新NISA、全世代に対象拡大でシニアはどうなる?知っておくべき概要と得する使い方

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新NISA、全世代に対象拡大でシニアはどうなる?知っておくべき概要と得する使い方

金融庁が2026年度の税制改正要望において、NISA制度の対象拡大や商品の拡充、非課税枠の柔軟化などを打ち出しました。こうした改正案は、若年層だけではなく、シニア層にとっても資産を活用するチャンスとなります。今回は新NISAの基本から、改正要望の内容、シニアから新NISAを始めるメリット・デメリットなどを解説します。

この記事の目次

    新NISAとは

    新NISAは2024年にスタートした新たな制度で、従来のNISAとは異なり、制度の併用ができたり、非課税保有期間の制限がなくなったりしています。基本の概要は以下の通りです。

    新NISA成長投資枠 新NISAつみたて投資枠
    年間投資上限額 240万円 120万円
    障害非課税限度額 1,800万円(うち成長投資枠1,200万円) 1,800万円
    制度併用
    非課税保有期間 無制限 無制限
    対象年齢 18歳以上の成人 18歳以上の成人

    成長投資枠では上場株式や投資信託など、つみたて投資枠では長期積立・分散投資に適した一定の投資信託商品を選択できます。NISAの特徴としては、運用によって得た利益が非課税になる点です。

    通常、株式などの投資で利益を得た場合は、20.315%の税率が発生しますが、NISAの場合は非課税のまま受け取りができます。

    新NISAの改正要望の内容

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    金融庁は2026年度の税制改正要望において、NISAの内容を見直すように打ち出しています。以下では、要望内容3つを解説いたします。

    ①対象年齢の見直し

    現在の新NISAは、成長投資枠もつみたて投資枠も対象年齢は18歳以上の成人となっています。制度が改正される前までは、ジュニアNISAが設けられていましたが、現在ジュニアNISAの新規開設はできません。

    金融庁は若年層の長期・安定的な資産形成を支援するため、こども家庭庁とともに、つみたて投資枠の対象年齢を未成年にも拡大するよう要望しています。

    ②対象商品の拡充

    現在のNISAは、債券や投資信託などリスクの低い商品をメインとしています。一方で、高齢者が投資しやすい商品をNISAの対象に含めることを検討しています。

    具体的には、毎月分配型の商品です。通常のNISAの商品は、運用益を自分のタイミングで引き出すので、決まった時に自動的に振り込まれるような仕組みではありません。毎月分配型の商品であれば、年金のように定期的に生活資金として運用益を受け取れます。

    老後の生活資金として定期的に収入が欲しい層にとっては、メリットとなる可能性があります。対象商品など詳細は決まっていないため、要望が反映された際に発表されるでしょう。

    ③非課税保有限度額の当年中の復活

    非課税保有限度額の1,800万円に達した場合、投資商品の入れ替えとして売却しても、売却分の枠が復活するのは翌年です。そのため、空いた枠に追加したい資産の購入ができるまでにタイムラグが発生し、購入できる時になったら状況が変わってしまいます。

    金融庁はこの枠の復活を現在の翌年から、当年中に復活するように要望を出しています。当年中に枠が復活すれば、シニア世代からはリスクの低い商品に変更するといった運用が、これまでよりも進めやすくなります。

    スムーズな投資商品の入れ替えを行い、より多くの人が柔軟な投資が行えるように、改正要望が提出されています。

    NISA改正によって得する人・損する人

    改正によって、得する人と損する人の特徴を紹介します。

    得する人

    NISAの改正要望が実施された場合、得をするのは18歳未満でつみたて投資を実施したい人です。年齢制限が廃止されると、未成年でも年120万円まで投資枠を活用できます。

    シニア世代であれば、未成年の孫への暦年贈与の非課税枠110万円を、投資枠に回す形で渡せるメリットがあります。現金で渡すよりも、投資に回した方が複利の力でより多くの額を積み立てできる可能性も見込めます。

    孫の教育資金や将来の生活資金を残したい人や、相続税対策を行いたい人にとっては、今回の改正要望による変更はメリットと言えるでしょう。

    損する人

    今回の改正要望では対象商品の拡充で、毎月分配型投資信託を対象とする内容が盛り込まれています。毎月分配型投資信託は、定期的に運用益が分配されるため、安定した収入の少ないシニア層にとってはメリットです。

    しかし、毎月分配型投資信託は運用コストが高い点や元本の一部を取り崩すなどのデメリットもあり、投資資金を減らす可能性も。人によっては手数料やリスクの高い商品を選んでしまい、結果として損をするケースがあるでしょう。

    毎月の定期的な分配金や売却益が欲しい場合、投資信託を定期売却する方法もあります。毎月分配型投資信託以外にも、定期的な収入を作れる方法を知らない人は、損をするでしょう。

    シニア世代が新NISAを使うメリット

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    シニア世代が新NISAを利用するのには、いくつかのメリットがあります。今回は以下の3つのメリットをご紹介いたします。

    ①資産寿命が伸びる

    シニア世代は、定年退職を迎えて定期的な収入が少なくなります。そのため、これまでに用意した貯蓄を切り崩すほか、支給される年金をメインに生活を送ることになるでしょう。

    しかし、定年退職をした60歳以降から平均寿命までは20年ほどあるため、十分資産を伸ばしていけるチャンスがあります。老後生活のために用意した資産を切り崩すだけでは、生活の途中で資産が尽きる可能性も。

    一方で投資を取り入れると、複利の力で雪だるま式に資産が増えていくので、老後生活の途中でお金が尽きる心配を減らせます。資産が減るスピードを抑えられるので、取り崩しながら生活をすることに対する精神的なストレスを減らせるのもメリットです。

    ②複利の力を利用できる

    NISAなどの投資では、複利の力を利用するとより多くの資産を手に入れられる可能性があります。複利効果とは、運用で得た利益を元本に加えて再投資することで、利益が利益を生み出す仕組みのことです。一般的に投資期間が長いほど、効果は雪だるま式に増えていきます。

    シニア世代であっても投資期間が15〜20年ほど確保できる点を考慮すると、十分に複利の力を利用可能です。少しでも資産を増やしていけるチャンスがあるのが、新NISAを利用するメリットです。

    ③相続対策もできる

    相続人が被相続人のNISA口座を、そのまま引き継ぐことはできません。口座内にある資産は相続が発生した時点の時価で評価され、相続財産となります。

    相続時の財産に対して相続税が発生するため、金額によっては多くの税金が発生することになってしまいます。しかし、運用で得た利益を毎年子どもや孫に年間110万円ずつ生前贈与を行えば、相続時の財産を計画的に減らせます。

    子どもや孫が投資に利用すれば、将来的に受け取れる資産の額は、贈与した額よりも大きくなるでしょう。制度をうまく活用すれば、相続時の負担を減らせるのもメリットです。

    シニア世代が新NISAを使うデメリット

    新NISAをシニア世代が利用するのは、当然デメリットも存在します。以下では3つのデメリットを紹介しますので、利用する際のヒントとしてご確認ください。

    ①元本割れのリスク

    NISAに限らず、投資は元本割れを起こすリスクが存在します。若年世代であれば、元本割れによって資産がマイナスになっても、給料などによる収入で補填が可能です。

    しかし、定年退職後のシニア世代では、投資によるマイナスは補えなくなる可能性があります。特に、退職金のようなまとまったお金を利用して投資を検討している場合は、元本割れによるリスクを考慮する必要があります。

    リスクを減らすには、複数の投資先に分散させる「分散投資」がおすすめです。値動きが異なる資産を組み合わせれば、一方が値下がっても、もう一方の資産でカバーできるでしょう。

    ②認知機能低下時の対策が必要

    年齢を重ねると、判断力や認知機能の低下の問題が発生します。認知機能が低下すれば、金融資産の管理や売買の判断が難しくなるほか、詐欺に遭う可能性なども高まります。

    対策をするには、家族や資産管理を任せられるプロに相談しておいてください。運用方針をシンプルなものにしておくと、煩雑な管理に手間を取られにくくなります。自動積立を行うことや、こまめな売買は避けるようにするのも、おすすめの対策です。

    ③生活防衛費は別途用意する

    投資を行う際は、余剰資金で行うようにしてください。生活防衛費を残さずに全ての資産を投資に回してしまうと、病気や怪我が発生した際や、介護が必要となったときの費用をすぐに用意できません。

    万が一に備えるためには、生活費の半年〜1年分の生活防衛費を、すぐに引き出せるように預貯金で確保しておきましょう。投資資金は生活防衛費や、使い道の決まった費用を差し引いた余剰資金で行ってください。

    プラチナNISAとは

    65歳以上のシニア層には、新NISAだけではなくプラチナNISAの活用もおすすめです。現在のNISAとは異なり、65歳以上を対象としたNISAの制度で、今回の改正要望が通れば制定される可能性がある制度です。

    毎月分配型の投資信託も対象商品に入る予定ですので、投資で得た利益を毎月分配金として得られるようになります。長期的な資産形成には向いていませんが、老後に安定した収入が欲しい人にはメリットとなります。

    シニア世代が新NISAやプラチナNISAを使う時の注意点

    シニア世代が、新NISAやプラチナNISAを使う時に注意しておきたいポイントを紹介します。始めてから後悔しないために、ぜひ事前に確認しておいてください。

    - 十分な預貯金や生活防衛費を確保しておく
    - 投資の仕組みやリスクを勉強する
    - 分配金や運用益に頼った生活をしない

    基本的には、投資によって大きく利益を増やすのを目的とするのではなく、今ある資産を守りながら少しずつ増やしていく、堅実な運用を検討してください。年間2〜4%ほどとすると、大幅な元本割れのリスクを避けながら、資産を育てていけるようになります。

    まとめ

    金融庁が打ち出した、新NISA制度に対する改正要望の内容について紹介しました。現行のNISA制度がより使いやすくなるように、年齢制限の撤廃・毎月分配型投資信託商品の追加・非課税保有限度額の当年中の復活が打ち出されています。

    要望が反映されれば、シニア層も毎月の安定した分配を受け取れるようになるなどの、メリットを得られる可能性があります。

    現在NISAを利用している人はもちろん、これからNISAを利用するか悩んでいる人は、今回の改正要望の内容なども考慮したうえで、将来の資産形成の計画を検討してみてください。

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