節税のために副業を始めるのはあり?サラリーマンが知っておきたいメリットと注意点

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節税のために副業を始めるのはあり?サラリーマンが知っておきたいメリットと注意点

会社員として働いていると、所得に応じて「国に納める税金が高い」「節税できる余地がない」と感じている方もいるでしょう。そんななか、副業によって経費を活用した節税ができる可能性が注目されています。そこで今回は、副業で節税が可能になる仕組みやメリット・リスクなどを解説します。副業以外の節税方法も紹介していますので、改めて節税方法を知りたいという方も、ぜひご一読ください。

この記事の目次

    副業で節税はできる?

    会社員として働きながら副業をしている人にとって、どのくらい節税できるのかは気になるポイントです。

    必要以上の税金を納めず、適正な価格になるようにするという意味では税金に対する対策は可能です。収入に対して正しい経費計上や控除を利用できれば、税金の負担を軽減できるでしょう。副業の所得は、主に以下の4つに分類されます。

    事業所得

    事業所得とは、農業・漁業・小売業やサービス業など、事業を営んでいる人が得た所得のことです。事業から得られた所得と認められない場合は、事業所得ではなく雑所得とされます。

    事業所得と雑所得の違いについて、最高裁判所では「自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得」と判決を出しています。

    継続性があるかどうかが、事業所得か雑所得かを判断する判断基準となります。また事業の売り上げで生計を維持していると証明できるなら、事業所得となるでしょう。

    雑所得

    雑所得とは、給与所得や事業所得などの所得区分に該当しない所得のことです。所得税の対象となるのは、以下の10種類です。

    • 給与所得
    • 事業所得
    • 配当所得
    • 利子所得
    • 不動産所得
    • 退職所得
    • 山林所得
    • 譲渡所得
    • 一時所得
    • 雑所得

    副業で得た所得は、基本的に雑所得として計上します。雑所得の場合は青色申告や、赤字の時に利用できる損益通算ができません。

    不動産所得

    土地や建物を所有しており、貸付による所得がある場合は不動産所得に該当します。マンションの貸付や土地を駐車場として貸し付けている場合などです。青色申告によって、収入から経費を引いたり、控除を活用したりできます。不動産を売却した場合は、不動産所得ではなく譲渡所得になる点は注意が必要です。

    給与所得

    副業としてパートやアルバイトをしている場合は、副業先の給与も給与所得として計算を行います。ただし、年末調整を2箇所では行えないため、どちらか一方は年末調整をせず、確定申告で正しい税額を決定させる必要があります。

    副業で確定申告は必要?

    副業を始めた時に確定申告をするべきか、わからない人も多いでしょう。副業で得た収入から経費を引いた、所得が20万円以上となる場合は確定申告が必要です。1年間の所得が20万円未満の場合は確定申告は不要ですが、申告によって節税になる可能性があるため、申告しておいた方が良いでしょう。

    副業による節税対策・メリット

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    副業をしている会社員が節税をするための方法を、3つご紹介いたします。少しでも税額を減らせないか、ぜひ一度自身の事業や支出などを見直してみてください。

    青色申告を行う

    確定申告には青色申告と白色申告の2種類がありますが、より節税につながるのは青色申告です。青色申告特別控除という青色申告をしている個人事業主が、一定の条件を満たした時に利用できる控除があります。

    控除で利用できる額は65万円・55万円・10万円のいずれかです。控除を利用できれば、副業による節税のメリットも大きくなります。利用するには複式簿記での記帳や、電子帳簿の要件を満たすなどさまざまな条件があるため、申告前に確認しておきましょう。

    経費を漏れなく計上する

    税額を決定するには所得を元に計算を行いますが、所得とは1年間の収入から経費を除いた金額です。つまり経費が多いとその分所得が減り、税額が少なくなる可能性があります。

    経費として計上できるのは、事業に使用している備品などです。もし、自宅で副業を行っている場合は、家事按分を利用して家賃や光熱費の一部を経費として計上できます。経費が多くなれば、その分の節税のメリットは大きくなります。

    家事按分を行う際は、経費としてなぜこの割合であるのかという、金額の算出根拠を説明できるようにしておく必要があります。領収書などは必ず保管しておきましょう。

    なるべく経費を増やす

    資産がある場合はできるだけ早く経費として計上し、経費の金額を増やしておきましょう。活用できるのは、以下の2つの制度です。

    • 少額減価償却資産の特例
    • 短期前払費用の特例

    少額減価償却資産の特例とは、10万円以上30万円未満の減価償却資産は、資産を取得した事業年に全額費用にできる制度です。通常は10万円以上の資産を購入すると、固定資産として減価償却を行う必要がありますが、特例を活用できれば早いうちに経費として計上が可能です。

    申請をする際に「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」を添付するか、青色申告決算書の「減価償却の計算」で少額減価償却資産の取得価額合計額・租税特別措置法28条の2を適用する旨・少額減価償却資産の取得価額の明細を別途保存していると記載して提出します。

    短期前払いの特例とは一定の条件を満たす場合、支払いをした年の費用として計上できる特例です。短期前払いの特例を利用するには、以下の条件を満たしている必要があります。

    • 支払った日から1年以内に役務の提供を受ける
    • 実際に費用を事業年度末までに支払っている
    • 継続して役務の提供を受ける
    • 継続して同じように経理処理をする

    会社員の副業の場合は、保険料・家賃・サーバーの利用料などが短期前払いの特例で経費の計上が行えるでしょう。

    青色申告を行うための流れ

    青色申告を利用するには、事前の手続きが必要です。青色申告を行いたい対象年の3月15日までに、税務署へ「青色申告承認申請書」を提出します。

    確定申告の際に、すぐに青色申告ができるわけではなく、事前の申請が必要となります。副業を始めた時に、所得が事業所得や不動産所得に分類されるとわかったら、その時点で青色申告の申請を行いましょう。

    副業の所得が20万円以下でも確定申告が必要なケース

    副業の所得が20万円以下の場合、基本的に確定申告を行う必要はありません。ただし、20万円以下の所得でも、住民税の申告が必要なケースがあります。自治体によって異なるため、まずは自治体へ問い合わせを行いましょう。

    また、本業をしている会社に副業がバレたくない場合は、所得が20万円以下でも市区町村へ住民税への申告を行うのがおすすめです。会社に副業がバレる理由の多くは、住民税の納付通知や確認の連絡が会社に入る場合です。

    回避するためには、住民税の申告書で「自分で納付(普通徴収)」にチェックを入れておきます。納付を会社は経由せずに行えるので、副業していることがバレるリスクを下げられます。

    副業が赤字の場合の注意点

    節税も視野に入れて副業を始めたけれど、収益が赤字となるケースもめずらしくありません。以下では、副業が赤字だった場合に行いたい対策や、気をつけたいポイントを3つご紹介します。

    損益通算を行う

    副業の収益が赤字の場合、原則確定申告は不要です。しかし、副業の所得が事業所得・不動産所得・山林所得に該当する場合は、損益通算を行いましょう。損益通算とは給与所得のプラスと、副業所得のマイナスを相殺する方法です。

    全体の所得が少なくなるため、納める税額も少なくなる可能性があります。副業の事業所得が赤字となった場合、3年間の繰越控除が可能です。もし、副業で赤字となった場合は、損益通算を行いましょう。ただし、雑所得に該当する際は損益通算は利用できません。

    損益通算後の所得税額の差によって会社にバレるリスクがある

    損益通算を行った場合、所得税額が勤務先で算出したものとは変わるため、税務署から確認が入るなどで会社に副業がバレるリスクが出てきます。もし、本業先で副業が禁止されている場合、懲戒処分を受けるケースもあるため、事前に就業規則の確認を行いましょう。

    インボイスを登録しているなら消費税の申告は必須

    副業の方で適確請求書(インボイス)を登録している場合、確定申告による所得税や住民税のほかに消費税の申告も必要です。消費税の申告は所得税などの申告とは別となるため、それぞれの手続きが必要となります。

    もし、売り上げが赤字だった場合でも、課税売上があるなら消費税の申告は必須です。収益の金額はもちろん、インボイスへの登録状況や課税売上があるかの確認を行いましょう。

    副業の確定申告で気を付けるポイント

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    副業の確定申告を行う際は、気をつけておきたいポイントがいくつかあります。特に、事業所得と雑所得の線引きには注意しておきましょう。

    事業所得は農業や小売業などの事業を営んでいる人が得た所得のことで、事業の売り上げで生計を維持していると証明できるなら、事業所得となります。事業所得は青色申告が利用できるため、特別控除や損益通算などの利用が可能です。一方、事業所得に該当しないものは雑所得で、特別控除や損益通算などは利用できません。

    事業所得と雑所得を判断する基準として、事業の継続性が見られています。たとえば、一時的に行ったネットでの販売による利益は、雑所得となります。継続して売り上げが出ている、副業の収入で生計を立てていると判断される場合は、事業所得となるでしょう。

    もし、副業の収入が雑所得であるにも関わらず、事業所得として申告していた際はペナルティを受ける可能性があります。申告内容の間違いに気づいた際は、気づいたタイミングで正しい申告書を作成し、税務署への提出と納税を行いましょう。

    副業以外の節税方法

    副業を行って節税する以外に、会社員の人が利用できる節税方法を3つご紹介いたします。制度をうまく活用して、税額を少しでも減らしましょう。

    ふるさと納税

    ふるさと納税とは好きな地方自治体に寄付を行い、寄附金控除を受けられる制度です。翌年の住民税を前払いしているため、実質的な節税効果はありません。

    しかし、自己負担額2,000円で、寄付額の最大3割相当の返礼品が届くため、お得に利用できる制度となっています。寄付金額の上限は個人の所得によって異なるため、ポータルサイトなどを活用して確認しましょう。

    iDeCo

    iDeCoは個人で積み立てができる年金制度で、掛金が全額所得控除となる制度です。運用によって出た利益も、税金が発生しません。受け取る際は、一時金形式と年金形式を選択できますが、どちらの受け取り方でも控除が利用できます。掛金や運用益が控除の対象となるため、節税しながら将来の資産を用意したい人に向いています。

    各種控除の活用

    所得から差し引ける控除には、さまざまな種類があります。生命保険料控除・扶養控除・住宅ローン控除などのほか、医療費控除や地震保険料控除、配偶者控除などです。

    利用できる控除の数が多いほど、所得額も少なくなり、税額も減っていきます。利用するには年末調整の際に、自身で申告する必要があるため、必ず自分で該当するものはないか確認をしましょう。

    まとめ

    会社員が副業によって節税できるのか、節税対策などについて解説いたしました。副業で1年間の所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要となります。申告できる所得は事業所得・雑所得・不動産所得・給与所得の4つが主です。

    副業の収入はほとんどの場合が雑所得となるでしょう。確定申告を行う際は、青色申告を利用できないか、経費として計上できるものはないか、ぜひ確認してください。

    控除の利用や経費が増えると、その分納める税額を減らせます。副業を始めて収入を増やしながら、うまく節税して税額を減らせるように、今回の記事のポイントを押さえて、確定申告を行ってください。

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