転職・退職後は確定申告が必要?必要になるケースや手続きの方法

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転職・退職後は確定申告が必要?必要になるケースや手続きの方法

確定申告は個人事業主や、フリーランスの人が行うイメージを持っている人もいるでしょう。しかし、転職後や退職後の会社員も、確定申告が必要となる場合があります。今回は転職後に確定申告が必要となる要件や、確定申告の方法などを解説します。

この記事の目次

    転職後は基本的に確定申告不要

    年内に転職した場合は原則確定申告は不要です。
    前職の源泉徴収票を転職先に提出すると、年末調整時に転職先で併せて行ってもらえます。転職先で必要な書類を提出していれば、確定申告をする必要はありません。

    年内に複数回の転職をした場合も同様です。現在在籍している会社に源泉徴収票を提出して、年末調整を行ってもらいます。その際は、年内に就職をした会社すべての源泉徴収票が必要となるため、転職時には早めに書類が揃っているか確認しましょう。不足している分は、以前の会社へ発行依頼が必要です。

    退職後は確定申告が必要な場合がある

    原則的には退職金に関する税金の手続きは勤務先が行うため、退職者が手続きをする必要はありません。退職金の支給時に所得税が源泉徴収されます。しかし、確定申告によって受け取り時に納め過ぎた税金の還付を受け、税負担が軽くなる可能性もあります。

    「退職所得の受給に関する申込書」の提出をしないと勤務先で手続きをしてもらえないため、必ず提出しましょう。もし、提出しなかった場合は、退職金の収入金額に一律20.42%の所得税および復興特別所得税が源泉徴収されます。

    確定申告と年末調整の違い

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    そもそも確定申告と年末調整には、どのような違いがあるのでしょうか。
    基本的に、納税額を確定させるために必要な手続きである点は共通しています。それ以外の、確定申告と年末調整の違いは、以下の通りです。

    確定申告

    確定申告は1月1日から12月31日までの収入によって納税額を算出し、税務署へ申告する手続きです。確定申告は毎年1回のみで、2月16日〜3月15日に前年の収入を申告します。納税額が確定した後は、3月15日までに納付する必要があります。もし、3月15日が土日祝だった場合は、次の平日が期限日です。

    個人事業主など会社に所属していない人はもちろん、会社員でも状況に応じては確定申告が必要となる場合があるでしょう。

    確定申告を忘れたらどうなる?
    もし、確定申告をしなかった場合・忘れた場合にはペナルティが課されます。無申告加算税は自主申告した場合は税額に5%、税務署から指摘をされた場合は税額によって加算の割合が変わります。

    税務署から指摘された際、納税額が50万円以下なら15%、納税額が50万円を超える場合は20%が加算される仕組みです。また、無申告加算税のほかに延滞税も発生します。延滞税は、以下の割合となります。

    • 納期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで:年7.3%
    • 納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以降:年14.6%

    ペナルティによる支払いを避けるためにも、確定申告の必要がないか確認し、忘れずに手続きを行いましょう。

    年末調整

    年末調整は年末に所得税の調整をし、会社員の代わりに会社が税務署に納めるものです。会社員の場合は、年末調整によってその年に収める税金を計算し、過不足を精算します。

    基本的には、11月〜12月の間に行われます。会社側は概算で所得税を計算し、毎月の給料からあらかじめ所得税を引いています。徴収した金額に過不足がなかったかを確認し、もし払い過ぎた場合は還付金が返ってくる仕組みです。

    源泉徴収は概算で算出した所得税を徴収しているため、年末までに差額の調整が必要です。給与の変動や扶養家族の変化、生命保険料などの控除を含んだ金額は、年末調整によって確定します。

    転職後に確定申告が必要な場合

    原則転職をした後は、確定申告は必要ありません。ただし、以下の状況に該当する場合は、確定申告が必要です。

    年内で再就職しない場合

    前職を退職した後に、年内に再就職をしない場合は確定申告が必要です。
    年内に就職先が決まらなかった場合、会社からの年末調整が受けられません。そのため、翌年の確定申告の期間に、確定申告をする必要があります。

    退職した後の確定申告については、退職した翌年以降から5年以内であれば申告可能です。対応を忘れないためにも、必要書類が揃ったタイミングの申告期間に確定申告を実施しましょう。

    前職の源泉徴収票が間に合わない場合

    転職のタイミングが年末になる場合、年末調整の手続きが間に合わない可能性があると理解してきましょう。年末調整は、通常11〜12月に行われます。しかし、年末調整のタイミングは会社によって異なるため、退職後に年末調整が行われる場合もあります。

    もし、年末調整までに書類が間に合わない場合は、確定申告が必要です。確定申告をする際は、前職の源泉徴収票と再就職先で発行された源泉徴収票の2つが必要です。

    フリーランスや個人事業主から会社員になった場合

    フリーランスや個人事業主として働いていた人が、会社員となった場合も確定申告が必要です。個人事業主の場合は事業所得、会社員は給与所得となるため、所得の種類が異なります。2つの種類の所得を合計し、確定申告を行いましょう。

    前職の源泉徴収票がもらえない場合

    退職時に源泉徴収票をもらえなかったという人もいるでしょう。その際は、いつ頃までにもらえるのかを確認する必要があります。もし、交付の希望連絡をしたにも関わらず源泉徴収票が交付されなかった場合は、税務署や労働基準監督署に連絡しましょう。

    会社には退職者に源泉徴収票を交付する義務があるため、税務署からの指導により交付される可能性があります。その後も交付されない場合や、倒産などで連絡が取れない場合は住民票のある税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出します。

    会社員でも確定申告が必要な場合もある

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    退職時以外にも、以下の状況に当てはまる場合は確定申告が必要です。

    年収2,000万円以上の人

    会社員の場合でも、年収が2,000万円を超える場合は確定申告が必須です。転職の有無にかかわらず、1年間の収入の合計が2,000万円を超える時には、確定申告の対象となります。特に転職をした後の場合は、年収の変動によって確定申告の必要が発生することもあるでしょう。

    医療費や住宅ローン控除をする人

    会社員が医療費や住宅ローンなどに関する控除を受ける場合は、確定申告が必要です。医療費控除の対象となるのは、以下のような費用です。1年間にかかる医療費が10万円以上、または総所得の5%のいずれか低い金額が医療費控除の条件です。

    • 病院での診療費や治療費
    • 入院費用
    • 処方箋や医薬品の費用
    • 通院による交通費

    また、住宅ローンを利用してマイホームを購入し一定の要件に当てはまる場合、住宅ローン控除を利用できます。控除額は、住宅ローンなどの年末残高の合計額を基に算出します。控除を受ける最初の年分は、必要書類を添付して確定申告が必要です。

    その他、控除を受ける必要がある場合は、確定申告を行いましょう。

    副業など別の収入がある人

    会社員でも副業による収入が年間で20万円以上ある場合は、確定申告が必要です。副業などで得た収入は、源泉徴収の対象外であるためです。自身で確定申告を行い、所得税を申告しましょう。

    また、ダブルワークを行っている場合も同様です。ダブルワークなどで2カ所以上から給与収入を得ており、自社以外の勤務先に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している人は、年末調整の対象外となります。

    そのほか、不動産を売却した人や、株の売買で得た利益なども確定申告が必要です。会社から得られる給与以外の所得は、基本的にはすべて年末調整の対象外であると覚えておきましょう。

    確定申告の流れと必要な書類

    確定申告の流れと、必要な書類についてご紹介します。

    確定申告に必要な書類

    確定申告の際には、いくつか必要な書類があります。確定申告を始める前に、必ず手元にそろっているか確認しましょう。

    • 確定申告書
    • 源泉徴収票
    • 各種所得控除に係る証明書等

    各種所得控除に係る証明書には、さらに以下のような書類もあります。

    • 医療費の領収書
    • 社会保険料
    • 生命保険料の控除説明書
    • 地震保険料の控除証明書
    • 寄附金の受領証
    • 小規模企業共済等掛金控除

    書類を揃えた後は、実際に確定申告を行いましょう。

    確定申告の流れ

    実際に確定申告を行う際は、以下の流れになります。

    1. 書類の準備
    2. 申告書を作成
    3. 提出書類を確認する
    4. 申告書を提出する

    上記で紹介した書類を準備したら、申告書を作成しましょう。申告書にはAとBの2つがあります。申告書Aは申告する所得が、給与所得と雑所得、総合課税の配当所得・一時所得のみです。申告書Bについては、所得の種類に関係なく誰でも使用できます。書類に必要事項を記入した後は、内容を確認し、提出しましょう。

    申告書の提出は税務署へ持って行くほか、郵便または信書便で送付する方法もあります。また、スマホやパソコンを持っている人は、電子申告も可能です。マイナンバーカードがあれば、e-taxで自宅から申告することもできます。

    まとめ

    転職や退職をした場合、確定申告が必要となるケースがあります。原則、退職後すぐに転職すると転職先で年末調整を実施するため、確定申告は必要ありません。しかし、年末近くに転職をしたために源泉徴収票を受け取れない、年内に再就職をしなかった場合などは確定申告が必要です。

    また、フリーランスや個人事業主の人が、会社員となった場合も所得の種類が異なるために確定申告の対象となります。なお、退職をした人は退職金に関する確定申告をすると、還付金を受け取れる場合があります。払い過ぎたお金が戻ってくる可能性があるため、確定申告を行いましょう。

    さらに、会社員のままであっても、確定申告が必要な場合もあります。控除を受けたい場合や、年収が2,000万円を超える人、副業・ダブルワークをしている人は、必ず確定申告を行いましょう。

    確定申告には前職の源泉徴収票や、各種控除に係る証明書が必要です。作成した申告書はマイナンバーカードがあれば、スマホやパソコンから電子申告が可能です。税務署に出向く必要なく、すぐに提出ができるため、確定申告の必要がある際はぜひ活用しましょう。

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