40代でも目指せる公務員への転職情報。難易度とその対策。
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- 公開日:2018年2月13日
40歳からの転職で公務員を目指したいと思ったら、どのようなアプローチが必要なのでしょうか。国や地方自治体の未来を担う責任ある仕事に関心を持つ方のため、試験情報や募集要項の探し方、40歳以上でも応募できる職種についてご紹介しましょう。
この記事の目次
なぜ公務員試験は年齢制限があるの?
雇用対策法が2007年に改正されて以降、採用活動における年齢制限は一定の例外を除いて禁止されています。求人票を「年齢不問」にすれば良いというわけではなく、書類選考や面接における年齢の機械的な判断も禁止事項にあたります。
しかし、法改正があったにもかかわらず、いまだ年齢制限が設けられているのが「公務員試験」です。
過去に公務員試験における年齢制限の是非が裁判で争われたことがありましたが、年齢制限に疑問を訴えた原告は敗訴しました。その大まかに説明すると、「一定年齢以下の若年層に優先して就業機会を与えることは、社会的に是認されていること」。そして「長期勤続キャリア形成を図る場合は例外指針で認められているほか、年齢制限を設けることは行政側の裁量権の範囲内」との理由が認められたためです。
その他に一定の制限をかけないと際限なく応募者が集まり、採用や選考における費用(税金)が発生してしまうことも考えられるため、年齢制限は現在においても継続されています。
40代には社会人経験者採用という選択肢がある
とはいえ、40代の公務員希望者に対して、完全に門戸が閉ざされているわけではありません。
国家公務員にしても地方公務員にしても、一般企業を経験したキャリア人材を採用しようとする取り組みが広まりを見せています。40代が候補になるのは、経験者採用試験です。
国家公務員を目指す場合
経験者採用試験には係長クラス以上の人材を確保するねらいがあり、府省・役職ごとに行われています。
2016年度実績では、経験者採用試験(係長級(事務))にて32名の合格者が出ており、会計検査院や公正取引委員会、公安調査庁、外務省、農林水産省、経済産業省、環境省へ採用が決まっ ています。試験を経た採用規模は毎年の状況に応じて決まるものとされているため、必ず毎年実施されるとは限りません。経験者採用に関する最新情報は、国家公務員試験採用情報NAVIという人事院運営ホームページに随時更新されていきます。タイミングによって応募できる職種等は変わってきますから、随時確認してください。
地方公務員を目指す場合
地方公務員の社会人採用情報は、各自治体のホームページに掲載されます。定期的に行われるものの他に緊急募集がされるものもあるため、まめな情報収集が成功の近道です。 地方公務員の経験者試験採用試験は自治体によって日程が分かれることも多く、複数試験を併願することもできます。試験に慣れる目的で併願する方もいますから、志望度に応じて検討しましょう。
試験内容とその難易度は?
試験の内容について
主な試験内容は、教養(知能分野及び知識分野)・論文・面接(人物試験)とされます。受験する試験の種類によっては、記述式と面接による外国語試験、政策課題に関するグループディスカッションなどが課されることもあるようです。論文や面接に重点が置かれて、教養については重視されないこともあります。
地方自治体の場合、論文や自己PR書をあらかじめ提出させることにより1次審査に代えるスタイルもあるようです。検討している自治体の募集要項に目を通し、内容に沿った形で準備をしましょう。
国家公務員試験の例題は、下記ページから閲覧できます。大まかな試験内容を知っておくだけでも検討材料になりますから、目を通しておくと良いでしょう。
上記ページの中の下段、経験者採用試験に含まれる内容が過去に出題された問題です。知識だけでは回答できない内容が多く、該当業務に関連する経験や、論理的に説明する力や時事問題を理解して解決策を導くスキルが問われています。
試験の合格率
試験の合格率は、受ける試験の種類によって異なります。2016年度の国家公務員経験者採用試験(係長級(事務))を例に出すと、851名の申し込みがあって、1次試験の合格者が141名、最終合格者は32名となりました。 最終合格者の数で換算した合格率は3.8%程度となり、簡単な試験ではありません。綿密な準備をしておかなければ合格は難しく、受験に際しては充分な気構えが必要です。
公務員試験には様々な種類があります。そのため「公務員になりたい」という希望が固まったら、具体的にどこに焦点をあてて受験を検討するのか明確化し、なるべく早い段階で準備を進めていくことが求められるといえるでしょう。
各自治体によってはパート的な業務も存在
地方自治体には、多様な行政ニーズに対応するための職種として、臨時・非常勤職員を設けるあり方も広まっています。事務的な仕事をサポートする事務補助職員だけではなく、教員や講師、保育士など資格を活かした職種も募集されることが多くあります。臨時・非常勤職員の定数は条例によって決まるものではなく、予算と必要性を客観的に見極めたうえで随時募集されます。
臨時・非常勤職員は正規職員ほど充実した待遇を得ることは難しいとも言われていましたが、総務省主体で待遇改善の動きが出始めています。明確な職種区分、賞与支給や再任制度などあらゆる面での議論がなされて働き方の過渡期となっていますから、今後の動向次第では安定的な転職先として注目が集まる可能性もある仕事です。
まとめ
40代からの転職でフルタイムの仕事にこだわりがない方にとっては、臨時・非常勤職員に応募することで自分の望む働き方を実現できる可能性もあります。これまでの経験を活かして社会に貢献できる仕事に興味を持つ方は、自治体ごとに発表される募集要項に目を通して、希望に合った求人があるかを定期的に調べてみてはいかがでしょうか。