要。
    ここでいう生活機能には、1.「心身機能・構造」(心とからだの働きやからだの構造など)、2.「活動」(身の回りの行為や家事などの生活行為)、3.「参加」(家庭内の役割、仕事、地域社会参加など)の3つの機能が含まれます。

    「心身機能・構造」の維持

    加齢による身体機能の衰え、といわれると骨や筋肉をイメージするかもしれませんが、忘れがちなのが口腔の機能。

    食事は勿論のこと、会話のコミュニケーションにも欠かせないのが口腔です。
    「8020運動」に代表されるように、丁寧な口腔ケアや、咀嚼機能の向上訓練が生活機能の維持につながるのは間違いないでしょう。

    「活動」の維持

    体力(筋肉量)の低下によって、出歩くことがおっくうになると、交流や会食など生活全般に影響が及びます。
    フレイルにならないためには、体力を一定以上に維持することが大切です。

    加齢による体力の低下は、適度な運動によっても回復が可能なので、運動は継続して行っていきましょう。
    また体力のフレイルを予防するためには、栄養もとても大切。栄養状態を良好に保つため、様々な食材を食べましょう!

    「参加」の維持

    高齢期は親しい人との別れも生じ、それが元に人とのつながりが希薄になるケースも多々あります。人との交流の機会が減ると会話も減り、意欲低下や廃用症候群に繋がりかねません。

    SNSが普及した昨今、できるだけ広く、浅い関係をいくつも作ることが「参加」の維持と繋がるでしょう。

    労働でフレイル予防!

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    生活機能における「参加」の維持は大変重要な問題ですが、高齢期にさしかかって新たな関係性を作ることに抵抗を感じる方や、難しく感じる方は多いはず。

    そんな方にオススメなのが「労働」。適度な距離感で社会に参画できる「労働」を活用し、生活機能を維持していきましょう。

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    人生100年時代といわれる昨今、求人の年齢制限も無くなってきています。
    定年後も体を動かしたい、社会と関わっていたい、時間を有効に使いたい、という方にはまだまだ門戸が開かれているのが実用です。

    代表的な求人は、警備員やスーパー店員、介護職など。
    エッセンシャルワーカー求人が多いのは事実ですが、その分社会と関わる実感が持てるため、生活機能の中でも「参加」の維持には最適といえるでしょう。

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    高齢期は段々と体力的にフルタイムも難しくなってくる年齢です。
    ですが現在はフルタイムでなくとも、短時間の勤務求人も多く存在します。

    代表的な求人は早朝と夕方の送迎や、職員が休みの時に入るスポット勤務など。自分の体調と相談しながら、適切な「参加」の維持に努めていきましょう。

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    まとめ

    いかがでしたでしょうか?今回はフレイルというものを説明した上で「参加(労働)」によるフレイル予防をご紹介しました。

    できるだけ長く健康で自立した生活を送るためのフレイル予防は、ミドルシニアの時点で気をつけるに越したことはありません。

    もちろん「参加(労働)」だけではフレイル予防につながらないのも事実。大切な栄養バランスの取れた食事、運動、社会参加を積極的に取り入れ、健康で豊かな高齢期を過ごしていきましょう。

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