申請すれば受給できる「加給年金」とは?もらえる条件や、申請方法を解説!

  • ちょっと得する知識
申請すれば受給できる「加給年金」とは?もらえる条件や、申請方法を解説!

申請をすればもらえる加給年金。実は制度を知らずに受給できておらず、損をしている方も多いと言われています。そんな加給年金について、適用条件から手続きの流れまで詳しく解説します。

この記事の目次

    加給年金とは、老齢厚生年金に追加される年金のこと

    加給年金とは、厚生年金の被保険者が65歳に達した際、配偶者や子どもなどを扶養している場合に老齢厚生年金に追加される年金のことです。

    65歳を迎え定年に達しても、扶養している親族がいる場合には扶養家族の生活費等の経済的負担が大きいことから、扶養手当の役割を担う加給年金が設けられました。ただし、受給するためには一定の条件が必要となり、配偶者や子どもを扶養しているからといっても必ず受け取れるものではありません。

    また、加給年金の受給対象は主に、厚生年金の受給資格がある会社員や公務員となります。自営業者やフリーランスなどの厚生年金への加入資格がない人でも、過去に厚生年金加入期間が条件を満たす場合には加給年金の対象となりますので、予めご自身が対象であるかを確認しておく必要があります。

    厚生労働省の人口動態統計によると、初婚夫婦の年齢差割合は夫が年上の場合がおよそ55%、妻が年上の場合はおよそ25%、そして同い年の夫婦は約20%といいます。つまり、歳の差がある夫婦が大半となっている現在、扶養する側が先に定年を迎えることは当たり前になってきているとも言えます。

    加給年金の受給額は、配偶者の生年月日によって計算されます。年齢が若くなるにつれて減額される仕組みが取られており、子どもの場合は2人目までは年間約23万円、3人目からは年間約8万円が支給されるとのこと。

    65歳で定年退職をする方にとって扶養する家族がいることは、今後の生活に一抹の不安を抱えてしまうことにもなりかねません。そのような場合、加給年金は家計の強い味方となってくれる制度と言えます。

    データ元:日本年金機構「加給年金額と振替加算」、e-Stat「人口動態調査」

    加給年金の条件とは?

    pixta_71859558_M (1).jpg

    では、続いて加給年金の具体的な受給条件をみていきましょう。

    日本年金機構によれば、加給年金は"厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方が65歳到達時点で、その方に生計を維持されている配偶者または子がいるときに加算される"との説明があり、加給年金の判定のタイミングは在職時の改定時点や退職時の改定時点となります。

    加給年金が加算される受給条件は以下の通りです。

    ・厚生年金の加入期間が20年以上、または共済組合等の加入期間を除いた厚生年金の加入期間が40歳以降に15年から19年以上ある
    ・厚生年金の受給者が65歳になるか、あるいは定額部分支給が始まる時点で、配偶者や子どもがいる

    さらに、加給年金の対象となる配偶者や子どもにも以下の条件があります。

    ・被保険者が生計を維持している配偶者で、65歳未満
    ・被保険者が生計を維持している18歳到達年度の末日までの子ども、または20歳未満かつ1級・2級の障害がある子

    この加給年金の対象には戸籍上の配偶者だけでなく、事実婚のパートナーも含まれます。なお、配偶者や子どもに一定以上の所得があると、加給年金の対象から外れてしまうので注意が必要です。


    「生計を維持している」とは?

    受給条件となっている「生計を維持している」とは、一般的には共に暮らしていることが求められます。さらに、別居の場合でも仕送りを行っていたり、健康保険の扶養親族であったりすれば「生計を維持している」と認められます。

    60代活躍中の求人を探す

    加給年金の手続きはどこで行えばいい?

    条件を満たせば加給年金の受給ができることがわかりました。では、手続きはどのように進めたらいいのでしょうか。

    加給年金は条件を満たしていれば自動的に加算されるものではなく、申請手続きが必要となります。対象者であるにも関わらず、申請を怠ってしまったが故に、加給年金を受給できない場合もありますので注意しておきましょう。

    申請には以下の必要な書類があります。慌てないためにも、事前に準備しておくようにしましょう。

    ・年金請求書(国民年金・厚生年金保険 老齢給付)
    受給開始年齢到達の約3カ月前に日本年金機構から郵送で送られます。また、日本年金機構の公式ホームページから印刷することも可能です。

    ・厚生年金受給者の戸籍謄本(記載事項証明書)
    年金の受給者と、対象となる配偶者や子どもとの関係を証明するための書類です。

    ・世帯全員分の住民票の写し
    年金の受給者と、対象となる配偶者や子どもの生計が同じかどうかを確認するための書類です。

    ・対象となる配偶者、子どもの所得を証明する書類(所得証明書、非課税証明書)
    加給年金の支給対象となる配偶者や子どもが、厚生年金受給者により生活を経済的に支えられていることを確認するための書類です。

    そして、上記の書類を準備した後は最寄りの年金事務所か年金相談センターに提出します。「加給年金」について疑問や相談がある方は、最寄りの年金事務所や年金の相談窓口である「ねんきんダイヤル」(0570-05-1165)に問い合わせてみるのもおすすめです。


    手続きを忘れてしまったら?

    加給年金は、手続きをしなければ受け取ることができません。もし、手続きを忘れてしまっても5年前までは遡って請求することができます。しかし、5年以上が経過してしまうとそれもできなくなるので注意が必要となります。

    データ元:日本年金機構「電話での年金相談窓口」

    加給年金の支給が停止する場合とは?

    pixta_80959319_M (1).jpg

    これまでは申請の仕方や受給条件に触れてきました。では、いざ受給が始まった後に受給対象から外れた場合はどうなるのでしょうか。

    加給年金は、該当する配偶者や子どもが条件を満たさなくなると、支給が停止されます。主な支給停止条件は以下の通りです。

    ・子どもが18歳に達した年度の末日を迎えた場合
    ・「生計を維持」の条件を満たさなくなった場合
    ・配偶者が老齢厚生年金(または退職共済年金)の受給権が生じた場合
    ・配偶者が障害年金を受給している場合

    加給年金が終了する際には、必要な手続きがある場合もあります。「もしかして加給年金の対象から外れるのでは?」と思った方は一度、年金ダイヤルや最寄りの年金事務所への問い合わせを検討してみましょう。

    加給年金の注意点とは?

    申請をしっかりすれば受け取れる、加給年金。では、受け取る際にはどのような注意点があるのでしょうか。

    繰り下げ受給をした場合は受け取れない

    年金の繰り下げ受給をした場合は、繰り下げた期間の加給年金は受取れなくなります。老齢年金は、受給を繰り下げることによって繰り下げた期間に応じて年金を増額して受け取ることができます。しかし、加給年金は増額の対象になっていません。繰り下げた期間の加給年金を、後から受取ることはできないことを覚えておきましょう。

    厚生年金が全額支給停止の場合

    厚生年金が全額支給停止となる場合は加給年金も受取れません。厚生年金保険に加入しながら年金を受給する場合、賃金と年金額に応じて在職老齢年金の一部または全部が支給停止される場合があります。厚生年金が全額支給停止となる場合には、加給年金も受取れなくなりますので注意が必要です。

    加給年金額対象者が亡くなったときや離婚したとき

    加給年金額対象者の方が亡くなったとき又は離婚したときは、翌月から加給年金額は加算されず、届出が必要となります。また、届出が遅れると支払い過多となった年金額を後日返還しなければならなくなりますので、注意しておきましょう。

    まとめ

    65歳を過ぎても扶養親族がいる場合に受給ができる、加給年金。扶養家族がいれば自動で受給できるわけではないため、支給条件を確認し対象となる方は忘れずに申請をしましょう。

    マイナビミドルシニアに会員登録(無料) マイナビミドルシニアに会員登録(無料)

    関連記事

    中高年にお金に関する調査!経済的なゆとりは?年金で生活できる?定年後におすすめの仕事も紹介 物価高で老後2000万円から4000万円問題に?生活苦にならないための理想の支出割合とは 65歳になっても年金が受け取れない?年金をもらえる条件や受け取る方法をご紹介

    記事をシェアする

    • Twitter
    • Facebook
    • Line

    あなたへのオススメ記事

    住民税は都会に住むほど高い?計算方法や住民税の負担を抑える控除・制度も紹介

    住民税は都会に住むほど高い?計算方法や住民税の負担を抑える控除・制度も紹介

    年末調整や確定申告をすると気になるのが、自分が納税する所得税や住民税の金額です。支払う税金の中でも、「住民税は都会の方が高い」というイメージを持っている人も多いでしょう。今回は、住民税の基本から、地域によって変わる住民税率、住民税を抑える控除や制度などを解説します。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年3月13日
    奨学金の返済を親がすると贈与になる?生活費・住宅資金などその他贈与に関するよくある疑問を解説

    奨学金の返済を親がすると贈与になる?生活費・住宅資金などその他贈与に関するよくある疑問を解説

    今では大学や専門学校などに通う人の2人に1人が、奨学金を利用しており、奨学金の利用はめずらしいものではありません。奨学金の返済方法は自分で毎月返したり、繰り上げ返済を利用していたりと人によってさまざまです。なかには、親が一括で返済をするケースもありますが、その場合は贈与税の支払いが必要になることを知らない人も多いでしょう。今回は贈与税に当たる対象や、非課税で親が返済する方法などを紹介します。奨学金を利用している人、一括返済を検討している人はぜひ最後までお読みください。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年3月 9日
    介護保険サービス費用は医療費控除の対象になる?確定申告で損しないためのポイント

    介護保険サービス費用は医療費控除の対象になる?確定申告で損しないためのポイント

    訪問看護やデイケアなど、医療系サービスを含む介護保険サービスのなかには、医療費控除の対象となるものがあります。適切な手続きをし、医療費控除を受けられれば、経済的な負担の軽減につながります。そこで今回では、医療費控除の対象になる具体的な介護サービスの種類や条件などを紹介します。合わせて見落としやすい対象外の費用も解説しますので、介護保険サービスを利用している人、これから利用を始めようと検討している人は、ぜひご一読ください。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年3月 5日
    【2026年4月以降】年金が変わる!65歳以上で年金に上乗せでもらえる制度も紹介

    【2026年4月以降】年金が変わる!65歳以上で年金に上乗せでもらえる制度も紹介

    2025年に年金制度改正法が成立し、2026年4月以降、年金制度を中心とするさまざまな制度が段階的に変わる予定です。しかし、どのように変わるのか、どのような影響があるのか知らない人も多いでしょう。今回は年金制度改正法によって変わる部分、65歳以降でも年金に上乗せができる方法を紹介。あわせて、65歳までに上乗せをする方法も解説しますので、これから年金受給を控えている人も、ぜひ最後までお読みください。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年3月 3日
    年収178万円の壁とは?引き上げはいつから?仕組みや対象者などをご紹介

    年収178万円の壁とは?引き上げはいつから?仕組みや対象者などをご紹介

    2025年12月18日に、年収の壁は「178万円の壁」への引き上げで正式合意に至りました。今回の決定はなんとなくメリットがありそうだけれど、どういった内容なのかわからないという方は多いでしょう。今回は年収の壁の基本から、178万円に引き上げられた背景などについて解説します。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年2月18日
    【2026最新】確定申告の変更点まとめ!注意すべき変更点は?

    【2026最新】確定申告の変更点まとめ!注意すべき変更点は?

    毎年少しずつ内容の変更が行われる確定申告は、2026年も内容が変更となっています。今回は2026年の確定申告で変更される内容から、確定申告をした方がいい人、注意点などを紹介します。直前で慌てないためにも、どのような影響があるのか、自分は対象となっていないか気になる人は、ぜひご一読ください。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年2月16日

    おすすめ・シリーズ記事

    人気記事ランキング

    おすすめの求人はこちら

    活躍中の年代から探す
    雇用形態から探す
    募集条件から探す
    働き方から探す
    福利厚生から探す
    職種から探す
    マイナビミドルシニアに会員登録(無料) マイナビミドルシニアに会員登録(無料)