子育ての悩み、仕事をやめたいと思った時は?
- ライフプラン・人生設計
- 公開日:2018年9月25日
子どもの将来のためにお金を貯めたいし、自身のキャリアアップだって図りたい。そう考えて仕事・家事・育児と奮闘しているのに、なかなかうまくいかず、「仕事を辞めたい」と思ってしまった経験はないでしょうか。今回はそう考えるワーキングママに向け、仕事を辞める前に考えておきたいことや、両立しやすい職種、支援制度についてご紹介します。
この記事の目次
子育てと仕事は大変!辞めたいと思った時は?
仕事と育児・家事の両立は当たり前ですが大変なもの。両立の壁に突き当たり悩むママも少なくありません。悩む中、気持ちの奥底で「仕事を辞めてしまおうか」と思うこともあるのでは。そのような思いが胸に湧いてきた時に、考えておきたいことをまとめました。
辞めたいと思うのは、悪いことではない!
「仕事をやめたい」という考えが頭をもたげ始めるとき、多くの人は「勤務先に迷惑をかける」「根気がないと思われる」「辞めたことで生活が苦しくなる」「家族に申し訳ない」といったマイナスの事ばかりを考えてしまうのではないでしょうか。
でも果たして、辞めることはそんなに悪いことなのでしょうか。確かに人材の退職で勤務先は多少混乱するかもしれませんが、それも一時的なこと。家計も共働きでギリギリの状態で回していたり、夫が休職中で妻の稼ぎが頼りというのであれば別ですが、多少の蓄えがあるのであれば、すぐさまひっ迫した状態にはならないはずです。
仕事を辞めること自体は悪くことではないのに、自分では「よくないこと」と思い込み、必要以上に責任感を感じているママも少なくありません。毎日の仕事と家事・育児の両立だけでもきついのに、さらにこの責任感を持つことで、よりいっそう自分を追い込んでしまうことにも。ストレスでイライラし、子どもや夫にあたってしまい、再び自己嫌悪に......。そんな悪循環にも陥ってしまうこともあるかもしれません。
子どもが嬉しいのは、大好きなママがイキイキとしていること。仕事・家事・子育てのハードな毎日で、笑顔もなく、疲れ果てている姿を見た子どもはどんな気持ちなのでしょうか。
辞めたいと思ったとき、まず相談する相手は
「辞めたい」と思ったら、まず最初は夫に、今の自分の心身の現状を伝えましょう。話し合った結果、夫が今以上に育児や家事に協力してくれるようになれば、負担を軽くして仕事を継続できるかもしれません。それでも「続けられそうにない」と感じたら、正直に辞めたいと思っていること、辞めたことによってどのような影響が家族に出るのかを冷静に話し合いましょう。
一番避けるべきなのは、「両立」という考えにがんじがらめになり、ママ自身がつぶれてしまうこと。仕事を続けていても、心と体が壊れてしまっては何にもなりません。まずは、負担の少ない部署や職種に移動することを検討。それが難しいとなれば、退職して今より働きやすい企業に転職するという方法もあります。辞めることに罪悪感など持たず、「何とかなる」の気持ちで、家族と話し合ってみてください。
フルタイムで働きたい方への参考記事
「子育てしながらフルタイムで働くことは可能? 仕事と子育てを上手く両立させるコツ」
辞めるメリット・デメリットを考える
ワーキングママが仕事を辞めることによって、家庭にどのような影響があるでしょうか。メリット・デメリットの両方を考えてみましょう。
<デメリット>
・金銭的な心配
これまで、夫婦共働きの稼ぎで賄っていた家計が、夫一人の収入でやりくりしなければならなくなります。無駄な出費はないか、家や車のローンの返済計画、契約している保険なども見直す必要も。子どもの習い事、おもちゃ、衣類の購入にも影響が出てくるかもしれません。
・これまでのキャリアが断絶するおそれ
これまで会社で積み上げてきたキャリアがなくなります。再就職するとしても、以前と同じ条件(正社員、給与など)で、希望の勤務先に勤めることができるという保証はありません。
・ワンオペ育児になる可能性も
共働きのときは、夫と分担していた家事・育児。しかし会社を辞め、ママが家のことに専念すると、稼ぎは父親、家庭は母親と、完全な役割分担をしてしまう場合も。結果、ワンオペ育児・家事になってしまい、孤独を抱え込んでしまうことも考えられます。
<メリット>
・子どもと過ごせる時間が増える
仕事では代わりの人材を見つけることができますが、子どもの母親はたった一人。育児に専念できれば、子どもの成長する姿をずっと見届けることができます。学校行事などにも参加しやすく、会話時間も増えるため、子どものちょっとした変化などにもすぐ気づけるようになります。
・精神的・肉体的な負担の軽減
最も大きいのは、精神的・肉体的な負担が軽減されること。時間内に仕事が終わらない焦りや、子育てに理解がない職場からのプレッシャー、子どもに向き合えていないという罪悪感などから解放されます。睡眠時間なども確保しやすく、肉体疲労も少なくなるのもメリットと言えます。
・違う職種へのチャレンジなど可能性が広がる
専業主婦になるのではなく、家事・育児に負担のない程度で、新しい職に就くという方法もあります。これまで知らなかった業界や、興味があった分野で働くことは、ママの可能性を広げるチャンスにもなります。異業種へのチャレンジを目指し、資格取得を目指すのもいいですね。
ここに上げた例はほんの一例で、それぞれの夫婦のケースによってもメリット・デメリットは異なるかもしれません。実際に退職し、辞めてよかったと思う人もいれば、もう少し踏ん張ればよかったと後悔する人もいるでしょう。でも、両立がうまくいかず、心身ともに崩れそうな状態の自分を守るために、"退職"を決意した自分の行為は評価したいものです。
それでも働きたい!おすすめの職種や支援制度は?
「仕事を辞める」ことは悪いことではなく、自分の負担を軽減させるための一つの手段。でも、辞めたあと、両立ができる範囲で働きたいと考えるママも多いかもしれません。ここでは、仕事と育児の両立がしやすい職種や、ママをバックアップする支援制度についてご紹介します。
在宅でも働ける職種とは?
仕事と育児を両立する上でポイントになる点はさまざまありますが、勤務時間や職場の理解もそのうちのひとつ。そこで勤務時間が自分のライフスタイルに合わせやすく、自分のペースで働ける「在宅勤務」を選ぶママも多くなっています。在宅でも働ける職種とは、どのようなものがあるでしょうか。
・データ入力
パソコンを使用する仕事として、「データ入力」と「テープ起こし」があります。データ入力は、数字や文字などのデータを打ち込む作業で、特に必要とされている資格はないため、比較的誰でもチャレンジしやすい仕事です。
・テープ起こし
「テープ起こし」は、会議や講演、インタビューなどの音源から、文字に起こす仕事です。データ入力よりもさらにパソコン入力のスキルが求められますが、初心者でも登録を受け付けている会社もあるため、数をこなして技能を高め、スキルアップすることもできるでしょう。
・記事作成・ライティング
家事・育児、グルメ、旅行、ビジネス、不動産、美容などさまざまな分野をテーマに記事を執筆します。ライティングと聞くと、専門知識が必要で高いスキルを求められる印象がありますが、経験不要・初心者歓迎の登録会社が多いようです。
そのほか、語学力を生かした「翻訳」、フラワーアレンジメント・ネイルなど自分の趣味や特技を生かして自宅で教室を開くといった方法もあります。
ママを助ける支援制度
子どもが中学生まで支給される「児童手当」や、子どもが1歳になる日の前日まで仕事を休業できる「育児休業制度」といった制度はよく知られていますが、あまり認知されていない支援制度もあるようです。ここでは、働くママが知っておきたい支援制度をご紹介します。
・1歳未満の子がいる働く女性が利用できる制度
1日に2回まで、30分以内の時間で授乳などの育児のための時間を請求できる「保育時間」があります。医師から指示がある場合は、勤務時間内で妊産婦検診を受ける時間を取ることができる「母性健康管理措置」という制度もあるので、乳児や妊娠中のママは賢く利用したいですね。
・3歳未満の子がいる働く女性が利用できる制度
原則として1日の所定労働時間を6時間にする「短時間勤務制度」、残業が免除される「所定外労働の免除」があります。子どもが小さいうちは、お迎え時間などを気にして働くケースが多いので、時間に余裕をもって仕事に取り組めるのはうれしいですね。
・小学校入学前の子がいる働く女性が利用できる制度
通常の勤務時間の始めまたは終わりに、1日2時間以内の間で勤務をしない時間を設けることができる「育児時間」、残業時間が1カ月で24時間、1年で150時間を超えないようにすることができる「時間外労働の制限」、午後10時以降午前5時までの深夜勤務をしなくてもいい「深夜業の制限」があります。
・子どもの看護休暇
急に病気になったりケガをすることが多い子ども。この制度は、子どもの病気やケガを理由に子ども一人であれば1年のうち5日まで、二人以上であれば10日間休暇が取得できるというものです。パートであっても取得できます。
知っているのと知らないのとでは、仕事と子育ての両立に大きな差が付きます。周知が進んでいない制度もあり、中には自治体や企業独自の制度を設けているところも。進んで、最新の情報を自治体・企業のホームページチェックしてみましょう。
まとめ:「辞めることは悪いことではない」から始める
避けたいのは、「仕事を辞めたい」と思う気持ちに蓋をしてしまい、自分を追いつめてしまうこと。「辞めることは悪いことではない」「辞めても何とかなる」という前向きな気持ちで、問題解決に向き合っていきましょう。特に子育てと仕事の両立に理解がない職場の場合、自分の対策だけでは限界があるもの。思い切って転職することで、新しい道が開けてくるかもしれません。