人手不足解消の切り札はシニア人材!?アルバイト採用活動に関する企業調査
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- 公開日:2019年2月19日
人手不足に悩む多くの企業。その原因は欠員の補充だけではなく、働き方改革に伴う正社員労働を短縮させるための補充など、業界によって悩みは多様化しています。そこでマイナビが調査を実施。見えてきたのは、シニア層の採用に期待が寄せられているという事実でした。
この記事の目次
アルバイト社員の不足感を感じる企業は全体の約7割!
上記のグラフはアンケートにおいて「余剰が出るほど充足している」「充足している」と回答した企業を「充足」。「不足している」「とても不足している」と回答した企業を「不足」と分類したものです。
「不足」と回答している企業の割合は実に7割。この状況をみると、やはり全体的に「人手不足」であるということが言えるでしょう。
業種ごとに見ていくと、不足の度合いが高いのは「警備・交通誘導」「清掃」の2業種。反面、充足の度合いが高いのは「事務・データ入力・受付・コールセンター」であることがわかります。
アルバイト人材を確保するための施策とは?
こちらのグラフは各企業が取り組んだ実績がある、または検討を行っている「人材確保のための施策」です。オレンジの縦棒は「実施した施策」、緑の折れ線は「実施したい施策」を示しています。
実施した項目で高かったのは「給与の増加」、そして「シフトの緩和」です。多くの企業が「満足できる給与水準」を提示し、「働きやすい時間だけでも働ける」勤務形態を整えることを選択した理由は、やはり「満足できる待遇と働きやすい環境が整っていなければ人は集まらない」という人手不足の根本課題に向き合おうとする企業が多いことに他なりません。
今後実施したい施策においてもこの2項目、および「職場の設備の充実・改善」「福利厚生面の充実」の回答数が高いことから、働きやすい環境を整えることで「働く従業員の不満足の解消」を重視していることが読み取れます。
「シニア層」という新たな戦力の発見
とはいえ、給与を増加するなどの手法の影響は既存の従業員にまで及ぶため、なかなかすべての企業で実践できるわけではありません。
そこで着目されるのが、「これまで雇用していない層」を採用する手法です。つまり、多くのパート・アルバイトに人員を供給してきたのは学生を始めとする若年層ではなく、「副業者(ダブルワーク)」「外国人」「主婦(主夫)」「シニア層」などを採用する手法です。
その中でも最も実施され、今後の期待感も集めているのが「シニア層」なのです。
業種によってシニアを求めるニーズは異なりますが、シニア層の持つ人生経験を含めた「経験値の高さ」や、「真面目に仕事に取り組む姿勢」などを評価している企業が多く存在しています。
シニア層のニーズが高いのは人手不足感の高い業種だけではない?
こちらのグラフは前項のデータで「シニア層の積極採用」と回答した企業を業種別に見たものです。
※各業種において回答母数が異なりますので、詳細は調査内容をご参照ください。
人手不足感の強い「警備・交通誘導」「清掃」の2業種、そして「配送・引越し・ドライバー」において、ニーズが高いことが読み取れます。
しかし、詳細に見ていくと人手不足感が最も少なかった「事務・データ入力・受付・コールセンター」においても、今後実施しようとする割合が低くないことがわかります。
この理由は、「真面目」「仕事が丁寧」というシニア層の特徴にあることが想定されます。つまり、人手不足という理由からではなく、「担当する仕事に適した質の高い人材」としてシニア層を見ている現れといえるでしょう。
反面、導入に積極的ではない業種は「販売接客(パチンコ・カラオケ・ネットカフェ)」などが挙げられます。人手不足感が一定数あるにもかかわらず採用を見送る理由としては、業務におけるオペレーションで一定のIT機器の利用があること、働く同僚が若い年代が多いなどの理由が考えられます。
つまり、業種・業態に応じて仕事の中身とシニア層の特性の相性を見極めながら、各企業が導入を検討している段階だと言えるでしょう。
自社のサービスや雇用環境にマッチすれば、シニア層への期待は高い
企業の人材確保の施策として「シニア層の積極採用」の割合が高い順位にあるとはいえ、実績がある企業は23%という水準にとどまっています。
しかし、弊社で行った別調査では、一度シニア層の採用を行った多くの企業において、次回以降の採用でもシニア層採用を継続していることを確認しています。これはつまり、多くの企業がシニア層の戦力化に成功していることを意味しています。
人材の確保は、どの企業にとっても大きな課題ですが、採用手法や採用ターゲットを変えることで、人手不足の解消に結びつく場合も多くあります。
まとめ
人手不足という課題。その解決のための選択肢は多ければ多いほど良いはずです。前例がないからと二の足を踏むのではなく、ぜひ一度シニア層の採用をご検討ください。
働く意欲旺盛なシニア層が、期待以上のパフォーマンスと、予想もしていなかった好影響を組織に与えてくれるかもしれません。
<調査概要>アルバイト採用活動に関する企業調査
https://www.mynavi.jp/news/2019/02/post_19084.html
【調査対象】直近1年以内にアルバイト採用業務に携わった20~69歳の会社員(会社役員・自営業を含む)
【回答者数】 1,323サンプル
【調査方法】外部調査機関によるインターネット調査
【調査期間】 2018年11月22日(木)~12月4日(火)