パートの仕事を突然解雇! 退職金や失業手当ってもらえるの?【社労士監修】

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パートの仕事を突然解雇! 退職金や失業手当ってもらえるの?【社労士監修】

せっかく良い条件の職場で働いていたのに、突然「解雇」を告げられた!!――想像したくもないことですが、決してあり得ないことではありません。「備えあれば憂いなし」ということわざもありますし、万が一のことを考えて、適切な対応を行えるように準備しておきましょう。

この記事の目次

    正当な理由がない限り、パートを解雇するのは違法になる!

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    まずは、解雇の定義を理解しよう

    パートやアルバイト、正社員などの従業員は、企業と労働契約を交わした上で働きます。解雇とは、企業がこの「労働契約」を一方的に解約することを意味します。従業員が自分の意思で退職する権利があるように、企業も従業員に解雇を告げることができるのです。

    解雇には、「懲戒解雇」「諭旨解雇」「整理解雇」「普通解雇」の4種類があります。

    懲戒解雇

    「懲戒解雇」とは、重大な違反行為を行ったり、企業の秩序を大きく乱した従業員に対して告げる解雇のこと。仕事とは直接関係のない私生活であっても、会社の信用を大きく損ねるような行為があれば、懲戒解雇を行うケースもあります。

    諭旨解雇(ゆしかいこ)

    懲戒解雇にあたる行為をした従業員であっても、「情状酌量の余地がある」と判断された場合、企業は「諭旨解雇」を告げます。懲戒解雇よりも処分の内容が軽く、企業が処分を決めることが一般的ですが、企業と従業員の話し合いが行われることもあります。通常は、従業員が自ら退職を願い出たとして取り扱うことが多いです。

    普通解雇

    「普通解雇」は、「懲戒解雇」「諭旨解雇」「整理解雇」に当てはまらない解雇の総称です。たとえば、「業務スキルが圧倒的に不足している」「長期間、欠勤している」「心身の故障により働ける状態にない」など。企業は「就業規則に定めた解雇事由に該当する」として、解雇を告げます。

    整理解雇

    いわゆる「リストラ」はこの「整理解雇」に該当します。企業が「事業がうまくいかず、企業を存続するためには、どうしても従業員を解雇しなければならない」と経営上の理由から告げる解雇のことです。整理解雇を行うためには、基本的に以下の4要件を満たす必要があります。

    1.整理解雇が本当に必要なほど危機的な状況か
    2.整理解雇を避けるために十分な努力を行ったか
    3.解雇対象者を公平かつ合理的に選んだか
    4.説明や話し合いなど、労働者の納得を得るための手順を踏んだか

    パートを解雇する場合、30日前の解雇予告が必須!

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    では、パートやアルバイトへの解雇通知は、退職日の何日前に通知されるのでしょうか。

    企業が解雇を告げる時期は「解雇予告」といって、労働法によって「少なくとも30日以上前に解雇の予告(通告)をすること」と定められています。30日前に解雇予告を行わなかった場合、企業は解雇予告を行った従業員に対して、30日から解雇予告の日までに足りない日数分の平均賃金を支払う義務が生まれます。例として、即日解雇なら30日分、10日後に解雇なら20日分です。これを「解雇予告手当」と言います。なお、「2か月以内の期間雇用者」や「試用期間中の者(ただし入社日から14日以内)の場合は、解雇予告は不要です。

    解雇の告げ方は2種類あり、一つは口頭での通達です。しかし口頭の場合、記録が残らないため、トラブルに発展しかねません。そこで多くの場合、企業は解雇理由や解雇日などを記載した「解雇予告通知書」を解雇する従業員に渡します。もしも口頭で解雇を告げられた場合は、企業に解雇通知書を作成してもらうことをオススメします。

    正当な解雇理由って?

    「アルバイトで働いていたけれど、解雇を告げられた。解雇理由に納得がいかない!」「パートとして頑張ってきたのに、いきなりクビなんてひどい」「パートを簡単にクビにするなんて、不当解雇じゃないの?」――解雇は企業が従業員に一方的に通知するものですから、告げられる側としては、納得のいかないこともあるでしょう。そこで、「正当な解雇理由」について説明しましょう。

    企業のお金を着服したり、他の従業員に怪我をさせた場合

    これは、社内において刑法犯に相当する行為を行ったとして、懲戒解雇となる可能性が高いです。

    無断欠勤の場合

    また、長期間にわたり無断欠勤が続き、何度も出勤するよう連絡をしても、従業員に正当な理由がなく出勤してこないようであれば、懲戒解雇が認められる可能性があります。

    従業員がセクハラやパワハラをした場合

    セクハラやパワハラを行った行為が認められ、該当する従業員に指導したうえでも改善しない場合は、懲戒解雇が認められる可能性が高くなります。

    副業を行った場合

    副業により業務に支障をきたしている場合や、競合する会社の仕事を行っている場合、会社の秘密を漏洩していたりする場合など、会社に損害を与えていたりする場合、その可能性が高い場合は、懲戒解雇が認められる可能性があります。

    パートで解雇された場合、退職金はもらえるの?

    では、いよいよ本題です。パートが解雇されたら、退職金はもらえるのでしょうか?

    「そもそもパートに退職金なんて存在するの?」という声も聞こえてきそうですが、わずかながらパート・アルバイトへも退職金を支給している企業は存在しています。

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    まずは就業規則を再度確認しよう

    退職金とは、退職時に支払われる手当のこと。企業がパートタイム労働者に適用される就業規則に「退職金の支給」を記載していれば、パートであっても退職金を受け取ることができます。

    しかし、就業規則に「退職金の不支給条項」が記載されている場合、その不支給になる理由に該当したとき退職金は支給されません。例えば「懲戒解雇された従業員は不支給」という文言があり、懲戒解雇された場合は、退職金を全額を受け取ることができないのです。その際に全額不支給となるか、何割かの減額になるかは、懲戒解雇された理由によることになります。

    そのため、まずはパートタイム労働者に適用される就業規則を再度読んで、退職金を受け取る権利があるかどうかを確認しましょう。

    懲戒解雇の場合、退職金を受け取れないケースも!

    たとえ就業規則に退職金の支給が定められていても、退職金を受け取れないこともあります。懲戒解雇の場合、明らかに反社会的な行為を行ったと証明できれば、「退職金不支給」と認められる可能性が高くなります。

    パートで解雇されたら、失業手当はもらえるの?

    最後に、失業手当について説明しましょう。パートが解雇されたら、失業手当はもらえるのでしょうか。

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    雇用保険加入が前提条件

    当然のことですが、失業手当を受け取るには、雇用保険への加入が必須です。「パートなのに雇用保険に入れるの?」という疑問を持つ方もいるかもしれませんが大丈夫。

    ・31日以上雇用されることが見込まれていること
    ・一週間の所定労働時間が20時間以上であること

    上記2つが満たされていれば、事業主には雇用保険への加入手続きを行わなければならないのです。そのため、一定の基準に該当すれば、雇用保険に加入することができます。

    解雇の場合、加入期間が6か月以上あれば受給対象に


    雇用保険に加入しているパートが失業手当を受け取るには、どのような条件を満たす必要があるのでしょうか。まず、失業手当を受給するためには、就職する意思と能力があり、ハローワークなどに通って積極的に転職活動を行っていることが大前提です。

    労働者の申し入れで退職する「自己都合退職」の場合、退職するまでの2年間に、雇用保険の加入期間が通算で12か月以上あれば受給資格を得られます。

    懲戒解雇を除く解雇は会社理由の退職と判断され、「特定受給資格者」となります。受給条件は、6か月以上の加入期間があること。なお、月に11日以上勤務で「1か月」とカウントされるため、10日以下の月が含まれていると受給条件を満たさなくなってしまう点に注意しましょう。

    特定受給資格者として失業手当を受けるには、解雇予告通知書が必要

    会社都合で退職する「特定受給資格者」は、ハローワークに離職票を提出した7日後には失業給付金が支給され、さらに自己都合退職よりも長い期間給付を受け取ることができます。

    解雇により退職し、「特定受給資格者」として失業手当を受給する際には、解雇予告通知書などの提出が求められます。上で説明したように、会社から解雇通知を口頭で受けた人は、必ず解雇予告通知書をもらっておきましょう。

    雇用保険の具体的な手続きについて

    「特定受給資格者」の失業手当給付日数について

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