【2025年版】iDeCo(イデコ)改正!掛金上限アップや加入年齢変更などポイントまとめ

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【2025年版】iDeCo(イデコ)改正!掛金上限アップや加入年齢変更などポイントまとめ

iDeCoは設立から現在まで、数回にわたって改正が行われてきていますが、2025年6月にも新たな改正法案が成立しました。それぞれの改正は段階的に始まり、2028年までには新ルールでの運用となる予定です。今回は現行のiDeCoの概要から、改正の背景・改正内容・メリット・デメリットなどを解説いたします。すでにiDeCoの運用をしている人はもちろん、これから加入を考えている人もぜひご一読ください。

この記事の目次

    現行のiDeCoの仕組み・概要

    改正内容を見る前に、現在のiDeCoの概要を紹介します。iDeCoは個人で用意をする私的年金であり、老後の生活資金形成を目的に用意されている制度です。自分で掛金を拠出し、運用する商品を決めて運用までを行います。

    掛金の拠出は65歳まで、積み立てた資産の引き出しは原則60歳からとなっています。受け取る時は一時金方式・年金方式・一時金+年金方式の3つから、自分のライフスタイルに合わせて選択可能です。

    加入資格

    iDeCoに加入できるのは、以下の条件に該当している人です。

    • 満20〜60歳の学生・自営業・フリーランスなどの第1号被保険者
    • 会社員や公務員などの第2号被保険者
    • 第2号被保険者に扶養されている満20〜60歳未満の配偶者
    • 国民年金に任意加入している人

    ただし、以下の人は加入ができません。

    • 第1号被保険者で農業者年金の被保険者
    • 国民年金の保険料を免除されている人
    • 第2号被保険者で勤め先の企業型確定拠出年金に加入し、事業主掛金を年単位で拠出している人
    • 事業主掛金に上乗せしてマッチング拠出している人
    • iDeCoの老齢給付金を受給中または受給したことがある人
    • 老齢基礎年金や老齢厚生年金を繰り上げ受給している人

    加入の際には必ず、条件をクリアしているか確認してください。

    拠出限度額

    iDeCoの拠出限度額は、加入区分によって以下のように異なります。

    加入資格 拠出限度額
    1号被保険者(任意加入被保険者) 月額6.8万円(年額81.6万円)(国民年金基金または国民年金付加保険料との合算枠)
    第2号被保険者かつ会社に企業年金がない会社員 月額2.3万円(年額27.6万円)
    第2号被保険者かつ企業型DCのみに加入している会社員 月額2.0万円(年額24.0万円)
    第2号被保険者かつDBと企業型DCに加入している会社員 月額2.0万円(年額24.0万円)
    第2号被保険者かつDBのみに加入している会社員 月額2.0万円(年額24.0万円)
    公務員 月額2.0万円(年額24.0万円)
    第3号被保険者 月額2.3万円(年額27.6万円)

    引用元:iDeCo公式サイト

    企業年金制度に加入している場合、全体の掛金限度額は月5.5万円、うちiDeCoの上限額は月2万円となります。もし企業年金制度で月2万円の拠出をしており、上限額までの残りが3.5万円だったとしても、iDeCoは月2万円までしか拠出できません。

    iDeCoの制度改正の背景

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    今回iDeCoの制度改正が行われた背景としては、中小企業における制度導入に対するハードルを下げること・高齢化社会における老後資産の形成をサポートすることが考えられます。

    これまでのiDeCoでは企業型確定拠出年金との併用が難しく、利用者を限定している状態でした。また、中小企業での導入手続きの煩雑さや認知不足などにより、利用率が低いままになっていた点が課題でしたが、今後の改正でこのポイントは解消されていく予定です。

    高齢化社会が進み、人生100年時代とも呼ばれる現代では60〜65歳の定年退職後も30〜40年の人生が残っています。退職金以外にも老後の生活資金が必要とされているなかで、より柔軟に資産形成ができるようにという目的もあり、制度の改正が行われています。

    改正後のiDeCoについて

    今回の改正法案の成立によって改正が決まったポイントを、5つ紹介します。今後の運用に関わる内容のため、事前に把握しておきましょう。

    掛金拠出上限額の変更

    iDeCoに加入している人の中で、第1号被保険者と第2号被保険者に該当する人は拠出上限額が変更となります。第1号被保険者の場合は月額6.8万円から月額7.5万円と7,000円の上昇です。

    企業型年金制度を利用している人も、掛金拠出額の上限額が変更となります。現在の制度では企業型年金制度を利用している人は、月額5.5円のうちiDeCoは2万円まで拠出が可能です。今後は上限額が月6.2万円へ変更となり、iDeCoの固定の上限額2万円は撤廃されます。

    例えば、現在企業型DCで月5万円拠出している場合、iDeCoでは5,000円までしか拠出できませんでした。しかし改正後は、上限の6.2万円-企業型DC5万円=1.2万円がiDeCoの上限額になります。より柔軟な積み立てができるようになるため、多くの人が老後資金の用意をしやすくなるでしょう。

    マッチング拠出の規制の撤廃 

    企業型DCのマッチング拠出における規制も撤廃される予定です。企業型DCは会社側が用意している福利厚生の1つで、任意で加入する私的な年金制度です。企業型であるために「個人が会社より多く掛金を出してはいけない」というルールがあります。

    そのため、会社の掛金が月1万円だった場合は個人で1万円以下しか拠出できないなど、存分に制度を活用できない状態が発生していました。しかし今回、掛金の拠出限度額の変更や、iDeCo側の上限変更により、マッチング拠出の上限額も撤廃となっています。

    加入年齢の引き上げ

    今回の改正では加入の上限年齢が引き上げとなり、満65歳未満から満70歳未満に変更されました。加入できる対象年齢が広がったことで、より多くの人が投資によって生活費を少しずつ増やせるようになります。

    退職所得控除の年数が5年から10年に

    iDeCoは受け取り時の税制優遇が用意されています。年金形式で受け取る時は公的年金等控除、一時金形式なら退職所得控除が適用されます。

    これまではiDeCoを一時金形式で受け取り、5年以上経過した後に退職金の一時金を受け取ると、どちらのお金にも退職金所得控除が満額適用されていました。支払う税額が少なくなるので、より多くのお金を老後の資金として残せることが、一時金形式で受け取るメリットの1つでした。

    今回の改正では、この退職金所得控除を利用できるようになるまでの期間が従来の5年から10年に変更されます。そのため、iDeCoの一時金を受け取った10年以内に退職金を受け取ると、退職所得控除を満額適用できなくなる可能性があります。

    企業年金の見える化

    今回の改正では、企業年金の見える化についても触れられています。これまで企業年金については運用状況がわからず、運用者は他者との比較などができませんでした。しかし、2030年頃までに他者との比較や分析ができるような環境整備が進められ、より公正な比較検討ができるようになる予定です。

    改正後のiDeCoのメリット

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    改正後もiDeCoを続けることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

    長期的な運用・積立がしやすくなる

    今回の改正によって加入年齢が70歳まで引き上げられたことで、より長期的な運用や積立がしやすくなります。運用できる年数が5年間伸びるため、複利の力でより多くの資産を形成できるようになるでしょう。

    例えば、毎月2万円を30歳から年率3%で運用した場合の、改正前と改正後の資産額を見てみます。

    運用期間 元本の合計 資産額
    改正前 35年 840万円 1,471万円
    改正後 40年 960万円 1,834万円

    参照元:金融庁「つみたてシミュレーター」

    運用期間が5年間伸びると、資産額は約400万円増える計算になります。より長期間の運用によって、将来の資産額を増やせるでしょう。

    老後資金を形成する選択肢が増える

    加入年齢が引き上げになることで、老後資金を形成する選択肢が増えるのもメリットの1つです。これまでは加入年齢が60代だったため、50代以降の人にとってはあまり魅力がない制度でした。

    しかし、70歳まで掛金の拠出ができれば資産形成のチャンスは広がります。収入の一部はiDeCoに回して、70代以降の生活費を増やすという選択ができるのは、改正後のiDeCoのメリットといえるでしょう。

    税制優遇

    改正された後のiDeCoでも税制優遇の恩恵を受けられます。iDeCoの掛金は控除の対象で、運用益は非課税、受け取り時も控除が利用できる点がメリットです。掛金は所得税と住民税の控除対象となるため、毎月1万円拠出すると年間で2.4万円の節税がされます。

    また通常、投資などの運用で利益を得た場合は20.315%の課税が行われますが、iDeCoの場合は非課税です。受け取り時には公的年金等控除か退職金所得控除を適用できるので、税額を抑えて積み立てた資産を受け取れます。

    改正後のiDeCoのデメリット

    改正されたiDeCoにはデメリットも存在します。今回は以下の3つについてご紹介いたします。

    退職所得控除の利用ができなくなる

    iDeCoを一時金形式で受け取る場合、退職金所得控除が適用されるため、税額を抑えられる点はメリットです。しかし、今回の改正によって退職金所得控除を適用できる期間が5年から10年へと変更になりました。

    これまでは60歳でiDeCoを受け取った後、5年後の65歳で退職金を受け取ればどちらも退職金所得控除を満額適用できていました。しかし、改正後は60歳でiDeCoの一時金を受け取ったら、退職金所得控除を満額利用するには、退職金を70歳以降に受け取らなければいけません。

    退職金を70歳以降に受け取るのはあまり現実的ではないので、実質、退職金所得控除の二重取りが禁止になったと考えられます。少しでも税額を抑えたい人にとっては、今回の改正はデメリットとなるでしょう。

    家計を圧迫する可能性

    改正によってiDeCoの拠出限度額が上昇したため、場合によっては拠出金が家計を圧迫する可能性が考えられます。特に第2号被保険者では、iDeCoの上限額がなくなったために企業型DCと組み合わせて満額まで積み立てようという人もいるでしょう。

    積み立てを始める前に、毎月6.2万円の拠出が家計を圧迫しないか確認してください。iDeCoは制度の特性上60歳まで引き出しができないため、途中で家計が厳しくなっても取り崩すことができません。途中で掛金額の変更や休止などはできるため、まずは無理のない範囲から始めて、家計の状況に応じて変更するようにしましょう。

    引き出し可能年齢は変更なし

    iDeCoの特徴の1つである、引き出し可能年齢について、今回の改正で特に変更はありませんでした。従来通り、原則60歳から引き出し可能となります。老後資金を貯めるという目的では、60歳にならないと引き出せないのはメリットです。

    しかし、急に経済状況が変化したり、どうしてもまとまったお金が必要な状況では、60歳にならないと引き出せないiDeCoはデメリットともなります。うまく投資を続けるには、iDeCoだけではなく通常の投資商品と組み合わせて、リスクの分散を検討しましょう。

    まとめ

    2025年以降に決まった、iDeCoに関連する改正内容について紹介しました。2025年以降から、掛金の拠出限度額上昇・加入年齢の引き上げ・退職所得控除の変更などが行われることが決まりました。

    多くの人がiDeCoを利用しやすくなる一方で、税額控除の利用が難しくなるなどのデメリットも出てきます。どのような改正がいつ頃行われるかを今から確認して、後悔のないようにiDeCoを活用しましょう。

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