40~60代の転職が増加中!給与不満からキャリアチェンジまで、ミドルシニアのリアルを解説
- キャリアを考える
- 公開日:2026年2月20日
近年、45〜65歳のミドルシニア世代の転職が増加しています。背景には終身雇用の崩壊や役職定年の導入など、働く環境の大きな変化があります。転職のきっかけで最も多いのは「給与・待遇への不満」。一方で「年齢による採用の厳しさ」など特有の不安も存在します。本記事では、ミドルシニアの転職事情をデータをもとに読み解き、後悔しないためのポイントを紹介します。
この記事の目次
ミドルシニア世代が転職を考えたきっかけは、給与や待遇への不満
総務省によれば、45~54歳の転職者数は2012年時点の40万人から、2022年には54万人に増加したといいます。同様に、55~65歳の転職者数でみれば2012年の38万人から、2022年には45万人まで増加しています。
そんなミドルシニア世代の方が、転職を意識したきっかけとして挙げている理由は以下の通りです。
1位「給与・待遇(評価・査定)への不満」・・・約38%
2位「職場での人間関係」・・・約33%
3位「仕事内容への不満・ミスマッチ」・・・約27%
「給与・待遇(評価・査定)への不満」は、40代前半が特に割合が高く約43%、対して50代後半が最も低く約31%という結果が明らかになりました。
昨今の日本の雇用事情は終身雇用が崩壊し、役職定年や早期退職優遇制度のような人事制度を設ける企業も増えてきました。そのため、役職定年を迎えたり、早期退職の応募が始まったりしたタイミングで、ミドルシニアたちは転職を意識し始めるといいます。
さらに、DX化も進んだ結果、ITスキル重視の企業が増えてきました。そのため、年功序列型での評価基準は今や古いものとなっており、在籍年数に応じて昇進や昇給することは難しくなっています。
給与水準の低さに徐々に不満が募っていき、モチベーションが低下してしまった結果、転職へと舵を切る人も少なくありません。
データ元:総務省「労働力調査」
ミドルシニア世代が転職で不安に感じたこととは?

ミドルシニア世代が転職を決意した際に不安に感じたことは、以下の通りです。
1位「年齢による採用の厳しさ」・・・約52%
2位「給与、年収がどうなるか」・・・約45%
3位「新しい職場環境への適応」・・・約33%
「年齢による採用の厳しさ」を感じる機会は、年齢が上がるにつれて割合が高くなる傾向があります。50代後半は特に高く60%以上の方が年齢についての不安を覚えているといいます。
特に、ミドルシニア世代は定年退職も視野に入ってきます。今の仕事をいつまで続けるのか、セカンドキャリアはどうするかなど、進退に関する悩みも増える年代です。
さらに、転職後の人間関係に対する不安を抱く方も少なくありません。たとえ業務内容に納得できたとしても、転職先での人間関係がうまくいくかどうかは、有意義に仕事をするために必要な要素といってよいでしょう。
そうした不安の背景には、年下の上司を迎えることや、入社すれば年次が一番低くなることなど、自身が順応できるかどうかといった不安要素が少なからず介在しています。
ミドルシニア世代が転職時に重視したこととは?
ミドルシニア世代は、どのような点を重視して転職活動を行っているのでしょうか。回答は以下の通りです。
1位「希望の仕事内容に従事できるか」・・・約54%
2位「希望の年収を確保できるか」・・・約48%
3位「希望の勤務エリアであるか」・・・約42%
他にも、「希望の勤務時間、休日休暇であるか」については、約36%が気にかけていることがわかりました。このように、ミドルシニア世代の方たちは働く上でワークライフバランスも重視する傾向にあるようです。
希望する職種や業務内容を曖昧にしたまま応募すると、入社後に「思っていた仕事と違う」というミスマッチを起こしやすいことも。そのため、まずは希望する業界や職種、担当したい業務の内容をしっかり見極めようとする動きが多くみられます。
ミドルシニア世代が転職時に重視するべきこととは?
同じ企業でも正社員、契約社員、派遣社員など、雇用形態によって業務範囲や働き方は大きく異なりますから、ミドルシニアの転職では雇用形態についても考えておくべきです。
自分がどんな働き方を希望するのか、働く時間や場所や環境をどう希望するかで、転職活動もどのような方向性になるかが決まってきます。そういった意味でも、転職時にご自身が重視する点は優先順位をつけておくと、後悔なく転職活動が進められるでしょう。
また、希望給与を設定する前には、まずは生活に必要な最低金額を計算しておきましょう。そのうえで希望額と譲歩できるラインを決めておくと、交渉や判断もしやすくなります。
特に、大企業で勤続年数が長い場合には転職後の初任給は下がる可能性があることも念頭に置いてください。そうした際にも、転職時の給与額だけで判断せず、昇進や昇格のチャンス、将来的な収入の伸びしろなども含めて総合的に検討することが大切です。
ミドルシニア世代でキャリアチェンジをする人は、6割に上る!

ミドルシニアの転職で興味深い点としては、転職先に選ぶ職場は「同業種の同職種」約40%に対し、「異業種の同職種」、「同業種の異職種」、「異業種の異職種」へのいわゆるキャリアチェンジ転職が60%を超えていることです。
特に、「異業種の異職種」という全く新しい仕事への転職が約43%にのぼることからも、新たなチャレンジをしているミドルシニア世代が多いことが窺えます。
離職から期間が開くにつれて、異業種や異職種への転職が概ね増加する傾向にあるということも分かっています。これは転職活動を進めていく中で、希望の職種を広げていく方が多いことが読み取れます。
異業種への転職で多いパターン
・「運輸業・物流業」や「卸売業・小売業」⇒「製造業」
・「サービス業」⇒「医療・福祉」
異職種への転職で多いパターン
・「企画・マーケティング」や「製造・生産」⇒「営業・販売」や「事務・経理・総務」
・「営業・販売」⇒「事務・経理・総務」
こうした業界や職種を越えた転職が主流になっている背景には、中途採用市場の活発化や日本社会と雇用制度の流動化によって、異業種や異職種の人材を積極的に採用する企業が増えたことにあります。
加えて、雇用側だけではなく働き手の意識も変化を見せています。終身雇用制度が当たり前でなくなった今、自身の望む働き方に合わせて働く人が増えています。これまでの業種や職種に関係なくキャリアチェンジをしたり、セカンドキャリアには憧れた職種へ挑戦したりする人が増加しているのです。
ミドルシニア世代が転職してよかった点とは?
ミドルシニア世代が転職して良かったと回答した点は以下の通りです。
1位「給与・待遇が改善された」・・・約36%
2位「仕事内容に満足している、やりがいがある」・・・約26%
3位「ワークライフバランスの改善」・・・約25%
4位「人間関係が良好になった」・・・約23%
転職では、今までの職種や業界にとらわれずにチャレンジする人も増えています。職場環境を変えることで、これまでとは違う人脈を得られたり、待遇が改善されたりと、異なる職種や業界に就くからこそ発見できる点も多いでしょう。
前職では仕事のモチベーションが低かった人も、新たな業務にあたることでやりがいを感じたり、ご自身の可能性を見いだせたりするのもキャリアチェンジのメリットです。
さらに、転職によって現職で培ったスキルに加え、新たな仕事での能力も身につきますのでキャリアの幅が広がる経験をする人も多いようです。
ミドルシニア世代が転職して後悔していることは?
ミドルシニア世代の転職経験者の半数近くは、「後悔は特にない」と回答しています。
また、後悔した点があると答えた人の中では、「給与・待遇が期待以下だった」が最多の約18%となっており、特に50代後半では約23%とその割合が高いことがわかりました。
転職者は即戦力としてすぐに活躍することが求められるため、マネジメント経験などのスキルがない場合、待遇や給与が下がってしまうことも考えられます。
特に、ミドルシニア世代が転職する際には、経験やスキルを若年層と比較されてしまうことから選考通過が難しいなんてことも。人気の高い企業・職種の求人に至っては、応募が集中する傾向もあり、未経験の場合はより選考通過が難しくなると言わざるを得ません。
転職後に活躍するミドルシニアとは?
では、転職後にも活躍できる人はどのような特徴があるのでしょうか。
柔軟さを持っている
ミドルシニア世代はこれまでの経験がある分、過去のやり方やノウハウに拘ってしまう方も少なくありません。しかし、転職先には転職先のルールがあるため、転職後は柔軟性を大事にしましょう。新しい職場のやり方や雰囲気に早く馴染み、同僚たちと信頼関係を築くことが活躍できる第一歩となります。
全世代とコミュニケーションが取れる
新しい職場では、上司が自分より年下というケースも。その際に、上手くコミュニケーションが取れないミドルシニア世代も多いのです。
しかし、会社の中ではどのような世代や役職者に対しても、年次が低い自分がまずは下手に出ることが大切になります。そうして良好な関係を築くことで業務も円滑に進めやすくなりますし、職場に馴染むこともできるでしょう。
学び続ける意思がある
時代の流れが早い今、デジタル革新も凄まじいスピードで起こっています。そんな中だからこそ、業界のルールや業務の進め方が抜本的に変わってしまうことも少なくありません。そんな時、積極的に学び続ける姿勢を持つことが大切です。
転職先では、新たに学ばなければいけないことや覚えることが多くあります。それでも、学び続けることができれば最初はわからないことが多くても2年、3年と経つにつれてしっかりと自分の実力に繋がっていくでしょう。
まとめ
ミドルシニアの積極採用が増えている今、転職に踏み切る方も多くいらっしゃいます。キャリアパスが多くある今だからこそ、挑戦してみると新しい自分の可能性に気付けるかもしれません。








