契約社員から正社員へ!40歳からでもなれる企業の傾向は?
- キャリアを考える
- 公開日:2017年11月16日
40代や50代からの転職で契約社員から正社員を目指すことはできるのでしょうか。一定年齢にいたってからの転職において安定したキャリアを目指すために正社員を目指している40代、50代の方の転職活動の進め方・自己アピール方法を紹介しましょう。
この記事の目次
契約社員から正社員へステップアップできる割合は?
平成28年度の厚生労働省の調査によると、契約社員から正社員に転換措置を設けている企業の数は6割以上にのぼります。
また、東京都労働局調査を見ると過去三年間での契約社員から正社員へと転換した実績を見ると54.6%と一定数の実績が存在しています。そのため、希望するキャリアを実現できる見込みは低くないといえます。
「だけど、それは若い人が多いんでしょ?」と考えるかもしれませんが、厚生労働省資料によると35歳を超えてから正規雇用へ移行している方は一定数存在し、2016年のデータを見ると全体の42%にも及んでいます。
若年層と比較すれば比率がどうしても低くなり、誰でもクリアできるハードルとはいわないまでも、ミドルシニア層でも正社員転換の対象となることは可能です。前向きな取組みが良い結果につながるものと考えましょう。
なお、契約社員をはじめとする非正社員から正社員への転換要件としては、「上司からの推薦」や「一定以上の勤続年数」、「本人の希望」が問われるものとされており、条件を満たした場合にステップアップが認められています。
そして特徴的なのは、勤続年数1~3年の間に契約社員から正社員へ転換した割合は67.8%と比較的短期間で多くのステップアップが実現していることも読み取れます。
契約社員から正社員を目指せる会社を探すポイントは?
契約社員から正社員を目指す前提で転職する場合、何より重要なのは「中小企業」であることです。東京都労働局の調査によると、過去三年間で正社員に転換した契約社員が在籍していた会社の95.6%が従業員100人未満の規模であることが報告されています。
そのような中小企業では「正社員への転換制度」を導入することで助成金を得られるケースもあるため、大手企業と比較して正社員転換に対しては積極的です(助成金を得られる対象は契約社員のみならず、パート・アルバイトなど有期雇用全般が対象)。そのため会社の規模には着目する必要があるといえるでしょう。
そのほかには、対象となる会社の社風やキャリアアップ制度に注目しましょう。中高年層の転職者受け入れを積極的に行っており、正社員への配置転換を行ってきた取組みが分かるようなら、前向きに努力するモチベーションにつながります。
PRを行う際のポイント
転職面接の自己PRや志望動機において将来的には正社員を目指したい旨を説明、前向きな意欲を見せて反応を探るのも一案です。ではどうして契約社員からスタートするのか、という疑問が面接官に生じるケースもあるため、つじつまが合う説明を用意しましょう。
心配な場合は、あらかじめ転職コンサルタントや周囲の人に相談するなどして、良い受け答えの例文を頭に入れておくと、落ち着いて受け答えができるはずです。
採用は相対評価となってしまうため、同様のスキルを持った30代と50代の応募者がいる場合は、どうしても年齢が高いことがネックになってしまいます。そのため、自分の長所や経験スキルを志望動機や自己PRで押し出し、職場においてどんな貢献ができるか、自分を雇用することで生まれるメリットなどを分かりやすく説明しましょう。
これまで働いてきた業種と近いポジション募集を探して、経験スキルを活かして正社員を目指したい旨をアピールするのも一つの手です。業務内容を理解していることや、面接先企業の業界内ポジション、魅力に感じているサービスや社風をあげて説得力を高めることで、条件重視の印象も持たれにくくなるでしょう。
中高年の紹介予定派遣も選択肢の一つ
少子高齢化、退職世代の増加を受けて人材確保に動く企業が増えつつあるため、中高年のスキルは以前よりも注目を集めています。紹介予定派遣の場合は20代より中高年のコストが安くなるケースもあることで、スキルを持った人材を少しでも安く確保したい企業にとっては魅力的な市場といえます。
雇用形態が多様化するなかで契約社員や派遣社員として働く中高年も増えており、即戦力人材として活躍していくフィールドは今後ますます広まる動きが出てくるでしょう。紹介予定派遣であれば将来は正社員としての登用が前提になりやすく、ステップアップを目指す方にとっても挑戦しがいがあるフィールドです。
未経験分野に挑戦する場合でも、社会人経験を通して培ったコミュニケーションスキルや責任感を活かして前向きに活動すれば、上司の評価につながっていくこともあります。派遣社員として働いている期間から積極的にアピールをし、将来のチャンスへとつなげましょう。
まとめ:紹介予定派遣の落とし穴には要注意
紹介予定派遣はあくまで「ご縁があれば正社員に」という採用形式であり、期間を終えたときのステップアップが約束されている求人ではありません。直接雇用に進むためにも前向きに努力する気持ちを忘れず、即戦力として会社に貢献していくあり方が求められます。
中高年から新しい組織に入って力を発揮するという取組みは、考えている以上に大変なことです。これまでの経験を大事にする気持ちは必要ですが、新しい組織の仕事の進め方をいち早く覚えて、組織のために尽力しましょう。
出典:
厚生労働省「平成28年 労働市場の分析」
東京都産業労働局「契約社員に対する実態調査」