50歳からの転職は準備が大切!事前に整理しておくべき4つのこと

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50歳からの転職は準備が大切!事前に整理しておくべき4つのこと

「給与・待遇UP」「自己実現」「可能性への挑戦」など転職には耳触りの良い言葉が付き物ですが、50歳からの転職には現実的な視点が必要です。新しいキャリアを夢物語で終わらせないために考えておきたい現実問題、50歳からの仕事探しを始めるにあたっての事前準備をご紹介します。

この記事の目次

50歳からの生活プランをシミュレーション

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50歳からの10年は、老後生活に向けた資金準備の仕上げに当たるタイミングです。きちんと収支を把握して一定の資金準備をしておかないと、安心できる老後が遠のく結果となってしまいます。

60歳で定年退職を迎えるとしたら、一般的な年金支給開始年齢にあたる65歳までの生活を維持する資金も必要でしょう。60歳から前倒しで年金を受給することも可能ですが、毎月の受給金額は一定率の減額があるため将来を見据えた資金設計は欠かせません。貯蓄を切り崩しながらの生活となるのが通常ですから、必要資金を定年退職前に貯めておくことは重要です。今後のシミュレーションは必ず行いましょう。

生活プランをシミュレーションする手順ですが、定年退職年齢にあたる60歳までに見込まれる収入を計算します。これが「収支」における「収入」にあたる部分です。65歳まで働くことを前提にした転職なら、収入の上乗せとして考えるのも良いでしょう。

次に、病気やケガといった不慮の事態、子どもの結婚や出産といったライフイベントまで考慮した支出予測を計算します。まとまったお金が出ていくタイミングは思うよりずっと多くて、あらかじめ予備費用として確保しておけないと、生活が成り立たなくなってしまいます。収入予測から支出予測を差し引きすれば収支が計算できるので、十分な老後資金準備ができるかを考えてみましょう。

資産・負債状況を改めて整理しよう

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50歳からの転職によって、年収が大幅に下がってしまうリスクもあります。資産・負債状況を改めて見直すことにより、収支が大幅に悪化した際にどんな影響が出るのかを明確化しましょう。特に、住宅ローンの返済が終わっていない場合などは注意が必要です。

夫の年収が下がってしまう状況になった際、妻がパートに出ることで給与の補填を行うなど、家族のサポートも必要となります。フルタイムの仕事とまではいかないまでも、週に何日か働きに出るだけで、家計の状況は変わるはずです。どちらかが我慢するのではなく、お互いに協力し合う気持ちを持って、より幸せな生活を目指していきましょう。

家計に関する計画は自分だけでは立てきれない部分が多く、家族を交えた話し合いをしないことには始まりません。両親の介護、独り立ちした子どもが実家に戻ってくる可能性はあるのかなど、別居している家族の事情まで含めた将来計画を立てていきます。

良い機会ですから、保有しているマンションや一軒家の市場価値を調べてもらい、住宅ローン残高との比較をするのも一案です。周辺の賃貸マンションや借家の相場から、誰かに貸した場合にはどのくらいの収入が見込まれるのかを予測するのも役立ちます。

両親の住まい、自分たち夫婦の住まいと2つの不動産がある場合、同居を始めてどちらかを貸し出して不労所得を確保する選択肢があるためです。資産の売却や賃貸物件化についても関係者の意向をふまえた判断が必要ですので、ゆっくりと話し合う時間を確保しましょう。

家族だけでは正しい判断ができないことも多いので、FP(ファイナンシャルプランナー)など、専門家を入れて相談することもおすすめです。

ポータブルスキルから考える市場価値

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ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても「持ち運びが可能」な能力を指します。いわば転職した先でも通用するスキルのことです。具体的には、組織として抱える課題を明確にして改善に向けた行動計画を建てるスキルや、周囲を巻き込んで計画を実践していく協調性やコミュニケーション能力などが該当します。

仕事探しを始める前にキャリアの棚卸しを行うことでポータブルスキルを明確化、客観的な観点から考えた自分自身の価値を把握しましょう。キャリアの棚卸しを進めるにあたって、経験職務や主な実績、会社からの評価などを時系列にまとめた「自分史年表」を作るのも一案です。

改めて過去を振り返ってみると、自分の得意分野と苦手分野、本当にやりたい仕事が見えてきます。一貫して評価を得てきたスキルがあれば、胸を張ってアピールできる要素です。とくにアピールしたい内容については職務経歴書や履歴書に落とし込み、応募企業に伝わるようなわかりやすい表現でまとめていきます。

職務経歴書の書き方について詳しく知りたい方はこちら

まとめ:仕事探しのターゲットをはっきりさせる

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仕事探しを始めるにあたって、経験を活かした転職・未経験分野への転職・少ない勤務経験を持つ業界内での転職と大きく3つの選択肢があります。どこをターゲットにして仕事探しを進めるかを明確にしましょう。

経験を活かした転職は専門知識や特定分野の職務経験が豊富で、まだまだ現役として自ら企業を支えていきたい方に適しています。未経験分野への転職は、「本当にやりたかった仕事に挑戦したい」「定年退職に向けて、安定した仕事を見つけたい(安定性を最優先に考えるため、職種や仕事内容にはこだわりが薄い)」といった方におすすめです。

少ない勤務経験であっても、特定の領域で働いてきた経験や大手企業の社員だった過去が高く評価されるケースはあります。少しでも有利に選考を進めるため、転職可能性が高い職種をねらいたいと考える方には有効な選択肢の1つです。

3つの選択肢を決めた後に具体的な求人の絞り込みに入りますが、優先事項を明確にして、基軸となる視点を考えておくとスムーズです。「年収400万円は確保したい」「65歳まで働ける環境が望ましい」「(両親との同居も視野に入れて)実家から通える距離の職場」など、思いつく限りの条件をリストアップしていきます。そのうえで、最優先事項に◎を付けて「絶対に譲れない条件」としましょう。

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