未経験でも働きやすいタクシー会社は?仕事探しのポイント3つ
- 働き方を選ぶ
- 公開日:2018年4月24日
未経験からタクシーの仕事を目指してみようかな。でも、いろんな会社の求人があるけど、どのポイントに注目すればよいんだろう?そんな疑問をお持ちの方も多いため、求人情報の中で注目したいポイントをまとめました。業界特有の勤務体系、給与システムなど、応募前に知っておきたい基礎知識と合わせて確認していきましょう。
この記事の目次
研修制度が充実している会社でキャリアを始める
未経験からタクシードライバーになるには、まず第二種運転免許を取得する必要があります。第二種運転免許とは、営業ナンバー、つまり「事業用自動車」を運転するために必要な免許です。これを取得しないことには、お客様を乗せて走ることができません。
もちろん、第二種運転免許は誰しも持っている資格ではありません。そのため、研修制度が充実している会社などでは、提携している教習所で講習を受講、スムーズに取得できるようにサポートしていく仕組みがあります。他にも、取得のために必要な費用の立て替え制度を設ける会社もあって、仕事を始めるにあたっての負担を軽減できるのがメリットです。
なお、立て替えてもらった費用は、働き始めた後に発生する給与から少しずつ天引きされるケースがほとんどです。会社側が資格取得費用の払い損とならないように、最低勤務年数が決まっているケースもあります。応募前に確認しましょう。
大都市圏では免許の他に必要な試験も
東京・神奈川・大阪など一定の大都市圏で働く場合、主要な道路の名称やランドマークとなる大きな建物の場所、駅などの知識を問うための「地理試験」があります。40問中32問以上の正解で合格となる試験ですから、事前の準備が必要です。対策研修がある会社も多いので、先輩ドライバーたちに勉強法などを聞いておくことがポイントでしょう。
その他にも会社独自の研修も多数
また、資格取得支援制度だけでなく、マナー講習や安全管理対策など独自の研修を行う会社もあります。お客様に失礼がないように基礎知識を身に付けてから現場に出ることで、安心して働けるようにする配慮です。
安全管理対策では、過去のトラブル事例をもとに原因と予防法を教わるなど、お客様の身を守るために必要な知識を身に付けます。40代や50代のベテランドライバーの中には「そこまでしなくても」と感じる人もいるかもしれませんが、タクシーはサービス業の側面もあります。お客様相手の仕事をする以上、念には念を入れた対策が大切です。会社として社員を守っていく意識の表れでもありますから、働きやすい企業を選ぶためにも意識したいポイントでしょう。
その他に、先輩ドライバーの隣に乗って実務を教わる研修がある会社も。売上をあげる工夫や固定客をつかむ方法について、活きたノウハウを学べます。求人には「研修制度充実」など曖昧な記述とされているケースも多いため、具体的にどんな制度を設けているのか、面接で聞いてみるのも良いでしょう。
安定的な収入も、積極的な給与アップも、どちらも狙える
タクシー業界の給与の仕組みは大きく分けて3パターンです。
【A型賃金】固定給+歩合給+賞与
【B型賃金】完全歩合
【AB型賃金】固定給+一定の売上を超えた場合発生する歩合給+賞与
現在、A型賃金を採用している会社は少なく、B型賃金をいきなり選択する未経験者は少ないことから、ほとんどの場合AB型賃金で働くこととなります。
気になる歩合制度について
また、歩合についてですが、タクシー業界特有の待遇条件として「足切」ラインというものが存在します。いわゆる売上ノルマのようなもので、設定された目標に到達できなかった場合には、歩合が下がる制度です。全ての会社で導入しているわけではありませんが、多かれ少なかれ目標の売上と、それに対する歩合は設定されています。安定した給与を求めるのであれば、歩合率の低い会社を。積極的な給与アップを狙いたいならば、歩合率の高い会社を選択するのがよいでしょう。
40代や50代から未経験で転職する場合、安定的な収入を得ることを優先する人も多いのではないでしょうか。そのような方は、入社してからの一定期間は給与が保障されている会社を選ぶのがオススメです。担当エリアの交通量の多さやタクシー需要によっても、目標とする売上実績は変わるものですので、採用された後に配属される予定の営業所の雰囲気、ノルマ水準について事前に確認しておくと、働き始めてからのミスマッチを予防できます。
スケジュールを自由に組み立てできるシフト制
タクシードライバーの大きな魅力は、自分の生活スタイルにあった勤務の組み方ができること。ここも重要なチェックポイントでしょう。
隔日勤務
最も多い勤務体系は、「隔日勤務」です。一回の乗務で約19時間から21時間勤務(途中で3時間の休憩を挟む)し、勤務後は「明け」と呼ばれる20~30時間の休息を取る勤務体系です。長時間労働がキツイようにも思えますが、それに慣れてさえしまえば問題ありません。
この勤務のメリットはなんと言っても休日が多いこと。隔日勤務後は必ず「明け」を取らなければならないため、一月に働くのは12~13日程度。そのため、自分次第で時間を確保することが可能です。
昼勤務
月曜から金曜まで乗務し、土日は休む。勤務時間帯は朝7時から夕方の16時まで。いわば会社員的な勤務体系です。これまでと大きく変わらない生活リズムとなるため、転職後のギャップが生まれにくく、女性や高齢者の方から人気があります。
夜勤務
乗務する曜日は昼勤務と同様のことが多いですが、18時から3時など夜間の時間帯に乗務するスタイルです。終電を逃した方や繁華街でお酒を飲んだお客様は長距離のケースが多いため、効率よく稼ぐことができる勤務体系です。
一般的にはこの3パターンが多いですが、会社によっては固定曜日を休日にする、週に決まった日数だけ働くといった定時制の勤務体系を設けているケースもあります。完全歩合を選択できる会社の場合、短時間で稼ぐことも可能。時間の融通が利きやすいため、たとえば両親の介護をしながら働くといったことも可能です。
会社によって様々な勤務体系を用意しているので、条件に合う求人を探してみましょう。
未経験から活躍できる求人を探してみよう
求人情報の中に「未経験OK」「未経験者歓迎」といった文言が入っていれば、業界経験がない人も採用する意向があるはずです。しかし当然ながら、企業は自社できちんと働いてくれる人材を求めています。面接で良い返事をもらうためにも、接客業としてふさわしい誠実さや丁寧な対応、清潔な身だしなみといった基本的なマナーがポイントです。
面接においても、「他のタクシー会社ではなく当社を希望する理由」、「目標とする働き方」などを明確に説明できることも評価対象とされやすい傾向があります。面接を受ける前にはHPなどを閲覧し、業界内の位置づけや企業理念、求める人物像といった情報を整理しておくとよいでしょう。
まとめ
観光ガイドに力を入れたり高齢者へのサービスを充実させたりと、会社によって独自の取り組みを始める会社も増えています。昔ながらのタクシードライバーより広範な仕事を経験できるうえ、いろいろな方向性のキャリアを目指せるようになりました。社会から受ける評価も変わりつつあって、多様性のある柔軟な働き方も可能です。
業界の過渡期を支える新しいタイプのタクシードライバーとして、未経験からでも活躍する、そんなキャリアを考えてみてはいかがでしょうか。