50代の転職はどう進めるべき?仕事探しの成功ノウハウ・テクニック
- キャリアを考える
- 公開日:2018年5月 1日
中高年の転職市場が活性化しているニュースを、メディアでも目にすることが多くなりました。それを見ながら「そうはいっても自分はなかなか踏み切れないなぁ…」と、感じがちな50代の方もいるのではないでしょうか。定年退職を見据えた最後の転職で後悔しないためにも、理解しておきたいポイントや成功ノウハウを見ていきます。
この記事の目次
50代といえど、今後の会社生活は安泰ではない?
総務省が発表している平成28年度 労働力調査によると、全年代の転職者数は306万人と過去最多水準を記録しました。転職市場の好調を追い風として、より良い環境を求める人材は増加傾向にあり、企業の積極的な採用意欲も伺われる結果です。306万人のうち50万人は45~54歳が占めていて、 50代にとっても絶好のチャンスと考えられます。
そうはいっても、未だに「転職先が見つかるかわからない」「下手に動くより、今の会社で我慢するのが得策」と考えているが多数派です。それもそのはず、これまで長く勤めてきた会社であれば、これからの暮らし向きは想定できるうえに、安定した雇用が保障されています。「これまで会社のために身を粉にして働いてきた。その見返りにちょっとのんびり働かせてもらおうかな」などの思いを持っている方も多いかもしれません。
しかし、それは会社の経営が右肩上がりの頃の話。そして、今は「働き方改革」が真っ盛り。のんびり働くのが許されていたのは過去の話です。もちろん会社の業績次第では、リストラなどのリスクも発生し、年齢関係なしで生産性の向上が推進されています。
「この会社も働きにくくなってきた。この後も長く働けるんだろうか...」という疑問を持った方。早期リタイアが可能な資産がある場合は問題ないですが、今後も働き続けなければならない方が多いハズ。そんな方に向けて、50代からの転職を検討する場合の、ポイントをお伝えしていきます。
転職を成功させる3つのポイント
とはいえ、仕事探しと言われても具体的なイメージが沸かない方がほとんどでしょう。50代からの転職活動を始める前に知っておきたい3つのポイントを順番に見ていきます。
キャリア・スキルが活きる仕事を優先
50代の転職者を受け入れる企業は、基本的に即戦力の人材を望みます。そのため、培った経験やスキルが活きる仕事を優先しましょう。専門性や資格を求める業界では、年齢がネックになりにくい傾向もあるので、一定の分野に特化して重ねた経験は大きな強みとしてアピールできます。
「その業界に直結する専門スキルがない」という方は、組織を統括してきたマネジメント経験について掘り下げましょう。例えば、「工場で生産工程を管理してきた」経験があれば、組織の効率化を推進できる能力をアピールできます。転職先業界で働いた経験がなくても、自分の能力を掘り下げることで、別業種で横展開することは可能です。
キャリアの棚卸しを行い、経験・スキルの整理を進めましょう。
転職活動の長期化も覚悟
マクロな視点で見た50代の転職市場は追い風でも、希望する業界や職種によっては、募集が少ないことも考えられます。そのため、長期化前提でスケジュールを見据えておけば、仕事探しを始めてから「こんなはずでは......」という事態に陥ることもありません。
鉄則は、楽観的な判断で仕事先が決まる前に退職することは慎み、「働きながら転職活動を進める」こと。理想の転職が実現できなかった場合は、今の会社に残ればよいのです。
家族でよく話し合って、リスクを避けつつ、現実的な計画を立てて行動しましょう。
待遇だけではなく、仕事に対する納得感も重要な要素
50代で見つけた転職先が、社会人生活最後のキャリアとなる方は多いでしょう。給与待遇や勤務条件などはもちろん大切ですが、自分がその仕事に就く納得感も大切です。
「生活のため」と割り切って働くことも大切ですが、それでは新しい環境でストレスを抱えたとき、なかなか気持ちの踏ん張りが効きません。その時に自分の趣味に関連しているなどの「好き軸」や、自分の地域や社会への貢献が実感できる「貢献軸」が仕事に関係していれば、自身の納得感が高いため、気持ちの切り替えもしやすいです。
転職活動で気をつけたい注意点
50代からの転職をする際に気をつけたい注意点は、大きく分けて2つあります。
年収ダウンを意識しすぎない
1つ目は、一時的に年収ダウンするリスクがあることです。日本の賃金形態は勤続年数をベースに考える会社も多く、今の職場で高い収入を得ている方も少なからずいることでしょう。
キャリア採用は前職給与が考慮されるとはいえ、年収が確約されているわけではありません。年収アップを絶対条件として仕事探しを進めた場合、活動が長期化する可能性が高くなります。
転職支援サービスを活用して面談を受ける際、経験やスキルに応じた市場価値について聞いてみると、どのくらいの水準を最低条件とすれば良いのかわかるはずです。現実をふまえた目標設定をもとに活動すれば、高望みが原因のミスマッチを予防できます。
全ての人に転職が適しているわけではないことを認識する
2つ目は、転職が向かない方もいることです。たとえば、自分で手を動かして仕事を進めていくよりも若手のサポートに注力したい方、これまで築いてきた物事の進め方やスタンスを変えたくない方などが該当します。
転職するからには、始めての物事にも臆することなく挑戦できる行動力、異なる考え方や仕事の進め方を受け入れていく柔軟性が問われるものです。「これまでのやり方ができれば、実績は出せると思うけど」と考える人は多いですが、新しい環境でそのやり方で仕事ができる保障はありません。
在職中に転職活動をしているのであれば、状況によっては気持ちを切り替え、今の職場で頑張るという選択も可能です。これまでのやり方を踏襲できないリスク、それを考慮してもなお転職したい理由があるのかを考えてみましょう。
まとめ:50代に強い転職支援サービスを活用してみよう
いざ転職活動を始めてみると、思うように進まないことも出てきます。「経験を活かせる仕事が見つからない」「条件にマッチした求人が見つかっても、書類選考に通らない」などあらゆる壁に直面すると「本当に転職できるのか」と気持ちが揺らぐ方も多いものです。
50代の転職活動は自分だけで進めていくと、どこかで無理が出てくるもの。であれば、50代へのサポート実績が豊富な専門家のアドバイスを受けながら活動することで、意思決定を効率化し、希望の転職を目指しましょう。
マイナビミドルシニアは、ミドルシニア層 (40代・50代・60代)に特化した情報を扱っています。50代からの転職には苦労もありますが、本当にやりたかったことを今一度見つめ直して、再びイキイキと働くための最後のチャンスかもしれません。可能性を信じて前向きに行動することで、自分らしい生き方を実現する。
社会人としての最終局面に入ってきた年代だからこそ「もうひと花咲かせたい」「自分が納得できる仕事をしたい」と考える方も増え、その気持ちを受け入れる会社も増えてきました。後悔しない人生を送るためにも、自分の中での「働き方改革」を考えてみましょう。