確定申告に間違いがあった場合は修正可能?やり方や注意点などを紹介

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確定申告に間違いがあった場合は修正可能?やり方や注意点などを紹介

今年の確定申告も終わり、ホッとしている方は多くいるのではないでしょうか。しかし、申告期限が終了した後に、申告内容の誤りに気付くこともあります。今回は、確定申告で間違いがあった場合の対処法をご紹介。各方法の注意点や、訂正の進め方も解説します。

この記事の目次

    確定申告を間違えた場合は修正ができる

    確定申告を終えた後に「自身で付けた帳簿にミスがあった」「控除の記載漏れがあった」など、間違いに気づくこともあるでしょう。実は確定申告はいつでも修正をすることができます。しかし、場合によっては新たな税金が課されてしまうため、間違いに気づいた時点ですぐに内容の訂正を行う必要があります。

    確定申告の内容を修正する方法は3つあります。それぞれの申告方法や注意点についてご紹介します。

    確定申告の修正方法:修正申告

    修正申告は、確定申告期限を過ぎてしまっており、所得税を少なく申告していた場合や還付を多く申告した場合に必要です。

    修正申告の手順

    修正申告を行う場合は、以下の流れで行います。

    1. 確定申告書(申告書第一表及び第二表)に、修正申告額を反映させる
    2. 所轄の税務署に提出する

    税務署への提出は、窓口への提出のほか郵送や電子申告も可能です。
    申告ソフトを利用している場合は、間違い部分を修正して作成しましょう。手書きの申告書で書き直すのが手間になる場合は、二重線を引いて上や下の空いたスペースに正しい内容を記載します。なお、訂正印は不要です。

    修正申告に必要な書類

    修正申告を行う際には、確定申告書(第一表、第二表)が必要です。以前までは確定申告書とは別に、所得税及び復興特別所得税の修正申告書(第五表)が必要でした。しかし、令和4年分の申告から、確定申告書の第一表に修正内容を記載する欄ができたため、第五表の提出は不要となっています。

    令和3年分以前の確定申告について修正が必要な場合は、従来通り確定申告書と所得税及び復興特別所得税の修正申告書(第五表)を提出します。修正したい年によって必要となる書類が異なるため、事前に確認しましょう。

    修正申告の注意点やポイント

    修正申告には、明確な期限がありません。しかし、所得税の納付期限は基本的に確定申告の期限と同じです。修正申告の手続きを進める場合は、基本的に確定申告書の法定申告期限が過ぎている状態となります。

    もし、申告した税金が少なかった場合は延滞することになるため、早めに対処しましょう。仮に税務署による更正がされると、修正申告ができなくなります。追加納税額が課されるため注意が必要です。

    確定申告の修正方法:訂正申告

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    確定申告の期限内に修正を行う場合は、訂正申告を行います。訂正申告をする際は、通常の確定申告書を作るのと同様に、正しい数字の申告書を税務署へ再提出するのみです。

    税務署では、期間内に同じ人から提出があった場合、最後に提出されたものを正式な申告として取り扱います。もし、訂正をした際に追加で提出する証明書などが必要となる場合は、忘れずに一緒に提出しましょう。

    訂正申告の手順

    訂正申告はe-taxからの電子申告と、郵送や窓口への提出が可能です。それぞれのやり方について、以下でご紹介します。

    電子申告で進める方法
    電子申告で進める場合は、オンライン上で申告内容の訂正が可能です。e-taxのページを開き、以下の場所から訂正を行いましょう。

    1. 「申告・申請等一覧」の画面を開いて、再送信するデータを選択する
    2. 訂正する帳票を開く
    3. 修正が必要な箇所の内容を訂正して、「作成完了」をクリック
    4. 「別名保存確認」が表示された際は、「申告・申請等名」欄に30文字以内で入力して「別名で保存」をクリック
    5. 「署名可能一覧」から、再送信するデータを選択し、電子署名をする
    6. 「送信可能一覧」が表示されたら、送信する
    7. 提出完了

    すべてe-tax内で収まるため、自宅にいる時間で申請が完了するのは魅力です。マイナンバーカードを所持しており、電子申告を活用している人は、訂正する際もe-taxを活用しましょう。

    郵送や窓口で進める方法
    郵送や、税務署の窓口に訂正申告を提出する場合は、正しい確定申告書を作成します。新しく提出をする確定申告書は、修正したい部分のみを訂正するのではなく、すべてをもう一度作成しなおす必要があります。

    さらに、余白に赤字で「訂正申告」と記入をしたうえで、当初の申告書のコピーの添付も必要です。また、併せて訂正前の確定申告書の提出年月日と、申告税額も赤で記入しましょう。明記をしておくと、最初に確定申告書を提出した税務署での手続きが、スムーズに進みます。

    しかし、提出した確定申告書が還付申告に該当しており、すでに税務署側で還付の処理をしている場合は期限内の訂正申告でも訂正が間に合いません。もし、訂正が間に合わない場合は「税金の精算手続き」が必要となるため、間違いに気づいた際にすぐに税務署に問い合わせましょう。

    訂正申告に必要な書類

    訂正申告に必要な書類は、以下の通りです。

    • 訂正後の確定申告書
    • 追加で添付が必要となった書類
    • 書面の場合は本人確認書類

    訂正申告では訂正した部分のみの再提出はできないため、前回の記載内容に訂正が必要な箇所を反映させた確定申告書の再提出が必要です。郵送や窓口など書面で提出をする場合は、本人確認書類の再提出も必要となります。郵送の場合は台紙に、必要な書類のコピーを貼付しましょう。

    なお、先の確定申告で提出した添付書類を、再提出する必要はありません。原本が必要な書類もあり、取り寄せまでに時間がかかるためです。ただし、追加で添付が必要となった書類については、必ず添付します。

    訂正申告の注意点やポイント

    訂正申告の場合は、確定申告の期間内に提出する必要があります。また、提出期限でも間に合わない場合もあるため、間違いに気づいたらすぐに訂正申告を行いましょう。特に還付申告だった場合は、還付の処理が始まっている場合があります。

    通常は申告から1ヶ月〜1ヶ月半ほどですが、電子申告の場合は申告から2〜3週間で指定の口座に還付されます。そのため、還付金に関する訂正申告がある場合は、一度所轄の税務署への確認が必要です。

    電子申告で訂正申告を行う場合は、自動的に申請内容が反映されるため手間はかかりません。郵送や窓口で直接提出をする場合は、訂正申告であるかどうかがわかりにくくなります。手間をかけないためにも、訂正申告の場合はわかりやすく「訂正申告」と記載しましょう。

    確定申告の修正方法:更正の請求

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    更正の請求は確定申告の申告期間を過ぎており、かつ修正によって納付する所得税が少なくなる、還付金が増える場合に必要な手続きです。更正の請求により、税務署が妥当であると認めた場合は還付されます。

    更正の請求の手順

    1. 所得税及び復興特別所得税の更正の請求書を作成する
    2. 更正の請求の理由となる証明の書類を添付する
    3. 所轄の税務署に提出

    例えば、必要経費の更正の請求をする際は、事実を証明するために計上漏れの経費領収書が必要です。

    更正の請求書は国税庁のホームページにある、「確定申告書等作成コーナーの」の「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」から、すぐに作成が可能です。作成した書類はそのまま、e-taxでの提出もできます。また、作成した書類を印刷し、郵送や窓口へ直接提出する方法もあります。

    更正の請求に必要な書類

    更正の請求の際には、以下の書類を用意する必要があります。

    • 所得税及び復興特別所得税の更正の請求書
    • 更正の理由の事実を証明する書類
    • 書面の場合は本人確認書類

    所得税及び復興特別所得税の更正の請求書は、国税庁のホームページで手に入ります。マイナンバーの記入が必要となるため、事前に手元にマイナンバーのわかる書類を用意しましょう。

    更正の請求書は申告済みの確定申告書の内容を基に、修正したい部分の更正の請求書を記入します。住所や氏名の箇所は提出済みの確定申告書と同じ情報を記入し、「更正の請求の年分と種類」には、更正対象となる提出済みの確定申告書の年分を記入しましょう。

    更正の請求の注意点やポイント

    更正の請求は、行える期間が決まっています。更正の請求は、原則として法定申告期限より5年以内となっています。確定申告の必要がない会社員の人が還付申告をした場合は、申告書提出の日から5年以内が更正の請求の期限です。期間を遡っての請求はできないため、気づいた時にはすぐに実施しましょう。

    また、更正の請求は税務署長に所得税を改めて計算してもらえるよう、請求をする書類です。更正の請求が受理されたあとは、調査が実施され、請求額が適正かどうかを審査します。そのため、請求をした内容が必ず通るわけではありません。

    却下された場合は、その理由が通知されるため、不服な場合は国税不服審判所へ審査請求を求める方法もあります。もし、虚偽の内容で更正の請求を行った場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

    更正の請求をする場合が多いケース

    更正の請求は、医療費の記入漏れや住宅ローン控除など、以下のケースの場合に行う場合があります。

    • 医療費の記入漏れ
    • 住宅ローン控除の修正
    • 扶養控除の記入ミス

    例えば、医療費の記入漏れは、医療費控除を受けられるはずの医療費を計上していなかったため、特定扶養控除を受けられる親族を一般の扶養家族として申告してしまった場合などです。

    修正申告によって発生する追加納税

    確定申告を間違えてしまった場合、そのままにしておくと追加納税が発生する場合があります。どのような種類があるのか、税率についてもご紹介します。

    無申告加算税

    申告期限を過ぎてから提出した申告は期限後申告となり、無申告加算税が発生する場合があります。無申告加算税は、原則として以下のような税率が課されます。

    納付金額 課される税率
    50万円以下 15%
    50万円以上300万円以下 20%
    300万円以上 30%

    もし、税務署からの調査より前に自ら申告した場合は、期限後申告として税率が5%となります。

    重加算税

    重加算税は、申告内容に隠ぺいなどの事実が認められた場合に課される税です。過少申告税の代わりに納付する場合は、税金の35%相当額が重加算税となります。また、無申告加算税に代わる場合は、税金の40%相当額となります。

    過少申告加算税

    税務署や国税庁の指摘を受けて修正申告をする場合に、新たに決定した税金10%にあたる過少申告加算税が課せられます。しかし、増差税額のうち当初に申告した税金または、50万円の大き方の金額を超過するときは税率が15%になります。

    延滞税

    延滞税は法定納付期限日から完納日までを対象期間として、新たに納付する本税に対して計算されます。修正申告を行った日の翌日から2ヶ月以内に納めた場合、適用される延滞税の税率は原則として年3.7%と「延滞税特例基準割合+1%」のいずれか低い方です。2ヶ月を超えた場合は、年14.6%と「延滞税特例基準割合+7.3%」のいずれか低い税率が適用されます。

    まとめ

    確定申告の申告内容に誤りがあった場合の修正方法についてご紹介しました。確定申告の内容を間違えていた場合、申告の期間内であればいつでも問題なく修正が可能です。もし申告期間が過ぎていても、修正申告によって修正はすぐに行えます。

    しかし、新たな税が課されるため、間違いに気づいたときにはすぐに申請しましょう。確定申告の修正は、以下の3つの方法があります。それぞれ修正したい内容や、申告をする時期によって異なるため、今回の申告ではどれが活用できるのか確認しましょう。

    • 修正申告
    • 訂正申告
    • 更正の申告

    修正内容によっては、追加の納税が必要です。しかし、税務署からの更正があった場合と、ある前では税率が変わる可能性があります。間違いに気づいた時には、すぐに正しい内容を申告しましょう。

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