50代で起業・独立はあり?成功するためのコツやおすすめの職種、開業準備
- 独立・起業
- 公開日:2024年9月 6日
60・70代でも働くのが当たり前になってきた昨今、50代でキャリアを見つめ直し、起業や独立を検討する方も。今回は50代で起業・独立はできるのか、準備や成功のコツについてご紹介します。起業に興味がある方、これから起業を検討する方はぜひご一読ください。
この記事の目次
50代からの起業や独立は遅くない
起業や独立をしようと考えているが、50代で始めるのは遅いのではないかと不安な人もいるでしょう。「中小企業のライフサイクル」では1979〜2012年までの起業家の平均年齢は、男性が39.7歳から49.7歳へ、女性は37.1歳から44.7歳と上昇しています。
また、実際に日本金融政策公庫の調査では、50代で起業している人は全体の13.4%、60代では9.1%です。20〜40代の起業家が多いですが、50代以降でも起業家として活動している人がいるとわかります。50代での起業や独立は、特別遅いわけではなく、十分にチャンスのある年齢です。
50代で起業・独立するための準備
年齢に関係なく、起業や独立をするためには事前の準備が大切です。特に50代以降では、起業に失敗した後の再就職が難しい場合があるため、入念な計画や資金確保が重要と言えるでしょう。
事業計画を立てる
起業を成功させるには、事業計画が重要です。事業計画を立てる際には、以下のような内容を明確にしましょう。
• 何を売るか
• 誰に対して提供するか
• どの業種で始めるか
• どういうルートでやるのか
• いくらで売るか
事業計画を作成した後は、競合や市場の調査も行うほか、未来予想なども立てましょう。調査と分析を経て、利益を得るための事業コンセプトをまとめ、課題や個別の計画などを作成していきます。そのほか、家族・仲間への説明も必要です。
資金確保の計画
事業の計画と同時に、資金計画も立てる必要があります。自己資金のみで始められるのか、銀行からの融資が必要なのか計算しましょう。外部から調達をする際は、使用用途や返済計画などを綿密に立てる必要があります。計画を立てる際は、初めは利益が出にくい点を考え、どのくらいで利益を出すのかなども含めておくと安心です。
独立支援制度の活用
起業をする際には、支援制度を活用できるかどうかも確認しましょう。50代の起業で活用できる制度には、以下の3つがあります。
経営革新等支援機関
経営革新等支援機関は、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行うために認定された制度です。税務や金融、企業財務に関する専門知識のほか、支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人や法人などが支援を行います。事業計画の作成や計画実行の支援・助言、改善案の提案などを行ってもらえます。
シニアアドバイザーセンター
各都道府県に設置されており、創業や経営革新計画の承認を目指す中小企業に対し、相談や専門家の派遣といった支援を行っています。補助金や税制、信用保証、融資などの支援措置を受けられます。創業を目指す人のほか、創業して5年未満の事業者の人が対象です。
都道府県等中小企業センター
事業の可能性の審査・評価、事業プランへの助言や問題解決の支援などを、総合的に行う機関です。各都道府県のほか政令指定都市に設けられています。相談や専門家の派遣のほか、セミナー・講習会、研修事業といった支援も行っています。
50代で起業・独立するメリットと注意点
50代での起業・独立ならではのメリット、その反対に注意しなければならない点もあります。
50代で起業・独立するメリット
50代で起業・独立するメリットは、これまでの社会人経験を活かせる点です。また、家庭でも落ち着いてくる時期となるため、40代までよりも自分の時間を取りやすくなります。
スキルや経験を活かせる
50代は20代・30代にはない経験や知識を持っているため、これまで会社で働いてきた経験や専門知識、スキルを活かした働き方が可能です。特に財務やマーケティングなど、経営に近いポジションの経験を持っていると起業した際も力を発揮できます。
そんなに大したスキルはないと思う人は、自身の経験した業務やできる仕事、社会人経験で身につけた内容を棚卸ししましょう。振り返りによって、自身の強みや事業に活かせるスキルを見つけられます。
人脈を活かせる
長い社会人経験によって、業界での人脈を持っている人も多いでしょう。特にそれぞれの業界に特化した人脈を持っていると、起業する際に協力を依頼できる場面もあります。ビジネスの機会を広げるのはもちろん、事業を行うなかで困った時にサポートを受けられる可能性もあります。
自由に動きやすい
20〜40代よりも自由に動きやすい点もメリットです。40代では子供の教育費や住宅ローン、会社での今後のポジションといった悩みを持っていることが多く、身動きが取りにくい場合も。60代では個人の時間は増えるが、すぐに70代に突入するため、体力や気力に関する問題が発生します。
50代では子供が手を離れていたり、自分のために時間を使えたりと、比較的余裕が出てくる方が多い傾向です。教育費や住宅ローンの心配が40代よりも減るため、事業に使えるお金も増えます。
50代で起業・独立する際の注意点
50代での起業・独立には、考慮しなければならない点もあります。
体力の問題
50代は20〜40代と比較して、体力がない点は考慮しなければなりません。長時間の労働が難しくなるほか、持病によって定期的な通院が必要となるなど、健康への配慮が必要にです。
柔軟性を持った行動
新しいビジネスへの対応やアイデアなど、常に新しい情報を仕入れ、判断をしていかないとビジネスでは取り残されてしまいます。変化に適応できないと、うまくビジネス展開ができなくなる危険性もあります。50代での起業は、新しい知識のアップデートやスピード感のある判断など、柔軟性を意識した活動が大切です。
50代での起業・独立を成功させるコツ
50代での起業・独立を成功させるために押さえておきたい、コツについてご紹介します。
小さく始める
起業をする際には個人事業主として、小さく始めてみましょう。小さく始めるメリットとして、手間や費用が最小限に抑えられます。また、いきなり会社を辞めて始めるのではなく、本業の後や週末などの時間を活用して副業で始めるとリスクを抑えられます。
副業であれば、本業での安定した収入があるため、失敗した時に仕事を失くすことはありません。副業から始めてビジネスが軌道に乗ってきたら、本業としての拡大も可能です。リスクを抑えて事業に取り組めるため、まずは小さく個人事業主として始めましょう。
積極性を持って動く
起業や独立をした後は、積極性を持って動いていきましょう。起業を成功させるには、とにかくアンテナを広げて、気になったことはやってみる気持ちが大切です。例えば、情報収集として「今どんなものが求められているのか」、「若い人たちに人気のあるものはなにか」といったものです。
新たな情報を仕入れ、それに対して自身がどう動くのかを考え、行動に移していくスピードが早いほど新たな機会を手に入れられます。こういった積極的な行動によって、チャンスが広がり、事業が成長していきます。まずは新たな物事に対して否定から入るのではなく、興味を持って取り入れるかどうかを判断していきましょう。
50代からの起業・独立でおすすめの業種
50代から起業・独立をする際に、おすすめの業種をご紹介します。自身の経験や強みを活かして、起業を成功させましょう。
コンサルティング
企業の課題について明らかにし、解決するための提案を行うのがコンサルティング業です。コンサルは経営や財務、技術などさまざまな分野で活躍ができます。50代以降であれば、自身の経験や知識という武器を持って、企業へと提案が行えます。
オフィスを構えずにお客様先に出向く方法であれば、初期費用を抑えて開業も可能です。自身の経歴はもちろん、人脈を活用して信用を得れば、継続的な依頼や高単価な案件獲得もできます。
人材紹介
幅広い人脈を持っている人は、人材紹介業をご検討ください。経験やスキルを活かしてクライアントのニーズを探り、自身の幅広い人脈を活かして紹介する仕事です。人材不足の業界では、特に需要が高い仕事のため、売り上げを得やすいでしょう。自宅や小さなオフィスでも開業できるため、開業費用を抑えられる仕事でもあります。
ただし、人材紹介の仕事には免許のほか、職業安定法といった法律の知識が必要です。起業前に、免許取得や法律の理解といった準備が大切になります。
コーチング
コーチング業はクライアントの可能性を引き出して、最大限に能力を発揮していくお手伝いをする仕事です。自身の経験や知識を交えていくのはもちろん、コーチング理論や技術を身につけての指導が必要となります。
コーチングには結果が出るまでに時間がかかるため、長期間の付き合いで信頼関係を構築していく必要もあります。コーチングもオフィスを構えずともできるため、初期費用は抑えて始められる仕事です。
オンラインショップ運営
もし、クリエイティブな趣味やスキルを持っている場合は、それらを販売する方法もあります。例えば、イラストを描ける場合はイラスト販売サイトへの登録や、自身のオンラインショップで販売する方法です。販売につながるスキルは、以下のようなものがあります。
• イラスト
• ハンドメイドアクセサリー
• 料理スキルや調理スキル
また、実際に品物を自分で仕入れてオンラインで販売する方法もあります。在庫を抱えるリスクはありますが、自宅でできるほか、自分の好きなものを販売できるというメリットがあります。
ITスキルを活用したサービス
ITスキルを活用して、顧客の悩みを解消するというサービスもあります。WebデザインができるならHP作成やチラシなどのデザイン、SEOに特化したライティングやアプリ開発などです。そのほか、動画編集やスマホに関するサポートサービスなどさまざまなサービスがあります。パソコンを持っていれば、自宅ですぐに開業できるのも魅力的です。
まとめ
50代での起業・独立は自身の経験やスキルを活かして、働ける点が魅力です。50代は子育てがひと段落する人が多く、自分のために時間やお金を使えるようになるため、起業しやすい時期でもあります。
本格的な起業に抵抗がある人は、まず副業といった形で小さく始めてみましょう。少ないコストで事業を始められ、軌道に乗ってからビジネスを拡大できるため、リスクを抑えられます。50代だからこそ、スキルや経験を活かせる仕事で起業を成功させましょう。