40代はキャリア実態と理想にギャップあり!今からでも間に合うなりたい自分を目指す方法
- キャリアを考える
- 公開日:2025年12月22日
ヒューマンホールディングスが実施した「40歳のキャリア実態と『なりたい自分』意識調査2025」によると、多くの人が理想のキャリア像と現実にギャップを感じていることがわかりました。今回は40歳の年収に関するギャップや、なりたい自分に近づくためのリスキリングについて紹介します。リスキリングでよくある失敗や、忙しい40代が時間を確保するコツも解説しますので、理想の自分に今からでも近づきたいという人は、ぜひお読みください。
この記事の目次
40代の実年収と理想の年収にはギャップがある
40代では"実際の年収"と"20代の頃に理想としていた年収"にギャップがあることが、ヒューマンホールディングスの「40歳のキャリア実態と『なりたい自分』意識調査2025」でわかりました。
▼40代の現在の年収額
• 300〜400万円未満:21.9%
• 200〜300万円未満:16.6%
• 500〜600万円未満:16.1%
▼20代の頃に自分が、40代となったときに想定していた年収額
• 500〜600万円未満:25.8%
• 400〜500万円未満:19.8%
• 600〜700万円未満:12.7%
多くの人は年収が400万円以上になっていると想定していたのに対し、実際の年収では300万円台という回答が多くありました。実際の年収と理想の年収では、100〜200万円のギャップがあるとわかります。
このギャップは仕事の不満にも直結しており、同調査で「仕事に関する悩み」を質問したところTOP3は以下のような回答が並びました。
▼40代の仕事に関する悩み
• 給与が低い:35.6%
• モチベーションが上がらない:22.9%
• 昇給が見込めない:22.5%
モチベーションについては、仕事量や裁量に関する内容など給料以外の悩みも含まれると考えられます。年収を含めて理想としていた働き方ができない部分にギャップが生じており、悩みとなっているのでしょう。
40代以降で年収を上げていくには、新たなスキル習得を意味するリスキリングや学び直しのリカレント教育が必要と言えるでしょう。
40代の多くはリスキリングをしていない

リスキリングに対してどの程度興味を持っているか、23〜59歳を対象に調べたトライズの調査では、約半分の43.8%が興味がないと回答しています。
また、ヒューマンホールディングスの調査でも"リスキリングに取り組んだ経験があるか"という質問に対して、40代で取り組んだ経験があると回答したのは23.3%のみで、約7〜8割の人は何もしていないという結果になっています。
リスキリングをしない理由としては、「仕事が忙しい」「お金が足りない」「リスキリングで何をすればいいかわからない」という内容が多く挙げられていました。
なぜリスキリングが重要なのか
社会人にとって、なぜリスキリングが重要なのかと疑問に思っている人もいるでしょう。リスキリングが重要な理由は、新たなスキルを身につけると将来より良いキャリアを築ける可能性が上がるためです。
例えば、会社内での役割が広がるほか、転職でも有利になるので、より給与が高い職場ややりがいのある職場へのキャリアアップもできるでしょう。また、リスキリングは自己成長にもつながるため、自己肯定感が上昇し、自信を持って新たな分野に取り組めるようになります。
リスキリングに取り組んで、コツコツと結果を積み上げていくことは、自分でもやればできるという充足感を得やすくなります。学習をしていくと、会社以外の人との交流も生まれるでしょう。同じスクールに通う生徒や講師、リスキリングに取り組む仲間とのネットワークは、今後のキャリアを広げるチャンスにもなります。
なりたい自分とのギャップを埋める以外にも、将来のキャリアの幅を広げること・自己成長・ネットワークの強化など、リスキリングは重要な役割を持っています。
40代のリスキリングにおすすめのスキル5選
理想の自分を実現させるには、リスキリングという選択肢があります。以下では、40代からのリスキリングにおすすめの内容を5つ紹介します。
デジタル知識
デジタル化の普及が当たり前になっている世の中では、プログラミングなどデジタル技術に関する知識を持っている人は、今後も戦力となっていきます。まずは、社会人が業務を行ううえで必要な基礎知識が学べる「ITパスポート」の取得もおすすめです。
会社によっては資格補助などの福利厚生によって、支援を受けながら勉強もできます。また、ExcelやWordなどのソフトをよく使用するなら「MOS」の取得もご検討ください。デジタル技術の知識は業種に関係なく、今後社会人として仕事をするには必須となっていきます。
英語などの語学
デジタル技術は外国語で公開されることも多いため、英語などの語学を学んでおくと情報収集などがしやすくなるでしょう。簡単な英会話ができるようになると、交流できる人の幅も広がります。活躍の場を日本だけではなく、世界全体に広げたいという人は語学学習にも力を入れてみてください。
AIスキル
企業でもAIの活用が注目されており、AIに指示を出すプロンプトを作成する専門のエンジニアの需要も高まっています。業務を自動化し、効率よく進められるような仕組み作りが可能となるため、スキルが身につけば職場でも重宝される人材となるでしょう。
効率化・自動化・データの処理などに興味がある人は、ぜひAIスキルについて学習してみてください。
ソフトスキル
ソフトスキルにはさまざまな種類がありますが、40代以降はコミュニケーション能力やマネジメント、問題解決能力などのスキル習得を目指してみましょう。
仕事をするうえでチーム内の交流や意見交換を活発にさせ、円滑に成功に導けるソフトスキルはどの業界でも重要視されています。マネジメント講座も複数開かれているため、興味がある人は実践的なトレーニングもできるセミナーなどを受講してみてください。
専門知識
現在の仕事に直結させたいなら、専門知識の習得もおすすめです。業界に特化したスキルを持っていれば、より高度な仕事を任せられるようになるでしょう。定期的にトレーニングやセミナーなどに参加して、新しい技術やトレンドなどを学ぶことで自分の価値を高められます。
また、転職を検討している際も、希望業界の専門知識を持っていると有利になる可能性があります。実践的で高度なスキルの獲得は、エキスパートとしてのキャリア形成をしたい人に向いています。
40代のリスキリングでよくある失敗

これからリスキリングを始めようとしている人に向けて、よくある失敗を3つ紹介します。事前に確認して、リスキリングを成功させましょう。
目標が曖昧で挫折する
リスキリングの失敗例でよくあるのは、目標設定が曖昧になってしまい挫折するケースです。ぼんやりと「スキルを身につけたい」だけでは、勉強が長続きしません。
成功させるには、「〜〜という資格を取って転職し、年収を600万円台にする」や「3ヶ月後の資格試験に合格する」など、具体的で明確な目標設定が必要です。どうして、自分がリスキリングをしようと思ったのか、やることでどのような未来を達成したいのかを深掘りしましょう。
学習方法を適当に決める
学習方法をよく考えずに決めることはやめましょう。身につけたいスキルによって、適切な学習方法は異なります。問題解決能力やマネジメントスキルならグループでのトレーニングが必要ですし、プログラミングならPCを使って実際にコードを書き、合っているかを確認してもらう必要があるでしょう。
お金をかけたくないという気持ちだけで、独学を選ぶと遠回りになる可能性もあります。本当に独学だけで習得ができるのか、スクールなどに頼るメリットがあるのかなどを、事前に調べて比較検討してください。
学習時間を確保できない
資格やスキルを取得するには、十分な学習時間の確保が必要です。しかし、日々の仕事や家庭の用事が優先されてしまい、気づいたら全然学習時間が確保できないまま何日も過ぎていたというケースもあります。
そうなっては、せっかく始めたリスキリングも達成できず、キャリアアップもさらに難しくなります。成功させるには、スキマ時間の活用などコツコツと継続することが大切です。
40代がリスキリングの時間を確保するためのコツ
仕事や家庭の用事などで忙しい40代は、リスキリングを始めようとしても時間が確保できずに挫折する人も多くいます。少しでもリスキリングを成功させてスキルを身につけるために、学習時間を確保するコツを5つご紹介いたします。
スキマ時間を見つける
学習を始める時にはいつどのタイミングで、どのような学習ができそうか、スキマ時間を探してみてください。例えば、英語学習なら通勤で電車に乗っている間に単語を暗記する、歩いている時や家事の間はリスニング、夜寝る前の10分間だけライティングの問題を解くなどです。
2〜3分ほどでも、手や耳が空いている瞬間はないか、日々の生活に目を向けてみてください。最近はスマホアプリも多く出ているため、数分の時間でもすぐに取り組みやすくなっています。まずは、学習に当てられそうなスキマ時間がないか、日々の生活を振り返ってみましょう。
正確に時間を見積もる
学習時間の確保には、日々の生活で勉強に割り当てられる時間を正確に見積もる必要があります。人は時間をやや少なく見積もる傾向があるため、ざっくりと見積もっていると毎日2時間は勉強できる!といった、無謀なスケジュールを立てがちです。
正確に見積もるには、毎日の睡眠・食事・通勤などにかかっている時間を記録し、残りの時間がどの程度あるのかを可視化させます。そこから、さらにどの程度学習に当てられるのかを確かめてから、学習期間を計算しましょう。
1つに絞って進める
勉強をする際は、いくつもの内容を一度に終わらせようとするのではなく、この10分間は単語の暗記だけなど1つに絞って取り組みましょう。1回の時間に1つだけの勉強であれば、集中して取り組めます。
1つでも取り組めれば、やれたという実績を残せるため、学習意欲の向上にもつながります。一度に複数をやるのではなく、今やるべきことに絞って進めましょう。
優先順位をつけて取り組む
仕事や家庭のことなど、学習以外のことも含めて自分の中で優先順位をつけておきましょう。キャリアアップにつながるリスキリングに取り組むなら、なるべく優先順位の高い位置に持ってくる必要があります。
1日や1週間のなかで時間割を作成して、優先すべきことに取り組めるように時間を確保しましょう。趣味やご褒美の時間は余った時間に楽しむ、別で時間を設けるなど、優先順位の高いものと一緒にならないようにする工夫が大切です。
習慣化させる
リスキリングを成功させるためにはコツコツと継続し、学習を習慣化させる必要があります。新しく習慣化させたい内容がある時は、既存の習慣とセットにすると継続しやすくなります。
朝起きたらコーヒーを飲みながら5分だけ昨日の復習をする、通勤時に聞いている音楽やラジオをオーディオ教材に変える、スマホを10分見たら10分間勉強をするなどです。小さな習慣とセットにすると、勉強そのものも習慣としやすくなるので、ぜひ普段の生活に取り入れてみてください。
まとめ
40代のキャリアの実態とギャップ、なりたい自分に近づくための方法を紹介しました。40代では20代の頃に想像していた通りのキャリアを達成している人は少なく、主に年収面でギャップを感じている人が多くいるとわかりました。
少しでも理想と現実の差を埋めるなら、リスキリングに取り組みましょう。デジタルや語学などのスキルが習得できれば、自分のキャリアアップや成長につながります。忙しい40代でも時間を確保するコツを活かせれば、理想の自分へ近づくことは可能です。ぜひ、記事を読み返してリスキリングなどに取り組んでみてください。








