中高年の抱える悩みとは?|現代社会のミドルシニア

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中高年の抱える悩みとは?|現代社会のミドルシニア

出逢いの数だけ別れがある―。 私たちの人生は、多くの出逢いと別れが繰り返されます。歳を取れば、出会いより別れが多くなるもの。今回は、中高年で悩み始める老後の不安の一つ、孤独についてお送りいたします。

この記事の目次

    一人で食べる高価なご飯より、誰かと食べる温かいご飯

    街に出れば、一人焼肉、一人カラオケ、一人テーマパークなど...あらゆることが一人でできるようになっている現代。

    今では、結婚せずに一生独身を貫く人も少なくありませんし、結婚制度を使わずに事実婚としてパートナーと一緒に過ごすという新しい選択肢も増えてきました。

    何でも一人で完結できてしまうからこそ、ふと気づくと誰とも話さず一日中、インターネットでコミュニケーションを図っているという現実があります。

    あれ...なんか侘しい・・・。
    これは、コロナ禍で私が実際に思ったことです。
    誰とも会わず、誰とも会話せず、パソコンと向き合い、テレビで映画を観て、宅配でご飯を頼み、お風呂に入って音楽を聴きながら就寝する―。

    効率的に生きられているのにも関わらず、気が付けば自分の声を聞くことなく、一日が終わってしまっていて、何だかもやもやした気持ちになりました。このような日が一か月のうち、数日ならいいのですが、結婚もしていない私は将来、こんな日々が毎日続くかもしれないと思い、ゾッとしました。

    そんな中、中高年たちの間で流行っているのが"シニア婚活"です。これまで若者のものと考えられていた街コンやお見合いパーティーが今、シニアの中で"アツい"ものになっているのだとか。

    参加する人の中にはこれまで独身だった人も、配偶者に先立たれ、新たなパートナーを探す人もいらっしゃるのだそうです。
    専用のサイトやHPもあり、申し込めば、誰でも簡単に参加できるようになっています。

    ここで面白いのは、20代中心の婚活パーティーでは男性の方が高い参加費を払うことが多いのに、50代・60代が中心となる婚活においては女性の方が高い料金設定にされていることが多いのです。
    これは日本の男女での寿命と求める相手像が大きく関わっているといいます。

    シニア婚活を行う男性は相手に「人生の充実」を求める傾向にあり、一方女性は「経済的な不安を取り除きたい」という意見が多いのだそうです。希望する相手の年齢について、50代男性では下限の年齢として30代を挙げた人が最も多くおよそ4割となり、20代も候補にしたいとの回答は2割だといいます。

    さらに、40代以下の年齢を上限とする人はおよそ5割に上り、男性はいつの時代もいくつになっても若い女性を好むことがわかったのです。

    このように、男性が求める女性像は年下が多いことや、日本では女性の方が平均寿命が高いことからシニア女性の参加費が割高になっているというのです。

    現在、65歳以上で結婚する人は1990年以降、4倍にも増加したといいますから、シニア婚活がいかに活発であるか、わかっていただけると思います。

    昔より寿命が増えた分、一度っきりの人生を理解あるパートナーと歩みたいという人が増えています。確かに、一人で食べる高級な食事より誰かと食べる温かいご飯の方が何倍も美味しく感じるのは、感情を伴う私たち人間の性かもしれませんね。

    孤独に付け入るトラブルも...

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    シニア婚活が活発になるにつれて、トラブルも多く発生しているといいます。

    例えば、男性が遭う被害としてはシニア婚活で出会った女性から高価なプレゼントを要求されたり、僅かな期間しか婚姻関係でいないのにも関わらず、すぐに離婚したいと言われ、高額な慰謝料を請求されたりするようなケースです。
    また、女性であれば交際の意志がなかったのに、相手からしつこく迫られるというものです。

    このようなトラブルを防ぐためには、お付き合いを急がず、じっくり行っていくのが大切になってきます。また、相手と自分が求めているものがきちんと一致しているかを見極めることも必要になってくるでしょう。

    寂しいからと言って性急に相手を決めてしまわないようにすることがシニア婚活では重要になってきます。

    誰もが一人で生きる不安を抱えている

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    年代に関わらず、不安な気持ちを抱えながら生きている人は多く、厚生労働省が2019年に行った「国民生活基礎調査」では、調査対象となった12歳以上の人のうち約半数が「日常生活に悩みやストレスがある」と回答しています。

    特に男女ともに30代~50代で「日常生活に悩みやストレスがある」と回答した人の割合が高く、男性では約5割、女性では約6割に上っています。その中で孤独が不安の一種になっているのです。

    また、2018年『New York Post』に掲載された〈200万人のフォロワーがいるけど友達はいない〉という見出しが話題となりました。この記事で20代の男性はSNSでのフォロワー数は増えている一方で、実生活での友人は急激に減り、自己肯定感も下がった、といいます。

    多くの人と繋がっているようで繋がれていないのが、SNSをコミュニケーションの主流においた、現代なのかもしれません。そんな不安の多い社会において関係性を密に取れる相手を私たちは探しているのかもしれません。

    若者ですらそうであるので配偶者を亡くし、友人が徐々に少なくなってしまう高齢者になれば尚のことです。
    シニア婚活が流行る理由もまさにここにあるのではないでしょうか。

    参考:「2019年 国民生活基礎調査の概況 悩みやストレスの状況」

    まとめ

    「一人で生きるのは寂しい」と思うことは何も恥ずかしいことではありません。

    まずは自分の中にある孤独を認め、自分らしく生きるためにシニア婚活などを活用して、出会いを広げようと行動することも、幸せな生き方に繋がるのではないでしょうか。

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