タクシードライバーの給料はいくら?年収を上げるためのコツも解説
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- 公開日:2022年9月27日
未経験からでもチャレンジできる職種のひとつ「タクシードライバー」。そこで今回は、就職するにあたり気になる「タクシードライバーの年収」についてご紹介。必要な資格や稼ぐコツも一緒にご紹介していくので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
この記事の目次
タクシードライバーの平均年収はいくら?
正社員の場合、平均年収は370万円
厚生労働省が発表した「令和3年賃金構造基本統計調査(※1)」によれば、タクシー運転手(正規雇用)の月給は22.5万円、賞与は100万円であり、ざっくり計算すると平均年収は370万円ということができます。
国税庁が発表した「令和2年分 民間給与実態統計調査(※2)」によれば、日本の正規雇用者の平均年収は496万円となっているため、正社員の場合、平均年収は全国平均より若干低めといえます。
ちなみに、非正規雇用の場合、タクシー運転手の平均時給は1317円で、平均年間賞与は11.7万円となっています。(※1)
平均実働日数は月14.7日、一日あたりの実労働時間は6.2時間となっているため、非正規雇用で平均時間分働いた場合、平均年収はざっくり計算すると155.7万円ということができます。
※1 e-start 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査
※2 国税庁 令和2年分 民間給与実態統計調査
年収には地域差がある
ただこれはあくまで全国的な平均であり、タクシーを使用する機会が多い都心部と、人口の少ない地方部では、年収にも差があります。
一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会の調査(※3)を見れば、関東や東海の都心部と地方部では、年収が100万円以上違うことも。この事実は年収アップを狙う上で、覚えておくべきポイントのひとつと言えるでしょう。
※3 一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会 タクシー運転者賃金・労働時間の現況
働く時間帯や給料体系によっても異なる
地域差以外にも、勤務時間帯や会社の規模によっても給料は変わってきます。
タクシーが頻繁に使用される時間帯は、やはり休日や夜。特に雨や終電間近の時間に多く使用されるため、利用する人の多い時間帯に効率的に働くことで、年収1000万円を目指すことも可能です。年収アップを狙うのであれば、体調と相談しながら深夜帯の勤務も選択肢となるでしょう。
また、ハイヤー運転手など「接待」に重きを置いたドライバーの道も。未経験からチャレンジできる求人も多く、タクシードライバーの中でも高時給を目指せるため、人と関わる職業についていた方にはオススメです。
タクシードライバーは未経験でもできる?
タクシードライバーで必要な資格は第二種運転免許。
一般的な運転免許は「第一種運転免許」であるため、タクシードライバーになるためにはこの「第二種運転免許」を所持している必要があります。しかし、所持していなくとも資格取得支援制度のある求人も多く、タクシー求人で未経験歓迎の求人は実に多いです。
現在、タクシー運転手の平均年齢は正社員60歳。非正規だと70歳(※1)と、ミドルシニア世代が大いに活躍している職種でもあります。
そのためシニア歓迎の求人も多く、シニア世代で未経験であってもサポートや必要な資格取得支援を行ってくれる会社も多いので、求人を探す際は、ぜひその点も参考にしてみてください。
タクシードライバーの給与形態は大きく分けて3パターン
タクシー業界で多く見られるのが「歩合制」です。乗せたお客様の分だけ給金が支払われるというタイプですが、現在は完全歩合制だけではなく、複合タイプも散見されています。
下記に詳しくお伝えしていきます。
固定給制
サラリーマンの様に毎月の給料が固定されているタイプです。
タクシー会社では珍しい給料体系ですが、近年広まりつつある「介護タクシー」など、乗る時間を契約して乗車する業種では散見されます。
給料が固定されているため、安定して賃金を得ることができるのは大きなメリットと言えますが、都心部など人が多い地域ではあまりメリットは感じないかもしれません。
完全歩合制
乗せたお客様の分だけ給金が支払われる歩合制は、頑張れば頑張った分給料がもらえるので、年収800万円~1000万円も目指せる給料体系です。
しかし、完全歩合制は売上が落ち込めばその分給料も発生しないため、給料が安定しないこと、またコロナ禍などによる利用自粛など、社会情勢を受けやすいデメリットがあります。
基本給+歩合制
現在タクシー業界においてもっともメジャーな給料体系がこの「基本給+歩合制」です。
固定給と歩合給を合算し、一部が積立金として徴収され、年2~3回の賞与で還元されるパターンが多く、固定給の安定性と、歩合制の努力が反映されるシステムが両立されています。
ただ、積立金として固定給や歩合給が徴収される割合や計算式について、法律で事細かにきまっているわけではありません。そのため会社によって定義もバラバラなので、気になる方は一度確認した方が良いでしょう。
タクシードライバーに必要な資格
前述したように、タクシードライバーになるためには、「第二種運転免許」を取得する必要があります。
二種免許の取得が必須
第一種と第二種の大きな違いは、車両を「旅客運送を目的として運転」することが可能となるかどうか、という点。つまり、人を乗せて運転することは第一種でも第二種でもできますが、それを仕事できる資格がこの「第二種運転免許」なのです。
取得方法は基本的に普通免許と同じで、自動車教習所に通い、技能試験と学科試験に合格することで取得できます。
自動車教習所で申し込むとおおよそ22万円~25万円程度掛かるので、未経験からチャレンジする際は、資格取得支援制度のある求人を探すのもひとつの手段でしょう。
しかしその場合、一定期間以上の勤務義務や、給料から差し引かれるパターンなど、何かしら規定もあります。自分に状況にあわせて、そちらもきちんとチェックしておきましょう。
合格者の内訳
参考までにですが、警視庁の運転免許統計(※4)によると、令和3年度の普通自動車第一種免許の受験者数は22,209人。
これに対し合格者は11,139人であり、合格率は50.2%となっています。学科試験などは一種の試験に比べ応用問題が多く、難易度も高くなっているのでしっかり勉強しておきましょう。
※4 警視庁HP 運転免許統計 令和3年版(2022年4月19日掲載)
普通自動車第一種免許の取得条件
従来第二種免許取得にはさまざまな条件がありましたが、「道路交通法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(政令第15号)(※5)」で令和4年5月13日に施行されたことを受け、5月13日以降、取得するための要件が一部緩和されることになりました。
特に今回の施行で大きく変わるのは、取得できる年齢です。従来、第二種運転免許を取得できるのは、「普通免許を取得してから通算3年以上の運転経験」がある21歳以上でしたが、これが「特別な教習」を受けた場合、19歳以上、つまり1年以上の運転経験があれば取得可能、に変更となりました。
それ以外の要件は緩和されていないので、気をつけるべきポイントは以下のようになります。
年齢 | 19歳以上 |
---|---|
視力 | 両眼で0.8以上(コンタクトレンズ、眼鏡可)一眼がそれぞれ0.5以上 色彩識別能力(赤・青・黄色の3色を識別) 深視力(物体の奥行きを測る) |
聴力 | 10メートルの距離で90dbの警音器の音が聞こえる(補聴器可) |
運動能力 | 自動車の運転に支障を及ぼさない程度 |
視力に関しては眼鏡やコンタクトを使用することが可能なので、ミドルシニア世代でも安心してチャレンジすることができます。
また、信号機や標識の判別も必要となってくるので赤、青、黄の識別ができる「色彩識別能力」のほか、運転する際、きちんと物体の位置や奥行きが認識できる「深視力」も問われます。
クラクションなどの音をきちんと察知するための「聴力(補聴器可)」検査や、自動車を運転するにあたり障害となる身体的不具合が無いか「運動能力」をチェックされるので、検査内容はきちんと確認しておきましょう。
※5 一般財団法人 全日本交通安全協会 道路交通法の改正ポイント
一部地域では別に試験を受験する必要がある
タクシー事業の質の保証と利用者の利便性を確保するため「タクシー業務適正化特別措置法(※6)」と言って、タクシーの運転者の登録を実施し、指定地域において輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験を行うことを義務づけた法律があります。
指定地域とは主に人口の多い地域であり、東京、神奈川、大阪の一部都市部エリアが中心となっています。
・東京特定指定地域(23区、武蔵野市、三鷹市)
・大阪特定指定地域(大阪市、池田市、箕面市、茨木市、高槻市、摂津市、島本町、豊中市、吹田市、東大阪市、八尾市、守口市、門真市、堺市、高石市、泉大津市、和泉市、忠岡町)
・神奈川特定指定地域(横浜市、川崎市、横須賀市、三浦市)
このエリアでタクシー運転手になろうと思った場合は、「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」を受験する必要があります。
この試験は「タクシー事業に係る法令、安全及び接遇」と「当該指定地域に係る地理」の二科目に分けられ、これらに合格することでタクシー運転手になることが可能です。
「タクシー事業に係る法令、安全及び接遇」は45問、「当該指定地域に関する地理」については40問で、合格基準は正答率80%ですので、しっかり勉強しておきましょう。試験自体は各自治体のタクシーセンター(※7)で行われる他、過去問も掲載されているので、ぜひ参考にしてみてください。
※6 e-gov タクシー業務適正化特別措置法(昭和四十五年法律第七十五号)
※7 公益財団法人 東京タクシーセンター 輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験
タクシードライバーで稼ぐコツ
タクシードライバーとして稼ぐには、やはりお客さまをたくさん獲得して、長距離を走ることが基本です。また効率的な走行方法などもあるので、下記にお伝えしていきます。
記録をつけて研究する
やはり交通には地域性が出るので、まず自分が働くエリアはどのような特色があるのか研究し、一番人が多い時間帯については先輩に聞くなどして、より効率的に業務を行いましょう。
また、自分がどのようなルートを通り、どのようなお客様を乗せたか記録することで、お客さまを獲得しやすいエリアや時間帯が見えてきます。急がば回れ、と言いますが、まずは地道に自分に合ったルートを開拓していきましょう。
流し営業をする
タクシーの営業スタイルは大きく分けて3つあり、それぞれ走りながらお客さまを探す「流し営業」、駅や乗り場にタクシーを付けてお客さまを待つ「付け待ち営業」、お客さまの連絡で迎えに行く「配車営業」があります。
人の多い時間であれば付け待ち営業が有効ですが、もしもっと稼ぎたい!と思うなら、流し営業も行い、積極的にお客さまを獲得する姿勢が必要となってくるでしょう。
大手タクシー会社を選ぶ
大手タクシー会社であれば、ブランド力で抱えている顧客も多く、無理な営業をせずに配車営業だけでお客さまを獲得できる機会も多いです。稼げる仕組みを構築している会社も多いため、無理なく稼ぎたい人は大手のタクシー会社をオススメします。
コミュニケーションスキルを上げる
配車営業では指名制度もあるため、接客対応を磨き、コミュニケーションスキルを上げておくことでリピートしてもらえる確率も上がります。指名制度ではインセンティブが発生する場合もあるため、慣れた人を乗せて走りたい、効率的に稼ぎたい、接客業で働いていてその経験を活かしたい、という方にはオススメの方法です。
まとめ
今回は「タクシードライバーの年収」についてご紹介してきました。
前述したように、タクシードライバーの平均年齢は60歳。ミドルシニア世代でも始めやすい仕事と言えるので、ぜひ、新たな転職先の候補の一つとして検討してみてください。