フリーランスとして働くとはどういうこと? 事前準備や開業後の手続きについて

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フリーランスとして働くとはどういうこと? 事前準備や開業後の手続きについて

アメリカでは労働力人口の約4割を占めると言われるフリーランス。日本でもその傾向が徐々に強まってきた印象です。本日はフリーランスとしてキャリアをスタートさせるにはどのような準備が必要なのかをみていきます。

この記事の目次

    フリーランスという働き方

    現在、フリーランスの柔軟で自由な働き方に注目が集まっています。ただし、いきなりフリーランスになろうと思っても準備しておかなければいけない書類や、踏んでおかなければならない手続きがあります。

    実際に、フリーランスという働き方には興味があるけれどフリーランスの始め方に疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。今回はフリーランスとしてキャリアを始める前にするべき準備や、実際にフリーランスになった後に行うべきことをご紹介します。

    そもそも、フリーランスとは? 個人事業主との違い

    フリーランスと似たような言葉に「個人事業主」があります。フリーランスと個人事業主を同じものとして認識している方も多いでしょう。

    個人事業主とは「事業を法人ではなく、個人で行うものとして税務署に開業届を出している人」のことをいいます。つまり、税法上の区別で用いられる言葉になります。一方、フリーランスは個人で契約を結んで自由に仕事をする働き方そのもののことを表す場合が多いです。

    このように、フリーランスと個人事業主とは働き方やキャリアそのものを表すのか、税法上の区分を表すかの違いだと言えます。

    フリーランスになる前に考えておきたいこと

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    フリーランスとして仕事をする上で、事前の準備はとても大切になります。では、実際にフリーランスになるために心得ておきたいことについて順を追ってみていきましょう。

    キャリアプランは明確にしておく

    フリーランスになるためには、具体的なキャリアプランを立てておくことが重要です。フリーランスは会社員と比べると自身に大きな裁量があるため、仕事時間も割と自由に設定することができます。

    しかし、自由度が高いからこそ、明確なキャリアプランを設定しておかなければ満足な収入が得られず、生活レベルを保つことが難しくなることも。そのため、自身でワークライフバランスやキャリアプランを明確にした上で、フリーランスとしてのキャリアをスタートさせましょう。特に大切なポイントは今後の生活に必要なお金や生活スタイルをどのように保つことかという点です。

    たとえば、月にこのくらいの収入が欲しい、1年後にはこれだけの契約を取っていたい、などと具体的な目標を書き出してみます。辿り着きたい像を視認することで、今後やるべきことが明確になるため、フリーランスとしてスタートする前にやっておくべきでしょう。

    ビジネスプランの構築

    キャリアプランが明確になったら、次にどのような受注の仕方をするかといった、仕事内容について深堀をしていきましょう。フリーランスが増えた今、競合他社(他者)は沢山います。その中でどうやったら他のフリーランスと差別化ができるか、自分の強みについて考えていきます。

    その際に市場の需要と供給のバランスをみることをおすすめします。ほとんどのフリーランスは業務委託として働くことが多いです。業務委託には契約期間が必ずあるため、一生安泰ということはあり得ません。そのため、どうしたら生活をしていけるかを綿密に考えておく必要があるのです。

    たとえば、ライターであれば必要なスキルは日本語を使って文章を書くこと、というシンプルなものです。ただし、参入障壁が低いからこそ副業でライターをしている会社員が多いのも事実です。そこで、差別化を図るためにプラスαのスキルや知識を入れておくとフリーランスのライターとして長く働くことができると言えるでしょう。

    経理関係の見直し

    会社員と違い、フリーランスは自身でお金の管理をしなくてはいけません。会社員であれば社会保険料等は給料から天引きされているため、特別何かをしなくても給料明細をみれば手取り額がわかるようになっています。

    しかし、フリーランスでは健康保険料や住民税、所得税は自分で払わなくてはならないため、入ってきた収入全部が自分の使えるお金だと思い込んでしまうと後で大変なことになってしまいます。

    そのため、フリーランスになるタイミングで仕事用の口座を開設したり、会計ソフトを用意したりしてプライベートと仕事のお金を分けておくなど、金銭管理を徹底しておくのがおすすめです。

    確定申告の準備

    フリーランスになるということは、自分で確定申告をすることとイコールです。経費精算も必要になってくるため、必ず領収書をもらい、確定申告のタイミングまで保管しておきましょう。後になって経費として認められるパソコン購入費用や事務用品代の領収書がないというのではとても損をしてしまいます。

    また、確定申告の際に簡単に使えるアプリもあります。さらに、近年では税務署にいけばスタッフの方が確定申告について細かく教えてくれるといった、相談にも乗ってくれるので確定申告の期間を過ぎないよう、申告する心構えをもっておきましょう。

    営業ツールの作成

    フリーランスとしてキャリアを始める上で重要となるのが営業活動です。営業活動に必要な名刺やメールアドレスの作成、SNSの開設を行いましょう。また、ウェブサイトやポートフォリオがあれば、クラウドサービスで仕事を募集しているクライアントにすぐに情報を送りご自身がどういった仕事ができるのかをアピールすることができます。

    フリーランスになってから営業を行っていては、仕事を受けるタイミングも後ろ倒しになってしまいます。会社員時代よりも収入を落とさずにフリーランスとして案件を獲得するためには、早めの営業ツールの用意が必須になるでしょう。

    雛形を事前に用意しておく

    契約書や請求書などの雛形を予め用意しておくと、スムーズに仕事に取り掛かれるでしょう。フリーランスとして活動する際、請求書や見積書の作成は必ず必要になります。今ではインターネット上で無料の雛形をダウンロードできるサイトもあるので、できるだけフリーランスになる前に作成しておくことをおすすめします。

    また、インボイス制度で適格請求書発行事業者登録をしておき、番号を請求書等に記載して置くのも仕事を受ける上で重要なポイントになるでしょう。

    ローンの申請

    フリーランスは会社員に比べ、ローン審査がとても厳しくなります。よく、収入が多い芸能人も家のローンが組めなかったと聞いたことがあるかもしれません。まさにその通りで日本社会はまだまだフリーランスは不安定な職業だとみられることが多いのです。ですから、ローンを組む予定があったりクレジットカードを作成したい場合は、フリーランスになる前にやっておくのがおすすめです。

    フリーランスになってからやるべきこと

    続いては、フリーランスになってからやるべきことを挙げていきます。

    保険に関する手続き

    フリーランスになった場合、社会保険の加入は自身で行わなくてはなりません。フリーランスになれば、国民健康保険に加入する方法が一般的です。退職後14日以内に厚生年金から国民健康保険に切り替える手続きをお住まいの市区町村役場で行いましょう。

    また、会社の健康保険を任意継続する方法もあります。継続加入することで退職後2年間までは会社員時代の保険給付内容を変わらず受け取ることができます。

    なお、保険料に関しては退職後には全額自己負担となりますので、国民健康保険に加入した場合と、会社の健康保険を任意継続した場合の金額を比較しておき、よりお得な方に加入すると良いでしょう。

    開業届の提出

    開業届はフリーランスとして活動を始めて1か月以内に税務署に提出しなければなりません。手続きには、印鑑と免許証などの身分証明書が必要になります。フリーランスとしての活動が始まると忙しさからついつい開業届の提出を忘れてしまいがちですが、開業届を提出することの優先順位を高くしておきましょう。

    青色申告承認申請書の提出

    フリーランスとして独立を果たした2か月以内に青色申告承認申請書の提出が必要です。さきほど挙げた個人事業の開業届と同様、税務署に提出します。

    将来に備えた準備をする

    フリーランスになるとご自身で働く裁量が広がるメリットもありますが、将来貰える年金の金額は厚生年金と国民年金の2階建てではなくなります。そのため、将来もらえる年金は必然的に少なくなるデメリットがあるのです。そのため、貯蓄をしたり、年金の積み立てをしたりと、将来の老後に備えた対策をご自身で行っておく必要があります。

    フリーランスが備えるために加入した方がいい制度とは?

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    フリーランスは会社員よりも将来もらえる年金が少ないことはお分かりいただけたかと思います。そこで、フリーランスになったからには備えをご自身で行っておく必要があります。ここでは具体的な備えについてみていきましょう。

    国民年金基金

    公的年金の一つで、個人事業主やフリーランスが加入できるものです。将来貰える金額は決まっており、加入すると原則やめることはできません。ただし、掛金の額を自由に増減することができ、掛金は全額所得控除されるため税金対策と将来の備えとして加入するフリーランスが多いのが現状です。

    個人型確定拠出年金(iDeCo)

    掛金を自由に決め、積み立てることができる個人年金。証券会社や保険会社などを通して申し込みができます。掛け金も上限はありますが1,000円単位で自由に設定できます。

    掛け金は国民年金基金と同様、全額所得控除されます。原則、60歳から老齢給付金として受け取れますが、金融商品であることから将来貰える額に変動がある可能性があることが唯一の懸念点でしょう。

    付加年金

    月額400円の支払いで、無理なく将来貰える年金に上乗せができる公的年金制度です。受給時には「200円×付加保険料を納付した月数」の金額が加算されます。国民年金基金との併用は出来ませんので、付加年金を取り入れる際には国民年金基金との比較を行ってからにしましょう。

    法人化するタイミングとは?

    フリーランスとして活動する中で、順調に売り上げを伸ばした場合、個人事業主ではなく法人化した方がメリットの多い場合があります。

    課税所得が900万円を超えたとき

    課税所得が約900万円を超える場合、法人化することで税金を抑えることができます。日本での所得税は、累進課税制度が取られています。つまり、稼いだ分だけ税金も高くなる仕組みです。

    900万円以下では23%、900万円以上では33%と、900万円を境にして10%も違いが出てきます。そこで注目すべきは法人税です。法人税は、固定税率が適用されているため900万円を超える利益が出た場合でも、23.9%の掛け率となります。

    なお、800万円以下は本来なら税率19%となるところですが、租税特別措置法によって資本金1億円以下の中小法人の場合は15%に抑えられるようになっています。このように順調に利益を上げている場合は、一度法人化を検討しましょう。

    売上高1,000万円以上になったとき

    フリーランスとして働く場合、年間の売上高が1,000万円を超えると、その2年後から消費税の納税義務が発生します。しかし、消費税の納税義務が発生するタイミングで法人化することで、法人化した最初の2年間の消費税の支払いが免除されるのです。

    つまり、法人化をすることでフリーランスになってから売上高が1,000万円を超えても、消費税の免除を受けることができます。

    まとめ

    日本社会でも広く受け入れられるようになったフリーランスという働き方。事前準備とその後の備え、そして長くフリーランスとして働くためには賢く制度を利用したり、将来に備えてたりすることもポイントになるでしょう

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