メルカリなどフリマアプリは副業にあたる?課税されるケースとされないケース、確定申告の手順

  • ちょっと得する知識
メルカリなどフリマアプリは副業にあたる?課税されるケースとされないケース、確定申告の手順

多くの人が利用しているフリマアプリは、不要な物を手軽にお金に変えられるツールです。しかし、フリマアプリでの売り上げは、確定申告が必要となる場合があります。今回はフリマアプリの売り上げを、確定申告する必要がある時とない時、確定申告の手順などをご紹介します。

この記事の目次

    フリマアプリが副業と判断される基準は"使い方"

    フリマアプリを活用した売買が副業とみなされるかどうかは、フリマアプリの使い方によって変わります。

    副業にあたらないフリマアプリの使い方

    本来の目的のように、不用品を出品している場合は副業とはなりません。そのため、不用品売買で得た利益は非課税です。ただし、1品で30万円を超える商品については、譲渡所得などが課税されます。

    副業とみなされるフリマアプリの使い方

    フリマアプリの利用が副業とみなされるのは、営利目的で利用している場合です。商品を仕入れて、定期的に販売していると副業に該当します。販売によって得た利益は事業所得などとされるため、課税対象になります。

    副業と判断されるかどうかのポイントとしては、商品の出品を繰り返し、継続して行っているかです。課税対象となった場合は、確定申告が必要となります。

    フリマアプリを活用するメリット

    pixta_76222344_M (1).jpg

    フリマアプリを、不用品処分や副業として利用するメリットについてご紹介します。

    不用品を手軽にお金に変えられる

    フリマアプリの魅力は、自宅にある不用品を手軽にお金に変えられる点です。会員登録をした後は、写真を撮って値段を決めて出品すれば、売れるのを待つだけです。実際にフリマアプリでは、使わなくなったバッグや着なくなった洋服などのほか、トレイットペーパーの芯など、多数の物が商品として売られています。

    リサイクルショップへ持ち込む手間もなく、気軽に出品ができる点や、処分する予定だった物がお金に変わることはフリマアプリの大きなメリットです。

    リサイクルショップよりも手間がかからない

    リサイクルショップで販売する場合は、大量の不用品を運ぶ手間や査定を待つ時間などがかかります。しかし、フリマアプリであれば、それらの手間はかかりません。

    フリマアプリで商品が売れた際は、自宅近くのコンビニやポストなどから出品できるため、すぐに発送できるのも魅力です。また、フリマアプリは自身で相場を確認し、値段を付けられるため、リサイクルショップで売るよりも高く売れる可能性があります。

    匿名で利用ができる場合がある

    オークションサイトの場合、基本的に商品を発送する際は、出品者の個人情報を入力する必要があります。しかし、フリマアプリのなかには、匿名で発送できるサービスがあります。自身の個人情報を守りながら利用できるので、安心して利用できるでしょう。フリマアプリを利用したいが、個人情報が気になる場合は、匿名で利用できるサービスを検討しましょう。

    スキル不要で始められる

    フリマアプリは不用品を写真に撮って出品するだけのため、特別なスキルは必要ありません。スマホがあればできるため、初期投資も不要です。お店を開く必要や、在庫を取り置いておくスペースなども必要ないため、どんな人でも気軽に始められます。

    集客しやすい

    フリマアプリは多くの人が登録をしているため、集客がしやすいといえます。実際に2024年2月時点でメルカリは3,930万人、Yahoo!フリマは1,660万人が登録しています。ただ商品をネットサイトなどに出品するよりも、売れる可能性が高いでしょう。必要としている人が多い商品であれば、売れるまでの時間も短くなります。

    フリマアプリを活用するデメリット

    フリマアプリの利用には、デメリットも存在します。どのようなデメリットがあるのか、出品する前に一度ご確認ください。

    出品禁止の品物がある

    フリマアプリにはさまざまなアイテムを出品できますが、なんでも出品できるわけではありません。なかには、出品禁止の品物があります。出品が禁止されているのは、具体的には以下の通りです。

    • 現金
    • チケット
    • 医薬品
    • 偽ブランド品や正規品の確認ができない物
    • アダルト関連の商品

    フリマアプリによって細かいルールは異なりますが、上記のような商品は禁止となっている場合がほとんどです。出品禁止物を出品した場合は、アカウントの利用制限などのペナルティを受けます。フリマアプリでは出品できない物があることを理解しておきましょう。

    短期間で利益を出すのは難しい

    フリマアプリは、不用品を販売してお金に変えることが目的となるため、短期間で大きく稼ぐのは難しいと考えましょう。不用品の処分を目的にフリマアプリを利用している場合、家の中に不用品がなくなれば、出品はできなくなります。

    また、商品の1つひとつは単価が高くないため、高額の利益は出ないでしょう。さらに、出品した商品がすべて売れる保証もないため、短期間で大きな利益を出す目的での利用は避けましょう。

    ユーザー同士のトラブルになる可能性がある

    フリマアプリは、出品者と購入者がアプリ内で直接やり取りを行います。スムーズにやり取りが終了すれば問題ありませんが、値引き交渉や商品に不備があった場合などに、ユーザー同士でトラブルになる可能性がある点は知っておきましょう。

    運営側が間に入れない場合もあり、トラブル対応に手間や気力がかかるケースも考えられます。フリマアプリは便利な反面、ユーザー同士でのトラブルが起こる可能性がある点は理解して、利用しましょう。

    フリマアプリで利益を得たら確定申告が必要!?

    pixta_97715199_M (1).jpg

    フリマアプリでの収益が課税対象となる場合、確定申告が必要となります。

    フリマアプリで副業をしている人は確定申告が必要

    確定申告が必要なのは、以下の条件に該当している人です。

    • 会社員などの給与所得がある人で、20万円を超える譲渡所得や雑所得がある人
    • 専業主婦など給与所得がない人で、48万円を超える譲渡所得や雑所得がある人
    • フリマアプリの場合は1品で30万円を超える商品の売り上げがある人

    以上の金額よりも低い売り上げの場合は、原則確定申告は必要ありません。しかし、場合によっては確定申告が必要になるため、不安な場合は国税庁のHPや税務署、税理士などに確認しましょう。

    確定申告は、毎年2月16日〜3月15日までの間に提出を行い、決定した税額を支払います。申告の対象となるのは、1月1日〜12月31日までに発生した所得です。経費や所得をまとめて書類に記載し、管轄の税務署へ提出する必要があります。

    確定申告の種類

    確定申告には、白色確定申告と青色確定申告の2種類があります。それぞれの違いは、以下の通りです。

    白色確定申告 青色確定申告
    利用できる人 青色申告の承認を受けていない人   事業所得や不動産所得などがあり、青色申告の承認を受けた人
    届け出 不要 開業届、青色申告承認申請書
    記帳方法 簡易簿記 10万円控除なら簡易簿記
    65万円控除なら複式簿記
    提出書類 確定申告書B
    収支内訳所
    確定申告書B
    青色申告決算書
    第三表
    第四表
    65万円控除の場合は、貸借対照表と損益計算書

    開業届けを提出せずに副業を行う人は、自動的に白色申告で確定申告を行います。申告方法が簡単なため、誰でもすぐに申告ができるでしょう。もし、控除を利用したい場合や開業をしたい人は、青色申告を行いましょう。手続きの手間は増えますが、控除を受けられるのはメリットです。

    確定申告の手順

    確定申告は、以下の手順で行います。

    1. 副業の場合は勤務先での年末調整を行わない
    2. 確定申告書B様式に記入する
    3. 源泉徴収票を確認して給与収入や給与所得を記入
    4. 副業の収入を事業収入や事業所得へ記入
    5. 各種控除を記入し、税額を計算
    6. 管轄の税務署へ提出
    7. 税金を納める

    経費がある場合は、確定申告書に記入する際に同時に記入します。また、確定申告を行ってから実際に税金を支払うまでには、期間が空きます。支払い方法も豊富なため、自分の都合に合った方法で支払い期間までに、税金を支払いましょう。

    確定申告をしなかった場合

    確定申告が必要だったにも関わらず放置していた場合は、税額の支払いのほかに延滞税や無申告加算税などのペナルティが発生する場合があります。知らなかったは通用しないため、必ず忘れずに申告を行いましょう。

    フリマアプリを利用する場合インボイスは必要か

    近年始まったインボイス制度とは適格請求書等保存方式と言い、消費税の納税額を正しく計算するための制度です。仕入額控除を受けるために必要となっており、取引先の課税売り上げが1,000万円以上の課税事業者の場合は、インボイスの発行を求められるでしょう。

    もし、課税売り上げが1,000万円以下の免税事業者の場合は、インボイスの発行は必要ありません。しかし、取引をする相手によっては、免税事業者でもインボイスの発行を求められる場合もあります。

    フリマアプリで副業をする際の注意点

    本業とは別にフリマアプリを副業として使用する場合に知っておきたい注意点をご紹介します。

    副業をする際は就業規則を確認する

    フリマアプリに限らず、副業全般を始める時は本業の就業規則を確認しましょう。就業規則で副業が禁止されている場合、副業を始めるのはおすすめしません。副業が禁止されているのは、本業へ影響させないためや、情報漏洩などが起きないようにといった理由があります。

    もし、隠れて副業をしているのがバレた場合、懲戒処分を受ける可能性もあります。必ず就業規則を確認し、副業をしても問題ないか確認しましょう。

    フリマアプリの場合は手数料があることを知っておく

    フリマアプリで副業をする場合、商品の売り上げ=所得ではありません。利用するアプリによって異なりますが、手数料が設けられており、売り上げから手数料を引かれます。そのため、多少引かれた金額が自身のところへ入ってきます。思っていたよりも所得が低かったとならないよう、事前に手数料率や毎回の所得について確認しておきましょう。

    本業への影響を考慮する

    副業をする際、本業に影響を与えないように考慮しましょう。副業に時間を取られてしまい、寝不足となったり、集中力が足りなっては本業に影響します。本業でミスを起こしてしまい、副業をする時間が取れなくなってしまっては意味がありません。副業を行うのは、仕事後の2時間、土日にまとめてやるなど、時間を決めて行いましょう。

    まとめ

    メルカリなどのフリマアプリは、副業となるのか、確定申告についてなどをご紹介しました。通常、フリマアプリで不用品を販売した場合は、副業とはなりません。しかし、営利目的でフリマアプリを利用した場合は、副業となるため、確定申告が必要です。確定申告は、会社員でも給与以外に20万円以上の収入がある場合に必要となります。申告をしないと追徴が発生するため、忘れずに行いましょう。

    フリマアプリは、気軽に不用品を販売できるほか、多くの人が利用しているツールです。スキルが無くても始められるため、まずは自宅の不用品の販売から始めてみましょう。

    マイナビミドルシニアに会員登録(無料) マイナビミドルシニアに会員登録(無料)

    関連記事

    副業をはじめる理由は?月平均収入や仕事内容、稼ぐためのコツも紹介! 2024年度最新の副業市場は?2023年との傾向の違いや副業を始める時の注意点 ダブルワークをする時の注意点|中高年におすすめの掛け持ちしやすい仕事も紹介

    記事をシェアする

    • Twitter
    • Facebook
    • Line

    あなたへのオススメ記事

    副業の所得が20万円以上で、確定申告が必要に!条件や経費について解説

    副業の所得が20万円以上で、確定申告が必要に!条件や経費について解説

    多様な働き方が認められてきている中、副業を推奨している会社も多くなってきました。そこで、本日は副業をする場合、どのような条件で確定申告が必要となるかについてご紹介します。

    • ちょっと得する知識
    • 2025年2月 7日
    【2025年最新】非課税世帯に3万円給付!概要やその他経済対策も紹介

    【2025年最新】非課税世帯に3万円給付!概要やその他経済対策も紹介

    2024年11月に発表された経済対策にて、非課税世帯への給付金を含む経済支援が組み込まれました。今回は非課税世帯へ行われる3万円給付の詳細や、個人で利用できる補助金・助成金についてご紹介します。それぞれの世帯向けに補助金をご紹介していますので、少しでも家計の負担を減らしたいと考えている人は、ぜひ最後までご一読ください。

    • ちょっと得する知識
    • 2025年1月22日
    【最新情報】年収103万円の壁が引き上げ?引き上げ予定額や開始予定時期についてご紹介

    【最新情報】年収103万円の壁が引き上げ?引き上げ予定額や開始予定時期についてご紹介

    昨今、103万円の壁が引き上げられるとニュースで話題になっています。そこで、今回は103万円の壁の概要から、年収の壁が引き上げられる背景、引き上げ予定額などをご紹介します。また、引き上げられた場合のメリットやデメリットについても解説するため、年収の壁を意識して働いている方は、ぜひご一読ください。

    • ちょっと得する知識
    • 2025年1月10日
    医療費控除とは?対象になる費用や申請方法、該当期間、掲載方法などを徹底解説!

    医療費控除とは?対象になる費用や申請方法、該当期間、掲載方法などを徹底解説!

    医療費控除制度は、一定額以上の支払い済みの医療費に対して、住民税や所得税の控除が受けられる制度です。聞いたことはあるけれど利用したことはない、利用したいが詳細を知らないといった人も多いでしょう。今回は医療費控除の概要から、対象となる費用・対象外の費用、申請方法などについて解説します。計算方法やシミュレーションも記載していますので、医療費控除を行うか検討している人は、ぜひ最後までお読みください。

    • ちょっと得する知識
    • 2025年1月 7日
    ふるさと納税はいつまで?ワンストップ特例と確定申告の違い、ポイント付与について解説

    ふるさと納税はいつまで?ワンストップ特例と確定申告の違い、ポイント付与について解説

    ふるさと納税は1年間を通して受付をしていますが、税金の控除手続きには期限が設けられています。今回はふるさと納税の概要から、税金控除手続きについて解説。さらに、急いで選んで後悔しないよう返礼品選びのポイントや、注意点などもご紹介します。今年こそはふるさと納税に挑戦したい人は、ぜひご一読ください。

    • ちょっと得する知識
    • 2024年12月26日
    2024年12月より「マイナ保険証」が本格的にスタート!どのように利用できる?|「マイナ保険証」の疑問を解決

    2024年12月より「マイナ保険証」が本格的にスタート!どのように利用できる?|「マイナ保険証」の疑問を解決

    健康保険証は2024年12月からマイナンバーカードを基本とする「マイナ保険証」へと移行し、現行の健康保険証は新規発行されなくなります。本日は、「マイナ保険証」について詳しくみていきます。

    • ちょっと得する知識
    • 2024年12月24日

    おすすめ・シリーズ記事

    人気記事ランキング

    おすすめの求人はこちら

    活躍中の年代から探す
    雇用形態から探す
    募集条件から探す
    働き方から探す
    福利厚生から探す
    職種から探す
    マイナビミドルシニアに会員登録(無料) マイナビミドルシニアに会員登録(無料)