つみたてNISAは今から始めても遅い?メリット・デメリットについて解説

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つみたてNISAは今から始めても遅い?メリット・デメリットについて解説

つみたてNISAは、少額から始められる投資制度で多くのメリットのある制度です。言葉には馴染みはあるけれど「今から始めても遅い?」と悩む人も少なくないでしょう。今回は、つみたてNISAを今から始めるメリット・デメリットをはじめ、新NISA制度概要も紹介します。

この記事の目次

    つみたてNISAは今から始めても遅くない!

    現行のNISAは、成人が利用できる「一般NISA」と「つみたてNISA」、未成年が利用できる「ジュニアNISA」の3種類あります。非課税期間(最長20年間)や投資可能期間が設けられているため、今から始めても遅いと諦めている方もいるかもしれません。

    しかし、2022年12月にNISA制度の恒久化が決定し、2024年から新制度が施行されることになりました。新制度によって、つみたてNISAでの資産運用の幅が広がるため、今から始めても遅くはありません。

    そもそもつみたてNISAって?一般NISAとの違いは?

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    つみたてNISAを始めるにあたって、まずは概要を理解しておくことが大切です。一般NISAとの違いなども紹介します。

    つみたてNISAとは

    2018年1月から始まった少額投資非課税制度です。長期・積立・分散投資を支援するために設置された制度であり、一定の投資信託への投資から得た分配金や譲渡益にかかる税金はゼロ。ただし、非課税投資枠や投資期間、対象年齢などが設けられています。

    つみたてNISAと一般NISAは、一度に両方を利用して資産運用はできません。ただし、開設したNISA口座内にて、1年単位でつみたてNISAと一般NISAを変更することは可能です。

    一般NISAとの違い

    つみたてNISAと一般NISAの大きな違いは「非課税投資枠」「非課税期間」「投資可能期間」「投資可能商品」の4つです。つみたてNISAは、非課税投資枠が年間40万円(最大800万円)なのに対し、一般NISAは年間120万円(最大600万円)です。

    一般NISAは年間の非課税投資枠が大きい分、つみたてNISAよりも非課税期間、非課税可能期間が短くなっています。ただし、投資可能商品はつみたてNISAよりもラインナップが豊富です。

    こうした条件から、短期間で大金を投資したい人や投資経験者におすすめなのが一般NISA、コツコツと投資したい人や投資初心者の人におすすめなのがつみたてNISAと考えてもらうとわかりやすいでしょう。

    参照:金融庁「つみたてNISAの概要」

    つみたてNISAを始める5つのメリット

    ここからは、つみたてNISAを始める具体的なメリットを紹介します。

    少額(100円)からスタートできる

    つみたてNISAは毎月の積立額を少ない資金から始められます。金融機関によって最低積立投資額は異なりますが、100円や1,000円と設定しているところもあります。そのため、大きな元手が入らず、生活に負担のない金額からスタートOK。

    投資金額を増やしたり、金額を変更したりもいつでもできますので、投資に不安を感じる方はまずは100円から挑戦し、仕組みを理解するのも良いかもしれません。

    定期&自動買い付けだからカンタン

    つみたてNISAは名前の通り、投資方法は積立によるもの。そのため、株式投資などとは異なり、買い付ける銘柄を指定した上で定期的に一定の額を買い付けます。自動買い付けなので、投資のタイミングを判断する必要や手間がありません。

    商品が厳選されているから初心者でも安心

    つみたてNISAの対象商品は4種類なので、選びやすいのがポイント。それらの商品も金融庁が長期・積立・分散投資に適した商品と判断したもののため、初心者でも安心して買い付けることができます。

    最長20年間は運用益・分配金が非課税

    上記でもお伝えしてきたように、つみたてNISAは運用益と分配金などの利益は年間40万円(最大800万円)、最長20年間非課税になります。原則、投資で得た運用益や分配金には20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAでは20年間かからないということです。

    本来であれば差し引かれる税金分も運用に充てられますので、資産運用を進める上で非常に大きなメリットです。

    いつでも解約(換金)できる

    つみたてNISAは投資可能期間が決まっていますが、解約(換金)は好きなタイミングでできます。つみたてNISAと同じ非課税制度であり、比較されることも多い「iDeCo(イデコ)」は、60歳まで原則解約ができません。

    その分、つみたてNISAは投資初心者も気軽に挑戦しやすいメリットがあります。ただし、解約(換金)後も非課税投資枠、年間40万円(最大800万円)に回復するわけではないので、注意しましょう。

    つみたてNISAを始める3つのデメリット

    コツコツと長期的に運用すればリスクが低く、初心者でも効率的な資産形成が期待できるつみたてNISAですが、デメリットもあります。利用にあたり、注意しなければいけないことを紹介します。

    元本割れのリスクがある

    つみたてNISAは、金融庁が推進する資産形成の手段であり、他の投資に比べて安全性は高いですが、元本保証はありません。場合によっては、投資商品を買い付けた時よりも値下がりし、元本割れのリスクがあることもきちんと念頭に置いておきましょう。

    とはいっても、長期的に分散投資をしていれば、リスクは下がってきます。社会情勢などの影響を受け、一時的に価格が下落してしまうこともありますが、うろたえることなく長い目で投資することが大切です。

    投資できる商品が少ない

    つみたてNISAで買い付けできる投資商品は、長期積立・分散投資に向くと判断された投資信託・ETFのみ。そのため、商品のラインナップが少なくなっています。

    「いろんな商品から選びたい」「アクティブな銘柄に投資したい」と考える方にとっては物足りないと感じる場合も。しかし、安定的に運用できる商品なので、初心者にとっては安心です。

    損をした際に税制上のメリットを受けられない

    資産運用する上で損失が出てしまった場合、一般的な投資では他の運用益との相殺(損益通算)や年をまたいでの繰越(繰越控除)などが認められていますが、つみたてNISAではできません。

    つみたてNISAは、投資で得た分配金や譲渡益が課税対象にならない制度なので、損失が出た場合も同様に税務上損失として扱われず、株式投資などで活用できる税制控除のメリットを得られません。そのため、1年など短期の運用は控え、利益が出るよう10年〜20年のように長期的な運用がおすすめです。

    メリット増!2024年から始まる新NISA

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    2024年より、現行のNISAから新NISAへと生まれ変わります。金融庁の発表内容を見ると、現行のNISAよりもさまざまな運用ニーズを満たすもので、さらにメリットの多い制度になっているように見受けられます。

    ここでは、新NISAの概要やメリット・デメリット、現行NISAからの変更点などを紹介します。

    新NISAの概要・現行のNISAからの変更点

    投資可能期間の恒久化や年投資可能枠の拡大などを目指して2024年から施行される新NISA。現行のNISAは、つみたてNISA、一般NISA、ジュニアNISAの3種類でしたが、ジュニアNISAが終了し、2種類になります。

    「つみたて投資枠」「成長投資枠」と名付けられており、前者がつみたてNISA、後者が一般NISAと同様の制度で、条件・内容がアップデートされています。

    変更点①:つみたて投資枠と成長投資枠の併用可能
    現行のNISAでは、つみたてNISAと一般NISAのどちらか一方を選んで投資する必要がありましたが、新NISAでは「つみたて投資枠」、「成長投資枠」として併用が可能に。その結果、より多くの資金を効率的に運用することができるようになります。

    変更点②:制度の恒久化と非課税保有期間の無期限化
    現行では投資可能期間がつみたてNISAが2042年、一般NISAが2023年までと決まっていましたが、新NISAでは期限が撤廃され恒久化されます。非課税保有期間に関しても縛りがなくなり、無期限になる予定です。

    変更点③:年間投資枠の拡大
    現行のNISAの投資枠は、つみたてNISAで年間40万円、一般NISAで年間120万円が上限。新NISAでは、つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円と、大幅に引き上げられます。

    変更点④:非課税保有限度額の引上げ
    非課税保有限度額の総枠の引き上げも大きな変更点のひとつ。現行のつみたてNISAは800万円(非課税投資枠 年間40万円×20年)、一般NISAは600万円(非課税投資枠 年間120万円×5年)これらが新NISAでは、合計1,800万円と大きく引き上げられます。(成長投資枠の投資限度額は1,200万円まで)

    変更点➄:売却後の限度額枠の再利用可能
    保有する商品を売却(換金)しても非課税投資枠は回復しない現行のNISA。新NISAでは改正され、非課税保有限度額の1800万円の範囲内であれば、売却した投資枠の再利用ができます。

    新NISAのメリット

    上記の変更点を踏まえて、新NISAのメリットは主に、より効率的な資産運用ができるようになることと、長期運用しやすくなることです。新NISAでは、年間投資枠・非課税保有限度額の増額にともない、効率的に資産運用ができるようになります。

    また、つみたて投資枠と成長投資枠の併用ができるようになったことも効率的な資産運用を後押ししています。つみたて投資枠では年に最大120万円、成長投資枠では、年に最大240万円と大きく拡充されたため、併用すると年間最大360万円まで投資可能に。

    現行と比較すると3倍の金額が投資できるので、効率的な資産運用につながります。加えて、制度の恒久化と非課税保有期間の撤廃によって、現行のNISAよりも長期的に資産運用ができるようになります。

    「早期に口座開設と投資をはじめなければ非課税期間を最大限活用できない」という現行の懸念点がなくなり、いつから開始しても最大限、非課税メリットを受けられます。非課税期間が終わる時にロールオーバー(保有する金融商品を翌年の新しい非課税投資枠に移行すること)を考える手間もありません。

    新NISAのデメリット

    大きくアップデートされる新NISAですが、もちろんデメリットもあります。一つは現行のNISA同様、損失が出ても他口座と損益通算ができません。NISA口座内に限らず、一般口座、特定口座で利益が出ていても、NISA口座内で出た損失と相殺できないことも一緒に覚えておきましょう。

    もう一点は、投資商品の選定が甘くなり損失を出す恐れがあること。現行のNISAでは投資可能期間や非課税保有期間が設けられていたので、その範囲内で利益が出やすい商品を見極める必要がありました。

    売却後の非課税投資枠も復活しなかったため、慎重な品定めや資産運用を行っていた方も多いでしょう。しかし、新NISAの制度の恒久化と売却後の非課税投資枠の再利用が可能になるために、銘柄の選定が甘くなってしまえば、損失を出すリスクは高くなるでしょう。

    参照:金融庁「新しいNISA」

    まとめ

    長期・積立・分散投資を支援するために、設置されたつみたてNISA。2024年、新NISAにアップデートされることで現行のNISAよりもさまざまな運用ニーズを満たし、挑戦しやすくなります。

    制度の恒久化と非課税保有期間の無期限化によって、今から始めても遅くはありません。年間投資枠・非課税保有限度額の増額にともない、効率的に資産運用ができるようになっています。

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