「履歴書不要」の求人はなぜあるの?その疑問に回答!
- 転職・退職ノウハウ
- 公開日:2018年6月21日
求人への応募については履歴書が必要とばかり思っていたけど、仕事を探していると「履歴書不要」と書いている求人もチラホラ。「もしかして社会的に危ない職場なのでは…」なんて不安がよぎる方もいるのでは?そんなあなたのために、履歴書不要の求人がある理由についてご説明します。
この記事の目次
履歴書は必ずしも必要なものではない?
多くの企業において、応募時に必要な書類として履歴書が思い浮かびますが、結論からいうと必ずしも履歴書は必要ではありません。必要なのは、履歴書に記載されている以下の内容です。
・労働者の氏名
・生年月日
・履歴(過去の経歴)
・性別
・現住所
・従事する業務の種類(従業員が30人未満の事業場の場合、記入は不要)
・雇入の年月日
・退職年月日およびその事由(退職の事由が解雇の場合はその理由を含む)
・死亡の年月日およびその原因
なぜこれらの内容が必要なの?
これらの内容が必要な理由は、企業が労働者を雇う際に「労働者名簿」を作成する義務があるためです。労働基準監督署がチェックする帳簿は「賃金台帳」「出勤簿」そして「労働者名簿」の3つであり、これらは「法定三帳簿」と呼ばれ、企業が必ず整備しなければならないものです。
つまり、履歴書は「労働者名簿」の内容を正しく記載するために、必要な情報を書き写すために必要なものなのです。
それではなぜ履歴書が不要なの?
履歴書の内容は必要。でも、履歴書は不要。それってどういうこと?
その理由はいくつかありますが、もっとも多いのは応募した企業が独自の応募情報を記入するための書類を持っている場合です。
履歴書は一般的に記載する項目の内容は固まっていますが、個々人によって書き方がバラバラなこともあります。さらに、「接客の素養があるかを、これまでの人間性から見たい」など企業独自で取りたい項目がある場合などは、履歴書だけでは情報が足りない場合も。履歴書に書き込めばよいのでは、と思うかもしれませんが、それでは管理が煩雑になりがちです。
そのため、企業側が作成したフォーマットに、必要な情報だけを書き込んでもらう。そうすれば、企業側は管理がしやすくなりますし、応募者も二度手間が省ける。そのため、どちらにとってもメリットがある、ということで「履歴書不要」という表現を使っているのです。
履歴書不要な理由は他にもある
履歴書が不要な主な理由は上記のものですが、他にもいくつか理由があります。
たくさんの人に応募をしてもらいたいから
これが最も多い理由かもしれません。履歴書を書くときは「机をきれいに片付けて、気持ちを落ち着けて、書き損じの起きないように集中して...」というように、それなりの気構えを持ってからでなければなかなか書けないもの。そこを理解している企業担当の、「書類提出の手間を省くので、気軽に応募してほしい」という気持ちの現れです。
「書類選考がない」という意味を持っている
企業にもよりますが、求人サイトから応募した後、「サイトから応募」→「企業から連絡が来て、必要書類を事前に郵送」という流れを取る企業も多くあります。そのため「このような郵送の必要はありませんよ」という意味で不要という表現を取っている場合もあるのです。
日雇いの仕事では必要がない場合も
労働基準法 第107条には以下のように記載されています。
使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。
そのため、日雇いの仕事においては、使用者に労働者名簿を作成する義務はありません。そのため、1日だけの単発の仕事の場合は履歴書の提出を求められなくても、不安に感じる必要はありません。
労働者名簿を作っていない企業で働くとどうなるの?
しかし、稀に1-2週間程度の短期の仕事でも、「短期雇用だから」といって労働者名簿を作成していない場合もあります。そのような企業だと、勤務中に怪我などのトラブルにあったときでも家族に連絡がいかない、などのおそれがあります。採用が決まったのに、何もこちらからの情報を求められないなど、不安に感じたときは確認するようにしましょう。
提出しなくても、手元に履歴書を持っていくのが吉!
このように「履歴書不要」と記載されている求人でも、選考に行った際に履歴書に記載する情報を書く可能性はあります。いざ記入、となったときに「卒業年はいつだっけ...」などとならないように、手元に履歴書を用意しておくことが安心といえるでしょう。内容がわかれば問題ないので、書き損じを持っていっても問題ありません。その他、手元にあると安心な書類は以下のものです。
本人確認書類
氏名・現住所・生年月日が確認できる書類の提出を求められる場合も。一般的には、運転免許証、保険証、パスポートなどがあれば問題ありません。直近で引っ越しなどをしている場合は、現住所に修正されているかも確認しておきましょう。
給与振込口座
給与は振込で行われるのが一般的なため、口座番号のわかる書類の提出を求められる場合も。通帳またはキャッシュカードを持っていけば事足りますが、持ち歩くのは不安、という方は通帳のコピーを持参するのが無難です。
印鑑・朱肉
手続きの書類に押印することもあるため、印鑑を持っていきましょう。公的書類に押印することもあるため、シャチハタは避けたほうが無難です。朱肉も手元にあると安心でしょう。「給与振込口座の銀行印のほうがよいのでは」と思う方もいるかもしれませんが、既存の口座へ振り込まれる場合は、銀行印は不要です。
まとめ
このようにご紹介してきましたが、不明な点があれば直接聞くことが一番です。「担当者に面倒をかけてしまう」「そうしたら採用が遠のくのでは...」という不安を持つかもしれませんが、それは杞憂でしょう。
もちろん、回りくどかったり、マナーを外れた聞き方をしている場合は悪印象を持たれる恐れがありますが、簡潔に必要なことを質問するのであれば「仕事における段取りがしっかりしている」という印象を与えられる場合もあります。不安はその都度解決し、スムーズな内定ゲットを目指しましょう!