50代女性 事務職の転職体験談 | キャリアを築くため選んだのは資格の取得。厳しい採用環境は、諦めない気持ちで乗り越える

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50代女性 事務職の転職体験談 | キャリアを築くため選んだのは資格の取得。厳しい採用環境は、諦めない気持ちで乗り越える

埼玉で生まれ育った駒沢さん(仮名)51歳。子育てが一段落ついたタイミングで仕事復帰しますが、とあるきっかけから一念発起。「宅建」の資格を取得しました。ところが、資格取得後もなかなか採用には至らず。希望の仕事に就くために行った行動についてお話を伺いました。

この記事の目次

    高校卒業後に勤めた金融機関を寿退社。その後は専業主婦に

    埼玉県で生まれ育った私。高校卒業のタイミングで就職を選択。親からはよく「手に職をつけたほうがよい」と言われていましたが、特別やりたいことも見つからなかったため、担任が薦めてくれた金融機関へ勤めることを決めました。

    入行した金融機関では、伝票入力などの事務作業を担当。ビジネスマナーや接遇に厳しい職場だったこともあり、社会人としての所作などを徹底的に叩き込まれました。

    当時は教えられたことや求められることができず、悔しくて泣いたこともありましたが、今となっては基礎力を身につけることができたと、感謝しています。

    そうして、2年ほど勤めた後、結婚のため退職。そうするうちに長男、次いで長女が生まれたため、子育てに専念する日々を送りました。

    暮らしている地域は「みんなで子供の面倒を見る」という雰囲気があり、専業主婦が多い環境でした。私も地域に貢献したい思いが高まり、子どもの通う学校のPTA役員を担当したり、地域のサークルの会長を担当したりと忙しく活動していました。

    ですが、下の子が10歳になった頃、習い事など教育費がかかるようになったこともあり、再び働きに出ることを決めたのです。37歳のときでした。

    折り込み広告で仕事探し。立ち仕事の負担が厳しく、デスクワークを希望するように

    仕事探しの情報源は、新聞の折り込みチラシ。子供が帰宅するまでには家に帰ることができる仕事を探していました。

    そんな中、近所のホームセンターが店舗スタッフを募集していることを発見。9時‐13時での勤務が可能だったので応募したところ、無事採用となり、週3‐4日で働くことを決めました。

    金融機関を退職してから、実に17年ぶりの仕事復帰。家庭でもない、地域活動でもない環境で責任持って活動することは新鮮な気持ちがありましたね。

    とは言え、キツイことも。レジ打ちや商品補充がメインの業務ではあるのですが、ホームセンターである以上、重たいものを持たなければならないこともしばしば。昔、腰を痛めたこともあり、「やっぱり長く働くには事務職がいいな」と考えるように。

    そんなある日、折り込み広告で家電量販店での営業事務求人を発見。応募したところ無事採用となったため、1年ほど勤めたホームセンターを退職。間を空けずに転職することができました。

    貢献しても評価されない。徐々に会社に対し不満が募る

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    新たな職場では10時‐14時の時間帯で勤務。伝票整理を始め、社内の様々な事務作業を担当していました。

    しかし、数年働いた頃に他の営業事務の方が退職。人手不足となったため、フルタイムでの勤務を依頼されました。それでも部署の業務が滞りがちであったため、週5日で働いてほしいという要望がでるように。結局、パートの契約であるにもかかわらずフルタイムで働くことになったのです。

    その頃は子どもの塾の送迎があるほか、食べ盛りのため食事の準備も一苦労。さらに、夫の両親が体調を悪くしたため病院へ通ったりと、自分と家族の時間を調整したうえで、働く時間を捻出しなければなりませんでした。

    いわば、プライベートを削って、会社に貢献している気持ちでいました。しかし、会社はそのことに対して評価をすることはありません。せめて正社員登用などの話があれば気持ちも違ったかもしれませんが、雇用形態は変わらずパートのまま。

    6年ほど勤務したことで、部署内ではすでに古株でした。しかし、新人が入ってくれば自分と同じ待遇。そうしたことが続くうち、自分が軽んじられているような気持ちを抱くようになりました。

    そうしたこともあり「この会社にいれば60歳までは働くことはできるけれど、次のキャリアを築くチャンスを失ってしまうのでは」という思いを抱くようになったのです。

    その思いを夫に相談したところ、「宅建でも取ってみれば」という思いがけない言葉が返ってきたのです。

    働きながら宅建合格を目指す日々。4年目でようやく花開く

    背景としては、夫が不動産関係の仕事に就いており、すでに宅建の資格も保有していたことがあります。でも、それを聞いたときに「宅建を取ってみるのもいいかも」と思ったのです。

    実際のところはわかりませんが、「他の仕事に就くことができないだろう」と会社に思われているから値踏みされているのでは、という意識がありました。ならば、資格を取ることで自分の価値を向上させよう、そう考えたのです。

    そうして試験勉強を開始。とはいえ、仕事も家事もしながら、勉強の時間を取ることも大変。朝5時に起きて勉強したりしていました。

    初めて試験を受けた年は、なんと当時大学生だった長男と一緒に受験。結果、長男だけが合格しました。長男は大学で特別講座を受講していたので、「やはり高い学費を支払うと違うな!」などとふざけあっていました。

    久しぶりに行う勉強。時間を確保するのも大変なんですが、面白いんですよね。傾向と対策を家族でワイワイ話しながら受験勉強をしていました。

    そうして、合格したのは4年目のこと。ネットで当選した受験番号を見つけたときは、嘘でしょ?という気持ちでいっぱい。思わずスクショを取って家族に連絡していました。

    さあこれで資格も取れた。新たな希望の仕事に就けるはず!そう思ったのですが、現実はなかなか厳しいものでした。

    資格取得後も厳しさは変わらず。希望の仕事に就くまで1年半

    正直、試験に合格したらいろんな企業が両手を上げて歓迎してくれるのでは、と思ってました。だけど、現実はやっぱり厳しいものですね。

    資格があっても、経験がない。経験がなくても若ければ採用されるかもしれない。でも自分はすでに40代も半ば。採用してくれる企業にはなかなか出会うことができませんでした。

    応募した企業は20社ほど。そのうち面接に進めたのはわずか3社でした。応募したのに連絡が企業から何の連絡もないことには慣れましたが、面接をしたにもかかわらずその後何の連絡もなかったときにはさすがに落ち込みましたね。

    不採用が続くと、さすがに気持ちが折れてきます。自分には価値がないのでは。不満を持ちながらでも、今の職場にいるしかないのでは。そんな気持ちになることも多くなりました。

    落ち込んだときは、夫とよく話していました。夫は40歳のときに転職しており、その時は最終的に40社近く応募した経験から、中高年からの転職の厳しさを理解していました。

    「採用されるかどうかは、運や縁や、タイミングが大きな要素を占めるもの」。そう自分に言い聞かせて、折れそうになる気持ちを奮い立たせて、気になる求人を見つけては応募することを続けていました。

    そうして、資格取得から1年半が経った頃、ついに不動産会社に採用が決まったのです。小さな不動産屋での、営業事務のパートの仕事。それでも資格が活かせる仕事には違いありません。

    採用された理由は、応募したタイミングで定年退職する宅建士がいたこと。やっぱりタイミングが大切なのだということを身をもって実感しました。

    諦めなかったから、希望の仕事に就けた。行動の量こそ成功につながる鍵

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    仕事が決まってから家電量販店に辞めることを告げました。その職場で働いたのは13年間。会社の人たちは私が辞めるなど想像していなかったのでしょう。強い引き止めを受けました。しかし、思いを伝えて退職させてもらいました。

    今は新しい職場で週に4日、5時間程度の勤務で働いています。フルタイムにしなかった理由は、一人暮らしをしている母の手伝いをするなど家庭の時間を確保するため。多くの収入にはなりませんが、子供が二人とも大学を卒業したこともあり、経済的に問題はありません。

    何よりも嬉しいのは、資格を活かした仕事の経験が積めること。宅建の資格があれば、不動産業を開業することもできる。そうすれば、年齢を気にせずにいつまでも働ける。

    夫が勤める職場の定年は62歳。10年後です。勤め上げた後は、地元で開業しようという話をしています。そうすれば、長く働きながら、地域に恩返しもできる。そんなことを考えながら、開業資金を貯めています。

    50歳目前となっての転職活動の厳しさは、想像していた以上でした。ですが、やりたいことがあるなら、落ちるとしても応募するしかない。行動しなければ結果は生まれないのですから。

    私は長く勤めた家電量販店で、評価されなかったことが悔しかった。その気持ちを払拭するには、自分が成長するしかないと思いました。そのため、資格を取り、折れそうになる気持ちを励まし続け、結果的に転職を成功させることができました。

    まとめ

    自分の可能性を信じて行動し続けられたのは、夫と相談しながらやってこれたから。身近に支えてくれる人がいれば、きっと乗り越えられると思います。

    後悔したくないなら、諦めずに行動し続けるしかない。「夫婦で開業」という夢を追い続けるためにも、この気持をこれからも持ち続けていこうと思っています。
    ※年齢は2019年6月取材当時のものです

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