パートの所得税と住民税を詳しく解説!

  • ちょっと得する知識
パートの所得税と住民税を詳しく解説!

正社員として働いていたときは、あらかじめ天引きされていた「所得税」「住民税」。でも結婚して主婦となり、パートとして勤務する場合はどうなるのでしょうか? パートで得た収入に税金はどうかかってくるのか、その仕組みについて解説します。

この記事の目次

    パートの収入、税金はどうかかる?

    正社員とは異なり、パートで働いているときにはなかなか意識しにくい税金。そのため、パートで働いている人の中には、「パート収入には所得税や住民税などはかからないのでは?」と思っている人もいるかもしれません。そんな方のために、パートの収入と、所得税・住民税の関係をまとめました。

    所得税について知っておこう!

    所得税_仕組み.jpg

    所得税とは、個人の所得に対して課税される税金のこと。パートで得た所得にも、この所得税は課税されます。パートでも、「所得税」が天引きされている場合もあるので、給与明細が手元にあれば、ぜひチェックしてみてください。

    ただし、パートで働くすべての人に所得税がかかるというわけではありません。パートで得る収入は、通常「給与所得」です。給与所得の金額は、年収から給与所得控除額を差し引いた残額のこと。

    給与所得控除額は最低65万円なので、パートの収入金額が合計103万円以下(65万円プラス所得税の基礎控除額38万円)であれば、所得税はかかりません。

    配偶者控除が受けられる条件

    所得税_配偶者控除.jpg
    「配偶者控除」とは、対象となる配偶者(妻)がいる場合、世帯主(夫)が一定金額の所得控除が受けられる制度のこと。これまで、配偶者控除を受けられる条件を満たしていれば、世帯主の所得控除額は38万円となっていましたが、2018年の改正後には所得金額によって控除される額が変わりました。

    所得合計が900万円以下なら38万円、900万円を超え950万円以下の場合は26万円、950万円を超え1,000万円以下の場合は13万円となり、1,000万円を超える場合は控除はされません。

    配偶者控除を受けるためには、いくつかの条件があります。妻のパートの収入が103万円以下であれば、夫は所得税の配偶者控除を受けることができます。

    つまり、妻の収入がパート収入だけで、その収入が103万円以下であれば、給与所得控除額の65万円を差し引くと所得金額は38万円以下となるため、配偶者控除が受けることができるという仕組みです。

    控除対象配偶者となる人の範囲

    配偶者特別控除が受けられる条件

    2018年からは、配偶者特別控除も給与年収上限が141万円から201万円へ拡大されました。

    この控除は、103万円を超える収入があり、配偶者控除の適用が受けられなくても、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる制度によるもの。

    パート収入が増え、もしも扶養を抜けることなった場合でも、いきなり税金の負担が増えたら大変ですよね。そうならないよう、緩やかに税額が増えるように工夫されているのです。

    配偶者特別控除を受けるための要件

    収入によって変わる住民税とは?

    所得税と同様に、住民税にも「課税」「非課税」の壁があります。いくらを超えると課税となるのでしょうか。

    住民税は、都道府県に納める道府県民税(東京都は都民税)と、市町村に納める市町村民税(東京都は特別区民税)の2種類です。

    住民税_仕組み.jpg


    住民税の場合、給与所得控除は所得税と同様に65万円ですが、基礎控除は33万円です。

    住民税所得割の課税基準は、総所得金額が35万円(居住している地域によって変わる)を超えなかった場合は課税されないため、給与所得控除の65万円に、住民税所得割の課税基準35万円を足した100万円が、「課税・非課税の壁」となります。

    さらに、所得割とは別に、均等割もかかります。基本的には一律で「県民税(都民税)1,000円+市町村民税(特別区民税)3,000円=4,000円」ですが、平成26年課税分より(平成35年まで)、災害からの復興の理念に基づいた防災のための施策の財源として県民税・市民税各500円(合計1,000円)アップされています。

    ただし、自治体によっては標準課税金額ではない、独自の税額や税率を導入しているところもあります。

    この均等割にも非課税・課税の壁があり、年収93万円~年収100万円の範囲内(所得が28万円~35万円の範囲内)が非課税になるラインです。

    完全シミューレション。収入別所得税と住民税

    パートでもある一定以上の収入があると所得税・住民税を納付することはわかりましたが、具体的にどのくらいの納税額になるのでしょうか。年収75万円、103万円、150万円別にシミュレーションしてみましょう。

    <所得税と住民税の計算>

    所得税の計算
     課税所得の額によって税率や控除率が変わってきますが、今回シュミレーションするのはいずれも195万円未満となるため、税率5%で控除額0円での計算となります。

    住民税の計算
     所得割と均等割が非課税対象となります。2017年度の東京都品川区在住を基準として計算しています。

    年収75万_シミュレート_re.jpg

    <年収75万円の場合>

    ■所得税:0円
    所得195万円未満の場合、税率は5%で控除額は0円。
    年収103万円以下であれば、所得税はかからないので0円となります。

    ■住民税合計:0円/年(東京都民税0円、品川区民税0円)
    総所得金額10万円(75万円-給与所得控除65万円)-33万円(所得控除額)とマイナスになるため、課税されません。

    年収103万_シミュレート_re.jpg

    <年収103万円の場合>

    ■所得税:0円
    所得195万円未満の場合、税率は5%で控除額は0円。
    年収103万円以下であれば、所得税はかからないので0円となります。

    ■住民税合計:7,500円/年(東京都民税2,500円、品川区民税5,000円)
    総所得金額38万円(103万円-給与所得控除65万円)-33万円(所得控除額)=5万円(課税される金額)
    東京都民税2,500円/年(均等割年間1,500円と所得割年間1,000円の計)
    品川区民税5,000円/年(均等割年間3,500円と所得割年間1.500円の計)

    年収150万_シミュレート_re.jpg

    <年収150万円の場合>

    ■所得税:2万3,500円
    所得195万円未満の場合、税率は5%で控除額は0円です。
    年収103万円を超えたので、所得税が発生。150万から給与所得控除65万、基礎控除38万を引いた額(47万円)の5%。つまり2万3,500円となります。
    ※平成25年~平成49年までの間は復興特別所得税(所得税額×2.1%)が別途掛りますが、ここでは割愛して計算しています。

    ■住民税合計:5万4,500円/年(東京都民税2万1,300円、品川区民税3万3,200円)
    総所得金額85万円(150万円-給与所得控除65万円)-33万円(所得控除額)=52万円(課税される金額)
    東京都民税2万1,300円/年(均等割年間1,500円と所得割年間1万9,800円の計)
    品川区民税3万3,200円/年(均等割年間3,500円と所得割年間2万9,700円の計)

    年収75万円、年収103万円と比較すると、年収150万円で発生する住民税・所得税を合わせた税金は大きなもの。さらに社会保険料が発生することを考えると、「103万円の壁」を意識し、扶養の範囲で働こうと考える人が多いのも頷けますね。

    扶養調整可能な求人・転職情報

    こちらの記事も参考になります。
    「パートは扶養内で働くのが賢いの? 知っておきたい扶養の基本ルール」

    住民税をうまく調整する方法

    今年の働き方によって、翌年の納付額に影響が出る住民税。その仕組みや節税方法について解説します。

    住民税の金額は前年度の所得によって決まる

    「住民税」は、前年の1月~12月までの所得に対して決まった金額を、翌年の6月から納税します。

    そのため、前年度の所得が少なければ翌年に天引きされる住民税は少なく、反対に前年の収入が多ければ、翌年の住民税の金額は増える仕組みです。

    翌年、たとえ収入が少なくなったとしても、住民税の金額は前年度分が反映されているため、少ない収入の中で高い住民税を納税することになります。

    「とにかく稼ごう」と、所得税納税や社会保険料の負担を覚悟で扶養を抜けるのもいいのですが、翌年の住民税のこともしっかりと考えておくようにしましょう。

    pixta_36776808_M.png

    住民税を節税する方法

    住民税の額が高く、「もっと節税したい」と思う人もいるのではないでしょうか。そのような時にチェックしたいのが、「ふるさと納税」や「iDeCo」(イデコ:個人型確定拠出年金)などです。これらは節税対策が高いものとして、多くの人が活用している制度です。

    住民税の金額(所得割の部分)は、「所得控除」の金額によって増減します。「ふるさと納税」は、住民税の「税額控除額」として、iDeCoは、「小規模企業共済等掛金控除」という項目に反映され、翌年の住民税から税額が控除されます。なお、ふるさと納税で住民税の控除を受ける為には一定の条件のもとワンストップ特例制度を利用する事が出来ます。

    まとめ:今年の所得を計算しておくことが重要

    パートでも年収103万円以上だと発生する所得税と住民税。特に住民税は前年の所得の額によって、翌年の納付額が変わってくるので、余計にわかりにくく、戸惑うことも多いのではないでしょうか。仕組みを理解し、うまく働く時間や日程を調節して収入を計算しておきましょう。翌年の納付額に慌てることが少なくなるはずですよ!

    ※2019.02.19 内容に誤りがあったため該当箇所修正しています。
    マイナビミドルシニアに会員登録(無料) マイナビミドルシニアに会員登録(無料)

    関連記事

    どんな仕事が狙い目?子育てが一段落した女性の仕事探しについて 働くママが子供との時間で気をつけていることは? 女性の健康の秘訣は働くこと!?調査から見えた理想の働き方とは? 子育てしながらフルタイムで働くことは可能? 仕事と子育てを上手く両立させるコツ 女性によくある仕事と子育ての悩みと解消法

    記事をシェアする

    • Twitter
    • Facebook
    • Line

    あなたへのオススメ記事

    奨学金と教育ローンの違いは?どっちを選ぶ?特徴やメリット・デメリットを比較

    奨学金と教育ローンの違いは?どっちを選ぶ?特徴やメリット・デメリットを比較

    子どもの進学を控えたミドルシニア世代にとって、教育資金の準備は大きな課題のひとつです。物価上昇の影響もあり、奨学金や教育ローンの利用を検討する家庭も増えているが、「どちらを選べばよいのかわからない」という人も少なくありません。今回は、奨学金と教育ローンの仕組みや違い、それぞれのメリット・デメリットを解説します。合わせて、家庭の状況に応じた選び方や判断する際のポイントについてもご紹介していますので、奨学金と教育ローンの利用を検討している人は、ぜひご一読ください。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年10月22日
    休眠口座(休眠預金)とは?仕組みや古い通帳を見つけたらやるべき3つのこと

    休眠口座(休眠預金)とは?仕組みや古い通帳を見つけたらやるべき3つのこと

    実家の片付けや終活、遺品整理などをきっかけに、長年使っていない古い通帳が見つかることもあるでしょう。預金を引き出せるのか、どうしたらいいのかと迷っている人も多いはず。今回は一定期間取引がない「休眠預金」の仕組みや対象となる条件、預金がどうなるのかをご紹介します。古い通帳を見つけたときに確認・対応したい3つのことや、休眠口座になるのを防ぐ方法なども解説。休眠口座の対応に困っている人、休眠口座があるか知りたい人は、ぜひご一読ください。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年10月19日
    住民税非課税世帯とは?対象となる条件・年収目安、受けられる支援を紹介

    住民税非課税世帯とは?対象となる条件・年収目安、受けられる支援を紹介

    住民税非課税世帯とは、世帯全員が所得割・均等割ともに、住民税非課税となっている世帯のことです。対象となる基準は所得・家族構成・年齢などによって異なります。今回は住民税非課税世帯の仕組みや対象となる条件、年収の目安についてわかりやすく解説。あわせて、住民税非課税世帯が利用できる主な支援制度や優遇措置についてもご紹介しますので、自分も住民税が非課税になるか知りたい人はぜひご一読ください。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年10月16日
    厚生年金の受給に必要な最低加入期間は?10年未満だともらえないって本当?対処法も紹介

    厚生年金の受給に必要な最低加入期間は?10年未満だともらえないって本当?対処法も紹介

    厚生年金や国民年金は、一定の加入期間がなければ受け取ることができません。「加入期間が10年未満だと年金はもらえないの?」「あと少し足りない場合はどうすればいい?」と不安に感じている人もいるでしょう。この記事では、年金の受給資格期間の仕組みや確認方法、加入期間が10年未満の場合の対処法、年金額を増やす方法についてわかりやすく解説します。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年10月 9日
    主婦のダブルワークで扶養はどうなる?社会保険や税金の基礎知識

    主婦のダブルワークで扶養はどうなる?社会保険や税金の基礎知識

    子どもの進学や親の介護などで支出が増えやすいミドルシニア世代では、収入を増やすためにダブルワークを検討する人も少なくありません。しかし、働く時間や収入によっては社会保険や税金の取り扱いが変わるため注意が必要です。この記事では、主婦(主夫)がダブルワークをする際の社会保険の加入条件や税金の仕組み、扶養との関係、注意点についてわかりやすく解説します。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年9月30日
    物価高を救う?給付付き税額控除とは|いつから・いくら受け取れるのか仕組みを紹介

    物価高を救う?給付付き税額控除とは|いつから・いくら受け取れるのか仕組みを紹介

    物価高による家計負担の軽減策として、「給付付き税額控除」の導入が議論されています。給付付き税額控除は、税負担を軽くする仕組みと現金給付を組み合わせた制度で、中低所得者層への継続的な支援を目的としています。この記事では、制度の基本的な仕組みや導入が検討されている背景、想定されるメリット・デメリット、今後のスケジュールについてわかりやすく解説します。

    • ちょっと得する知識
    • 2026年9月 7日

    おすすめ・シリーズ記事

    人気記事ランキング

    おすすめの求人はこちら

    活躍中の年代から探す
    雇用形態から探す
    募集条件から探す
    働き方から探す
    福利厚生から探す
    職種から探す
    マイナビミドルシニアに会員登録(無料) マイナビミドルシニアに会員登録(無料)