早期退職で第二の人生をスタート!謳歌するために必要なものとは
- キャリアを考える
- 公開日:2023年12月22日
ミドルシニア世代の中には、定年退職ではなく早期退職を検討している方もいらっしゃるでしょう。今回は「早期退職のメリットは?」「早期退職をして後悔しない?」といった疑問をお持ちの方に、早期退職について解説します。後悔なく第二の人生を始めるためにも、事前に情報収集をしてみましょう。
この記事の目次
早期退職とは
早期退職とは定年前の退職を指し、従業員の意思で通常よりも早く退職する場合をいいます。
早期退職制度は福利厚生の一環として用意されており、社員が理想とする人生を歩んでもらうというのが目的です。近年では、早期退職・希望退職制度・定年退職・FIRE...さまざまな選択肢があり、違いが分かりづらいことも。以下からは、それぞれの違いを解説します。
希望退職制度
早期退職と希望退職制度の違いは、期間を限定しているかどうかです。
希望退職者制度は経営状態が悪化した際などに、人件費削減の一環として実施されます。期間を限定して自主的な退職者を募るため、リストラとしての意味合いが強くなるでしょう。
しかし、希望退職制度では、希望をしたからといって必ず退職になるわけではありません。人によっては、企業からの引き留めを受ける場合もあり、双方の合意が取れないと退職にはなりません。
定年退職
定年退職は企業が定めている定年年齢に達した際に、自然退職扱いとして退職をします。一般的に定年制を導入する企業の定年年齢は65歳です。早期退職は定年とは関係なく、勤続年数などの条件を満たしている場合に通常よりも早く退職ができる制度です。
また、自身で定年を定めておき、その年齢に達した時に退職するかを決められる選択制定年制度もあります。選択制定年制度は、設定した年齢までは退職ができない点が大きな違いの1つです。
FIRE
FIREと早期退職は、退職前から経済的な自立ができているか、もしくは退職金をメインとした生活になるかに違いがあります。
早期退職をすると退職金を受け取って以降、自身で新たに転職や開業をしないとお金は入ってきません。FIREの場合は、退職前から行っている株式投資の配当金や不動産収入などから一定の収入を得られます。誰にも依存をせずに、自由なライフスタイルを手に入れられる形がFIREです。
早期退職のメリット
早期退職をすると退職金の額が変わる、再就職の支援が受けられるといったメリットがあります。今回は早期退職制度を利用した際に受けられる、メリット4つをご紹介します。
退職金が増える
早期退職制度を利用すると、定年後のキャリア形成を支援する意味合いも含めて、基本的には退職金が割増になります。しかし、退職金が割増される条件は企業によって異なり、全員一律や勤続年数などさまざまです。早期退職を検討する際は、定年退職と比較する必要があります。
厚労省が2018年に調査をした就労条件総合調査による退職金の支払い状況では、勤続20年以上かつ45歳以上の人の退職金平均額は2,326万円です。定年退職の場合は1,983万円のため、早期退職の方が高い金額をもらえているとわかります。
再就職を支援してくれる
早期退職を利用する人のなかには、再就職を希望する人もいるでしょう。早期退職優遇制度を導入する企業では、再就職の支援を行っている場合があります。
一般的な退職では再就職の支援は受けられませんが、制度をうまく活用すればスムーズに次のキャリアへと進めるでしょう。企業によっては人材会社と提携している場合もあり、自分のキャリアやスキルを活かした再就職ができる可能性があります。
失業保険が受給できる
早期退職制度を利用すると、失業保険を受給ができます。ただし、受給資格があるため、一定条件の雇用保険の加入や失業後の求職活動が必要です。また、退職理由が会社都合か自己都合かによって、給付開始までの期間が異なります。
会社都合となるのは、会社側から退職金の提示があり希望退職をした場合などです。失業保険は7日間の待機期間後から給付されるため、自己都合退職よりも早く受け取りができます。自己都合の場合は、7日間の待機期間から2か月または3か月間の給付制限があります。
第二の人生をスタートできる
早期退職によって通常よりも早く、第二の人生をスタートできます。スキルや経験を活かしてより良い企業への就職を実現させる、独立や開業を目指すといった選択肢もあります。60歳以上で定年退職するよりも体力的な余裕があるため、再就職支援を活かした転職も可能です。
さらに退職によって、自由な時間を過ごせるようにもなります。趣味や旅行、家族との時間を楽しむといった時間の使い方ができるのも魅力的です。余裕を持った生活を送りたい、自分の夢に挑戦したいとった方にとっては良い機会となるでしょう。
早期退職のデメリット
早期退職には金銭面など、いくつかのデメリットも存在します。デメリットを事前に知り、早期退職による後悔がないようにしましょう。
収入に安定性がない
早期退職後には退職金以外、会社からの収入は発生しません。退職後すぐに再就職した場合は問題ありませんが、期間が空けば空くほど継続的な収入は減っていきます。退職金や失業保険があるため、明日のお金に困るといった事態は避けられるでしょう。
しかし、その後は安定した収入が途絶えるため、安心して生活できるだけの収入や貯蓄が必要です。また、独立や開業をした場合は、開業や運転にも資金や経費が発生するほか、安定した収入が得られるまでに時間がかかります。
再就職が難しい場合も
早期退職を利用して会社から退職する年齢は40〜50代であり、相当なスキルや人脈を持っている場合はすぐに再就職も可能でしょう。早期退職をする前には、計画性をもって今後の仕事について考えておく必要があります。
また、再就職ができた場合でも、従来と同様の金額を受け取れるとは限りません。少しでも優位に再就職を進めるためには、マネジメント経験やスキル、人脈を作っておきましょう。
年金受給額が減少する可能性がある
早期退職制度を利用して退職をすると、年金の受給額が減少する可能性があります。年金の支給額は加入期間によって決まるため、退職によって加入期間が短くなると、受け取れる年金の額も減ってしまいます。
年金を多く受け取りたい場合は、定年まで勤め上げる方が良い可能性もあります。早期退職を利用する場合は、老後の収入についてどの程度必要なのか、年金の額についても考慮しましょう。
早期退職して第二の人生を謳歌するために必要なこと
早期退職をした後、どのように第二の人生を楽しむのか、想像がついていない人もいるでしょう。退職をした後は、想像以上に多くの自由な時間が発生します。毎日を健康に・楽しく生活をするためにも、第二の人生を謳歌するために必要なことを知っておきましょう。
早期退職後の人生プランを立てる
はじめに自身がどのように、今度の人生を歩んでいきたいのか、早期退職後の人生プランを設計しましょう。やりたいことや挑戦したいこと、そのために必要な期間や金額などもおおまかに出しておくと、より具体的になります。
夢や目標を持つと、ぼんやりと時間を無駄にすることなく、達成に向かって毎日を過ごせます。なんとなく毎日を過ごすのではなく、楽しく謳歌するためにも人生プランを考えましょう。
家族に理解してもらう
早期退職を利用すると今までの生活とは大きく変わるため、家族にも相談をする必要があります。収入面や今後の時間の使い方、再就職をするのかどうかは、自分一人だけではなく、家族にも関わってくる問題です。
どうして早期退職をするのか、その後はどのようにして過ごすのかなどは、家族に伝えて理解を得るようにしましょう。相談などをせず、自分の都合だけで進めてしまうと、多くの時間を一緒に過ごす家族との関係が悪化しかねません。
経済的な余裕を持てる貯蓄をしておく
生活を送るためにも収入はもちろん、生活資金や趣味をまかなえるだけの貯蓄が必要です。総務省の「家計調査報告(家計収支編) 2022年」によると、世帯主が60歳以上の2人以上の家庭では、1ヶ月の平均消費支出は259,912円です。
早期退職を利用すると、それまでの安定した給与がなくなり、支出額を捻出できなくなる可能性があります。さらに生活費用のほかに、通院や家のリフォームなどの出費も発生します。お金に困った状態で老後の生活を送らないためにも、経済的な余裕が持てるだけの貯蓄を用意しましょう。
没頭できる仕事や趣味を見つける
第二の人生を謳歌するためには、没頭できる仕事や趣味を見つけるのも大切です。今まで行っていた仕事から離れて、自由な時間が増えるため、なんとなく毎日を過ごすといった人も多くいるでしょう。しかし、時間を無駄にしてしまうのは勿体無いことです。少しでも楽しく過ごすためには、新しい仕事や趣味へ挑戦しましょう。
ポジティブな気持ちを持つ
第二の人生を楽しむためには、楽しめることを探す、新しいものへ挑戦するといった積極的な行動が大切です。年齢などに不安を感じる方もいるでしょう。しかし、退職後も続く長い人生を謳歌するには、ポジティブな気持ちを持って積極的に楽しむ気持ちが大切です。
心身の健康を維持する
どのような状況でも、心身の健康は非常に大切です。散歩をする、多くの人と交流を持つなど、生活習慣の見直しやストレスを溜めない生活を心がける必要があります。退職前から健康への心配りは必要ですが、環境が大きく変わる退職後も意識して生活を送りましょう。
まとめ
早期退職制度は通常よりも早い時期に会社を退職するものであり、定年退職やFIRE、希望者退職制度とは異なる制度です。早期退職をすると退職金が割増される、早い内から新しい人生を送れるなどのメリットがあります。
ただし無計画に退職すると、後悔が残る可能性も。時間を無駄にせずに謳歌するためには、プラン作りや金銭的な余裕が必要です。メリット・デメリット、自身の会社の制度などを改めて確認したうえで、早期退職制度を検討しましょう。