奨学金の返済を親がすると贈与になる?生活費・住宅資金などその他贈与に関するよくある疑問を解説

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奨学金の返済を親がすると贈与になる?生活費・住宅資金などその他贈与に関するよくある疑問を解説

今では大学や専門学校などに通う人の2人に1人が、奨学金を利用しており、奨学金の利用はめずらしいものではありません。奨学金の返済方法は自分で毎月返したり、繰り上げ返済を利用していたりと人によってさまざまです。なかには、親が一括で返済をするケースもありますが、その場合は贈与税の支払いが必要になることを知らない人も多いでしょう。今回は贈与税に当たる対象や、非課税で親が返済する方法などを紹介します。奨学金を利用している人、一括返済を検討している人はぜひ最後までお読みください。

この記事の目次

    奨学金の利用者は増加傾向

    大学や専門学校に進学する人のなかで、奨学金制度を利用している人は増加傾向にあります。「令和4年度 学生生活調査」では、奨学金利用に対する質問で、以下のような回答が出ています。

    • 大学学部・昼間部:55.0%
    • 短期大学・昼間部:61.5%
    • 大学院・修士課程:51.0%
    • 大学院・博士課程:58.9%
    • 大学院・博士課程:41.4%

    大学や大学院に進学する人の半数以上は、奨学金を利用していることがわかります。そのため、奨学金の返済は当たり前になっている人も多くなっており、身近な話題でもあります。

    利用している人は、卒業後に毎月返済していくか繰り上げ返済を行うかを選択できます。この時、注意が必要なのは親が子どもに代わって一括で繰り上げ返済を行う場合です。

    親が奨学金を支払うと贈与税の対象になるか

    奨学金の返済を、子どもではなく親が返済をするとどのような扱いになるのか、気になる人も多いでしょう。親が子どもの奨学金を支払った場合、一括返済をすると贈与税の対象になる可能性があります。

    贈与税は毎年1月1日〜12月31日の間に、110万円を超える資金の贈与を受けた場合に、超えた分に対して税金が発生します。贈与税では教育資金は非課税の対象となりますが、奨学金は教育資金の対象外です。教育機関への支払いではなく、債務の弁済という扱いになるため、非課税の対象には含まれません。

    例えば、300万円の奨学金を親が一括で返済した場合は、300万円-110万円=190万円に対して贈与税が発生します。ただし、この金額は同じ年に他の贈与がなかった場合ですので、奨学金の返済以外に100万円の贈与があったら、300万円+100万円-110万円=290万円が課税対象です。

    課税金額が200万円以下は10%、300万円以下は15%、400万円以下は20%の税率がかかります。そのため、190万円の10%で19万円の納付が必要となります。申告は贈与を受けた年の翌年の2月1日〜3月15日に申告し、その後決定された金額の納付を行うという流れです。

    一括で返済をすると利息が戻りますが、金額によってはその後の贈与税の支払いの方が高くなる可能性もあります。毎月の支払いがなくなるのはメリットですが、その後の支払いまで考えたうえで、一括返済をするか検討してください。

    奨学金を非課税で支払う方法

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    親が一括で奨学金を返済する際、返済した金額に対して非課税となる方法はあるのか、気になる人も多いでしょう。以下では、非課税で奨学金を返す方法を紹介します。

    暦年課税

    1つは暦年課税を活用する方法です。年間110万円以下の贈与は、贈与税の対象とならないため、100万円程度の贈与を数回に分けて行う方法です。繰り上げ返済によって利息を減らしつつ、返還期限の短縮、非課税での贈与ができるので、親にも子どもにもメリットがある方法です。

    日本学生支援機構で奨学金を借りている場合、全額または一部の繰り上げ返済を選択できます。一部繰り上げを行うと、毎月の返済額はそのままで利息負担と返済期間が減る仕組みになっています。例えば、300万円の奨学金が残っているなら、100万円を3回ずつに分けて支払うことで贈与税は非課税になります。

    相続時精算課税制度

    相続時精算課税制度は、基礎控除の110万円を超えて最大2,500万円の贈与までが非課税になる仕組みです。ただし、制度を利用するには以下の条件を満たしている必要があります。

    • 親や祖父母が60歳以上
    • 子どもまたは孫が18歳以上

    110万円を超える奨学金を繰り上げ返済する際、親が60歳以上であれば相続時精算課税制度を利用可能です。しかし、制度を利用するには贈与を受けた人が、財産をもらい受けた年の翌年2月1日〜3月15日までの間に「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。

    また、110万円を超える財産額の場合は贈与税の申告書も必要です。もし2,500万円を超過した時には、一律20%の贈与税が発生します。まとまった財産を早期に贈与できるのはメリットですが、選択をすると暦年課税は選択できなくなります。

    親が亡くなるまで制度を利用し続ける必要があること、相続時に精算されるなどのデメリットも理解しておく必要があります。

    親からの援助で贈与税が非課税になるもの

    親からの奨学金の一括返済は贈与税の対象ですが、非課税になる資金もあります。どのようなお金が非課税となるのか、主に親から子どもへ贈られるお金を種類別にご紹介いたします。

    生活費

    扶養関係が成り立っている家族間で、生活費や教育費を贈与するのは原則課税の対象外です。祖父母や両親が、子どもや孫に渡す生活費は日常生活で必要な資金として認められるため、非課税になります。

    場合によっては、暦年課税の非課税枠110万円を超えても非課税となるケースもあります。ただし、あくまでも生活費の範囲内であることが条件であるため、投資や不動産の購入など、生活には関係ない資金の使い方は課税対象です。

    住宅取得

    両親や祖父母が18歳以上の子どもや孫に対して、住宅取得やリフォームの資金を援助した場合、一定額までは非課税となります。2024年1月1日〜2026年12月31日までの間に、親や祖父母から住宅取得のために贈与を受けた場合、500万円までは非課税です。

    また、省エネ住宅などの条件を満たしている場合は、最大1,000万円までが非課税となります。詳細な条件は以下の通りです。

    • 受贈者の所得が2,000万円以下(住宅面積が40㎡以上50㎡未満なら1,000万円以下)
    • 2009年〜2023年までに住宅資金に関する贈与の非課税措置を受けていない
    • 贈与を受けた翌年の3月15日までに対象住宅に居住すること(12月31日までに確認できない場合は不適用)
    • 住宅は40㎡以上240㎡以下かつ、家屋の床面積の2分の1以上に当たる部分が受贈者の居住用に使われる

    制度を利用する際は、非課税であっても申告が必要です。贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日に申告を行い、特例を使用していると認めてもらう必要があります。非課税だからと申告が漏れると贈与税の対象となる可能性もあるので、忘れずに申告を行いましょう。

    教育資金

    教育資金としての贈与も、一定条件であれば非課税となります。親や祖父母が子どもや孫の教育のためにお金を贈与する場合、「教育資金贈与の特例」を利用すると、1人につき最大1,500万円までが非課税になります。

    教育費に充てることを目的としており、学校側に直接支払いを行う時が対象です。塾や習い事、留学費用など学校以外に支払いをする場合は、最大500万円までが非課税となります。制度を利用する際は、金融機関に教育資金口座を開設後、金融機関経由で税務署への申告が必要です。

    ただし、制度を利用できるのは、受贈者が30歳未満の場合です。もし30歳までに使いきれなかったら、残っている金額に一般税率をかけた支払いが発生します。また、贈与を受けた資金を教育目的以外に使うと課税対象になるため、使途の証明が必要になります。

    領収書や支払い記録などは必ず保管しておきましょう。もし贈与者が亡くなった場合は、相続税の対象になりますが、受贈者が23歳未満の場合や学校に在学しているケースでは非課税になります。

    結婚・子育て

    結婚や子育てのための資金も、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」という制度を利用すると、親や祖父母からの贈与が最大1,000万円まで非課税になります。

    具体的には結婚関連費用は最大300万円、妊娠・出産・育児に関する費用は最大700万円までが非課税の対象です。利用できるのは、以下の条件に該当している時です。

    • 2027年3月31日までに贈与が起こった
    • 18歳以上50歳未満の子や孫
    • 受贈者の前年の合計所得金額が1,000万円以内

    もし、50歳までに使いきれなかった場合は、残りの金額に一般税率をかけて贈与税が発生します。また、受け取る側の所得が1,000万円を超える場合は、特例の利用ができません。

    利用する時は専用口座を開設し、実際の支払いに充てたことを領収書などで証明する必要があります。忘れずに領収書を保管しておきましょう。

    結婚資金には、挙式や披露宴の費用・結婚式場への支払い・新婚旅行費用などが、子育て資金には、妊娠や出産に関する医療費・子どもの保育料・ベビー用品購入費などが含まれます。

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    贈与税の申告が漏れた際のペナルティ

    贈与税の申告が漏れた場合どのようなペナルティがあるのか、知らない人もいるでしょう。申告を忘れていた場合、故意であってもなくてもペナルティが発生します。どのようなペナルティがあるのか、主な税金について解説します。

    延滞税

    延滞税は、納付期限を過ぎて税金を支払った場合に課される税金です。納期限の翌日から完納日までの日数に応じて加算され、原則として最初の2か月間は年7.3%、それ以降は年14.6%または、延滞税特例基準割合+ 7.3%の低い方で計算されます。

    たとえ数日遅れただけでも自動的に課税対象になるため、必ず期限内に忘れずに申告と納付を行いましょう。

    無申告加算税

    贈与税の申告期限は、受けた年の翌年3月15日までです。もし期限内に申告を行わなかった場合は、無申告加算税が課されます。期限を過ぎた後でも、自分で気づいて申告をすれば軽減されます。

    税務署から指摘を受けた場合は原則15%・50万円を超える部分は20%が課されます。たとえば、贈与税の納付額が20万円だった場合、3万円が無申告加算税として加算される計算です。

    不納付加算税

    申告は行ったけれど、納付が期限内に間に合わなかった時は、不納付加算税が発生します。課税率は未納金額に対して原則10%です。延滞税と併せて請求されるケースもあるため、場合によっては、支払い金額がかなり膨らむこともあります。

    重加算税

    わざと贈与があったことを隠したり、虚偽の申告を行ったりした場合は、重加算税が課されます。通常の加算税よりも処分が重くなっており、最大で本来の税額の35%〜40%が上乗せされる場合もあります。

    悪質と判断されると刑事罰の対象となることもあるため、贈与に関する事実は隠さずに、すべて税務署へと申告しましょう。親が奨学金を一括返済する時も、申告をしないとペナルティを受けることになるため、忘れずに記録を残して期限内に申告を行ってください。

    まとめ

    親が子どもの奨学金を一括返済した場合に、贈与税の対象になるのかについて解説しました。奨学金の返済は債務の弁済と見られるため、贈与税の対象となります。そのため、300万円を一括で返すと、基礎控除110万円を除いた190万円に対して税金が発生します。

    非課税で奨学金を返済するなら、控除の範囲内である110万円以内を複数年に分けるか、相続時精算課税制度の利用を検討してください。親から子どもへよくある資金贈与は、場合や金額によっては非課税にもなります。

    教育・結婚・住宅購入は非課税の対象となる場合もあるため、事前に一度確認してみましょう。奨学金の利用者が増えている最近では、親からの一括返済も珍しくありません。ぜひ、贈与税の対象になっていないか確認をしてみてください。

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