パートの退職届。辞めたいと思ったら、必ず準備すべきこと【社労士監修】
- 転職・退職ノウハウ
- 公開日:2018年10月10日
楽しく働いていたパートでも、体力的な理由や、家庭の理由など、さまざまな理由から退職を考える人は少なくのではないでしょうか。でも、いざ辞めるとなると、わからないことだらけ。そこで、必要な手続きから退職届の書き方まで、詳しく解説します!
この記事の目次
本当に必要なの? パートの退職届
ある日突然、退職したいと思ったら――。
もしも皆さんが「パート辞めたいな」と思ったら、すぐに周囲に伝えるのではなく、まずは「円満に退職するために何をすればいいのだろう」と考えてみましょう。これまで会社の戦力として働いてきたあなたが予告もせず突然辞めてしまったら、雇用している会社はもちろん、職場の上司や仲間だって困ってしまいます。
通常、パートを辞めたいと思ったら、「退職願」や「退職届」を会社に提出します。「正社員じゃないのに必要なの?」と思ったみなさん。退職の意思を伝えるのは、正社員もパートも同じなんです。「立つ鳥跡を濁さず」という言葉もありますし、必要な手順をしっかり踏んでいきましょう。
「口頭ではだめなの?」と思った方。口頭による退職意思の表示も法的効力を持つのですが、文章などの証拠が残らないため「言った、言わない」ということになりかねません。トラブルを避けるためにも、書類を提出することをオススメします。
退職願と退職届、どこがどう違うの?
「退職願と退職届、どんな違いがあるの?」と思ったあなた! 実はこの二つの書類、どちらも退職の申し出をする書類ではありますが、似て非なるものなんです。退職願は文字通り、会社に退職を願い出る書類。会社側が退職願を了承して初めて、退職することができます。そして、会社側には退職の申し出を撤回することができます。
対して、退職届は「退職します」と会社に知らせるもの。パートからの一方的な通知になりますが、会社側は退職届を撤回することができません。退職の意思が強い場合は、「退職届」を書くことをオススメします。しかし、退職届をいきなり提出するのは考えものです。
会社が辞めさせてくれない時の対処法
退職の意思を伝えても、会社から引き留められてしまうこともあります。特に退職願の場合、「退職願を提出したのに、却下されてしまった!」といった事態も考えられます。しかし、労働者には退職をする権利があると法律で定められています。何度話し合いを重ねても「辞めさせてくれない」といった場合には、退職の意思を撤回できない「退職届」を提出しましょう。
パートが退職するまでの流れ
ここからは、パートの皆さんが退職を決めてから実際に退職するまでの流れをご紹介します。
[雇用期間満了の日付を意識する]
パートの場合、雇用期間を定めて働き。満了の度に契約を更新してきた方が多いと思います。退職を考えているのなら、早めに動くことが大切。のんびり構えてきたらあっという間に契約満了日を迎えてしまった」といったことのないよう、契約満了の時期を意識して退職の準備を始めましょう。
[退職届を提出するまで]
まずは退職願を出して上司に相談し、退職の時期などの話し合いが済んでから退職届を書く方法が一般的ですし、トラブルもなくスムーズな辞め方ができます。就業規則に書かれている「退職の意思を伝える時期」を確認して、上司に退職願を提出しましょう。
法律上は2週間前に通知すれば良いのですが、繁忙期など時期によっては悪い印象を抱かれてしまうかもしれません。まずは就業規則をチェックし、「1か月前まで」と書かれていたら、少しゆとりをみて1か月半~2か月前に伝えた方が良いでしょう。上司から内諾が得られたら、退職届を提出します。
[退職届の出し方]
退職届の提出は、手渡しが一般的です。「どうしても会社が辞めさせてくれない。退職届を受け取ってくれない」という場合は、郵送という方法も有りです。この場合は白色の二重封筒を用意し、書類を三つ折りにして封筒に入れて投函しましょう。
「退職の意思を伝えたことから会社との関係がこじれてしまった」という場合は、退職届を郵送しても「届いていない」と返答されてしまうこともかんがえられます。この場合は、内容証明郵便で送ることを検討してみましょう。
テンプレートを参考に、退職届を書いてみよう!
では、いよいよ退職届を書く準備を始めましょう。用紙のサイズや使用するペン、そして書き方などルールがあるので、以下のテンプレートを参考にまとめてみましょう。自己流はトラブルのもとになるので避けましょう。
使用する用紙
A4もしくはB5の白い用紙を使いましょう。無地が一般的ですが、けい線が入っているものでも問題ありません。
使用するペン
退職届は正式な書類ですから、黒のボールペンもしくは万年筆を使います。消せるボールペンは避けましょう。シャープペンシルもNGです。
[退職届のテンプレート]
退職願を書く場合も、退職届と同様の書式です。冒頭に「退職願」と書きましょう。退職届との違いは、「一身上の都合により、平成○年○月○日をもって」に続く文章。「退職いたします。」ではなく、「退職致したく、ここにお願い申し上げます。」と書きましょう。
まとめ:円満退職なら、辞める人も雇っていた会社もみんな笑顔に!
長くパートの仕事をしていると、上司やパート仲間、関連会社の人など、さまざまな"知り合い"ができたことと思います。「あの人にすごくお世話になったな」「大変だったけれど、今思うと良い経験だったな」「去年の繁忙期、みんなで乗り越えたんだよな」といった思い出がよみがえってきた方もいらっしゃると思います。
仕事もプライベートも"一期一会"です。いろいろな人と関わり、人との関わりの中でたくさんの"何か"を得ることができます。退職をする理由を誠実に伝えて、円満退職を目指しましょう。そして、できることなら、これまでお世話になった人に感謝の気持ちを伝えてください。もしかしたら、退職後もご縁が続く人がいるかもしれません。
参考記事
正社員向け 退職の作法
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