パートから正社員を目指せるのは何歳まで? 正社員登用制度について
- キャリアを考える
- 公開日:2018年1月11日
パート・アルバイトで働いていても40代、50代でも正社員を目指すことができるのか、気になる方も多いでしょう。正社員のメリットに魅力を感じている方ならば、少しでも可能性がある仕事を探したいと考えるのは当然です。正社員を目指しやすい業種、登用されやすい人の傾向について見ていきます。
この記事の目次
今はパートが働きやすいけど、長く働くならやっぱり正社員になりたい。
子どもの進学や結婚、独立など家族にとっての大きなライフイベントを迎えると、働き方に関する希望も変わってきます。今はパート・アルバイトとして働いている方でも、今後は正社員を目指したいと考えはじめる方もいることでしょう。
ところが、フルタイムの仕事につきたいと思うタイミングを考えると「その年からでも正社員登用してもらうことはできるのか」と不安に感じることがあると思います。やはり高年齢からの転職では、パート・アルバイトの求人のほうがつきやすいこともあり、それならば、と入社後に正社員登用の可能性が高い仕事を希望する方もいるはずです。
実際のところ、40代や50代でパート・アルバイトという立場だった時、正社員登用を目指すことはできるのでしょうか。また、業界によって差はあるのでしょうか。正社員のメリットを今一度見直すとともに、ねらい目の業界の目星と、転職活動をする時の視点を考えてみましょう。
正社員のメリットを改めて整理
アルバイト・パート社員と正社員を比較した際に考えられるメリットは、大きく分けて2つです。
安定性は正社員
まず、雇用の安定です。バイトやパートは時給、日給で働くケースが多いため、稼働日数が少ない月には収入が下がってしまいます。一方、正社員として月給、年棒の給与体系になれば一定期間に入ってくる収入の予測がつきやすくなるので、計画的に貯蓄したい方にとっては働きやすい環境でしょう。
時給が高い仕事であれば収入に対する不安感は少ないですが、長い目で考えた安定性という点では正社員が有利です。社会保険、厚生年金といった社会保険の充実も安定を支える大きな要素で、企業が折半してくれる分、支払いの負担は軽くなります。厚生年金であれば将来的にもらえるお金も増えるため、老後を考えるにあたっても旨味が大きい仕組みです。
社会的な信用は大きな強み
もう1つのメリットは、社会的な信用です。定年退職を迎えるとクレジットカードの加入審査、ローン契約が通りにくくなる傾向があります。そのため、40代や50代のうちに大きな買い物を済ませたいと考える方もいることでしょう。パートやアルバイトよりも社会的な信用度が高い正社員になったうえで申し込みをしたほうが、一般的には有利です。老後に向けた人生設計を今一度考え直すにあたっても、正社員になることで得られるメリットは非常に大きいと考えられます。
もちろん、担当できる仕事の幅が広がる、より難易度が高い仕事に挑戦しやすいといった自己実現に関するメリットも考慮したい点です。何歳からでも新しいことに挑戦する道はありますので、社会の一員として自分の可能性を広げたい方にとっては挑戦しがいがあるフィールドでしょう。
正社員を目指しやすい業界は?
厚生労働省が公表している平成29年度の労働経済動向調査より、アルバイトから正社員を目指しやすい業界を探ることもできます。年齢別の結果ではないため40代や50代からでもステップアップが可能か一概に言い切ることはできませんが、1つの参考にはなることでしょう。
運輸業・郵便業は正社員登用制度の実績値が5割を超えていて、制度がある会社自体も比較的目立つ傾向があることから、正社員を目指しやすい環境と考えられます。
実力次第で正社員を目指せるという観点なら、生活関連サービス業・娯楽業もよいでしょう。登用制度がある会社が多いことから、アルバイトとして入社した場合でも一定のチャンスが見込まれます。
医療・福祉業界も、正社員以外から正社員への登用意欲が高くて、実際に登用実績を重ねている状況です。登用制度を設けていても現在のところは実績がない会社もあることから、過去の事例を面接で聞いたうえで応募企業を選択していく必要はあります。
その他に、不動産業・物品賃貸業やサービス業も調査対象となった業界内の平均的な登用実績割合を上回る数値が出ていて、今後の動向次第では正社員登用が進む可能性がある業界です。
まとめ:正社員登用されやすい人の傾向を知って、正社員を目指そう
一定の年齢からでも正社員登用を目指すとしたら、パートやアルバイトを通して培ったスキル、経験、そしてその環境で認められることが重要です。
たとえパート・アルバイトという立場であっても専門的なスキルや、ある業界の特定職種に特化して経験を積んできた方は、実績が評価されやすい傾向があります。企業としても優秀な人材は正社員として採用、自社に確保したいと考えることから、優遇されてステップアップしていくケースも出てくるでしょう。
パート・アルバイトとしての転職を経て正社員を目指すとしたら、ご自身の強みと言える分野にねらいを定めて、キャリアパスを考えるのも一案です。業界・職種を決めたうえでいくつか企業の候補が出てくるようなら、正社員登用制度があることを確認しましょう。過去の登用実績についても話を聞くことができるようなら、参考材料となるはずです。
社会人経験を積んできた経験はご自身の大きな武器となりますので、培ったものを大切に前向きなキャリアプランを立ててみましょう。企業との利害関係が一致すれば、40代、50代でも正社員を目指すことはできます。年齢をネックととらえずに多様な経験を積んだご自身の強みと考えることが、正社員としてのキャリアを目指すうえでの大切な視点です。