セカンドキャリアに、「事業継承」をという選択肢を持つ!

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セカンドキャリアに、「事業継承」をという選択肢を持つ!

最近、よく耳にする2025年問題。人口の減少と高齢化率の高さからあらゆる社会問題が起こるとされています。本日はそんな時代に合った、新たな独立の方法である“事業継承”について考えていきましょう。

この記事の目次

    独立したい人は多くいるのにも関わらず・・・

    欧米諸国に比べ、日本では起業する人が少ないと言われています。その背景には、起業するリスクを考え、勇気が持てずに二の足を踏んでしまうことが考えらます。

    日本政策金融公庫が行った"起業に関心がある人"を対象にした調査によれば、「起業しない理由」の1位になったのは資金不足。続いての要因になったのは失敗したときのリスクがあること、そしてアイデアが思いつかないというものが続きました。

    つまり、独立して自分で事業をやっていきたいと考えるにも関わらず、資金難やリスクを恐れるがゆえに起業できない人が多いのが日本の現状なのです。そこで今、注目を集めているのが「事業継承」です。事業承継とは、会社や事業を後継者となる人物や企業に引継ぎ、次の世代へと存続させることです。

    2025年問題と事業継承の関連性とは

    日本ではここ数年、2025年問題が盛んに叫ばれはじめました。団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となるために起こる2025年問題は、超高齢化社会で起因される様々な問題を総じています。

    その問題の中には、医療や年金といった社会保障費の負担の増大や、中小企業等の事業承継者不足が含まれています。今後、経営者が70歳以上の企業が約250万社まで増加し、そのうちの約130万社が後継者不在による廃業や倒産の危機に直面するであろうと予測されているのです。

    経済産業省は、後継者不在のまま経営者が70歳を超える会社が増加して廃業した場合、「日本経済は650万人の雇用と22兆円のGDPを喪失する恐れがある」という試算も立てています。そこで政府も、日本経済を破綻させないために人手不足を補う"事業継承"を積極的に行っていくべきだと考えるようになりました。

    そして、事業継承は事業を守っていくことができるだけではなく、継承する側にとってもメリットがあります。資金や人材、ビジネスアイデアがないからと起業することを躊躇っていた方は、事業継承によって比較的起業がしやすくなると言えるでしょう。

    データ元:日本政策金融公庫 総合研究所「2022年度起業と起業意識に関する調査」

    事業継承の種類とは?

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    「事業継承」には、大きく分けて3つの分類があります。

    ①親族内継承

    これは経営者の配偶者や子どもといった親族が後継者となり会社を引継ぐことです。従来の中小企業の事業承継では親族内継承がほとんどであり、1980年代は中小企業の事業継承の7割が親族内継承によるものです。しかし少子化が進んだ現代では、子どもがいない場合や、子ども自身が親の事業を継ぐ意思がない場合も多く、廃業してしまう企業が増えています。

    親族内継承では後継者に対して教育期間を長く設けるなど、準備期間をしっかりと取ることができるため、経営者は安心して引退することができます。さらに、親族内継承では事前に経営者の口から従業員や取引先に説明をすることができるので、理解を得やすくなります。

    ただし、近しい間柄の親族へ会社を継承することで、相続の問題が発生してしまうことも。税金等が多額になってしまったり、親族間で資産について揉めたりといったトラブルの要因になることも考えられます。また、経営者の親族だからといって、経営の才があるとは限りません。親族内継承でせっかく会社を譲り渡すことができたのにも関わらず、残念ながらその後に潰れてしまうといった事態もあるのです。

    ➁社内継承

    社内で働いている親族以外の役員や従業員に会社を承継することです。社内で実際に業務に携わっている人の中から後継者を選出します。従業員承継の良さは、社内にいる役員や従業員が後継者になり得るため、社内の士気が高められる点が挙げられます。また、長年会社に貢献してきた社員がトップとなれば会社の理念や方針も頭に入っているため、スムーズな経営体制が敷けます。

    さらに、クライアントからも長年の会社での実績がある経営者が先頭に立つことで対外的にも信頼されやすくなります。このように、様々な面で物事が円滑に進みやすいのが社内継承の良さでしょう。

    ただし、後継者にとっては先代にお伺いを立てながら経営を進めていくことになるので窮屈に感じる場合もあります。新旧両経営者の意思疎通が取れていない場合、経営権を引き継いだ継承者にとっては思うように采配を振るえず、苦痛になってしまうことも。

    社内継承の方法の一つには、役員や従業員に株式を売却し、買い取ってもらう方法があります。この場合、後継者は経営権とともに、会社の所有権も手にすることとなります。そのため、株主総会においても経営者のイニシアティブを取りやすくなり、会社経営をしやすくなる側面があります。

    他にも、経営権だけを譲渡するという方法もあります。この場合は後継者に株式を渡すことなく、そのまま現経営者が株式を持ち続けます。つまり、後継者にとっては会社の経営権はありつつも、所有権は持っていない状態です。こういった場合は、退陣した経営者は会社の権力を持ちつつ、引退することができます。

    ➂第三者継承

    親族でも社内の人材でもない、外部の第三者が承継することを指します。現在の日本では、政府の施策やIT化の流れからM&Aサイトが生まれ、会社を譲りたい人と譲り受けたい側のマッチングの機会が増えています。後継者不在に悩む経営者にとって第三者継承は今や選択肢から外せない、会社を存続させる方法の一つとなっているのです。

    また、起業という観点で捉えると、起業する側は資金や商品を予め準備しておかなければなりません。しかも、会社を興すとなると人も集めなくてはなりません。しかし、M&Aマッチングサイトなどを活用すれば、資金や人材を確保することなく事業を行うことができます。優良企業を引き継いだ場合、利益も初月から得ることができるため、起業のリスクを減らすことも可能です。

    一見するとメリットばかりに見える第三者継承ですが、デメリットも存在します。まずは、第三者継承を希望する人にとって、希望する事業を継承できないこともある点です。事業内容だけではなく、取引金額や従業員の処遇などの条件面が折り合わない場合は購入ができないこともありますので、注意しておく必要があります。

    また、企業を購入できたとしても、これまでにいた従業員と関係性を構築するのが難しく、ソリが合わないことも考えられます。従業員の雇用条件を変えた結果、一気にストライキを起こされ、辞める社員が出てしまう恐れもあるでしょう。人や物、資産など第三者継承は合理的な部分もありますが、人間的な気持ちや思いがオーナーと従業員たちで乖離してしまうと、経営がうまくいかなくなってしまう面も持ち合わせているのです。

    人生100年時代は"第三者継承"で起業

    人生100年時代、私たちの一生は会社員生活だけではなくなりました。むしろ、"定年以降の人生をどう生きるか"という楽しみや意義が求められる時代に突入しています。そんな中、年金問題や増税など私たちの生活を脅かす事案も山積しています。より豊かに生きるためには、まずは生活のベースをしっかりと整えなくてはなりません。

    寿命が延びたことでそんな生活面の不安が一層増えているのも事実でしょう。また、定年後に仕事を見つけようと思っても仕事に巡り合えないことも。そんな先々の不安を解消するために今、「事業継承」のという選択肢に注目が集まっています。定年後を見据えて、50代のうちに早期退職をしてセカンドキャリアに"事業継承"を選択する人が増えているのです。

    年齢を重ねた上でどこかに雇ってもらうより、ミドルシニアのうちに興味のある分野の事業継承をしておくのは転ばぬ先の杖の役割になります。今では副業も解禁している会社も多くあるため、働きながら事業継承を行い経営者になるのも悪くはありません。

    しかし、事業継承といってもすぐに自分がやりたい事業と出会えるわけではありません。早いうちから「どのような分野の仕事がやりたいか」、「ビジネスチャンスはどこにあるのか」といった視点で事業継承について調べておく必要があります。

    役職定年や再雇用で年収は下がることはあっても、上がることはあまり耳にしません。今のうちに備えとして事業継承について調べておけば"もしも"のことがあっても慌てずに老後を迎えることに繋がるのです。また、健康なうちは社会と繋がりをもって働くことが、自身の生きがいや張り合いにもなることでしょう。

    「とは言え、いい会社と巡り会えるか不安...」という方も、ご安心ください。全国の中小企業や零細企業のうち黒字経営なのにも関わらず、後継者がいない企業はおよそ60万社あると言われています。ですから、めぐり合わせもあるでしょうが様々な会社を見てみることで、自分の理念に近い企業や面白い商材を扱う会社に出会える可能性は大いにあります。

    人と出会うことをご縁というように、会社と出会うこともまたご縁。将来、第三者継承で会社経営を考えている方は一度M&Aのマッチングサイトなどを見てみると可能性が広がる選択ができるかもしれません。

    セカンドキャリアに、事業継承がおすすめである理由とは?

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    事業継承はセカンドキャリアに向いている選択肢の一つと言えるでしょう。なぜなら、起業には資金や人材といった様々なリスクやハードルがあるからです。しかし、事業承継であれば既に事業自体は走り出していますし、必要な物や人材が揃った状態で始められます。よく、不動産の物件に居抜きがありますが、まさに事業継承はそれに似ています。

    また、売る側にとっても会社勤めをしてきた信用力のある人間に継いで欲しいと考えることが多く、長年会社勤めをしてきたような堅実な経営者を求めていることも。さらに、事業継承に必要な資金はおおよそ自己資金100万円~500万円と言われています。ミドルシニア世代にとっては、老後の資金の一部を事業継承に充てる人も増えていることが頷けます。

    そして、国でも経営者の高齢化にともなう後継者不足対して「事業引き継ぎ支援事業」を開始するなど、抜本的な改革を進めています。2011年には第三者承継支援機関として「事業引継ぎ支援センター」を東京と大阪に開設し、現在ではすべての都道府県に設置されました。なお、2021年4月からは名称を「事業承継・事業引継ぎ支援センター」とし、さらなる体制強化を行なっています。

    主な業務内容は事業承継に関する相談やM&Aマッチング支援などで、47都道府県ごとに設置されているセンターでは専門のコーディネーターによる相談窓口を設けています。2019年の実績で見ると、相談を受けた11,514社のうち、およそ1割が成約している結果を残しています。

    「事業継承」で起業するのに向いている人とは?

    第三者承継による起業が向いている人とはどのような人なのでしょうか。

    ・これまでの経験を活かしたい人

    これまでの経験を活かして独立することを考えた場合、後継者という形で独立を果たすことは大きなメリットになります。事業を起こすには莫大な資金を確保し、人を集めなくてはなりません。しかし、自身のやってきたキャリアの分野で会社をそのまま引き継げれば、ノウハウを活かしながらコストパフォーマンスよく事業を運営することができます。

    ・開拓者精神のある人

    第三者継承では、従来の会社の良さを残しつつ、ご自身が参画することでより新しいものを生み出すことができます。そのため、開拓者精神のある人に向いているビジネス形態の一つだと言えるでしょう。

    既存の会社を活用しながら、温めてきたアイデアを存分に活かすことができます。そんな開拓者精神がある人にとっては、事業継承により会社という枠組みや土壌を得ながらビジネス推進することができるでしょう。

    ・地方で働きたいと思っている人

    地方では現在、後継者不足に悩む経営者が後を断ちません。また、都心への人の流入により、高齢化や過疎化も進んでしまっています。そこで、各自治体では創業に対する支援を行うところが少なくありません。

    会社を事業継承という形で運営することだけでもメリットが多いですが、さらに助成金や支援を受けながら地方で事業運営できることは資金面からも多くのアドバンテージを得られることになります。

    また、地方における伝統産業や一次産業分野を守るという観点からも地方に移住して事業をする醍醐味を味わえます。ですから地方移住を検討されている方にとって事業継承は仕事を得られるだけでなく、地方創生にも貢献できる、社会的意義のあるビジネスなのです。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか?セカンドキャリアは今や誰もが考えなくてはならない事象になってきました。困っている人を助けるという意味でも、これまで培ってきたキャリアを活かして自身の能力を存分に発揮させるためにも、一度メリットの多い事業継承という選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。

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