ミドルシニア世代の開業に、結婚相談所という選択肢がある!?
- 独立・起業
- 公開日:2025年7月 7日
近年、結婚相談所で開業するミドルシニア世代が増えています。本日は、結婚相談所での起業に向いている人や開業方法を解説します。
この記事の目次
結婚相談所で開業するケースが増えている!?
いまや、婚活市場で結婚相談所の利用率は3割に上るといいます。さらに、そのサービス利用者においては、44.2%が結婚に至っているのだとか。コロナ禍において外出制限やリモートワークが増えた結果、男女の出会いが減ったことも結婚相談所の利用者が増えてきた要因でしょう。信頼できる成婚率を頼って、若者からお年寄りまでといったあらゆる世代が結婚相談所を利用しています。
そんな中、結婚相談所で独立を果たすミドルシニア世代も増えています。
結婚相談所を開業するために必要な資格はありません。特別なノウハウや経験がなくても開業することが可能なため、開業難易度や参入障壁は他の事業と比較して低いと言えるでしょう。
仕事内容としては、主に紹介やお見合いのセッティング、交際の進展時や成婚時のフォローといったことが挙げられます。お世話好きな人や人と接することが得意な方にとっては、結婚という人生の大切な節目をアシストできる大変意義のある仕事でもあります
データ元:株式会社IBJ「成婚白書 2024年度版」
結婚相談所での開業は儲かるの?
結婚相談所をせっかく開業しても、赤字になってしまうのであれば商売として意味をなしません。結婚相談所の利用者が支払う料金の内訳には、入会するときに発生する入会金や月ごとにかかる月額利用料、そして結婚に至った際に支払ってもらう成婚費などがあります。
結婚相談所を独立開業し、入会費5万円、月額料金1万円で20名の会員を集めた場合、年間の売上は最低でも340万円になります。ここから結婚をするカップルが生まれれば、成婚費が発生するため、売り上げは500万円を超えてきます。つまり、会員が多く、成婚率が上がるほど利益が大きくなるのです。
結婚相談所の開業に向いている人とは?

どのような人が結婚相談所の開業に向いているのでしょうか。
世話好きな人
結婚相談所は、男女の出会いから結婚までをサポートすることが仕事です。そのため、人と関わることが苦ではなく、人の幸せを願える人に向いているといえます。成婚までは時間がかかったり、様々な問題や悩みに触れたりすることも多くあります。そのため、人の世話をするのが好きで、かつ人の役に立つことが嬉しい人であれば向いているでしょう。
幹事が得意な人
結婚相談所では、男女2人の間に入ってさまざまな調整をしなければなりません。たとえば、お見合いのセッティングではそれぞれに連絡を取ってスケジュールを調整します。また、初顔合わせのお店選びや互いの食の好み、アレルギーの有無なども事前に知っておかなければならないなど、段取りよく動くことが求められます。そのため、会社の飲み会などで幹事を任されてきた人は適任かもしれません。
婚活経験のある人
婚活をしたことがあれば、利用者の立場にたつことができます。そのため、利用者の不安や悩みに寄り添うことができ、そのサポートが成婚率を上げることができるのです。また、再婚経験があるなど結婚について真剣に向き合ってきた人ほど、結婚相談所の開業に向いているといえるでしょう。
結婚相談所の開業方法とは?
結婚相談所の開業といっても、様々な方法やスタイルがあります。
個人か法人かを選択する
結婚相談所を開業する際に、「個人」か「法人」かの選択をします。結婚相談所を開業する場合、ほとんどの方は最初、個人事業主を選択しています。法人で開業する場合は税金の支払いや社会保険加入が義務付けられるなど、お金が発生する場面が多いため最初は個人で開業する人が多いのです。
ただし、軌道に乗ってきた場合には法人化した方がメリットも多くなるため、開業初期の頃は個人としてスタートさせ、ある程度利益が生まれたタイミングで法人化するケースが多く見られます。
副業でスタートさせる
始めから本業で開業するのもいいですが、不安な方はまずは副業で開業することもできます。開業当初は会員が多くないため、人手もあまり必要ではありません。蓄えや資金が不足している場合は副業として始めるのも一つの手でしょう。
場所を選ぶ
結婚相談所の開業場所に特に定めはありません。そのため、店舗を借りて事務所を構えるのもいいですが、自宅での開業もできます。事務所を借りた場合には、敷金や礼金、仲介手数料といった費用や毎月の賃料が必要となります。結婚相談所の開業はパソコンと電話さえあればできるため、まずは自宅開業という選択をする人も多く見られます。
フランチャイズへ加盟して開業する
個人開業だけでなく、連盟やフランチャイズに加盟しての開業するケースも増えています。会員が自分で集められない場合は、フランチャイズや連盟に加盟することで多くの会員を紹介することができるのです。
結婚相談所連盟では各結婚相談所とその会員をつなぐ会員ネットワークシステムがあるため、加入すれば複数の加盟相談所の会員データベースにアクセスすることができます。開業当初は会員数も少ないため、紹介できる会員がほとんどいないことも。
加盟することで、多くの人を紹介することができますし、ネームバリューを用いて会員数を増やすことも可能です。ただし、加盟費用や毎月の手数料が発生するなど一定の料金がかかってくることは頭に入れておきましょう。
開業資金はどのくらい用意すればいいのか?
結婚相談所を開業するにあたって必要な資金をみていきましょう。
まず、自宅開業で開業する場合には、デスクやパソコン、電話といった準備が必要です。料金にするとおおよそ50万円程度です。事務所を借りる場合は、初期費用として100万円以上の費用がかかることを覚えておきましょう。また、個人で開業する場合には必要ありませんが、加盟店としてスタートさせる場合には、加盟金として50~80万円程度がかかってきます。
さらに、毎月のランニングコストとしてはフランチャイズの場合は手数料が発生することがほとんどです。相場としては約2万~15万円と言われています。
結婚相談所を開業するまでの流れとは?

結婚相談所の開業までの流れをみていきましょう。
1、事業計画を立てる
開業する前に、事業計画書の作成をします。会員の利用料金や利益はどのくらい出せるのか、といった細かな点を挙げていきます。自身の目標を明確化することで、事業計画を立てやすくします。
2、集客方法を考える
集客方法を考えておくことは、結婚相談所の開業には最も重要なポイントになります。なぜなら人が集まらなければ、しっかりと事業化することは難しくなるからです。方法には、SNSやWeb広告、婚活イベントの開催など幅広くあります。ホームページ作成も大切な集客ポイントでしょう。
3、場所や器具の準備
事務所での開業を計画している場合は、早めに事務所を探しましょう。店舗の賃貸契約には、賃料3~5か月分の初期費用が必要となりますので、開業資金もそれに伴って用意しておきます。通信機器やプリンター、パソコン、ペンやコピー用紙といった消耗品も準備しておく必要があります。
4、開業届けや連盟への加入
個人事業主として結婚相談所を開業する際は、開業から1か月以内に税務署にて開業届を提出する必要があります。また、個人ではなく、連盟に加入する場合は開業する前に速やかに結婚相談所連盟に加入しましょう。
結婚相談所での開業を成功させるポイントとは?
結婚相談所の開業を成功させるためのポイントを見ていきましょう。
助成金や補助金を活用する
結婚相談所を開業したいと考えても、自己資金が足りないこともあるでしょう。そのような場合は「小規模事業者持続化補助金」といった補助金制度や、各自治体による助成金制度を活用することも一つの手でしょう。
スモールスタートにする
結婚相談所を開業する場合、まずは自宅で副業として始めるのがベストかもしれません。自宅開業で初期費用を抑え、本業の収入を維持したまま開業するスモールスタートであれば、精神的にも安定して開業することができるので、成功の糸口に繋がります。
連盟に加入する
結婚相談所連盟に加入せず開業した場合、会員データはすべて単独で収集しなければなりません。会員同士の出会いをスムーズにサポートするためにも、連盟加入がおすすめです。手数料や加盟金が必要になるかもしれませんが、経営ノウハウや集客のサポート体制があるため、加入しておくとスムーズに始められるでしょう。
集客に力を入れる
今の時代、SNSやホームページを活用した集客は必須です。Web広告を出稿したり、ホームページを充実させたりすることも大切になります。また、近年では若年層だけではなくミドルシニア世代の婚活も流行っていますから、それぞれの年代にあった集客方法を取るとよいでしょう。
例えば、世代が上の人をターゲットにしたいならSNSよりチラシを用いた集客方法を取るなど、世代や集客相手の像を描いてコンタクトできるようにしていきましょう。
経理や経営の知識を学ぶ
経理や経営の知識は、起業には非常に重要になります。会計管理や決算書が読めることで、資金計画や経営戦略も立てられるように。そのため、結婚相談所を開業するにあたっては経理や経営のノウハウも必要になってきます。
また、任意ではありますが心理カウンセラーといった資格取得でカウンセリングスキルを磨いておくと、開業してからも利用者に信頼のおける結婚相談所運営ができるでしょう。資格があれば、利用者からの信頼度向上が期待できるほか、自身の自信にも繋がります。
まとめ
初期費用や運営費用を抑えながら、未経験からでも始められる結婚相談所。副業としてスタートできることからも、ミドルシニア世代の起業に向いているといえるでしょう。また、人に喜んでもらえることが好きな方にとっては特におすすめの業種です。








