扶養控除は税金を抑えられる裏ワザ?!知るだけでお得な節税対策

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扶養控除は税金を抑えられる裏ワザ?!知るだけでお得な節税対策

親や子どもを扶養することで控除を受けられる扶養控除。扶養控除を受けたい方の中には、「子どもは扶養に入る条件に当てはまるの?」「親を扶養に入れたいけど迷っている」という方もいるでしょう。本記事では、扶養控除の5つの要件をはじめ、節税対策で実施できること、具体的な節税効果をお伝えします。

この記事の目次

    扶養控除とは

    扶養控除とは取得控除の一種で、扶養控除対象の親族がいる場合に控除が受けられる制度です。控除額が多いほど、確定申告時の納税額を抑えられます。

    扶養控除と似た言葉で「配偶者控除」や「配偶者特別控除」がありますが、別の控除です。配偶者控除や配偶者特別控除は、要件を満たしている配偶者がいる場合にのみ適用されます。

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    扶養控除の5つの要件

    扶養控除は5つの要件を満たしていなければ受けられません。要件は以下の通りです。

    6親等の血族、3親等の姻族

    扶養控除の対象となるのは6親等の血族か、3親等の姻族です。

    血族とは
    自分(納税者)の親族のことを言います。父・母はもちろん、祖父・祖母、おじ・おば、いとこ、甥・姪なども含まれます。法律上血縁者である養子も血族です。

    姻族とは
    姻族とは配偶者の親族のことを言います。配偶者の父母や兄弟、その子供、おじ・おば、などが含まれます。

    同じ生計

    同じ生計である6親等の血族、3親等の姻族であれば、扶養控除の対象となります。同じ生計は、同居して生活費を共有する必要はありません。仕事・学校・入院など都合があって別居していても生活費や学資金、療養費などを支払っていたり、休日などには生活をともにしたりする場合には、同じ生計となります。

    同じ生計の例
    ・入院している親族の療養費を支払っている
    ・単身赴任や大学入学などで別居中の親族に仕送りしている
    ・子どもの養育費を支払っている

    16歳以上

    扶養控除を受ける年の12月31日時点で16歳以上であれば、扶養控除の対象となります。平成22年度(2010年度)に開始した「子ども手当(現在は児童手当)」の制度により、15歳以下の扶養する子どもに手当を受給することとなりました。

    次年度(2011年度)に法改正され、制度で受給する手当のかわりに16歳未満の子どもは扶養控除の対象外となったのです。16歳未満であれば扶養控除は対象外ですが、健康保険の扶養では対象となります。税法上の扶養と、社会保険上の扶養の違いを理解しておきましょう。

    また、年末調整・確定申告時には、16歳未満の扶養親族を記載する必要があります。住民税の非課税制度の判定に必要な大切な情報となるため、必ず記載してください。

    年間合計所得が48万円以下

    年間合計所得が48万円以下の方は扶養控除の対象です。48万円と聞くと少なく感じますよね。しかし、所得とは収入のことではありません。収入から経費を引いた金額です。例えば、パートやアルバイトの場合は年収103万円以下であれば扶養控除の対象となります。

    ただし、給与の収入以外に副業の収入・実業所得などがある場合は注意が必要です。それらの所得も加えたうえで48万以下の所得でなければ、扶養控除の対象となりません。

    青色申告者の事業専従者で1年に1度も給与を受け取っていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと

    不動産所得・事業所得・山林所得のいずれかを得ている青色申告者の事業専従者で給与を1度でも受け取っている場合は、扶養控除の対象外です。

    また、不動産所得・事業所得・山林所得のいずれかを得ていて届け出をしていない白色申告者の専業専従者であっても、扶養控除の対象となりません。青色事業専従者給与または白色申告の事業専従者控除の二重適用はできないので注意しましょう。

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    扶養控除の節税対策① 親を扶養に入れる

    親を扶養に入れることで節税できる可能性があります。条件や注意点を解説します。

    親を税法上の扶養に入れるための条件

    対象者 本人または配偶者の父母
    年齢 上限なし
    生計 同じ生計
    年収 所得金額合計48万円以下(収入103万円以下)
    ※年金収入の場合
    ・65歳未満:108万円以下
    ・65歳以上:158万円以下

    年金受給者の場合、年金収入の合計を確認しなければなりません。上記表の金額であれば、公的年金等控除を差し引いて所得合計が48万円以下になるため、扶養に入れます。また、親が介護施設に入所していたり別居していたりしても、条件を満たせば扶養控除の対象になります。

    親を健康保険上の扶養に入れるための条件

    対象者 主として被保険者によって生計を維持する者
    年齢 75歳未満
    年収 60歳未満:130万円未満
    60歳以上:180万円未満

    税法上の扶養に入れる条件と異なり、健康保険上の扶養に入れるためには所得ではなく収入で判断しなければなりません。給与だけでなく、傷病手当金や失業給付も収入に含まれます。

    また、子と同居している場合は、年収が子の収入の半分未満であること、別居している場合は子からの仕送り金額より少ないことも条件です。

    親を扶養に入れるメリット

    ①所得税の金額が低くなる
    親を税法上の扶養に入れると、扶養控除の適用により課税所得の金額が減ります。課税所得の減少によって所得税や住民税の金額も減るため、メリットだと言えるでしょう。

    ②親を経済的に支えられる・親は健康保険料の負担がない
    健康保険上の扶養に入れることで、親は保険料の負担なしに健康保険に加入できます。万が一怪我や病気になった際も保険給付が受けられます。親を経済的に支えられるだけでなく、心身の状態も支えられるのは大きなメリットです。

    親を扶養に入れるデメリット

    経済的な負担が増える
    扶養に入れる条件として「同じ生計」である必要があります。同一生計になればどうしても子の経済的負担が増えてしまいます。

    高額療養費制度を使う時は自分の健康保険の方が負担は少ない
    親を扶養に入れた状態で高額療養費制度を利用する場合、自己負担限度額が大きくなる可能性があります。健康保険に入っている方が負担は少ないことが多いです。

    ③介護保険料の負担が増える
    加えて、介護保険料の負担が増えることも考えられます。子も含めた世帯の収入金額によって介護保険料の金額が決まるため、扶養に入っていない時の方が金額を抑えられる可能性が高いです。

    親を扶養に入れる時の注意点

    ①健康保険上の扶養に75歳以上は入れない
    親が75歳以上であると健康保険上の扶養には入れないことを覚えておきましょう。75歳以上になると後期高齢者医療保険制度に加入するため、健康保険には入れません。75歳未満で社会保険上の扶養に入っていても、75歳になると扶養を外れます。

    ②所得金額調整控除が適用されることもある
    給与と公的年金の収入がある親を扶養に入れる際は、所得金額調整控除を確認しましょう。所得金額調整控除とは、総所得金額を計算する際に一定の金額を給与所得金額から控除するものです。所得金額調整控除が適用されるか確認し、計算したうえで扶養の条件に当てはまるかチェックしましょう。

    ③税法上・健康保険上の扶養手続きは別で行う
    親を扶養に入れる際には、手続き面で注意が必要です。まず、税法上の扶養・社会保険上の扶養の両方に入れる場合は、それぞれ手続きが必要です。1つの手続きで両方の手続きは完了しないため、注意しましょう。

    また、税法上の扶養・社会保険上の扶養の1つだけに入ることもできます。それぞれの扶養に入るメリット・デメリットを考えたうえで、2つの扶養に入るのか、あるいは税法上の扶養だけに入るかなど検討しましょう。

    扶養控除の節税対策② 子どもを扶養に入れる

    節税対策として、子どもを扶養に入れることもあげられます。条件や扶養に入れるメリット、注意点を解説します。

    子どもを健康保険上の扶養に入れるための条件

    対象者 3親等以内の被保険者により生計を維持する者
    収入 年収130万円以下
    被保険者の収入の半分以下(同居の場合は半分未満・別居の場合は仕送り額未満)

    健康保険上の扶養には18歳未満でなくても、被保険者により生計を維持されていれば扶養に入れたままにできます。1度扶養の手続きを行っている場合は新たな手続きをしない限り継続することも覚えておきましょう。

    共働きの場合は年間収入の多い方が扶養者に

    親が共働きの場合、年間収入が多い方が扶養者になります。なぜなら、年間収入が高い方が所得税は減少するからです。できる限り節税するためにも、年間収入の多い方に入れることをおすすめします。

    子どもを扶養に入れるメリット

    ①所得税の金額が低くなる
    子どもを扶養に入れることで所得控除額が増え、所得税の金額を低くできます。年末調整や確定申告時に記載しておけば、所得税の金額を抑えられます。

    ②住民税の負担が少なくなる
    正しく年末調整や確定申告を行えば、住民税の負担も減少するでしょう。

    ③社会保険料の負担が必要ない
    さらに、親の扶養に子どもが入れば社会保険料を負担する必要はありません。ただし、自営業で国民年金に加入している場合で20歳以上の子どもの場合は扶養に入れず、国民年金保険料を負担しなければならないので注意しましょう。

    子どもを扶養に入れるデメリット

    子どもを扶養に入れるデメリットは特にありません。親にも子どもにも負担はかかりません。

    子どもを扶養に入れる時の注意点

    ①離婚した場合、養育費の送金で扶養控除の対象になる
    子どもが離婚した夫・妻のいずれかと暮らしている場合、納税者との同居または別居が考えられます。たとえ別居していたとしても、養育費を送金していれば控除の対象となります。ただし、同居している子どもが配偶者控除を受けている場合は、養育費などを送金していても控除できないため注意が必要です。

    ②子どもが稼いでいる場合は控除所得対象外となる場合も
    アルバイト103万円以下であれば扶養控除を受けられますが、YouTubeやアフィリエイトで稼ぎ所得金額が48万円をこえている場合、扶養控除は受けられません。所得は給与だけでなく、事業所得や雑所得も含まれます。事業所得や雑所得を得ている場合は「総収入金額-必要経費」を計算しておきましょう。

    扶養控除の節税効果

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    親を扶養に入れたり子どもを扶養に入れたりすることで、節税効果があることがわかりました。では、どの程度の金額を控除できるのでしょうか。

    扶養控除の金額

    扶養控除の金額は以下の通りです。

    区分 控除の金額
    一般の控除対象扶養親族※1 38万円
    特定扶養親族※2 63万円
    老人扶養親族※3 同居していない場合:48万円
    同居している場合:58万円

    ※1 一般の控除対象扶養親族:条件を満たしている扶養親族
    ※2 特定扶養親族:条件を満たしている親族で、扶養控除を受ける年の12月31日時点で19歳以上23歳未満の方
    ※3 老人扶養親族:条件を満たしている親族で、扶養控除を受ける年の12月31日時点で70歳以上の方

    給与所得控除の金額

    給与所得控除の金額は以下の通りです。

    収入金額 給与所得控除の金額
    162万5,000円まで 55万円
    162万5,001円から180万円まで 収入金額×40%-10万円
    180万1円から360万円まで 収入金額×30%+8万円
    360万1円から660万円まで 収入金額×20%+44万円
    660万1円から850万円まで 収入金額×10%+110万円
    850万円1円以上 上限195万円

    所得税の税率

    所得税の税率は以下の通りです。

    課税所得の金額 税率 控除の金額
    1,000円から194万9,000円まで 5% 0円
    195万円から329万9,000円まで 10% 9万7,500円
    330万円から694万9,000円まで 20% 42万7,500円
    695万円から899万9,000円まで 23% 63万6,000円
    900万円から1,790万9,000円まで 33% 153万6,000円
    1,800万円から3,999万9,000円まで 40% 279万6,000円
    4,000万円まで 45% 479万6,000円

    扶養控除の手続き方法

    扶養控除の手続きは、年末調整や確定申告の申請で完了します。年末調整の場合は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」にある「控除対象扶養親族」に対象者を記入します。

    確定申告の場合は「配偶者や親族に関する事項」に記入します。簡単に手続きできますが、わからない場合は会社の担当者などに尋ねましょう。

    まとめ

    親や子どもを扶養に入れると、所得税や住民税、保険料負担の軽減などさまざまなメリットがあり、高い節税効果があるとわかりました。扶養に入れることを検討する方は、条件や注意点をしっかりとチェックしてから手続きを進めるようにしましょう。

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