女性が主役となる労働市場へ!過去最高の就業率が生む変化とは
- キャリアを考える
- 公開日:2026年3月30日
男女共同参画社会の推進から約30年、働く女性は過去最多となり、特に60代前半の就業率は37.8%から63.8%へと大きく上昇しました。医療・福祉分野を中心に女性の労働参加は拡大し、日本の人手不足を補う重要な存在となっています。制度面の整備や働き方の多様化が進む中、家計を支え、自分らしい人生を築くために再び仕事に向かうミドルシニア女性が増えており、日本社会は今まさに“女性活躍の新時代”を迎えています。
この記事の目次
ミドルシニア女性の労働参加は、過去最高に
男女共同参画社会は、1999年に「男女共同参画社会基本法」が施行されたことで本格的にスタートしました。これにより、男女がそれぞれの性別にとらわれず、平等に役割を担える社会づくりが目指されるようになりました。
その後、約30年が経ち、社会の意識や環境は大きく変化しました。
企業での働き方はもちろん、家庭での役割分担でも「男性だから」「女性だから」といった固定概念に縛られない風潮が広がっています。
2025年の労働力人口は7004万人となり、初めて7,000万人を突破しました。前年から47万人増加し、3年連続の増加です。そのうち9割以上にあたる43万人を女性が占めており、女性の就労がいかに当たり前になったかを示しています。
現在、女性の労働力人口は過去最多の3200万人。一方で、働いていない女性は2466万人と、前年から55万人減少しています。これらの数字からも、働く女性が着実に増えていることがわかります。
産業別にみると、最も増加が大きかったのは「医療・福祉」で、男女合わせて25万人増の947万人となりました。特に女性の就業者が多い分野であり、この伸びは非常に顕著です。
雇用形態を見ると、正社員は3708万人で11年連続の増加。そのうち女性は1341万人と、前年より42万人増えています。正社員として働く女性が年々増加しているのです。
また、日本の15~59歳の女性就業率は、2000年の58.7%から74.4%へと大きく上昇しました。主要先進国の中でも日本の伸びは特に急速で、女性は今や労働市場に欠かせない存在となっています。
かつて「女性は働かないのが当たり前」とされていた時代もあった日本ですが、この20年ほどで状況は一変しました。60代前半の女性の就業率は37.8%から63.8%へと急上昇し、若い女性だけでなく、年齢を重ねた女性も積極的に働く時代になっていることがわかります。
データ元:内閣府「「男女共同参画社会」って何だろう?」、厚生労働省「令和5年の働く女性の状況」、男女共同参画局「第2節 雇用の場における女性」
社会制度の変化で女性参画が整ってきている

働く女性が増えている背景には、結婚や出産を理由に仕事を辞めないという選択肢が増えている現状があります。制度も整ってきたため、育児と仕事の両立をする家庭が増えているのです。
また、働き方の選択肢も増え、短時間勤務やスポットワークなど、様々な形で社会に参画できるようになりました。働く女性は増えてはいますが、出産や子育て、介護等をしながら働くためにはやはり制度の充実が不可欠でしょう。
育児休暇の取得や企業内保育園などの拡充は今後も求められていますし、フルタイムだけではなく、「週3日」「短時間勤務」など、状況に合わせて働き方を選べるということも重要になってきます。
企業においても、女性の管理職比率が重要視されるように。まだまだ欧米各国に比べ、日本の女性管理職比率は相対的に低いですが、令和6 年度の「課長相当職」以上の管理職に占める女性の割合は13.1%と、前回の調査より0.4 ポイント上昇したといいますから、徐々に管理職に女性を据えようという動きも多くなってきているのでしょう。
さらに、女性が働く上で重要になるのが男性の育休取得です。男性の育休取得が進めば、夫婦で育児や家事の分担ができるようになり、職場復帰も早まりやすくなります。令和6 年の育休取得率は男性40.5%、女性86.6% と、前年よりそれぞれ10.4 ポイント、2.5ポイント増加したといいます。
特に、男性は平成30 年には6.16% だったことを考えると、わずか6 年で急上昇していることがおわかりいただけるでしょう。政府としても、男性の育休取得率を2030 年に85% にするなどと、高い目標を掲げています。
令和4 年には「育児・介護休業法」の改正があり、「産後パパ育休(出生児育児休業)制度」が設けられました。これにより、産後8 週間以内に4週間(28 日)を限度として、2回に分けて休みを取得できるようになったのです。
また、これまでは原則1 回しか取得できなかった育児休業が男女とも2 回まで取得できるようになったことで、男性の子育てを促しています。実際に、育児休業を開始した男性のうち「産後パパ育休」を取得した者の割合は、約6 割に上るといいます。
経済的理由から働く女性が増加している
女性が労働市場に増えた要因は、男女共同参画社会の実現だけではありません。平均年収が上がらないと言われる日本では現在、物価高が続いています。つまり、男女共に「働かなくては食べていけない」といった実情があるのです。
これまでの日本では女性が働かずとも、男性の稼ぎだけで生活できていました。それでもバブル崩壊後、夫の稼ぎだけでは生活が厳しくなったため、多くの女性が働きにでるようになりました。
転職サイトのアンケート調査によれば、大半の女性が仕事をする理由に「家計のため」と回答、出産前に就業していた女性の約6割が出産後には仕事復帰していることからも、家計を助けながら子育てに励んでいる女性が大半なことがわかります。
データ元:男女共同参画局「第3節 女性のライフステージと就業」、国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」
日本の労働市場における、女性の存在感の大きさ

現在の日本経済は、深刻な人材不足に陥っています。
無職の就業希望者は約400万人おり、そのうち4分の3にあたる割合が女性だといいます。つまり、今働いていない女性の中には、働きたいと考えている女性が多いことがわかります。
これまでは、女性は出産や育児により退職する割合が高く、積極的に女性を採用する企業自体の数も少ないままでした。しかし近年、男女の勤続年数の格差が小さい企業や女性管理職比率の高い企業ほど、利益率も高い傾向にあることが明らかになってきました。
つまり、女性が働きやすい環境整備をすることによって、生産性も上がっていることが証明されているのです。
厚生労働省によると、日本の女性はOECD(経済協力開発機構)加盟38か国の中でもトップクラスの学力を有しています。特に数学的リテラシーや科学的リテラシーにおいては、OECD加盟国中1位という優れた結果が報告されています。
世界的に見ても、高い能力を持っている日本の女性がより労働市場で活躍すれば、経済効果も期待できます。さらに、人口減少により日本の労働力は減少していますから、女性の社会進出が進めば、人手不足を補えるようになるでしょう。
データ元:厚生労働省「女性の職業生活における活躍とマクロ経済」
価値観の変化による、自分らしい人生を目指す女性の増加
歳を重ねると、家庭や職場における役割の変化や加齢による身体的変化が生じ、中年期特有の悩みや葛藤・不安などを抱く「ミッドライフクライシス」を感じる方が増えます。実際に、40代や50代で働いているうちの53%が「ミッドライフクライシス」の自覚あると言います。
ミッドライフクライシスの原因としては「老化・体力の衰え」挙げる人が最も多く、次いで「経済状況・お金」、「自分の将来の健康」が挙げられました。こうしてみると、「経済状況やお金」の不安をなくすだけでも、精神的に安定させることができることがわかります。
男女平等とはいっても、女性は妊娠や出産、介護などを経て仕事から離れてしまう期間多いのも事実です。そこで、女性の再就職を支援する取り組みも始まっています。その一つがマザーズハローワークです。マザーズハローワークは全国におよそ200カ所あり、子育てと就業の両立を希望する女性の支援をしています。
働き方に対する女性の意識も大きく変化しており、2022年には20代、30代、40代の女性の半数以上が「子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい」と回答しているとのこと。多くの女性が子育てと仕事の両立を望んでいるといい、子育てを経験した多くの女性たちが仕事を続ける意欲があるのです。
日本はまだまだ女性が働きやすい社会とは言えないかもしれませんが、徐々に制度も整ってきた今、労働市場の主役は女性の時代に入ったと言えるでしょう。
データ元:男女共同参画局「女性の就労に関する意識の変化(女性)」
女性にとって、働きやすい企業とは
では、女性が働きやすい会社とはどのような企業なのでしょうか。
働き方が多様である
テレワークやフレックスタイム、育休制度など多様な働き方ができる会社は働きやすいと言えます。また、女性特有の悩みもありますから、定期的な健康診断や更年期障害などの健康の悩みなどを相談できる健康サポートが受けられる会社だとなお、働きやすいでしょう。
皆が制度を利用している
せっかく制度があっても、それを利用しにくい環境では意味がありません。制度の理解があり、何人も制度を利用している職場であったりすれば、当たり前に制度を利用することができるため、仕事と家庭の両立がしやすいでしょう。
まとめ
女性が働くことは、もはや当たり前の世の中になりました。だからこそ、体の変化やライフスタイルの変容と向き合いながら"働きやすさ"を追求できる環境で働きたいですね。








