iDeCo(個人型確定拠出年金)はどう受け取るのが得?損しないためのコツとは

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iDeCo(個人型確定拠出年金)はどう受け取るのが得?損しないためのコツとは

iDeCoは掛け金の節税メリットが注目されていますが、ミドルシニア世代には損をしない受け取り方も重要です。今回は受け取り方の種類から税金額の計算方法、損をしないポイントなどを解説します。それぞれの受け取り方が向いている人の特徴などもご紹介していますので、iDeCoの受け取りが近づいてきている方や、将来受け取る方は、ぜひご一読ください。

この記事の目次

    iDeCoの受け取り方は3種類

    iDeCoを受け取るには、3つの受け取り方から自分の都合に合った方法を選ぶ必要があります。どのような方法があるのか、どの方法が自分に合っていそうか、最初に確かめておきましょう。

    一時金方式

    iDeCoで運用していた資産を、一括で受け取る方法です。受け取り開始年齢は60歳〜75歳までで、自分の都合に合わせて受け取りができます。一時金方式を選択した場合は、退職金と同じ扱いとなり、退職所得控除が利用できます。

    年金方式

    iDeCoで積み立てた資産を、5年以上20年以下の「有期年金」として受け取る方法です。受け取り開始時期は60歳〜75歳になるまでの間、1年刻みで自由に設定できるため、65歳からの10年間受け取るといった設定もできます。年金の支給回数は金融機関によって異なりますが、最大で以下の6通りの中から選べます。

    • 年1回(12月)
    • 年2回(6月、12月)
    • 年3回(4月、8月、12月)
    • 年4回(3月、6月、9月、12月)
    • 年6回(偶数月)
    • 年12回(毎月)

    年金形式で受け取る場合、所得は公的年金と同じ雑所得となるため、公的年金等控除が利用可能です。なお、金融機関によっては有機年金ではなく、終身年金として受け取れる場合もあります。

    年金+一時金方式

    年金と一時金の両方を組み合わせた受け取り方法です。運用した資産の一部を一時金として、残った資産を年金形式で受け取ります。

    一時金と年金の割合は自分で決められるため、一時金を多めにしたい、後のために年金を多めに残したいといった希望に合わせて設定できます。年金+一時金方式の場合、年金には公的年金等控除、一時金には退職所得控除が利用可能です。

    iDeCoを一時金方式で受け取る時の税金額の計算

    iDeCoを一時金方式で受け取る場合は、退職所得として計算します。退職所得の場合、収入から退職所得控除を差し引いた金額の2分の1が課税対象です。

    • (収入-退職所得控除)×1/2=課税退職所得

    退職所得控除額は、以下の表を元に算出します。

    勤続(加入)年数 退職所得控除額
    20年以下 40万円×加入年数
    (80万円未満の場合は80万円)
    20年超 800万円+70万円×(加入年数-20)

    【計算例①】15年間iDeCoに加入し、一時金として1,000万円を受け取った場合 ※他に退職金や企業年金は受け取っていない

    • 40万円×15年=退職所得控除額は600万円
    • 1,000万円-600万円×1/2=200万円の退職所得が課税対象となる

    【計算例②】25年間iDeCoに加入し、一時金として1,500万円を受け取った場合 ※他に退職金や企業年金は受け取っていない

    • 800万円+70万円×(25-20)=職所得控除額は1,150万円
    • (1,500万円-1,150万円)×1/2=175万円の退職所得が課税対象となる

    退職金と同じタイミングでiDeCoの一時金を受け取った場合、退職金も退職所得に含めて計算を行います。勤続年数はどちらかの長い方を基準に計算します。

    iDeCoを年金方式で受け取る時の税金額の計算

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    iDeCoを年金形式で受け取る場合は、雑所得として計算できます。雑所得の公的年金等に当てはまるのは、以下のお金です。

    • 国民年金や厚生年金
    • 企業型年金や個人型年金
    • 過去に勤務していた会社の年金 など

    iDeCoは個人型年金のため、公的年金等に該当します。計算式は以下の通りです。

    • 収入金額(源泉徴収前)-公的年金等控除額=公的年金等の雑所得

    計算計算の際は、以下の早見表を活用しましょう。

    ▼65歳未満で公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が、1,000万円以下の場合

    公的年金等の収入の合計額 公的年金等に係る雑所得の金額
    60万円以下 0円
    60万円以上130万円未満 収入金額の合計額-60万円
    130万円以上410万円未満 収入金額の合計額×0.75-27万5,000円
    410万円以上770万円未満 収入金額の合計額×0.85-68万5,000円
    770万円以上1,000万円未満 収入金額の合計額×0.95-145万5,000円
    1,000万円以上 収入金額の合計額-195万5,000円


    ▼65歳以上で公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が、1,000万円以下の場合

    公的年金等の収入の合計額 公的年金等に係る雑所得の金額
    110万円以下 0円
    110万円以上330万円未満 収入金額の合計額-110万円
    330万円以上410万円未満 収入金額の合計額×0.75-27万5,000円
    410万円以上770万円未満 収入金額の合計額×0.85-68万5,000円
    770万円以上1,000万円未満 収入金額の合計額×0.95-145万5,000円
    1,000万円以上 収入金額の合計額-195万5,000円

    【計算例①】60歳で公的年金とiDeCoの年金方式を、年間で300万円受け取っていた場合

    • 300万円×0.75-27万5,000円=公的年金等に係る雑所得は197万5,000円

    【計算例②】65歳で公的年金とiDeCoの年金方式を年間で250万円受け取っていた場合

    • 250万円-110万円=公的年金等に係る雑所得は140万円

    iDeCoを一時金+年金方式で受け取る時の税金額の計算

    iDeCoを一時金+年金方式で受け取る時は、一時金は退職所得、年金は雑所得でそれぞれ計算を行います。

    【計算例】65歳の時に30年間加入していたiDeCoを、1,000万円は一時金として受け取り、残りの1,000万円を有期年金として20年間受け取った場合

    ■一時金分の計算
    800万円+70万円×(30年-20年)=職所得控除額は1,500万円
    1,000万円の収入より退職所得控除の方が多くなるため、退職所得は課税なし

    年金分の計算
    年金は1,000万円を20年間受け取るため、1年間で50万円、公的年金と合計して年間200万円を受け取ります。

    200万円-110万円=公的年金等に係る雑所得は90万円
    毎年90万円が雑所得として課税対象となる

    iDeCoを損せずに受け取るためのポイント

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    iDeCoを受け取る際に損をしないために、重要なポイントを知っておきましょう。今回は、4つのポイントをご紹介します。

    受け取り開始年齢は加入期間による

    iDeCoは原則60歳まで引き出しができないとされていますが、加入期間によって受け取り開始年齢は異なる場合があります。加入期間と、受け取り開始年齢の関係は以下の通りです。

    加入期間 受け取り開始年齢
    10年以上 60歳
    8年以上10年未満 61歳
    6年以上8年未満 62歳
    4年以上6年未満 63歳
    2年以上4年未満 64歳
    1月以上2年未満 65歳

    60歳からiDeCoを受け取りたい場合、加入期間が10年以上あるかを確認しておく必要があります。また、60歳以上になってから初めてiDeCoに加入した人は、通算加入等期間に関係なく、加入から5年が経過しないと受け取りできません。

    退職金と一時金の受け取るタイミングで税制優遇が変わる

    退職金と一時金を受け取るタイミングによっては、税制優遇が変わる場合があります。退職金とiDeCoの一時金を同じタイミングで受け取ると、両方を合算した退職所得に対して退職所得控除を適用させるため、節税のメリットが薄くなります。

    しかし、受け取るタイミングを調整すれば、それぞれに控除を適用できるため、節税効果が期待できます。退職所得控除に関する、5年ルールと19年ルールを知っておきましょう。

    退職所得控除に関する5年ルール
    複数の退職金がある時に、5年以上空けて受け取りをすると、退職所得控除の制限がなくなるルールです。

    例えば、iDeCoを60歳の時に一時金で受け取り、退職金を65歳以降に受け取ると、どちらにも退職所得控除を活用できます。4年以内に受け取った場合は、退職金所得控除が減額されるため、支払う税金の額が高くなります。

    退職所得控除に関する19年ルール
    退職金を先に受け取り、後からiDeCoの一時金を受け取る際に適用されます。具体的には退職金を受け取った後に、iDeCoの一時金を19年以上期間を空けてから受け取ると、退職所得控除の制限がなくなるというルールです。

    つまり、退職金を受け取ってから19年以内にiDeCoの一時金を受け取ると、退職金所得控除が減額されます。例えば、65歳で退職をして退職金を先に受け取った場合、20年後は85歳ですが、iDeCoの受け取り期限は75歳までのため、退職金所得控除の減額対象になります。

    55歳で早期退職をして退職金を受け取った場合は、75歳でiDeCoの一時金を受け取ると、退職所得控除の制限なしで受け取り可能です。

    税金が発生しない場合がある

    iDeCoの受け取り時に利用できる公的年金等控除では、税金が発生しない額が設定されています。65歳未満の場合は年間で60万円、65歳以上の場合は110万円までは、税金が発生しません。

    公的年金等の控除は、iDeCoを含む企業年金や公的年金も対象です。全ての年金を合算して年間の額が、設定されている金額よりも少ない場合は、税金の支払いはなしとなります。

    一方、退職所得控除は計算式に当てはめて算出するため、上限額などは設定されていません。しかし、計算結果によっては、退職金よりも退職所得控除の方が大きくなり、支払いが発生しない場合があります。

    手数料と保険料を含めて検討する

    年金方式で受け取りをする際は、金融機関に支払う手数料や国民健康保険料なども含めて検討をしましょう。年金方式として受け取った場合、毎年の収入が増えることになるため、所得税や住民税、国民健康保険の料金が高くなります。

    iDeCo口座も管理費用が発生するため、毎月管理や給付のための手数料を支払い続ける必要があります。毎回支払い予定の額から、一定額を引かれた分のみが手元に残ることを理解しておきましょう。

    iDeCoのおすすめの受け取り方

    iDeCoは3つの受け取り方ができるため、どの方法で受け取るか悩んでいる人は多いでしょう。

    一時金方式が向いている人

    退職金や公的年金の金額が全額控除額の範囲におさまる人です。退職金が多くなく、iDeCoと合わせても控除額の範囲におさまる場合は、税金が発生しません。

    年金方式が向いている人

    反対に、退職金や公的年金の金額が多い人は、年金方式で受け取った方が税金額を減らせる可能性があります。また、退職金も公的年金の額も多い人は、一時金+年金方式もおすすめです。

    退職金や年金、iDeCoの予定額を計算し、1番税額が少なくなる方式を選択しましょう。

    まとめ

    iDeCoの受け取り方と税額の計算方法、損をしないポイントをお伝えしました。iDeCoは一時金方式と年金方式、一時金+年金方式の3つの受け取り方があります。どの方式が良いのかは、退職金や公的年金の額によって異なるため、受け取り開始前に一度税額を計算しましょう。

    一時金方式でも、年金方式でも注意点を知らずに受け取ると、損をする可能性があります。受け取り方式を決めたら、損をしないために、もう一度ポイントを確認しておきましょう。

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