社会保険の扶養から外れるタイミングとは? 外れてしまう条件や収入基準を解説

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社会保険の扶養から外れるタイミングとは? 外れてしまう条件や収入基準を解説

2024年10月より社会保険適用の対象が拡大されました。そこで対象となった方にとって気になるのは、社会保険の扶養から外れるタイミングではないでしょうか。本日は、社会保険適の扶養から外れる条件やタイミング、その後の手続きなどについて解説します。

この記事の目次

    社会保険の扶養とは、自身で社会保険に入らなくても保険が受けられる仕組み

    社会保険の扶養制度は、被保険者になった配偶者や子どもなどが自身で社会保険に入らなくても被保険者と同じ公的サービスを受けられる仕組みです。

    社会保険の扶養は、条件を満たすと配偶者や両親などの扶養に入ることができ、医療機関を利用した際の自己負担が大幅に軽減されたり、配偶者ならば厚生年金の受給資格を得られたりするなど、多くのメリットがあるものです。

    対象者となるのは、年間収入が原則130万円未満の被扶養者です。扶養に入ることで、配偶者は社会保険料の支払いがなくなります。被保険者にとっては配偶者控除などの適用対象となり、税金の負担を軽減できるのです。

    データ元:国税庁「扶養控除」

    社会保険の扶養が外れるタイミングは、継続して基準収入を超えると見込まれる時点

    では、これまで扶養内で働いていた方が扶養から外れるのは、どのようなタイミングでしょうか。社会保険の扶養の場合、現在の月収×12カ月で求められる今後1年間の見込み年収が扶養に入るかどうかの基準となります。

    ですから、月収が108,333円を超えた場合で、さらにその後も継続して月収が108,333円を超えることが予想される方は、年始であっても年度末であったとしても、社会保険の扶養を外れる手続きを踏む必要があるのです。

    手続きには期日があるので、遅れないように行います。ただし、加入している健康保険によって扶養資格等は異なる場合がありますので、予め確認するようにしましょう。

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    社会保険の扶養から外れる条件は、年間収入が130万円超

    社会保険の扶養は1月から12月までの年間収入が130万円を超えると外れてしまいます。そして、社会保険の扶養から外れた場合には、世帯主が勤める企業に申請を行い、被扶養者だった方はご自身で働かれている職場や区役所での手続きが必要となります。

    具体的には、以下の要件が当てはまる場合には扶養から外れてしまいます。

    ・雇用契約変更により月収または年収見込みが基準額以上になった場合
    ・2ヶ月以上(健康保険組合によっては3ヶ月以上)連続して月収が108,334円を超える場合
    ・3ヶ月の月収平均が108,334円を超える場合
    ・過去12ヶ月の月収合計が130万円を超える場合

    また、1~6月までの半年間の収入が65万円を超える際も注意が必要となります。この時点では年収が130万円に到達していませんが、これをベースに年収に換算すると1年間で130万円を超えてしまう見込み金額が算定できます。

    そして、扶養から外れるかどうかはこの見込み金額で判断されます。ですから、扶養を外れたくない場合は、こういった見込み金額も考えてシフトを出したり勤務体系を調整したりしなくてはならないのです。

    社会保険の扶養から外れたら、5日以内に手続きが必要

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    さきほどもお伝えしたように、社会保険の扶養は1月から12月までの年間収入が130万円を超えると外れてしまいます。

    年収が130万円を超えた場合の手続きとしては、まずは扶養をしている側が会社に扶養者が減ることを申請します。そして、これまで扶養に入っていた被扶養者は勤めている会社の制度によって社会保険か国民健康保険に加入します。

    勤務先の社会保険に新たに加入する際には、会社の労務担当者が健康保険と厚生年金保険の「被保険者資格取得届」を管轄の年金事務所や健康保険組合に提出します。この社会保険の加入手続きは扶養を外れた日から5日以内に行う必要があります。必要となる書類は以下の通りです。

    ・基礎年金番号(基礎年金番号通知書および年金手帳に記載)
    ・マイナンバー(マイナンバーカードの提示など)

    また、勤務先の社会保険ではなく国民年金や国民健康保険に加入する際は、勤務先に「被扶養者(異動)届」を速やかに提出してもらい、扶養から外れた日から14日以内に、市役所や区役所で手続きを行います。その際に必要となる書類は以下の通りです。

    ・資格喪失証明書など扶養削除された日が確認できるもの
    ・年金手帳や基礎年金番号通知書など
    ・本人確認ができるもの(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど) 

    ここで注意したいのは加入手続きが遅れてしまうことです。忙しい方にとってはついつい手続きが面倒に感じられてしまうかもしれませんが、加入手続きは定められた期間内に行うようにしましょう。

    1か月だけ極端に収入が増えてしまったら?

    雇用契約上では急な残業やシフト交代などで、1か月だけ極端に収入が増えても、即時に社会保険の扶養を外れるということはありません。ただし、2か月連続して超えてしまう場合は扶養を外れる恐れがあるので注意しましょう。

    もし、手続きを行わなかったら?

    社会保険の扶養から外れたのにも関わらず手続きをしていなかった場合は、資格喪失日にさかのぼって健康保険料や年金を支払わなければなりません。

    勤務先の社会保険に加入する場合はあまり心配はいらないかもしれませんが、ご自身で手続きを踏まなければならない国民健康保険や国民年金の場合は、特に注意が必要です。手続きを怠ってしまうと後で多額の返還請求が来てしまうことにもなりかねませんので、しっかりと行うようにしてください。

    社会保険の扶養に関して注意すべきこと

    扶養を外れると世帯年収が減る可能性も

    被扶養者が扶養を外れると、適用されていた控除がなくなってしまうため、世帯年収が減るおそれがあります。また、被扶養者には社会保険料の支払い義務が発生します。このため、被扶養者の年収だけではなく、世帯年収が減ってしまう可能性があるのです。

    株式等の配当金にも留意する必要がある

    継続的に投資で利益を得た場合、収入として加算されてしまうことも。株式などを売却した場合、その取引が一回限りのものでしたら継続的な収入とはなりません。しかし、株式の配当金が毎年ある場合は、収入として計上しなくてはならないため、アルバイトやパートでの収入が130万円以下だとしても気を付けておかなければなりません。

    さかのぼって扶養が外れることも

    130万円を超えると扶養が外れ、扶養に入っていた期間までさかのぼって、保険診療費の金額を返金要求されてしまうことも考えられます。万が一、返金要求がなされた場合はすみやかに返金するようにしましょう。

    社会保険の扶養から外れるメリットとは?

    社会保険の扶養から外れる方にとっては、何だか負担が増えるイメージが多いかもしれません。では、社会保険の扶養から外れるメリットとは、どのようなものがあるのかをみてみましょう。

    受けられる保障が増える

    被扶養者から外れ自分が被保険者となると、傷病手当金や出産手当金などの給付を受けられます。これにより、病気やけがに対するリスク軽減や保障拡充の観点から経済的安心を得られるようになるのです。

    年金額の増加

    社会保険料を自ら負担することで年金が積み立てられます。そのため、将来的に受け取る年金額も増加が見込まれます。現行の年金制度は納付年数が長いほど受取額も増えるため、社会保険の扶養から外れることで将来的に受給できる金額が増えるという訳です。

    収入額が増え、キャリアップへのチャンスになる

    扶養から外れることは、年収の壁を気にせずに純粋に収入を増やすことに繋がります。収入が増えることで、生活を安定させることができるのです。また、労働時間が長くなることで自身のキャリアアップへの足掛かりのチャンスになることも。

    扶養の範囲内で働いている場合には就労時間や収入の上限がありますが、扶養から外れることでフルタイムの勤務が可能となり、キャリアアップのチャンスとしての経験を積める場合も少なくありません。

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    デメリットとは?

    では、続いて扶養を外れる際のデメリットについてみていきましょう。

    手取り額の減少

    社会保険に加入すると、自身で負担する必要があるため働き方にもよりますが、給与の手取り額は必然的に少なくなってしまいます。所得が少ない場合は、より保険料負担の重さを感じやすくなってしまうでしょう。

    節税効果がなくなる

    配偶者が扶養に入っている場合、扶養者は配偶者控除や配偶者特別控除を受ければ所得税や住民税の課税対象額を小さくすることができるのです。つまり、扶養を外れてしまうと節税効果が得られなくなってしまうといったデメリットがあります。

    まとめ

    今回は社会保険の扶養から外れるタイミングを含め、社会保険の扶養についてみてきました。社会保険の扶養から外れたからといっても再び条件を満たせば、扶養を受けることができることを覚えておきましょう。これまでは年収の壁を気にして働いていた方も、扶養から外れることによってより自由度の高い働き方ができるかもしれません。

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