年収178万円の壁で手取りはいくら増える?働き方・年収別シミュレーションと注意点

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年収178万円の壁で手取りはいくら増える?働き方・年収別シミュレーションと注意点

パート・アルバイトで働く人にとって影響のある年収の壁が、2025年12月に引き上げられることが決まりました。年収の壁が178万円まで引き上げられることによって、手取りがどのように変わるのか、損にならない働き方はどれなのか、気になることが多くあります。今回は年収の壁の変更内容から、手取り額のシミュレーション、働き方のヒントなどを解説します。パート・アルバイトで働く人はもちろん、配偶者が扶養内で働いている人も影響がないか、ぜひご一読ください。

この記事の目次

    178万円の壁とは?

    178万円の壁とは、これまでの年収の壁のうち、所得税の課税金額に関する内容です。2025年12月18日に閣議決定がされ、2026年以降に施行となります。今回の変更によって、多くの人の働き方に影響が出るため、ぜひ一度内容を確認しておきましょう。

    変更となった背景

    所得税に関する年収の壁だった103万円の壁は、1995年に設定されてから30年間ほとんど変更がありません。しかし、その間に最低賃金は約1.73倍に増加しており、賃金と年収の壁が合っていないという状態がここ数年は目立っていました。

    また、物価も上昇しており、103万円の壁は現在の暮らしに合っていないと言えるでしょう。103万円の壁から178万円になった理由は、最低賃金の上昇率である約1.73倍を根拠に使用しています。

    対象者

    今回の変更で影響が大きいのは、扶養内のパート・アルバイトで働く人たちです。これまでは103万円以内で働いていた人たちが、178万円までは所得税の課税なしで働けるようになるため、働き控えをしなくても済むようになる人が増加します。

    また、配偶者が扶養を外れてパート・アルバイトで働いている人にも影響があります。これまでは103万円を超えて働いていた場合、配偶者控除から外し、配偶者特別控除の適用を受けるのが一般的でした。

    しかし、所得税の壁が引き上げられたことで、配偶者控除の適用を受けられる人の数も増加しました。このため、夫が妻を扶養に入れていた場合、夫側は控除の適用範囲が拡大、妻側は課税なしで働ける範囲が拡大します。

    年収の壁についておさらい

    年収の壁は基本的に、税務上の壁と社会保険上の壁の2種類があります。また、壁は2024年までと、2025年・2026年で内容が異なっています。

    2024年まで
    税務上の壁が、100・103万円、社会保険上は106・130万円でした。

    2025年
    税務上の壁が110・123・160万円に変更されました。

    2026年
    160万円が178万円に増額されることが決定しました。
    また、社会保険に加入するかのボーダーラインである106万円の壁は、2026年10月には撤廃され、徐々に加入対象者が増えていく予定です。

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    178万円の壁で何が変わるのか

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    178万円の壁になると、何がどのように変わるのかを具体的に説明します。手取りが増える理由や、控除についても把握しておきましょう。

    引き上げによって手取りが増える

    178万円へ引き上げられることによって、手取りが増えると言われています。その理由は、所得税や住民税の課税対象の金額が変わるためです。

    所得税や住民税は、年収の全てにかかるわけではなく、一定額を差し引いた課税対象の金額に対して計算が行われます。年収から差し引く一定額は控除と呼ばれ、多くの種類が用意されています。

    今回、年収178万円の壁に引き上げられることで、控除の範囲が広がるため、税金がかかりにくくなるのが特徴の1つです。結果として、これまでは課税されていた額を稼いでも、今後は課税されなくなるので手取りの増加につながります。

    年収が増えても手取りが減らない

    これまでは年収を増やそうとすると、すぐに年収の壁にぶつかってしまい、壁を超えて働くと住民税や所得税を差し引かれていたため、手取りが減少していました。今回の年収の壁の引き上げによって、課税対象のラインが上昇したので、壁にすぐにぶつかるという問題が解消されています。

    年収を増やしても課税対象のラインを超えなければ、手取りは増え続けます。一定ライン以下で、手取りが増え続けるようになったのは、今回の変更でのメリットです。

    控除の仕組みとは

    自分が稼いだ年収から、働く人として確保されるお金(控除)が、最初に差し引かれます。その後、残ったお金に対して税金の計算を行い、納税をする仕組みです。

    控除は働く人として確保されるお金であり、全員が適用される基礎控除などのほかに、生命保険料控除や医療費控除など個別に適用されるものが用意されています。控除をうまく利用できれば、同じ年収でも税額を抑えられるので、知っておくと家計にプラスになるでしょう。

    178万円の壁の手取り額シミュレーション

    年収の壁が178万円に変化したことで、どのように手取り額が変化するのでしょうか。年収別にシミュレーションを紹介します。

    年収別シミュレーション

    年収が170万円・178万円・1800万円・200万円の時の、手取り額は以下の通りです。

    年収 所得税の減税額(目安)
    170万円 約5,000円
    178万円 約9,000円
    180万円 約9,000円
    200万円 約9,000円

    あくまでも目安のため、各種控除や年末調整の扱いなどによって実際の金額は異なります。今回の引き上げによって、減税効果が生まれるため、その分手取りは増えるでしょう。

    働き方別の影響

    働き方別で、今回の変更による影響を見ていきましょう。

    Aさんの場合
    ■パートで働いていて、時給1,000円・月140時間勤務・年収168万円

    2025年では所得税は0円、住民税は約6.8万円が発生しています。年収の壁が引き上げられた影響で、2026年は年収を178万円まで増やしても所得税は0円のままです。
    そのため、月10時間ほど勤務時間を増やしても問題ありません。

    ただし、住民税は別途発生する点と、社会保険料などは別で計算が必要です。

    Bさんの場合
    ■会社員で年収400万円・年収150万円の配偶者がいる

    本人は56,500円の減税があり、配偶者も非課税のため、毎月約4,700円の手取りが増加します。年間では約57,000円の増加です。こちらも住民税の計算は行っていないため、実際の金額は異なりますが、所得税だけでみると5万円以上の影響があるとわかります。

    年収が178万円を超えたらどうなるのか

    年収の壁(178万円)を1円でも超えたら、急激に税額が上がるわけではありません。超えた額から段階的に課税がされていくので、いきなり数万円の所得税がかかることもありません。178万円を超えないようにと、神経質になりすぎる必要はないでしょう。

    ただし、年収の壁を超えると配偶者控除の適用が外れるなど、ほかの部分に影響する可能性はあります。世帯の中で、どのくらいの金額が得となるのかを考えて、実際の年収を決める必要があります。

    178万円の壁になったら働き方はどう変わるのか

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    年収の壁が178万円になったら、パート・アルバイトの人は、これまでよりも働き方の選択肢が広がります。今までのように家庭とのバランスを重視したい人、子育てが落ち着いたのでもっと働きたい人など、個人の状況に応じた仕事の仕方ができるようになります。

    残業代や深夜手当などを気にする必要もなくなるので、家計に必要な分を扶養内で稼げるようになるのはメリットと感じる人も多いでしょう。

    働き控えをする人が減少するため、企業としても戦力のある人が必要なところで働いてくれるようになり、採用に関する手間や費用の減少などの効果が期待できます。

    178万円の壁で損をするケース

    178万円の壁に引き上げられると、ほとんどの人は手取りが増えるため、得をするでしょう。しかし、単純に労働時間や年収を増やしてしまうと、損をする可能性もあります。どのような問題があるのかについても知っておきましょう。

    社会保険料で手取りが減る

    今回の改正で影響があったのは、税務に関する年収の壁です。しかし、年収の壁には社会保険上の壁もあり、こちらは今回改正されていません。そのため、以下の条件を満たしている人は、106万円を超えると社会保険への加入が必須です。

    • 週の所定労働時間が20時間以上
    • 所定内賃金が月額8.8万円以上(通勤手当・残業代・賞与は含まない)
    • 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
    • 学生ではない
    • 企業の従業員数が51人以上

    条件を満たしていない人でも、年収が130万円を超えると社会保険への加入が必要になります。年収が増えてもその分支出も増えるため、場合によっては手取りがこれまでよりも減り、損をするケースがあります。

    扶養手当などへの影響

    年収の壁が変わったことで、配偶者側の会社で用意している扶養手当などの福利厚生に影響が出るパターンもあります。

    一定額以下の収入がある配偶者や、家族に対して手当を支給している場合、今回の改正に合わせて内容変更する企業と、しない企業が出てくる可能性があります。もし変更がされなかった場合、年収を増やすことで今まで支給されていた手当がもらえず、結果として損をするパターンが出てくるでしょう。

    日常生活に影響が出る

    年収の壁が引き上げられたため、労働できる時間が増える人も増加しています。しかし、勤務時間が長くなると、家庭への影響も出てきます。

    家事・育児の時間が減る、自分の時間が取れなくなるなど、生活の質が下がれば、自分だけでなく家族にまで影響が出るでしょう。金銭面的な部分だけではなく、家族がよりよく過ごすための働き方を考える必要があります。

    178万円の壁になった後の働き方の注意点

    年収の壁が178万円になった後、どのように働くのかを考える時の注意点を紹介します。ぜひ、働き方を考える際に参考にしてみてください。

    家庭とのバランスを考慮する

    年収の壁が引き上げられた影響で、今まで以上に扶養内で働けるようになった人は多くいます。しかし、勤務時間が伸びれば、家庭へ影響が出るのは必至です。家事の時間が減れば食事の用意や掃除が難しくなりますし、子どもと一緒に過ごす時間も短くなります。

    勤務時間を増やす際は職場だけではなく、配偶者や子どもとも相談して、どのようにバランスを取っていくのかを決めてください。

    本当に得になるラインを見極める

    178万円までは所得税が非課税となっても、本当に得となるかどうかは別の話です。年収が増えると社会保険に加入する必要が出てくるため、保険に加入しても手取りがマイナスにならないかを判断する必要があります。

    もし、年収が140万円ほどであれば、毎月の社会保険料で手取りが減る可能性が高くなります。損をしないためにも、自分にとって得となる収入はいくらなのかを考えたうえで、勤務時間などを決めてください。

    まとめ

    年収の178万円に引き上げられた後の、手取り額の変化などについて紹介しました。多くの場合は手取りが増えるので得をする可能性がありますが、住民税や社会保険料などによって手取り額は変化します。

    安易に年収を増やすのではなく、どのくらいが自分にとって得となるのかを検討したうえで、年収額や勤務時間を決めるようにしましょう。

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