あなたも気を付けて!偽装フリーランスに陥らないために知っておくべきこと

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あなたも気を付けて!偽装フリーランスに陥らないために知っておくべきこと

働き方改革が進んだ現代。流動的な働き方が認められるようになったのと同時に、フリーランスならではの問題点も浮き彫りになりつつあります。本日はあなたの身にも迫りくる、フリーランスの闇に迫っていきたいと思います。

この記事の目次

    フリーランスという働き方は、今や当たり前の時代!

    現在、職に就いている人のうち本業のフリーランス数は209万人と言われており、その割合は職を持っている人全体の3.1%なのだとか。男女別にみると、男性が146万人、女性が63万人で男性の方が女性よりも倍以上多いことがわかります。

    年齢階級別にみると、「45~49歳」が24.5万人で最も多く、次いで「50~54歳」が24.4万人となっています。つまり、フリーランスとして活躍している方の7割がミドルシニア層がであり、いかにミドルシニアの世代間で活躍するフリーランスが多いことがわかっていただけるかと思います。

    また、副業でのフリーランスの割合は、「35~39歳」が最も高く、次いで「65~69歳」、「40~44歳」。あらゆる世代において、今やフリーランスという働き方は一般的になってきているのです。

    偽装フリーランスとは?

    そうしてフリーランスが活躍する世の中になったのと同時に、問題も起こってきました。その中の一つが偽装フリーランスです。

    偽装フリーランスとは、契約上はフリーランスとしての業務請負であるのにも関わらず、企業に勤める労働者と同じ働き方をしている人のことを示します。フリーランスという呼び名だけで、実際は雇用関係があるような働き方を強いられていることから、偽装フリーランスという名前が付きました。

    このように、フリーランスとして働いているのにも関わらず、企業に雇用されている労働者と変わりない条件で業務委託を請け負うことを、偽装請負といいます。偽装請負になってしまうと、フリーランスのメリットである自由な働き方が難しくなるだけでなく、さまざまなリスクを負うことになります。

    しかしながら、クライアントから契約を切られたくないからと我慢して、この"偽装フリーランス"という働き方をしてしまうフリーランスが近年増加しているといいます。企業側もフリーランスの弱みに付け込み、形式上は「フリーランス」扱いなのにもかかわらず、「便利屋」としての観点で仕事を依頼しているという実態もあるようです。

    雇用されると、法律上は労働者として扱われるため、労働基準法などの法律で被雇用者は守られます。最低賃金の保障や簡単には解雇されないのも、労働者として法律で守られているからなのです。しかし、偽装フリーランスはそうではありません。労働者と同じ働きが求められるのにも関わらず、保護や保障はないに等しいです。

    企業の財政悪化によっては一番にクビを切られることもあり、いわゆるトカゲのしっぽ切りのような扱いをされることも。もちろん、雇用関係は成立しないため、労災保険や雇用保険といった労働者を守るための法律を活用することもできません。それが"偽装フリーランス"と呼ばれる、いわゆるフリーランスの闇なのです。

    データ元:総務省統計局「基幹統計として初めて把握したフリーランスの働き方~令和4年就業構造基本調査の結果から~」

    フリーランスの定義とは?

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    そもそもフリーランスとは、特定の企業に所属せず、案件ごとに契約を交わして業務を請け負い、業務を進める人々のことをいいます。勤務時間や場所に縛られず、自分の裁量で仕事のジャンルや量を決められるため、自由度の高い働き方ができることが最大のメリットだと考えられています。

    しかし現在、フリーランスの数は増加の一途を辿っています。そうした中で、仕事や案件獲得競争が過熱しており、継続的に仕事を請け負うのは容易ではなくなってきています。つまり、フリーランスは会社員に比べて収入が不安定になってしまうといったデメリットも持ち合わせているのです。

    個人事業主との違い

    そして、そんなフリーランスと混合されがちなのが個人事業主です。
    個人事業主とは税務署に開業届を提出し、法人を設立せずに個人で事業を営むことです。開業届は事業を始める際に提出が義務付けられていますが、未提出でも罰則はありません。

    フリーランスは開業届の提出の有無に関わらず、企業に所属せず業務を請け負う人のことを指すため、個人事業主でありながらフリーランスにも該当する人も多いのです。

    労働者との違い

    一方、労働者とは企業と雇用契約を結び、仕事をする人のことです。正社員はもちろん、期限付きの契約社員や派遣社員、またアルバイトやパートタイマーも労働者に含まれます。フリーランスとの最大の違いは企業と雇用契約を結んでいるところです。この雇用契約により、労働法での保護を受けられるという訳なのです。労働者が業務中にケガや病気をした際には、労災保障を受けられますがフリーランスは一切そういった保障はありません。

    偽装フリーランスの何が問題なの?

    ここからは、偽装フリーランスの問題点について触れていきます。偽装フリーランスの一番の問題点は、働き方は雇用されているのと変わらないのに労働者の権利を行使できないところです。

    勤務時間や場所に縛られず、自分の裁量で仕事ができる点がフリーランスの良さだったのに、偽装フリーランスの場合では企業の指示に従って業務に取り掛からなければならないため、自由に仕事を選んだり進めたりすることができなくなります。

    さらに、労働中にケガや病気をしても、労災を利用して治療費や休業補償の給付を受けられません。そのため、偽装フリーランスでは雇用契約があるような働き方が求められるのにも関わらず、保障はされないまま自分の身は自分で守らないといけないのです。

    労働者であればケガや病気を理由に勤務できない状態になったとしても、不当に解雇してはならないと法律で定められています。しかし、偽装フリーランスではそのような決まりもないため、いきなり「明日から来なくてもいい」と不当解雇のような扱いを受けることも。

    実働時間についても、労働者には時間外手当がありますが、偽装フリーランスでは契約書で決まった金額以上の手当を受け取ることはできません。労働基準法では勤務時間の上限や残業代の支払いについて具体的な基準がありますが、フリーランスは対象外となっているからです。

    偽装フリーランスの大きな問題点は、フリーランスのメリットである自由な働き方を制限されてしまっているのに、労働者の権利や保証はされないまま、働くことを求められるということなのです。

    労災と認められたケースも!

    偽装フリーランス問題については、2023年4月に成立したフリーランス新法で「偽装フリーランスや準従属労働者の保護のため、労働基準監督署等が迅速かつ適切に個別事案の状況を聴取、確認した上で、適切に対応できるよう十分な体制整備を図ること」と決議がなされました。

    さらに、最近ではフリーランスであっても「労働者性がある」と認められるケースも出てきています。例えば、2023年には配達中に事故にあったAmazonの配達員や、撮影に向かう途中事故にあったフリーカメラマンの男性に労災が認められました。このように、社会的に立場の弱いフリーランスに対して保障を、という声が世の中で高まってきているのです。

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    偽装フリーランスにならないために

    そうはいっても、クライアントを失いたくないのがフリーランスの本音です。仕事がなくなってしまい生活が不安定になるのなら、偽装フリーランスとして働いてでも安定した報酬を得たいと思う方も少なくないでしょう。

    しかし、そうした一部の悪を認めるフリーランスが増えた結果、偽装フリーランスを使い続ける企業も後を絶たないのが事実です。仕事を盾に、就業を限定させられたり、無理強いをさせてくるクライアントには「NO」と言える勇気をフリーランスの皆さんは持たなくてはいけません。

    といっても、知らず知らずのうちに"偽装フリーランス"にさせられている場合もあります。そのような状況に陥らないためにも、まずは契約段階で条件をよく確認するようにしましょう。少しでもフリーランスとしておかしい働き方が盛り込まれていた場合には、しっかりとクライアントに請負契約に反していることを指摘します。

    請負契約では、どちらが上・下という観点はなく、企業もフリーランスも同等の立場だとされています。フリーランスとして契約しようとしているのに、勤務時間や働き方に指定がある場合は特に注意です。

    昨今、このような偽装フリーランスに関するトラブルが相次いだことにより、フリーランス新法を2023年4月に可決した経緯があります。これまで各企業や案件ごとに曖昧になっていた取り決めについてのガイドラインが示され、一定の決まりが設けられています。

    この法律の中で、契約時に業務内容や報酬額を書面あるいはメールなどで明示することを義務化したのは、フリーランスにとっては身を守ることができる第一歩だと言えるでしょう。さらに、もし違反があった際には国の行政機関へも申告ができるとしているので、企業側への抑止にも繋がる法律です。

    それでも不平等な契約を結んでしまった場合や、現在偽装フリーランスとなってしまっている場合はフリーランス・トラブル110番」を頼るのも得策です。フリーランス・トラブル110番は、フリーランスをはじめとする企業との雇用関係によらない働き方をしている人が、弁護士に無料で相談できるフリーダイヤルです。

    第二東京弁護士会が運営を担い、内閣官房といった関連省庁と連携を行っています。このダイヤルの嬉しいところは匿名での相談が可能な点です。自身が偽装フリーランスに該当するかの確認や、クライアントとのトラブルについて相談もできますので、心配な方はこういったダイヤルも活用しましょう。

    データ元:厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」

    まとめ

    多様な働き方ができるフリーランスを魅力的に感じる方も多い中で、思わぬトラブルも多発しています。法整備が整ってきているとはいえ、依然とクライアントの意向に従い、思うような働き方ができないフリーランスも多く存在します。そんな偽装フリーランスにならないためにも、フリーランスに関する問題や制度を知った上で、業務に集中できる環境を整えましょう。

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