ニューノーマル時代の働き方とは?働き方の変化や必要なスキル

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ニューノーマル時代の働き方とは?働き方の変化や必要なスキル

私たちの日常は、コロナウイルス感染症の拡大とともに大幅に変化しました。それは働き方にも言えるでしょう。ニューノーマル時代で働き方にどのような変化があったのか、どのようなスキルが求められているのか、解説します。

この記事の目次

    ニューノーマルとは「新しい生活様式・常態」

    「ニューノーマル」とは、New(新しいこと)とNormal(正常、標準、常態)を合わせた造語です。現在では「新しい生活様式・常態」と訳されています。コロナウイルス感染症で、私たちの日常は新しい常識が必要な生活にシフトチェンジしましたが、これまでには世界的に3度のニューノーマルがあったとされています。

    1度目は、1990年代のインターネットの登場です。携帯電話や電子メールなどの普及に伴い、ビジネスシーンにもインターネットが不可欠となりました。その影響で、仕事環境は大幅に変化したと言えるでしょう。

    2度目は、2008年にアメリカで端を発したリーマンショックです。世界的な金融危機が高まり、これまでの資本主義社会から持続可能な社会へと変革が進みました。企業にとっても利益追求ばかりではなく、社会にどう貢献できるのかという視点が問われるようになったのです。

    そして3度目のニューノーマル、それが新型コロナウイルス感染拡大です。日本でも、2020年3月28日に内閣官房新型コロナウイルス等感染症対策推進室によって「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」が発表されました。

    この中には、企業に対して「テレワークの活用や出勤者数の7割削減を目指すこと」が掲げられ、皆さんもご存じのようにコロナウイルス感染症の拡大で、私たちの生活様式や職場環境は大きく変化しました。このように、ニューノーマルはビジネスや私たちの生活を大きく変化させるきっかけとなっているのです。

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    ニューノーマル時代、働く環境の変化とは?

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    コロナ禍以降のニューノーマル時代では、どのような働く環境の変化があったのでしょうか。

    DX化の促進

    業務や営業活動をはじめ、多くの場面でオンライン化が進みました。インターネット上でやり取りすることも増え、契約や取引もオンラインで済ますことができるビジネスモデルが定着しました。企業でも業務フローのデジタル化やクラウドの活用、コミュニケーションツールの導入といったDX化が主流となりました。

    オフィスの縮小

    テレワークが広く一般化したことで、大きなオフィスが必要なくなりました。これまでオフィスにかかっていた家賃や消耗品などの経費が削減できるように。また、オンラインでのやり取りが基本となったことで、場所も都心に限定することなく地方に拠点を移す企業も出てきました。場所の選択肢が増えたことやオフィスの縮小は、ニューノーマル時代を代弁できる大きな傾向でしょう。

    人員構成の変化

    ニューノーマル時代には、窓口や店舗で行っていた実売をECサイトに移行したり、問合せ対応はAIによるチャットになったりと、人員をかけずに行われるビジネスシーンが増えました。これにより労働環境の改善や、人件費削減などが果たされたと言えるでしょう。


    生活様式にも大きな変化がみられるように・・・

    総務省によれば、コロナウイルス感染症の拡大以降、Eコマースの利用率や支出額が大幅に伸びているといいます。私たち自身もネットショッピングする機会がコロナ禍ではより増えたのではないでしょうか。

    最近では、ECサイトとライブ配信を組み合わせたライブコマースを導入する企業も増えました。オンラインで対面販売の臨場感を味わいながらも、チャットやコメントで双方向のコミュニケーションが行える点が消費者のニーズを満たしています。

    また、ニューノーマル時代ではキャッシュレス決済が広く普及しました。これまでは電子マネーに苦手意識を感じていた高齢者層も、非接触型の電子決済の便利さや安全面からもキャッシュレス決済を取り入れはじめています。

    ※データ元:総務省「家計消費状況調査 ネットショッピングの状況について(二人以上の世帯)-2024年(令和6年)1月分結果-」

    ニューノーマル時代の働き方とは?

    では、ニューノーマル時代の働き方はどういったものでしょうか。

    フリーランス人口の増加

    フリーランス人口はいまや国内の労働人口の約6分の1にあたるとも言われています。コロナ以降ではフリーランス人口は500万人ほど増加したとされ、主婦層をはじめ、多くの会社員も隙間時間を見つけてフリーランスとして活動を始めました。

    また、フリーランスは日本だけに留まらず、世界中で増えています。例えば、アメリカでは労働力人口のうち 3人に1人はフリーランスとして働いているといいますから、フリーランスとして働くことがもはや当たり前の社会になっていることがお分かりいただけると思います。

    通勤や勤務時間の変化

    これまではオフィスに出社することが当たり前でした。しかし、ニューノーマル時代ではリモートワークが身近なものとなり、通勤ラッシュの時間をずらして出勤するオフピーク出勤なども当たり前となりました。

    また、勤務形態もコアタイムの導入など、本人のスケジュール管理で働くことができ、働く時間も柔軟になった傾向です。そのため、通勤や勤務時間の様式がコロナ前と後ではガラリと変わりました。

    業務のオンライン化

    ビジネスシーンで必要な契約書などの書類のオンライン化が進んでいます。コロナ以前ではペーパー化が主流でしたが、オンライン業務が本格的になったことでペーパーレスとなり、業務のオンライン化が加速しました。会議においても、オンラインツールを用いた非対面式となり、メールやチャットを利用した非対面でのコミュニケーションが増加しました。

    テレワークの導入

    働き方としてテレワークの常態化させる企業が増えました。在宅勤務やリモートワークなど、オフィス以外の場所で仕事をするシーンが一般的になったのです。そうしたテレワークの常態化により、育児や介護といったプライベート面と仕事の両立が可能となり、ワーク・ライフ・バランスの実現に一役買っていると言えます。

    評価制度は成果主義化に

    社内業務だけではなく、商談や営業活動もリモート化が進んでいます。これまでは気軽に遠方へ出向くことは難しく、移動や出張にかかる交通費や宿泊費等の経費もかかっていました。しかし、オンラインを用いることでそうした時間や経費を割くことができるため、業務の効率化に繋がっています。

    ただ、ニューノーマル時代ではこれまでのようにプロセスで評価されることは減り、人事評価は結果重視となりつつあります。日本人らしい協調性といった人間性を評価することは難しくなり、欧米式の成果主義がより反映されるようになったのです。

    ※データ元:ランサーズ「新・フリーランス統計調査 2021-2022年版」

    ニューノーマル時代に、必要なスキルとは?

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    ニューノーマル時代に生きる私たち。では、ニューノーマル時代に必要なスキルとは一体どのようなものなのでしょうか。

    コミュニケーションスキル

    テレワークが進むと、対面でのコミュニケーションの機会は当然ながら減ってしまいます。初対面の相手ともいきなりオンラインで仕事する機会が増えたため、画面越しにもわかるようなスマートなやり取りが求められるように。

    さらに、メールやチャットなどでのやり取りも増えるので、文章で自分の考えを伝えるスキルも必要不可欠です。オンライン上ではちょっとしたことで誤解を生じさせてしまうこともあるため、対面よりもコミュニケーション能力が求められるのです。

    デジタルの活用スキル

    テレワークを進める上では業務のデジタル化は必須となっています。ミーティングにはWeb会議ツールが使われますし、コミュニケーションはチャットツールを活用する場合が多くなっています。これまではそういったデジタル機器を使うのが苦手だった方も、デジタル活用スキルが求められています。

    グルーバル化の現代では、今後もそういった流れは加速すると考えられます。「デジタル機器は苦手なのよね...」といったミドルシニア層の中にはデジタル機器を習得するために講座に通う方も。デジタル機器の活用スキルは、これからの時代を生きるためにはなくてはならない能力だと言えそうです。

    セルフマネジメント力

    テレワークは自由度が高い働き方です。そのため、集中力を切らさないように業務を行う必要があります。はっきり言えば、人の目がない分サボることもできてしまうのがテレワークの弱点でしょう。しかし、働いている以上結果が求められるのも実情です。

    テレワークの場合、自分自身をしっかりとマネジメントし、オンオフを切り替えて働く必要があります。周囲の目がない分、集中力を持続させながらやるべき仕事をきちんとこなし、自分をコントロールしながら成果を上げなくてはなりません。

    健康管理するスキル

    テレワーク中心の生活になると通勤する機会も減るため、必然と運動量も減ってしまいます。また、1日中誰ともコミュニケーションを図ることなく、家の中で過ごすという方も。人の体は、運動する機会が減ると体が硬くなってしまい、集中力の低下にも繋がるといいます。

    さらに、話し相手がいない場合、孤独感から心の健康を害してしまう場合も考えられます。ニューノーマル時代にはより自己の健康管理に留意する必要があるでしょう。また、フリーランスの方は組織に属していない分、健康診断といった機会も自分で設けなくてはなりません。

    日々の適度な散歩や運動を行うことで、健康的に働けるようになります。そして、意外と多いのがダラダラと働いてしまう人です。メリハリを感じづらいテレワークではついつい集中できずに何時間もパソコンと向き合っているという方も。健康を守るためにもオンオフを切り替え、運動を取り入れながら毎日を過ごす努力が必要です。

    トラブル解決力

    リモートワークやテレワークで何かトラブルが発生した時に、上司などすぐに相談できる人は近くにいません。そのため、自分で解決できる力を身に付けておく必要があります。リモート上では表情が伝わりづらく、誠意が表しづらいことも。

    中には、コミュニケーションの相違が生じてしまい、クライアントを怒らせてしまったというケースもあります。仕事をする上で起きやすいトラブルについては予め考えておく癖を付けておきましょう。そのような準備をしておくことにより、何か起きた時にも冷静に対処できるはずです。

    また、トラブルが起きた際には自己判断で進めずに、すぐに相談できるように上司や同僚に前もって協力を要請しておきましょう。ニューノーマル時代は特に「ホウ・レン・ソウ」が大切になります。

    セキュリティの保持義務

    ニューノーマルな働き方によりテレワークやリモートワークが増えた結果、パソコンや機材を社外に持ち出す機会が増えました。そのため、情報管理やセキュリティ対策は必要不可欠です。セキュリティ対策を怠ってしまうと、情報漏えい等のリスクが高まってしまいます。

    パソコンへのウィルス侵入を防ぐ、外部のフリーWi-Fiは使用しない、といった情報管理もニューノーマル時代には必須の能力と言えるでしょう。

    まとめ

    新型コロナウイルスの流行により、ニューノーマル時代が到来しました。働き方が柔軟になっただけではなく、個々の責任能力がより必要とされるようになったのです。

    一方でこういった新しい働き方には、違和感を覚える人もいるかもしれません。しかしながら、かの有名なダーウィンも「生き残るのは最も変化に適応したもの」だという言葉を残しています。私たちも生き残るためにも、時代に即した働き方を心がけていきましょう。

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