中高年が健康で充実した生活を送るためには「働くこと」が重要⁉
- キャリアを考える
- 公開日:2023年9月21日
コロナ禍がようやく明けてきた今、これまでのお籠(こもり)生活でのコロナ太りに悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 本日は、あまり知られていない仕事と健康の相関関係についてまとめていきます。
この記事の目次
健康な体と心を保つために。
皆さんはコロナ禍で、どのような生活を送っていましたか? ステイホームで、行動を自粛していた方がほとんどだと思います。そんな状況下では仕事もリモートワークが中心となり、身体を動かす機会が減っていたのではありませんか? さらに人と会うことも少なくなった結果、「今日誰とも話していない...」という方も多かったのではないでしょうか。
実は近年、体や心の健康は"働く"という行為と密接に関係していることがわかってきたのです。リモートワークなど会社に行かずに過ごす"お籠り生活"は一見楽に思えるかもしれませんが、長い目で見ると健康のためにはあまりよくないのです。労働は精神や肉体的な健康維持に効果があるという研究結果も出ていることからも、仕事をすることは健康を司る行動だと知られるようになってきました。
よく、定年後に一気に老け込んでしまったり、生活に活力が見いだせなくなって"燃え尽き症候群"になってしまったりする方がいますが、それは仕事をすることによって生活にハリややりがいが生まれ、体を動かす労働によって心も体も健全に保たれていたからだと言えます。
仕事をする上では、心身の健康状態によって集中力や判断力が落ちたり、生産性が低下して業務をすることに支障をきたしてしまいます。つまり、心身ともに健康な状態で仕事をすることが重要になってきます。また、疲れた状態で仕事を続けてしまうと免疫力が下がり、風邪などの病気のリスクも高まります。ひどい場合には仕事に対するモチベーションが下がり、うつ病を発症してしまい、働けなくなってしまうなんてことも考えられます。
健康で働くために。
では、健康に働くためにはどのような健康管理が必要なのかを見ていきましょう。
禁煙
喫煙は癌や狭心症、心筋梗塞、脳卒中といった様々な病気の原因になります。さらに、吸う本人だけでなく、周理の人にも健康被害も及ぼしてしまう受動喫煙のリスクも高めてしまいます。現在の日本では分煙化が進み、オフィスでは専用の喫煙スペースが設けられ、限られた場所でしか吸えないところが増えました。
タバコの値段も徐々に上がり、禁煙する方がお財布にも優しい状況です。それでも禁煙が出来ないという方は健康保険で禁煙治療も受けられるようになっていますので、健康のためにも一度医師に相談してみるとよいでしょう。
運動習慣をつける
日頃から運動をする習慣を持つようにしましょう。昨今では運動不足による生活習慣病患者の割合が増えていると言いますから、短い時間でも歩くなどの運動を日々に取り入れると◎。
厚生労働省は、健康増進のためには1日に男性だと9,200歩、女性では8,300歩程度歩くことを理想としています。スマホでも手軽に歩数が計れますから、一度ご自身の歩数を調べてみると良いでしょう。
十分な睡眠を確保する
現代の日本人の5人に1人は睡眠不足だと言われています。睡眠不足は昔から万病の元と言われるほど健康には大切なものです。成人の標準的な睡眠時間はおよそ6~8時間。それ以下の睡眠不足状態では集中力も途切れがちになってしまい、仕事の能率が下がると言われています。
さらに最近では、時間に限らず質の悪い睡眠は生活習慣病の罹患リスクを高め、かつ病気の症状を悪化させることが分かってきています。寝る前にはスマホは見ないようにしたり、カフェインの入った飲み物を飲まないようにして睡眠の質を高めましょう。
バランスの良い食生活
飲み過ぎや食べ過ぎに注意し、栄養バランスの良い食事を心掛けましょう。肥満の原因の大部分は食生活によるものだと考えられているため、塩分や脂質過多にならない食事に気を配る必要があります。
また、最近では現代人の痩せすぎにも警鐘が鳴らされています。1日に必要なカロリーは性別や年代でも異なりますがおよそ2,200Kcalと言われていますので、適性体重をキープできるようにバランスの良い食事をしてください。
ストレスを溜めない
企業でもストレスチェック制度を取り入れるなど、健康と切り離して考えられない要素になってきているストレス。長い間ストレス下にさらされていると、大きな病気を誘発する原因ともなりますので、趣味の時間を充実させ、発散させるための運動をするなど、なるべくストレスを溜めないようにしましょう。
また、一人で抱えずに家族や友人と話すことでストレスを軽減させてください。最近ではペットを飼うことが心の安定に繋がるペットセラピーも推奨されています。ストレスが溜まる前に、ご自身のストレス解消の方法は何なのか、見つけておきましょう。
定期検診を忘れずに行う
会社員であれば、会社が健康診断の案内をしてくれる場合もありますが、フリーランスや個人事業主だと検診が後回しになってしまうことも。病気の早期発見は健康や未病のためには定期的な検診が必要不可欠です。毎年、健康診断をきちんと受けるようにしましょう。
参考:厚生労働省「健康日本21(身体活動・運動 )」、「睡眠と生活習慣病との深い関係」
仕事を通じてどのような健康が得られるのか。
では、働くことは健康にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
まず、身体を動かすことで血行が良くなります。血行は身体に必要な酸素や栄養を全体に生き渡らせる働きがあります。そして、身体を動かすことによって代謝が上がり、老廃物の排出を促すことができます。駅やオフィスでも1階分くらいの移動ならエレベーターではなく、階段を使うようにするだけで軽い運動をすることができます。
また、歳を重ねるにつれて筋力は衰えていきますので、働くことによって身体を動かすことは健康的な生活を送るためにも必要なことでしょう。なお、立ち仕事であれば、1時間あたり50Kcalの消費ができると言われています。「時間がなくて運動ができない」、「運動は苦手」という人こそ、仕事をすること自体が健康維持に役立つのです。
例えば、清掃やマンション管理人の仕事はほどよく筋力を使うので、健康維持のために週2、3回働いているという方も多くいます。さらに、働くことで運動になるだけでなく、人と接する機会も増え、「ありがとう」の言葉をかけられる瞬間もあるため、日々に活力ややりがいを感じることができます。
近年、日本では孤独死のニュースを見かけることが多くなりました。孤独死は高齢者の問題と捉えている方がいるかもしれませんが、40~50代の孤独死も実は増えているのです。多様化の時代になり、未婚の方や離婚後、独身でいる方も多くなっています。
そんな中で、社会と繋がれる"仕事"を持つことは精神衛生にも良い影響を与えてくれるでしょう。職場があることで、単身で生活していたとしても何かあれば、職場の人が気づいてくれ一命をとりとめるケースも。誰かと繋がれることは生きる意味や活力にもなるのです。
内閣府の調査によると、60歳以上の男女にアンケートを取った結果、収入の伴う仕事をしている人の方が、収入の伴う仕事をしていない人よりも、生きがいを「十分感じている」と回答した人の割合が高いというデータも出ています。つまり、歳を重ねても働くことはお金を稼ぐという名目だけでなく、心身ともに健康を保つ大きな役割があるのです。
参考:内閣府「令和4年版高齢社会白書(概要版)」
まとめ
いかがでしょうか。昔から「健康管理も仕事のうち」と言われることが多いですが、「仕事をすることが健康の元」という言葉も頭に入れておきたいですね。