40代から始める老後資金の準備と計画とは
- 100年時代のライフデザイン
- 公開日:2021年12月21日
40代に差し掛かると、迫る老後のために老後資金の準備を始めようと考える方も多いのではないでしょうか。とはいうものの、子どもの教育費や進学費用、住宅ローンなどのさまざまな支出が多くなる中で、貯金していくのは大変です。今回はそんな40代の方に向けて、同年代の貯金額の平均値と中央値や賢く資金を貯める方法を中心にお伝えしていきます。
この記事の目次
40代はどれくらい貯金があるもの?
自分と同年代の人たちが、どれくらい貯金があるか気になっている方も多いのではないでしょうか。
お金の話はナイーブなので、友人や知人などの身近な人には聞きにくいと思います。金融広報中央委員会の調査結果のよると、貯金額の平均値と中央値は以下のようになっています。
【単身世帯】
・平均値:564万円
・中央値:50万円
【二人以上世帯】
・平均値:694万円
・中央値:365万円
※出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」
上記金額は、預貯金額のほか、投資信託や株、保険などの金融資産も含めた金額になっています。単身世帯と家族がいるなどの二人以上世帯の平均値の差は130万円ですが、中央値は315万円もの差があります。
自分の貯金額が平均よりも上だと安心しがちですが、それで老後資金の準備は完ぺきというわけではありません。あくまでも、自分や家族が暮らしていくのに必要とする資金まで貯めるようにしましょう。
賢く老後資金を貯める3つの方法
それでは次に、老後資金を賢く貯める3つの方法についてお話していきます。
現在の支出状況の把握と見直し
まず、最初にするべきことは現在の支出状況を把握することと見直しをすることです。
収入が多いとその分、支出も多くなりがち。日ごろから家計簿を付けている場合は、それを確認し、「なににどれくらいお金がかかっているのか」を把握します。
そして、無駄な支出を抑えることが、そのまま貯金につながります。家計簿を付ける習慣がなかった場合は、手帳型でも良いですし今はスマートフォンの家計簿アプリなどもあるので、自分が使いやすいもので家計簿をつけてみましょう。
先取り貯金
先取り貯金とは、毎月の収入から最初に貯金する金額引き、残ったお金で生活をやりくりしていく方法です。
先取り貯金を成功させるコツとしては、「貯金する目標金額を高く設定しすぎないこと」と「簡単に引き出せないところに貯金すること」この2つが重要です。
最初から目標金額を高く設定しすぎると、生活が苦しくなってしまう可能性があります。また、簡単に引き落とせるところに貯金してしまうと、「今月は苦しいから少しくらい・・・」とせっかく貯金したお金に手を出してしまうなんてことも。
固定費を見直す
毎月の固定費も見直すべきポイントです。
光熱費やインターネットの料金、携帯電話やスマートフォン、加入したまま忘れていた保険などはありませんでしょうか。
光熱費は意識することで抑えることができるでしょうし、インターネットの料金も業者によってお得なプランがあるかもしれません。携帯電話やスマートフォンは、格安SIMやプランの変更などの方法で安くすることができます。
老後資金の準備に最適!財形貯蓄とは?
老後資金の準備に最適な方法として、「財形貯蓄」という制度があります。これは、社員の毎月の給与から一定額を天引きして、会社が提携している金融機関に送金するという制度です。
先述した、先取り貯金を会社が自動的に行ってくれる便利な制度でもあります。ただ、すべての会社が導入しているわけではないので、自分が勤務している会社に本制度があるか確認してみましょう。
財形貯蓄には以下の3つの種類があります。いずれか1つに加入することはもちろん、3つすべてに加入することも可能です。それでは、見ていきましょう。
財形在宅貯蓄
1つめは財形在宅貯蓄。マイホームの購入費用やリフォーム費用など、住宅に関する資金を貯蓄していきます。
加入できるのは55歳未満の勤労者で、最低5年以上の積み立てが必要です。また、貯蓄の残高が550万円以内までは、非課税という嬉しい特典もあります。
財形年金貯蓄
財形貯蓄の中でも、老後資金の準備にもっとも適しているのが財形年金貯蓄です。
安心して老後を暮らしていけるように年金を貯蓄していく制度で、財形在宅貯蓄と同じく55歳未満の勤労者が加入できます。受け取り期間は60歳から5年以上、20年以内という定めがあります。
また、こちらも財形在宅貯蓄と同様に550万円までは非課税になります。財形在宅貯蓄と合算することが可能で、その場合でも550万円まで非課税対象になるので覚えておいてください。
一般財形貯蓄
最後に一般財形貯蓄です。
先にご紹介してきた2つは住宅関連の資金だったり年金だったりと、なにかしらを目的とした貯蓄制度でした。対して一般財形貯蓄は、特に目的がなく、自由に使えるという点、そして先の2つのように55歳未満といった年齢制限がないという点が特徴。
加入後は、3年以上積み立てる必要がありますが、1年後には自由に引き出せるようになります。これだけ聞くと、ほかの2つよりも利用しやすい制度だと思われがちですが、本制度は非課税ではないという注意点があります。
しっかりと税金が発生するのを忘れないようにしてください。また、財形在宅貯蓄や財形年金貯蓄と合わせて加入することができますが、その場合でも税金が発生するので注意が必要です。
老後まで20年余り。選択肢の1つとして
老後までの約20年間は、人によって短く感じたり長く感じたりするかもしれません。ただ、老後資金を貯めるには十分な時間なのではないでしょうか。
ご紹介してきた3つの財形貯蓄制度は、いずれも中長期的に貯蓄する方法として優れています。その中でも、自分に合った制度への加入を選択肢の1つとして考えてみるのをおススメします。
まとめ
40代になると、意識しはじめるのが老後のこと。40代のうちからしっかりと老後資金の準備をしておくことで、安心して老後の生活を送ることができるようになります。
貯金をする簡単な方法は支出を減らすこと。しかし、それがなかなか難しいという方も多いと思います。先取り貯金を自動的かつ確実にできる財形貯蓄への加入を検討してみてはいかがでしょうか。