第二の人生をどう生きるか。55歳で考えたい定年後の過ごし方
- キャリアを考える
- 公開日:2024年11月11日
ミドルシニア世代にとって気になることの1つは、定年後の第二の人生をどう過ごすかでしょう。特に定年が近づく55歳以降では、悩んでいる人も多くいます。今回は60歳以降も仕事を続ける人はもちろん、退職をして過ごす人に向けて、それぞれの生活に必要な準備、定年後の生活を充実させるためのポイントを解説します。
この記事の目次
定年後も仕事を続ける場合の準備
定年後に仕事を続ける場合は、老後の資金計画の見直しや雇用形態の確認などをしましょう。定年後の働き方は、再雇用と再就職の2つがあります。それぞれの特徴や、メリットは以下でご紹介します。
再雇用
再雇用は現在の会社を一度退職扱いとした後に、新たに雇用契約を結ぶ方法です。高年齢者雇用安定法によって、定年を過ぎても働きたいと希望する人に対しては、65歳までの雇用することが企業側に義務付けられています。
ただし、必ずしも希望の条件で働けるとは限らず、業務内容や給料が定年前とは変更になる可能性があります。同じ会社で働けるからといって、同じ仕事ができるかどうかは限らないため、詳細については事前に確認しましょう。
再雇用制度を利用した場合の雇用形態は、以下の3つです。嘱託社員や契約社員での雇用は、勤務日数や勤務時間の調整ができるため、無理をせずに自分のペースで働けることも。
• 正社員
• 嘱託社員
• 契約社員
再就職
再就職は、定年退職後に今までとは別の会社で働く場合を指し、キャリアアップをしたい人や新しい仕事に挑戦したい人におすすめです。社員だけではなく、パート・アルバイトや業務委託契約、フリーランスとして働く方法もあります。
定年後の働き方を事前に考えておかないと、あっという間に退職をむかえてしまいます。慌てて進路を決めて後悔しないよう、どういった雇用形態や契約内容で働くのか、事前に企業の制度や希望する仕事などの情報収集をしましょう。
仕事を続けるなら条件を明確にしておく
仕事を続ける際には雇用形態などはもちろん、どういった仕事をするのか、条件なども決めておきます。場合によっては希望に合う求人がなく、転職までに時間がかかるケースも。スムーズに再就職をするためには、妥協できる点と妥協できない点を明確にしましょう。
例えば、正社員での雇用だけにこだわるのではなく、契約社員も視野に入れるなどです。仕事を続けるうえで、大切にしたいことと妥協できる点について、定年前から検討しておきます。
定年後に仕事を辞める場合にしておきたい準備
定年後に仕事を辞めて、自分の好きなことをして過ごしたいと考えている人もいるでしょう。定年後に仕事を辞める場合は、老後の生活をより具体的にイメージし、必要な資金などを明確にしておくことが重要です。
趣味や海外旅行を楽しむにも、いきなり定年退職後に始めると加減がわからずにお金を遣い過ぎたり、長く続けられなかったりする可能性があります。理想の生活を楽しむには、定年前から定年後の生活に向けて調整をしていきましょう。
例えば趣味を楽しみたい人は、定年前から少しずつ趣味を始めて時間を増やしていく、海外旅行に行きたい人は短期間でもいいので旅行の回数を増やすなどです。実際に経験をしておけば、定年後に趣味や旅行を楽しめるのか、本当にやりたいことかどうかを見極められます。急激な変化を起こすとついていけなくなることもあるため、少しずつ慣らしていきましょう。
定年後におすすめの過ごし方5選
定年後におすすめの過ごし方を5つご紹介します。定年してから悩まなくて済むように、事前に候補を出しておきましょう。
ボランティアに参加する
ボランティア活動への参加は、多くの人との交流が持てるほか、社会貢献にもつながります。定年退職後にも交流ができる人脈を作れれば、今までの生活では触れる機会のなかった新たな刺激を得られます。また、社会貢献によって、自分が周囲から認められていることも実感できます。
ボランティアにはさまざまな種類があるため、1日のみで参加できるものや近場で参加できるものを探すと、気軽に始められます。ボランティアは、ボランティア団体のサイトや社会福祉協議会などで探せます。興味のある分野や開催されている地域などから、ぜひ探してみましょう。
旅行に行く
定年後は、仕事はもちろん子育ても落ち着いており、時間に余裕のある人がほとんどです。まとまった時間を活用して、行きたかったけれど諦めていた場所へ行ってみましょう。ただし、旅行に行く際は入念な行動計画と資金計画が重要です。具体的で無理のない、実現可能な範囲の計画を立てましょう。
新しい趣味を始める
定年退職後の生活をより充実させるには、新しい趣味を検討してみましょう。屋内で活動をしたい人は読書や映画鑑賞、屋外で活動がしたい人はガーデニングや登山などもあります。趣味を通じて新しい友人ができる可能性も。
しかし、何かを始めるとなると費用や道具が必要となるほか、自分に合っているかどうかを見極めるには時間もかかります。興味があることは定年後の楽しみ取っておくのではなく、定年前から少しずつ取り組んでおきましょう。
資格取得
定年後に時間がある場合は、資格取得もおすすめです。一度退職をしたが仕事を再開したい人や、興味がある分野を学びたい人であれば、関連する資格を取ると良いでしょう。例えば、簿記やTOEIC、趣味がカメラならカメラに関連する資格などです。新たな分野や内容の勉強は、脳の活性化にもつながります。認知症予防などにもつながるため、ぜひ始めてみましょう。
整理整頓
定年退職の前から始めておきたいのは、自宅や会社など、身の回りの整理整頓です。退職後は自宅で過ごす時間が増えるため、少しでも快適に過ごせるよう掃除や片付けを、コツコツと進めましょう。早めに取り組んでおけば、綺麗な状態を保ちやすくなります。
また、年齢を重ねるにつれて体力が落ちると、片付けや掃除が難しくなっていきます。少しでも家族の負担を減らすためにも、時間があるうちに整理整頓を進めましょう。綺麗な家であれば、物につまずいて転倒するリスクなども減らせます。
定年後に充実した生活を送るために知っておきたいポイント
定年後に仕事を続ける人も、仕事を辞めてゆっくりと過ごす人も、充実した生活を送るためにはいくつかのポイントを押さえておきましょう。どういった点に気をつけておくべきか、ぜひ定年を迎える前にご確認ください。
健康に気を付ける
定年後に充実した生活を送るためには、病気や怪我など健康に対して、今まで以上に注意しましょう。定年後にやりたいことや好きなことがなく、家にずっといる生活を選ぶと筋力が低下します。筋力が低下すると動きにくくなるほか、転倒や怪我をするリスクも高まります。
また、健康的な身体を維持するためには、食事にも配慮しましょう。塩分やカロリーなどに気を付けると、病気予防にもつながります。もし、料理が負担になる場合はシニア向けのデリバリーも検討しましょう。楽しく定年後の生活を送るためには、自身や家族の健康が重要です。
目標を決めて過ごす
定年を迎えた後、どんな過ごし方をするにもかかわらず、目標を決めるようにしましょう。目標はどのような形でもよく、再就職先で結果を出す、新しい人間関係を作る、趣味でできることを増やすなどです。目標を立てると、毎日を積極的に過ごせるようになり、メリハリのある生活となります。
ただし、抽象的な目標や高すぎるゴールはやる気を失う可能性が高まります。まずは、再就職先を決定する、新しいコミュニティに参加するなど、達成できるところから始めましょう。小さな目標であれば達成しやすく、成功体験の積み重ねによって、次の目標達成に向けてやる気を継続させられるようになります。
一気にお金を使わないようにする
定年を迎えた後に、手元に入ってきた退職金を、一気に使わないようにしましょう。退職金はまとまった金額を受け取れるため、ローンの返済や旅行、大きな投資などに使いたいと検討している人もいるでしょう。しかし、定年後から続く老後生活には、退職金は欠かせません。一気に使ってしまうと、10〜20年後にお金が足りなくなる可能性があります。
また、65歳を迎えると年金の受給が始まりますが、年金の受給額や開始時期についても計画を立てましょう。確認するのは繰り上げ・繰り下げ受給を利用するのか、毎月いくら手元に入ってくるのか、現状の生活費との差額などです。年金だけで生活をしようと思っていたら、年金では毎月の生活費だけで赤字になることも。
資金計画を綿密に立てておかないと、将来家族に迷惑をかける場面が出てくることもあります。お金で後悔しないためには、定年を迎える前からどの程度の金額をもらえるのか、退職金をどういったことに使うのかなど入念に計画を立てましょう。
社会とのつながりを持つ
特に定年後に仕事を続けない人は、社会とのつながりを持つように意識しましょう。1人や限られた人とのみ過ごしていると、孤独やストレスを感じて、心身のバランスを崩す可能性が出てきます。
認知症や脳卒中といった病気のリスクも高まるとされており、心身の健康を保つためには人との関わりが大切です。直接外に出て知り合いや顔見知りの人を増やすのはもちろん、SNSを通して交流するのもおすすめです。社会とのつながりによって、常に新しい刺激を得られるようにしましょう。
まとめ
定年後の第二の人生をどう生きるのか、55歳を過ぎたら考えたい準備についてご紹介しました。定年後に仕事を続ける場合は、再雇用を利用するのか、再就職をするのかを検討しましょう。そのほか、フリーランスとして働くのか、働くために妥協できない点なども考えます。
もし仕事を退職してゆっくりと過ごす場合は、定年後にやりたいと考えている内容が本当に実現可能な内容であるか、退職後に長く楽しめることはあるかなどを考える必要があります。早めに準備や経験をしておくと、定年後にこんなはずではなかったという後悔を減らせるでしょう。
定年後には、健康や周囲との交流などにも気を付けると、充実した生活を送れます。特に資金面に関しては、本当に退職金と年金だけで問題ないのか、働く際は毎月いくら必要なのかを確認しましょう。少しでも定年後の生活に不安がある人は、ぜひ本記事でご紹介した内容をご検討ください。