長距離トラック運転手(ドライバー)はきつい?やりがいや収入も解説

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長距離トラック運転手(ドライバー)はきつい?やりがいや収入も解説

「長距離トラック運転手(ドライバー)」は大型自動車運転免許が必要となるものの、未経験歓迎の求人や、資格補助ありの求人も多く散見され、ミドルシニア世代も多く活躍している職業のひとつです。そこで今回は長距離トラック運転手(ドライバー)の仕事が「きつい」と言われる理由とあわせて、やりがいや気になる年収もご紹介します。

この記事の目次

    長距離トラック運転手はどのような仕事?

    長距離トラック運転手とは、トラックを運転して長距離間の走行を行い、荷物の運搬業務を行う仕事です。
    一度でたくさんの荷物を運べた方がコストも安く済むので、長距離トラック運転手は概ね中型や大型トラック、場合によってはトレーラーを牽引して運転することになります。

    扱う荷物は実にさまざまで、所属する企業によって扱う荷物も異なります。
    運送業であれば取引先の商品を、宅配業であればお客様の荷物を、引っ越し会社であれば家具など、所属先によって気をつけるべきポイントが異なるのも大きな特徴と言えるでしょう。

    遠方の荷物を運ぶために欠かせない存在

    日経テレコン(※1)によれば、国内貨物輸送の21年度の総輸送量は2.4%増と4年ぶりにプラスに転換する見通し。幅広い物資輸送を担っているトラック輸送はコロナ禍であっても堅調な業界のひとつであり、求人数の豊富な業界です。
    工業製品や生活用品はもちろんのこと、冷凍、冷蔵食品といった、遠方の新鮮な食材を運ぶために欠かせない存在と言えます。

    長距離トラック運転手の走行距離に関して明確な基準はありませんが、おおよそ片道300キロ以上の距離を運転する仕事と想定しておくべきでしょう。片道300キロとなると、東京からおよそ名古屋、山形県までの距離となります。車でおよそ5時間程度で到着する距離です。

    配送ルートは定期的に商品を配送する「定期便」と、例えば引っ越し荷物のように、特定の荷物を運ぶ「チャーター便」の2パターンがあり、所属する企業によって配送ルートの選択肢は変わってくる職業でもあります。

    ※1 企業向けトラック輸送の業界概要 日経テレコン

    一般的な仕事の流れ

    では、さらに仕事をイメージしやすくするため、ざっくりと1日の流れをご説明していきたいと思います。
    また今回お伝えする例はあくまで一例であり、営業所や勤務帯によっては多少差異もございますので、ご了承ください。

    1. 出社、交通などの状況確認
    出社後は天候や渋滞状況などを確認しましょう。配送時間が遅れないよう、あらかじめルートを何ヶ所か見繕っておいたり、トイレの場所を確認しておくことも重要です。
    余裕を持って配達できるよう、しっかりと状況を確認しておきましょう。

    2. アルコールチェック
    国土交通省は平成25年(2013年)5月より、バス・タクシー・トラック事業者が、点呼において運転者の酒気帯びの有無の確認を行う際、アルコール検知器を使用すること(遠隔地においては、運転者が所属営業所のアルコール検知器を携行して使用すること)を法令で義務付けています。(※2)

    そのため、アルコールチェックはドライバーには必須と言える上、もしチェックに引っかかってしまった場合は飲酒運転と見なされ、業務を行うことができないので充分に気をつけましょう。

    ※2 「旅客自動車運送事業運輸規則及び貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令並びに関係通達の改正について(平成22年4月28日発表)」国土交通省

    3.荷物を積み込む
    アルコールチェックが終われば、トラックに当日分の荷物を積み込んでいきます。トラックが大きい分、人の手では難しい荷物の多く、フォークリフトなど、機械を使っての積み込みを行う場合も多いです。

    4.運行開始
    長距離トラックの場合、幹線道路や高速道路を走行することが多いです。
    道がわかりやすい分、スピードが出過ぎてしまう場合もあるので、スピード違反や事故には気をつけていきましょう。

    5.休憩
    長距離トラックを走行する場合、連続運転時間は4時間を限度とし、運転4時間ごとに合計30分以上の休憩(運転の中断)が必要とされています。そのため一日のスケジュールを立て、ちょうど良い時間にきちんと休憩を取るようにしましょう。適切に休息を挟むことが、事故の無い配送につながります。

    さらに長距離走行の場合は、2泊3日ほどかけて運行することも。現在日本では、企業に一律に具体的な休息期間を義務づけてはいませんが、おおよそ8時間に設定されています。

    2022年9月の厚生労働省の有識者検討会の報告書によると、この休息期間を9時間に延ばすことが決まり、さらに11時間を「努力義務」として新たに設定することが決まりました。2024年4月から実施される予定で、さらに休憩が取りやすくなりそうです。

    6.運行再開
    休憩や休息期間が終了すれば、また運行を再開します。

    7.目的地到着
    目的地到着後、荷物を引き渡します。別の企業の荷物を積み込んで帰還することもあり、帰社後も、業務中にアルコールを飲んでいないか証明するためアルコールチェックを行う事業所は多いです。自身の行いの証明のためにも、帰社後もしっかりアルコールチェックを受けましょう。

    それが終わればトラック内を整理し、翌日の配送先に変更が無いか確認が終われば、報告して業務終了となります。

    必要な資格

    運転するトラックの大きさによって必要な資格は異なりますが、長距離輸送トラックで使用するトラックは概ね中型~大型であるため、大型のトラックを運転する場合、大型自動車運転免許が必要となります。

    資格取得費用などがネックに感じるかも知れませんが、資格取得補助の求人も多く、就職時は普通免許のみでOK、という求人もあります。もし、資格がネックと感じる方はぜひそのような求人を探してみてください。

    また、職場によっては、人の手だけで積み下ろしを行うことが難しい荷物を扱うことも。
    その場合は大きい荷物を運べるフォークリフトが使用され、「フォークリフト運転技能講習修了証」あるいは灯油・ガソリン、ガス、薬品などの運搬をするための「危険物取扱者」などの別資格が必要なこともあります。

    企業によって運搬する荷物はさまざまですので、資格を持っていると、仕事の幅が広がりやすいです。転職する際にはどのような資格が必要とされているかをチェックしておきましょう。

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    長距離トラック運転手のきつさとは?

    では、ここから長距離トラック運転手のきつさをご紹介していきます。

    生活リズムが不規則になりやすい

    配送ルートによって時間が不規則になりがちで、朝早く出発のときもあれば、深夜からスタートすることもあります。
    休みもシフト制であることが多いため、特に日勤帯でずっと働いていた方は、その不規則がきついと感じることも多いでしょう。

    体への負担が大きい

    積み込みなどの力仕事で体への負担を感じる方もいらっしゃることでしょう。
    それに加え、長距離トラック運転手は拘束時間が長く、ずっと座りっぱなしの姿勢でいる必要があります。そこがきついと感じる方も少なくないはず。前述したように、長時間労働改善の動きもありますが、きちんと自分の体力と相談しましょう。

    長距離トラック運転手のやりがいと楽しさ

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    ここまで長距離トラック運転手のきつさをあげてきましたが、当然やりがいや楽しさもあるのがこの仕事。下記にお伝えしていきます。

    責任ある仕事をやり遂げた達成感

    長い時間かけて荷物を安全に送り届けたことによる達成感は大きく、人々の生活を確かに支えている仕事だと実感しながら働ける仕事でもあります。

    自分だけの空間で働ける

    取引先との関わりはあり、その際は丁寧なコミュニケーションを心がける必要がありますが、職場はほぼトラックの中です。
    そのため、会社の人間関係はもちろんのこと、余人に気を使う頻度はとても少ない職業です。自分のペースで仕事をしたいという方や、煩わしい人間関係に疲れた、という方にオススメの職業です。

    全国各地へ行けるチャンスがある

    荷物を運ぶ先は実にさまざまであり、普段はいかないような土地へ行けるチャンスもあります。訪れた土地のSAで特産品を食べれるのも長距離トラック運転手の醍醐味と言えるでしょう。

    車を運転するのがメインの業務となるため、車の運転が好きな人や、ドライブが趣味の人は好きなことをしながら給料も稼げるため、モチベーション高く働くことができるでしょう。

    長距離トラック運転手の年収

    長距離トラック運転手の平均年収

    厚生労働省が運営する職業情報提供サイトジョブタグによれば、トラック運転手の平均年収は463.2万円。月給にすると25.6万円ほどになります。
    しかし、これは全トラック運転手のため、短距離~中距離も含まれます。長距離トラック運転手の場合中型、小型運転手に比べると高めに設定されていることが多く、小型運転手プラス10万円の求人や、月給30万円スタートの求人も。

    キャリアを積めば年収600万円を目指せる求人も珍しくありません。さらに大手宅配業者や引っ越し業者であれば、年収1000万円を超える場合もあります。
    令和3年度の平均賃金が307万円なので、ぜひそこと比較して検討してみてください。

    参考:「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」厚生労働省

    高収入を目指すポイントは資格

    中型より大型を運転できる方が仕事の幅も広がりますし、フォークリフトを操作できる「フォークリフト運転技能講習修了証」もオススメです。
    運転席部分と荷台が分離できるトレーラーを運転できるようになれば、さらに荷物を運べるようになるため、高収入を目指せます。その場合、けん引自動車免許が必要となるため、ぜひ資格取得補助がある求人も探してみてください。

    大型自動車第一種運転免許とけん引自動車免許を取得した上で実績を積み、フリーランスとして独立している人もいます。そうすればさらに高単価を目指すこともできるので、長距離トラック運転手で長く働きたい、と思っている方はその方向性も検討してみてください。

    長距離トラック運転手は未経験でも可能?

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    運転免許は必要であるものの、基本的にそれ以外のスキルは問われない仕事です。
    配達物の紛失、損壊には気をつける必要がありますが、仕事内容も依頼先に荷物を届けるというシンプルなもので、それ以外の煩雑な作業はあまり発生しません。

    未経験からでも挑戦できる求人は実に豊富であり、人材不足のため、研修制度を充実させて積極的に募集している企業もたくさんあります。また、女性ドライバーを募集している企業も多く、女性でも充分挑戦可能です。

    免許取得がネックに感じる方もいるかもしれませんが、人材確保のため免許取得支援制度を設けている会社も多いため、そのような会社を選べば資格取得の負担もなく、キャリアアップも目指しやすい職業といえます。
    よって長距離トラック運転手は未経験でも充分可能であり、運転が好きで仕事にしてみたい、未経験だけどチャレンジしてみたい、という方にオススメの仕事です。

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    まとめ

    今回は長距離トラック運転手(ドライバー)の仕事が「きつい」と言われる理由をご説明した上で、やりがいや気になる年収もご紹介してきました。

    前述したように長距離トラック運転手のニーズは高く、求人は多数存在するほか、未経験歓迎の求人も多い業種です。普通免許からでもチャレンジすることができるため、ミドルシニア世代でも始めやすい仕事と言えるでしょう。
    ぜひ、新たな転職先の候補の一つとして検討してみてください。

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