日本の有給休暇取得率は世界で最も低い!角を立てない取得理由や断られた時の対処法

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日本の有給休暇取得率は世界で最も低い!角を立てない取得理由や断られた時の対処法

有給休暇に関する調査で、日本は世界11地域のなかで取得率が最下位だとわかりました。今回は、日本と海外の有給休暇取得率の違いや、休暇を取らない理由をご紹介。併せて、職場で角を立てない有給休暇の申請方法や、申請を断られた時の対処法も解説します。

この記事の目次

    日本の有給休暇取得率が世界最下位

    エクスペディアが2024年3月26日〜4月3日に、世界11地域を対象に行った「有給休暇の国際比較調査」で、日本の有給休暇取得率は世界で最下位という結果に。2023年の日本で働く人の有給休暇の支給日数は19日、有給休暇の平均取得日数は12日、取得率は63%でした。他の国との比較は、以下の通りです。

    地域 有給休暇取得率
    1.香港 108%
    2.シンガポール 95%
    3.カナダ 95%
    4.フランス 94%
    5.ドイツ 93%
    6.イギリス 93%
    7.アメリカ 92%
    8.メキシコ 88%
    9.オーストラリア 86%
    10.ニュージーランド 86%
    11.日本 63%

    参照元:マイナビニュース 日本の有給休暇取得率は「世界最下位」、休み不足も感じていないことが意識調査で明らかに

    有給休暇取得率が最下位の日本ですが、毎月有給休暇を取得している人の割合は、32%と全体の1位です。また、休みが十分であると感じているかの調査でも、日本は十分であると回答しています。

    日本の職場環境では、海外のような長期間の休暇を取るのは難しい傾向があります。しかし、毎月短期間の休暇を取得することで、こまめにリフレッシュをしている人が多いということが分かりました。日本では全く有給休暇を取得しないわけではなく、少しずつ取得して短期間の休暇を定期的に設けている人が多いと言えるでしょう。

    有給休暇を取得しない理由

    なぜ日本だけが大幅に有給休暇の取得率が低いのか、取得しない理由について、エクスペディアの調査では以下のような回答がありました。

    取得しない理由

    回答数

    1.人手不足など仕事の都合上難しいため

    32%

    2.緊急時に取っておくため 31%
    3.忙しすぎて、休暇の計画を立てたり、行く暇がなかったため 20%

    職種によって、予定通りに休暇を取得できない人も多く、取得したくても取得できない場合もあるでしょう。

    有給休暇の取得に対する理解も必要

    有給休暇を取得するには、職場の人の理解も必要です。職場の人が有給休暇を取得することを、不快に思う人がどのくらいいるかの調査では、全体の10%が不快に思っているとわかりました。

    また、有給休暇を取得しにくい雰囲気があると回答した人も30%近くいます。取得しにくい雰囲気の具体例としては、職場内の暗黙のルールとして1ヶ月以上前に申請をする必要がある、有給休暇の希望日が被った時に年功序列で優先度が決まるなどです。

    以前と比較すると、どの企業でも有給休暇取得の推奨や、取りやすい環境作りを行っていますが、まだ休暇を取ることを好意的に受け取られない場合もあるようです。働いている人が、少しでも有給休暇を取得するためには、職場の人の有給休暇に対する理解も必要です。

    有給休暇を取得するために理由は必要?

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    有給休暇を取得するためには、職場に理由を伝える必要があるのか、悩んでいる人もいるでしょう。原則、有給休暇を申請する際に、詳細な理由を伝える必要はありません。有給休暇は労働基準法にて定められている労働者の権利であるため、「私用のため」で提出しても、会社側は認める必要があります。

    なお、会社側が有給休暇を取得する理由を聞くこと自体は問題ではありません。しかし、理由を伝えないと取得できない、理由によっては有給休暇を拒否するなどは違法行為です。しつこく有給休暇の理由を聞き出そうとすることは、パワハラに該当する場合もあります。

    角を立てずに有給休暇を取るための理由

    有給休暇を取得するために、特別な理由は必要ありません。具体的な取得理由を求められた場合に、嘘の申告をすると周囲からの印象が悪くなるため、なるべく正直に伝えましょう。

    体調不良や通院

    体調不良の場合は無理に出社をしても通常通りの業務遂行は難しく、さらに体調が悪化する可能性もあるため、正直に申告した方が良い理由でしょう。風邪などの感染症の場合は、出社によって他の社員に伝染させる可能性もあります。

    ただし、当日の病欠は会社によって、有給休暇の使用が認められていない場合もあります。就業規則にて、当日の病欠は欠勤扱いとするような内容が決められていた場合は、有給休暇ではなく欠勤になります。トラブルを避けるためにも、まずは就業規則を確認しておきましょう。

    家族の用事

    子供の学校の用事や、両親の通院など、による有給休暇も多くの人が取得する可能性のある理由です。学校の行事や通院予定などは、前もって確認して伝えておくと、スムーズに取得できるでしょう。

    冠婚葬祭

    冠婚葬祭は、自己都合で予定を変更できないため、多くの人が有給休暇を取得する理由でしょう。結婚式に関しては、あらかじめ予定がわかっているため、前もって申請がしやすくなります。会社によっては慶弔休暇が用意されている場合があり、有給休暇とは別に休暇の取得が可能です。慶弔休暇など特別休暇が設けられているかどうかも、就業規則で事前に確認しましょう。

    行政手続き

    市役所での手続きや免許の更新など、行政の手続きは平日のみしか行えない場合が多いです。そのため、特に期日が設けられた手続きの場合は、有給休暇が認められるでしょう。行政手続きが必要となりそうな場合は、事前に取得したい時期を伝えて申請しましょう。

    有給休暇を断られることはある

    有給休暇は労働者の権利のため、原則として会社側は拒否できません。しかし、申請理由や時期によっては、拒否される場合があります。会社側が労働者の有給休暇を拒否できるのは、時季変更権を行使した場合です。

    時季変更権とは、有給休暇の取得によって事業の正常な運営を妨げる場合に、休暇を他の時季へ変更できる権利です。例えば、有給を使用して長期の休暇を取得しようとした際に、出勤しないと事業運営に支障が出る可能性がある日にのみ、時季変更権の行使が認められることがあります。

    なお、単純に繁忙期だからという理由での時季変更権の行使は、認められないことがほとんどです。繁忙期であっても代替勤務者の確保をする努力が求められ、努力の上でどうしても代替勤務者を確保できない場合に、認められる可能性があります。

    もし、正当に時季変更権を行使されたが、その日に出勤しなかった場合、会社はその日を無断欠勤として扱います。労働者に対して、欠勤日を無給とする、従業員に対して懲戒処分を科すことも考えられます。また、時季変更権は有給休暇の取得時季を変更させるものであって、有給休暇の取得自体を拒否できるものではありません。

    また、あらかじめ労使協定を締結し、企業側が労働者の有給休暇の取得日を決めている計画年休が決められている場合も注意が必要です。計画年休に指定された日をずらしたい、計画年休分の有給休暇を消費したくないと伝えても、労働者の希望による変更はできません。

    有給休暇を断られた場合の対処法

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    有給休暇の申請を断られた場合の対処法について確認しましょう。原則、会社側は有給休暇の申請を断れませんが、場合によっては申請が認められないケースもあります。申請を断られた時に、まずはどうするべきかご確認ください。

    取得できない理由を確かめる

    まずは、取得できない理由を確かめましょう。有給休暇は基本的に、具体的な理由がなくても取得できる休暇です。業務に支障が生じるのかどうかを確認するためにも、有給休暇の取得ができない詳細な理由を確認します。

    理由を確認したうえで、違法になるようなものではないか、人員の確保や業務を前後にずらせないかなど、取得できる方法を探してみましょう。

    取得できるタイミングを確認する

    有給休暇を申請した時期では取得できなかった場合、いつなら取得しても問題ないのか、タイミングを確認しましょう。具体的にいつなら問題ないのかが分かれば、安心して再申請が行えます。交渉の際は、代替案を提示するなど、スムーズに休暇を取得できるようにしましょう。

    理由なく断られた場合は労働基準監督署へ相談

    なかには、有給休暇の申請を断られた理由や、取得してもいいタイミングを確認しても、休暇が取得できない場合もあるでしょう。どうしても有給休暇の許可が下りない、明確な理由もなく申請を断られた場合は、労働基準監督署へ相談しましょう。

    労働基準監督署の窓口はもちろん、電話でも平日は22時まで相談を受け付けています。土日祝日でも相談できるため、困っている時は相談しましょう。ただし、労働基準監督署に相談し、対応を取ってもらっても改善しない場合もあります。そうなった際は、弁護士への相談も視野に入れましょう。

    有給休暇制度が会社にない場合

    多くの会社では、就業規則に有給休暇制度を設けていますが、なかには有給休暇制度に関する規則がない場合があります。就業規則に記載がされていないと、有給休暇を取得できないのではないかと不安になる人もいるでしょう。

    しかし、有給休暇は労働基準法で決められているため、条件を満たしていれば取得できます。有給休暇を取得できるのは、以下の条件に該当している人です。

    • 6ヶ月間継続して勤務している
    • 全労働日の8割以上を出勤している

    取得の条件には雇用形態などが含まれていないため、パートやアルバイトでも該当している人は有給休暇が付与されます。

    退職前の有給休暇について

    退職をする際に、溜まった有給休暇を消化したい人もいるでしょう。退職前の有給休暇は、全て消化をするか、会社側に買い取りを依頼するかが一般的です。

    全て消化をする場合は、退職日の前にすべて消化して退職日のみ出勤するか、最終出勤日の後にすべて消化するかのどちらかのパターンがあります。もし、全ての有給休暇を消化できない場合は、買い取りができないか会社に相談しましょう。

    ただし、有給休暇の買い取りをするかどうかは会社側が決められるため、買い取りを拒否された場合は未消化の有給休暇が無駄になります。少しでも未消化の有給休暇をなくしたい場合は、残日数を確認し計画的に消化しましょう。

    まとめ

    有給休暇の取得率や取得しない理由、角を立てずに有給休暇を取得するための理由などについてご紹介しました。日本は海外と比較して有給休暇の取得率が低く、多くの人が長期的な休暇を取らずに働いています。有給休暇を取得しない理由としては、人手不足や仕事が忙しいと回答している人がほとんどです。

    会社側は、基本的に有給休暇の申請の却下はできません。もし、有給休暇の申請が却下された場合は、理由の確認や取得できるタイミングの確認などが大切です。少しでも不安がある場合は、労働基準監督署などにも確認し、適切に有給休暇を取得しましょう。

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