定年後も働き続けるためには何が必要?やるべきことや健康維持のコツ
- キャリアを考える
- 公開日:2023年12月 7日
「人生100年時代」「老後2,000万円問題」が謳われる中、定年後も働きたいと考えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、定年後も働くためにやるべきことや、健康維持のためにするべきことを解説します。
この記事の目次
定年後も働き続ける?
▼シニア期に働く意欲・必要性
Indeed Japan株式会社が行った『「シニア世代の就業」に関する意識調査』によると、60代・70代以降も働き続けたいと考える人は58%と半数を超えています。
①働き(続け)たいし、働く必要もある
➁働く必要はないが、働き(続け)たい
➂働き(続け)たくないが、働く必要がある
④働き(続け)たくないし、働き続ける必要もない
① | ➁ | ➂ | ④ | |
60代 | 23.2% | 13.1% | 27.2% | 23.5% |
70代 | 13.5% | 21.0% | 6.5% | 59.0% |
▼シニア期に働くことに対する不安や課題
シニア期に働く必要性・意欲がある人のうち、93%は"健康状態"や"気力の維持"など、働くことに対して何らかの不安を抱えていることが分かりました。
1 位 | 健康状態が維持できるか |
---|---|
2 位 | 働くための気力を維持できるか |
3 位 | 肉体労働に耐えられるか |
4 位 | 十分な収入が得られるか |
5 位 | 職場の人間関係がうまくいくか |
定年後も働き続けるためにやるべきこと
定年後に働き続けるためにやるべきことを確認しておきましょう。
事前に定年後の求人を探しておく
事前に定年後の求人を探しておけば、定年後行動に移しやすいでしょう。「定年はもう少し先だから」と後伸ばしにしていると、あっという間に定年を迎え焦ってしまいます。まずは第一歩として事前に求人サイトに登録したり、就業相談やセミナーに参加することがおすすめです。
ハローワークなどにあるシニア向けの相談窓口では、仕事情報を提供してくれることに加え、失業手当など定年後の支援制度についても教えてくれます。また、ハローワークや転職支援企業などが行っているセミナーでは、定年後の方を積極採用している業界や企業の情報を教えてもらえます。さまざまな業界を見ることで、これまで考えていなかった仕事が見つかるかもしれません。
ミドルシニアに強い転職エージェントの登録する
仕事探しに難しさを感じる場合は、ミドルシニアに強い転職エージェントに登録してみましょう。転職エージェントは、ミドルシニアの就職状況を教えてくれたり、就職活動のサポートをしてくれます。また、定年前に転職エージェントに登録し、定年後のキャリアについて相談することも可能です。
資格を取得したりスキルを身につけたりする
定年後も働き続けるために、資格を取得したりスキルを身につけたりすることも1つの方法です。新しい仕事に取り組む場合、定年前に身につけていたスキルや経験だけでは思った通りの働き方ができないかもしれません。そのため、定年後どのような仕事に就きたいのかという転職の軸を考えたうえで、取得する資格やスキルを検討してみましょう。
人脈を広げておく
人脈を広げることも大切な事前準備です。労働政策研究・研修機構の調査によると、年齢が上がるにつれて縁故採用が増えていることが分かります。縁故採用とは、企業で働く人の伝手で採用してもらうことです。定年前からさまざまな人と交流し、人脈を広げておくとより可能性が広がるでしょう。人脈を広げる場は、ボランティアや趣味の集まり、異業種交流会、セミナーなどさまざまなものがあります。
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」
定年前に副業でさまざまな仕事を体験してみる
定年後は、定年前と同じ業界で仕事ができるとは限りません。定年前に副業で別の仕事に取り組めば、自分に合った業界を見つけられるかもしれません。また、他の仕事を知ることで視野も広がります。副業に寛容な会社に在籍しているのであれば、クラウドソーシングなどを活用しさまざまな仕事を体験してみましょう。もし副業が禁止されている場合は、プロボノ活動などのボランティアもひとつの手段です。
定年後におすすめの仕事8選
定年後も働き続けるためにやるべきことのひとつとして「事前に定年後の求人を探しておくこと」を挙げました。求人を探すためには、定年後におすすめの仕事を知ることも重要です。
マンション管理
マンション管理とは、住人が安心して住めるようにマンションの点検、管理、共用部の清掃などを行う仕事です。体力的な負担も少なく、資格や専門スキルが求められることもないので、シニアに人気の仕事になっています。また、契約によってきちんと業務時間が定められているため、基本的に残業はありません。私生活と両立できるところも魅力です。
警備
警備の仕事は、年齢や経験に関係なく募集している求人が多く、定年後のシニア世代も多く活躍している職種です。警備の仕事はハードなイメージがあり、体力や身体面の懸念を抱える人もいるかもしれません。しかし、警備にはいろいろな種類があります。例えば、商業施設や公共施設などの巡回・防犯モニターチェックなどを行う施設警備員はシニア世代または未経験の方からも人気の職種のひとつです。
清掃
清掃は警備と同様に求人募集の数が多く、シニア世代も活躍している職種です。オフィスやテナント、ホテルなど活躍の場が広く、1人で黙々と業務を行う現場もあれば、チーム協力しながら業務にあたる現場もあります。そのため、自分の性格を考慮して働きやすい環境を選べる点も魅力です。整理整頓や掃除が好きな人におすすめです。
家事代行・ベビーシッター
家事代行やベビーシッター業務は、仕事にブランクがあっても長年の家事・育児などの経験があれば採用されやすい仕事です。「家事はできて当たり前」、「お金にならないものだと思っていた」と思うかもしれません。しかし、共働き世帯が増える現代では、家事・育児をアウトソースする家庭も多く、需要が高まっています。感謝される仕事でもあるので、やりがいも実感できます。
ICT支援
ICT支援員とは、学校におけるICT(インターネット学習の導入など)活用を実現するために推進するサポートスタッフのこと。教員をはじめ、児童、生徒が円滑にICT機器を使用して授業を進められるように、操作指導や機器の動作確認、メンテナンス、ICT教材を作るサポートなどを行います。教員免許は必要ないので、ITに抵抗がない人や、教育現場で働きたい人に適しています。
介護
高齢化が進む日本では、介護スタッフの需要が年々増加しています。介護関連の資格を保有していない場合でも、掃除や洗濯、送迎などの生活援助を担当することができます。入社後に資格取得のサポートを行っている企業もあるため、未経験またはシニア層の場合は教育体制が整った施設を探してみましょう。
観光ガイド
観光ガイドとは、地域の歴史や文化、おすすめのお店などを観光客に伝える仕事です。生まれ育った地域や思い入れの強い地域を案内する仕事は、長い人生を生きてきたシニア世代にぴったり。観光ガイドの仕事はボランティアが中心ですが、派遣会社に登録して働ける場合もあります。観光案内所のスタッフやバスの添乗員など、活躍の場はさまざまです。
軽作業
軽作業とは、倉庫や工場内で商品の検品やピッキング、仕分け、シール貼り、梱包などを行う仕事です。身体的な負担が少なく、派遣や短期、単発などの求人も多いので、私生活と両立させながら働けるのが特徴です。ただし、黙々とした単純作業が中心のため、向き不向きがある仕事です。
接客・販売
接客・販売の仕事は、未経験から挑戦できるものがほとんどです。近年ではコンビニやファミリーレストラン、カフェなどでもシニア雇用枠が増加しつつあります。また、接客・販売の仕事は多くの人とコミュニケーションを取る仕事でもあるので、人との関わりが少なくなる定年後におすすめの仕事です。
定年後も働き続けるためには健康維持も大切
定年後も働き続けるためには、労働の資本である健康維持も大切です。
日常的に運動する習慣をつける
健康を維持するために、日常的に運動する習慣をつけましょう。定年後は今まで以上に運動の機会がなくなる可能性があります。そのため、定年前からジムに通ったり、ウォーキングをしたりと体を動かす意識付けが必要です。続かなければ意味がないため、自分に合った運動を見つけることが大切です。
バランスの良い食事を心がける
バランスの良い食事をとることも健康を維持する重要な要素です。白米などの主食、肉・魚・卵などのたんぱく質が多く入った主菜、野菜やきのこが入った副菜、お味噌汁などの汁物を合わせた食事が最も理想的だと言われています。食事内容だけでなく、量やカロリー、塩分・糖分量も意識しましょう。
心身のリラックス法を取り入れてストレス管理を行う
ストレスは心身の健康を損ないます。そのため、心身のリラックス法を取り入れてストレスを管理することが大切です。簡単に取り入れられるのは深呼吸です。緊張状態やストレスを感じているときは呼吸が浅くなっています。深い呼吸をすれば、心身がリラックスするでしょう。
他にも、筋肉の緊張をほぐすストレッチや自然を感じられる場所でのウォーキングも効果的です。ぬるま湯でゆっくり入浴したり、好きな音楽を聴いたり、好きな香りを楽しむこともいいでしょう。また、質のいい睡眠をとることもストレス管理のひとつです。自分に合った環境で寝ることや、睡眠前にカフェインを取らないことなどに気を付け、質のいい睡眠を心がけましょう。
定期的に健康診断を受診する
たとえ持病がなくても、定期的に健康診断を受けましょう。健康維持のためには自分の身体の状態を理解しておくことが大切です。定期的に健康診断を受ければ、病気の早期発見や病気のリスクの発見ができます。定年後も働くために、必ず受診するようにしましょう。また、予防接種なども受けておくと病気を予防することができます。
社会とのつながりを持つ
仕事で人との関わりがあった方も、定年後は一機に機会減る可能性も。社会との関わりが減ると、孤立感を覚えストレスを感じたり健康に影響が出ると言われています。定年前からボランティアや趣味の集まりなどで話す機会を作ったり、家族や友人と集まったりして社会のつながりを持つようにしましょう。
脳を活性化させる活動をする
仕事をしている時はさまざまなことを考えるため、脳が活発に動いています。しかし、定年後は定年前と比べ考えることが少なくなり、退屈さやモチベーションの低下を感じます。また、刺激がなくなることで心の健康に影響が出ることも。そうならないためにも、パソコンやスマートフォンを使って勉強したり、読書をしたりするなど知的な活動に取り組み、脳を活性化させましょう。
まとめ
定年後も働き続けることはセカンドライフを充実させるために有意義な方法です。しかし、定年後も働き続けるためには事前の準備、そして健康を維持することも大切でしょう。今後の生活を豊かにするためにも、定年後の働き方について1度考えてみてはいかがでしょうか。