介護休業給付金とは?対象者や必要書類、書き方まで紹介!
- ちょっと得する知識
- 公開日:2026年6月30日
親や身内の介護で仕事を休むか検討している方へ、介護で仕事を休業した時に使える、介護休業給付金を紹介します。給付対象などの基本情報から、申請手続きについても解説。介護と仕事の両立で悩んでいる方は、ぜひ最後までご一読ください。
この記事の目次
介護休業給付金とは
介護休業給付金とは、家族の介護のために仕事を休業する場合に、賃金の67%までが保証される制度です。
介護休業期間中は、会社側に給与の支払い義務がないため、無給扱いとなるのが一般的です。この制度では介護と仕事の両立を支援し、職場復帰を前提に休業を取得することを目的としています。詳しい利用条件などは、以下で解説します。
介護休業の対象者
介護休業を利用できるのは、家族が2週間以上にわたって日常生活で支援が必要な場合にある人です。
対象家族は配偶者・父母・子ども以外に、配偶者の父母や祖父母、兄弟、孫が含まれます。つまり、従兄弟・甥・姪などの親族の介護は、介護休業の対象には含まれず、介護休業給付金の対象にもなりません。
介護休業の利用条件
原則として、休業開始前2年間に雇用保険の加入期間が12ヶ月以上あることが必要です。(※事業所の労使協定により、入社1年未満の方が対象外となる場合があります)。
雇用形態は問われません。正社員はもちろん、パート・アルバイト・契約社員なども対象です。利用できる期間は、対象家族1人につき通算93日間までとなります。93日間は最大3回まで分割での取得が可能です。
介護が必要な状態の判断基準
介護休業は、家族が要介護の状態であると認められないと利用ができません。対象となるのは、負傷・疾病・精神上の障害などにより、2週間以上の常時介護が必要な状態の家族がいる時です。
常時介護が必要な時の基準については、以下の表を確認してください。しかし、必ずしもすべて当てはまっている必要はなく、事業主によって柔軟な対応を行うことが認められています。
- 介護保険制度の要介護状態区分において要介護2以上であること
- 状態①〜⑫のうち、2が2つ以上または3が1つ以上該当し、かつ、その状態が継続すると認められること
| 項目 | 1 | 2 | 3 |
| ①座位保持(10分間一人で座っていることができる) | 自分で可 | 支えてもらえればできる | できない |
|
②歩行(立ち止まらず、座り込まずに5m程度歩くことができる) |
つかまらないでできる | 何かにつかまればできる | できない |
|
③移乗(ベッドと車いす、車いすと便座の間を移るなどの乗り移りの動作) |
自分で可 | 一部介助、見守り等が必要 | 全面的介助が必要 |
| ④水分・食事摂取 | 自分で可 | 一部介助、見守り等が必要 | 全面的介助が必要 |
| ⑤排泄 | 自分で可 | 一部介助、見守り等が必要 | 全面的介助が必要 |
| ⑥衣類の着脱 | 自分で可 | 一部介助、見守り等が必要 | 全面的介助が必要 |
| ⑦意思の伝達 | できる | ときどきできない | できない |
| ⑧外出すると戻れない | ない | ときどきある | ほとんど毎回ある |
| ⑨物を壊したり衣類を破くことがある | ない | ときどきある | ほとんど毎回ある |
|
⑩周囲の者が何らかの対応をとらなければならないほどの物忘れがある |
ない | ときどきある | ほとんど毎回ある |
| ⑪薬の内服 | 自分で可 | 一部介助、見守り等が必要 | 全面的介助が必要 |
| ⑫日常の意思決定 | できる | 本人に関する重要な意思決定はできない | ほとんどできない |
引用元:厚生労働省「常時介護を必要とする状態に関する判断基準」
この条件に該当しているかについての審査等は設けられていません。あくまで判断基準として、参考にしてください。
介護休業給付金の給付条件
介護休業給付金の受給要件は、休業期間中の労働日数が月に10日以下であることです。また、給付を受けられる対象者は、契約期間によって異なります。
契約期間が定まっていない場合は、介護休業を開始した日より前の2年間に雇用保険に加入している期間が12ヶ月以上ある人が対象です。
契約期間が定まっている場合は、介護休業を開始した日より前の2年間に雇用保険に加入している期間が12ヶ月以上であることに加えて、以下の条件も満たしている必要があります。
- 介護休業が開始される時点で、同じ事業主から1年以上雇用されていること
- 介護休業開始予定日から93日が経過する日から6ヶ月経過する日までに労働契約が終わると決まっていないこと
契約期間が定まっている人は、3つの条件を満たしていないと介護休業給付は受け取れません。
介護休暇との違い
介護休業とよく似た制度に介護休暇がありますが、2つの制度の中身は異なります。主な違いは、以下の通りです。
| 介護休業 | 介護休暇 | |
| 取得可能日数 | 対象家族1人当たり、通算で最大93日 | 対象家族1人当たり、年間で最大5日 |
| 対象家族 | 要介護状態の家族を介護 | 要介護状態の家族を介護 |
| 申請方法 | 休業開始予定日の2週間前までに、書面などで事業主に申請 | 当日でも申請可能書面ではなく口頭でも問題なし |
| 賃金や給付金 | 原則無給条件を満たしていれば、介護休業給付金を受けとれる | 原則無給(会社によって異なる) |
介護休暇はすぐに申請できる点や、取得できる日数が短いなどの違いがあります。状況に応じて、制度の使い分けを検討してください。
介護休業給付金が受け取れないパターン

介護休業給付金は条件に該当していても、受け取れないパターンもあります。どのような時に受け取れないのか、事前に確認してください。
介護休業明けに退職が決まっている
介護休業は休業後に職場復帰を目的とした制度のため、休業前から退職が決まっている場合は、介護休業給付金の対象外です。取得をした後でも復帰する見込みがないと判明すれば、給付は受けられません。
介護休業中に一定条件下で働いていた
介護休業給付金は、休業期間中に働いた日数が月に10日以下であるという条件があります。休業期間が1ヶ月未満の際は、労働日数が10日以下かつ全日休業が1日以上必要です。
そのため、休業期間中に10日を超えて労働した場合や全日休業が1日未満の時は、給付の対象から外れます。また、休業期間中の賃金が、休業期間前の80%以上になった場合も給付金は受け取れません。
労使協定で一定条件にあてはまる
労使協定によっては、介護休業給付金の支給対象外となるケースがあります。
- 入社してから1年未満
- 申請から93日以内に雇用が終了する
- 1週間の所定労働日数が2日以下
介護休業給付金の支給要件として、雇用保険に加入している期間が12ヶ月以上必要です。12ヶ月の計算について厚生労働省は、「介護休業開始日の前日から1ヶ月ごとに区切った期間に、賃金の支払いの基礎となった日数が11日ある月を1ヶ月とする」としています。
そのため、入社してから1年未満の人は、雇用保険の加入日数が足りず、支給を受けられません。また、1週間の所定労働時間が20時間未満で、雇用保険に加入していない人も給付金の支給対象外です。
介護休業給付金の申請手続き
介護給付金を受け取るために必要な書類や、申請の流れを紹介します。申請する時になって慌てないために、ぜひ事前に一度ご確認ください。
必要書類や書き方
介護休業給付金を受け取るには、「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」と「介護休業給付金支給申請書」さらに、添付書類が必要です。
「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」は事業主が、賃金台帳や出勤簿などの記載内容が確認できる添付書類とともに、ハローワークに提出を行います。「介護休業給付金支給申請書」は、被保険者か事業主のどちらかが、以下の添付書類と一緒にハローワークに提出をします。
1. 被保険者が事業主に提出した介護休業申出書
2. 介護対象家族の方の氏名、申請者本人との続柄、性別、生年月日等が確認できる書類
3. 介護休業の開始日・終了日、介護休業期間中の休業日数の実績が確認できる書類
4. 介護休業間中に介護休業期間を対象として支払われた賃金が確認できる書類
出典:厚生労働省
申請書には、自分や介護が必要な家族の氏名・生年月日・被保険者番号のほか、介護休業の開始日・終了日、休業日数などを規定の欄に記入します。
申請期間
「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」は、被保険者が介護休業をした日の翌日から起算10日以内が期限です。しかし、事業主が提出する場合は、以下の支給申請書と同時に提出可能です。
「介護休業給付金支給申請書」は、介護休業終了日の翌日から起算して2ヶ月を超える日の属する月の末日までが期限になります。もし、介護休業の終了日が7月25日なら、期限は7月26日〜9月30日です。介護休業期間が3ヶ月以上にわたるときは、介護休業開始日から3ヶ月を経過する日から起算を始めます。
提出から受け取りまでの流れ
介護休業給付金は申請をすれば必ずもらえるわけではなく、審査が実施されます。審査終了後に、支給決定または不支給決定の通知が書面で届きます。支給決定日からは、約1週間で指定口座に給付金が振り込まれる予定です。
介護休業給付金の計算方法

介護休業給付金の計算方法は、条件によって異なります。休業中に賃金が支払われていない場合では、以下の2パターンのどちらかになります。
- 支給単位が1ヶ月ある場合:休業開始時賃金日額×支給日数(30日)×67%=支給額
- 最後の支給単位期間の場合:休業開始時賃金日額×支給日数(層の日数)×67%=支給額
休業中に賃金が支払われている場合は、以下の通りです。
- 支払われた賃金が休業開始時賃金月額の13%以下:休業開始時賃金日額×支給日数×67%=支給額
- 支払われた賃金が休業開始時賃金月額の13%超〜80%未満:休業開始時賃金日額×支給日数の80%相当額と賃金の差額を支給
- 支払われた賃金が休業開始時賃金月額の80%超:支給なし
なお、休業開始時賃金月額は上限額と下限額が決まっており、令和6年8月1日時点では以下の通りです。
- 上限額:518,100円
- 下限額:86,070円
介護休業給付金の注意点5つ
介護休業給付金を利用するには、いくつかの注意点があります。今回は主に知っておきたい5つのポイントをご紹介いたします。
①支給は「支給単位期間ごと」
給付金は原則として後から申請・支給されますが、支給単位期間ごとに分けて受け取る仕組みです。また、すぐに支給されるわけではなく、審査を受けてからの支給となるため、受け取るまでには時間がかかります。
②同一対象者につき93日まで・最大3回に分割可能
介護休業給付金は同一の対象家族について、通算93日を上限に最大3回まで分割可能です。最初に30日、後から43日、20日などと分割して利用できます。
③複数家族で申請可能
同じ介護対象者に対して介護休業給付金を利用できるのは、1人1回までです。しかし、介護する人が変われば、それぞれが介護休業を取得できます。例えば祖母の介護に夫が93日・妻が93日・孫が93日という形で取得できます。
④2週間未満の休業でも利用できる
介護休業は、家族が常時2週間以上の介護が必要な場合に利用できるとなっていますが、この2週間は要介護者の状態を表す期間です。そのため、申請者の休業期間が2週間未満でも、給付金は休業期間分受け取りができます。
⑤他の休業との併用はできない
介護休業給付金を利用するには、他の休業との併用はできません。例えば、産前・産後休暇や育児休暇が始まった場合は、そちらの方が優先され介護休業は終了となります。どの休業制度を利用するのか、どのタイミングで申請するのか、家族間でよく話し合ってから決めてください。
まとめ
介護休業給付金について紹介しました。介護休業は仕事と介護の両立を助けるための制度で、賃金の67%分が休業後に給付金として支払われる仕組みです。利用できるのは、2週間以上の常時要介護が必要となった家族がいる人です。
給付を受けられるのは、休業が終わってから最大で2ヶ月以上かかるケースもあります。しかし、介護と仕事の両立をサポートしてくれる制度ですので、よく内容を理解してぜひ活用してみてください。








