高年齢再就職給付金を活用して、心に余裕のある再就職を!

  • ちょっと得する知識
高年齢再就職給付金を活用して、心に余裕のある再就職を!

健康なうちは働きたいと思っている方が多くいらっしゃいますが、企業によっては定年以降、社員の雇用が難しいところも…。さらに、今後は年金の受給年齢も上がることが予想されています。そこで今回、シニアの再就職で活用すべき高年齢再就職給付金についてご紹介します。

この記事の目次

    高年齢再就職給付金とは?

    定年を迎えた後、新たな就職先で再雇用されるにしても、現役時代よりは給料が大きく下がってしまうことが予想されます。これでは、老後も含めた生活が不安ですよね。

    そこで活用いただきたいのが、高年齢再就職給付金です。
    高年齢再就職給付金とは、一度失業しても雇用保険の基本手当を受けながら仕事を探し、早めに採用された場合に支払われるものです。

    ただし、受給するには条件がありますので、ご自身が該当するかどうかを確認するようにしましょう。

    具体的な金額は、基本手当の基準となった賃金日額を30倍した額の75%未満である場合に、再就職先の賃金月額の15%が限度として給付されます。

    参考:「厚生労働省 高年齢雇用継続給付について」

    高年齢再就職給付金の給付条件とは?

    給付条件

    高年齢再就職給付金の給付条件は、以下の5つを満たした方が対象です。

    ①60歳以上65歳未満の一般被保険者であること
    ②基本手当についての算定基礎期間が5年以上あること
    ③再就職した日の前日における基本手当の支給残日数が100日以上あること
    ④1年を超えて引き続き雇用されることが確実であると認められる安定した職業に就いたこと
    ⑤同一の就職について、再就職手当※の支給を受けていないこと
    ※早期に再就職をした場合に支給される手当

    ここで押さえておきたいポイントは、失業保険の支給残日数が100日以上残っている必要がある点です。
    この高年齢再就職給付金を受けようと思っても、これらの条件を知らないと受給要件から漏れてしまう恐れもあるので注意してください。

    給付額

    pixta_74270254_M (1) (1).jpg

    ここで、受給額を実際に算定してみましょう。
    高年齢再就職給付金は、60歳以後の各月の賃金の15%となります。
    ただし、賃金と給付の合計額が60歳時点の賃金70.15%を超え、75%未満の場合は、逓減率が適用されることもお忘れなく。

    さらに、支給額には限度額があることも頭に入れておいてください。(※上限・下限額は令和3年8月1日~の金額)

    支給上限額:360,584円
    支給下限額: 2,061円

    例えば、前職の賃金月額が30万円だった方が、再就職先の賃金が半額の15万円に下がった場合・・・(再就職時点で満60歳の方と仮定)
    もらえる額は、60歳以後の各月の賃金の15%なので15×0.15=2.25(万円)となります。

    毎月の賃金15万円と計算して出した2.25万円を足すと、172,500円
    この金額は賃金の70.15%を超え、75%未満の場合に該当しないので、毎月の受給額は、22,500円となるわけです。

    再就職手当とは併用できないことに注意!

    高年齢再就職給付金を受給する上で注意しなくてはならない点は、再就職手当と高年齢再就職給付金は、同時にもらうことができないことです。

    60歳以降に離職をする際、雇用保険を受給後、再び就職した場合は、高年齢再就職給付金の受給資格がありますが、これは雇用保険の再就職手当とは併給することができないのです。

    いずれか一方を被保険者が選びます。
    それぞれ支給の回数や支給額の変動の有無、年金との併給の可否といった違いがありますので、ご自身でどちらを選んだ方が賢いのかを十分に検討しましょう。

    例えば、高年齢再就職給付金の受給額においては先ほどから見てきているように、支給対象月において支払われた賃金の最大15%ですが、再就職手当の支給額は【支給残日数分×基本手当日額×60%または70%】となります。

    また、その給付方法も高年齢再就職給付金では原則2か月毎に支給されますが、再就職手当では一括支給が基本となっています。

    どちらを選択した場合の方がメリットになるかどうかを見極めてから、受給申請を行うようにしてください。

    高年齢再就職給付金を受け取るために、早期の再就職を目指そう!

    pixta_85266581_M (1) (1).jpg

    高年齢再就職給付金の支給期間は、基本手当の支給残日数によって変わります。

    例えば、残りの日数が200日以上の時は、再就職の翌日から2年を経過する日の属する月までとなり、100日以上200日未満の場合は同様に1年となります。

    この期間に関わらず、65歳になると支給はその月までとなりますので、なるべく多くの額を高年齢再就職給付金で受け取りたい場合には、再就職を早めにすることがおすすめです。

    ただし、就職は人生に関わる大切な節目ですから、早ければ早いほどいいというものでもありません。

    まずは、離職したときにこれまで働いてきた自分を労いつつ再就職に備えて、年齢制限のない求人サイト「マイナビミドルシニア」に登録をするところからはじめてみてはいかがでしょうか。

    その中で興味のある仕事がある場合、すぐに再就職に向かって動き出すことができます。

    まとめ

    受給期間や資格などを知らないままにしておくと損をしてしまうのが、高年齢再就職給付金です。

    老後を考える上でも、ゆとりのある再就職に繋げるためにも高年齢再就職給付金を理解しておくことが大切です。

    マイナビミドルシニアに会員登録 マイナビミドルシニアに会員登録

    関連記事

    賢く活用しよう!再就職手当の受給条件や手続きまとめ【社労士監修】 高年齢求職者給付金とは?受給方法と支給額について【社労士監修】 再就職手当を受け取って、損をしない再就職を目指そう!

    記事をシェアする

    • Twitter
    • Facebook
    • Line

    あなたへのオススメ記事

    4月〜6月に残業すると社会保険料は高くなる?あわせて知りたい標準報酬月額の知識

    4月〜6月に残業すると社会保険料は高くなる?あわせて知りたい標準報酬月額の知識

    会社員として働いていると「4月・5月・6月は働きすぎると、社会保険料が高くなる」という話を聞いたことがある人は多いでしょう。今回は社会保険料の概要から、計算方法のほか、社会保険料の計算に大きく関わる標準報酬月額について解説します。

    • ちょっと得する知識
    • 2024年4月 5日
    確定申告に間違いがあった場合は修正可能?やり方や注意点などを紹介

    確定申告に間違いがあった場合は修正可能?やり方や注意点などを紹介

    今年の確定申告も終わり、ホッとしている方は多くいるのではないでしょうか。しかし、申告期限が終了した後に、申告内容の誤りに気付くこともあります。今回は、確定申告で間違いがあった場合の対処法をご紹介。各方法の注意点や、訂正の進め方も解説します。

    • ちょっと得する知識
    • 2024年4月 3日
    老後不安に陥らないためにも、シニア世代は再就職をすべき!?

    老後不安に陥らないためにも、シニア世代は再就職をすべき!?

    老後資金に必要とされるお金は2,000万円、3,000万円…と様々な数字が並び、あらゆる見識者によって囁かれています。人生100年時代は、いかに長く健康で働き続けられるかがポイントになるでしょう。本日は、シニア世代の再就職について触れていきます。

    • ちょっと得する知識
    • 2024年3月25日
    パートの時給アップは可能?交渉術と注意点を紹介

    パートの時給アップは可能?交渉術と注意点を紹介

    社会の流れでは年明けの時期から春闘が始まり、正社員の労働条件に関する労働運動が行われます。それに伴い、非正規雇用の時給が上がる可能性もあるでしょう。今回はパート先の時給アップを望む人に向けて、ポイントや交渉のコツなどをご紹介。また、パートの時給に関する法律や最低賃金についても解説します。

    • ちょっと得する知識
    • 2024年3月15日
    【2024年施行予定】フリーランス保護新法とは?概要やポイント下請法との違い

    【2024年施行予定】フリーランス保護新法とは?概要やポイント下請法との違い

    フリーランス保護新法は2023年に成立し、2024年中に施行がされます。年々、ミドルシニアやシニア層でもフリーランスとして働く人は多く、今回の法案が関係する人も多いでしょう。なぜフリーランス保護新法が整備されたのか、下請法との違いなどを解説します。

    • ちょっと得する知識
    • 2024年2月16日
    主婦年金廃止で年15万円の負担増?!検討の背景や家計への影響

    主婦年金廃止で年15万円の負担増?!検討の背景や家計への影響

    2023年10月1日に放送された番組にて、武見厚生労働大臣が「主婦(主夫)年金の見直しの必要性」に触れたため、主婦年金が廃止になるのではないかと話題になっています。今回は改めて主婦年金とはどのようなものか?なぜ廃止が検討されているのか?廃止による影響についてもご紹介します。早ければ2025年にも廃止が決まる可能性があるため、今から影響について把握しましょう。

    • ちょっと得する知識
    • 2024年2月 5日

    おすすめ・シリーズ記事

    人気記事ランキング

    おすすめの求人はこちら

    活躍中の年代から探す
    雇用形態から探す
    募集条件から探す
    働き方から探す
    福利厚生から探す
    職種から探す
    マイナビミドルシニアに会員登録 マイナビミドルシニアに会員登録