自分が充実するポイントを発見できる「ライフライン」の作り方|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.05

  • 木村勝のキャリアの教科書
自分が充実するポイントを発見できる「ライフライン」の作り方|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.05

中高年専門ライフデザインアドバイザーの木村です。前号では、キャリアを「鳥の目」で俯瞰する「家族キャリアマップ」の作成方法について説明させて頂きました。皆様、実際に作成されてみましたでしょうか?

この記事の目次

    「自分が定年の年齢でも、まだ子供は大学生か」、「父親は、今の自分の年齢の時には単身生活か。苦労していたんだな」など普段意識しない見えていない事実が家族の年表という座標軸から浮かび上がってきます。今後のキャリアの方向性を考えるために非常に強力な武器になりますので、ぜひ作成されることおススメします。

    キャリア整理の活躍ツール「ライフライン」の作り方

    pixta_27629973_M.png

    さて、今までのキャリアを振り返り、今後のご自身のキャリアの方向性を見極めるためのもう一つのツール「ライフライン」(ライフカーブ、ライフチャート、モチベーション曲線とも呼ばれます)について説明させて頂きます。「ライフライン」は、横軸に時間を取り、縦軸の真ん中を平均として主観的な満足度・充実度を1本のラインで表したグラフです。

    描き方は非常に簡単です。これまでの人生の流れを1本の曲線で表現します。
    「うれしかったこと」や「楽しかったこと」「やる気が高まったとき」の気持ちをプラス領域に描き、「残念だったこと」「やる気がなくなりかけたとき」をマイナス領域に描きます。

    すべての記録を残すのではなく「代表的な出来事」について表現すればOKです。自分が行動を起こした結果としての「感情を表現」し、自分が関わっていないことは表現しません。

    客観的な出来事と、主観でキャリアを見つめ直す

    この「ライフライン」はシンプルですが、自分のキャリアを冷静に見つめるための強力なツールになります。ラインはあくまでも主観的満足度ですので、それほど厳密に考える必要はありませんが、「家族キャリアマップ」を作成するときに主な出来事ごとに数値化しておくとラインを描くときにスムーズかもしれません。イメージをつかむために、私のライフラインをご紹介したいと思います。

    sample.jpg

    私の場合、満足度が高いところは社外のいろいろな方々と接触して仕事をしていた出向時代になります。逆に満足度が低かったのが、企業内で同じメンバーで固定的に仕事をしていた時代でした。

    ライフラインをしみじみ眺めているうちに、会社内で決まったメンバーで固定的に仕事をするより、社外の方々と新たな出会いを繰り返しながら仕事をするほうが自分には向いていることがわかりました。

    ターニングポイントに着目すると「充実する要素」が見えてくる

    pixta_22755495_M.png

    ライフラインを見るときには、高い部分、低い部分の理由を見ることももちろん大事ですが、満足度の低い状態から反転して上昇に向かったターニングポイント(あるいは高い状態から低い状態に反転したポイント)もそれ以上に重要です。私の場合には、出向や独立など大きなキャリアチェンジを果たしたタイミングで満足度が高い方向に反転しています。

    また、例えば充実していた時期に関しては、人事、経理などといったそのときに従事していた職種に注目するだけでなく、なぜそのときに充実していたのか、充実を感じる「要素」についても目を向けることがポイントです。

    例えば、テニスが好きという場合にも、錦織選手のようにプレーヤーとして活躍することに充実を覚えるのか、それともテニススクール運営などテニスに関わる事業に携わることに充実感を覚えるのか、人それぞれ違います。私の場合、人事という職種は長年担当してきましたので決して嫌いではありませんが、人事という仕事を通じて「多くの人と対面で話をし、新たな出会いがある」ことに充実感を覚えることにライフラインを眺めていて気がつきました。

    また、私のライフラインを見て気づくことは、会社における昇格や昇給が満足度に必ずしも連動していないことです。自分ではそれなりに会社での出世など気にしていたつもりですが、本質的なところでは、あまり出世にモチベートされない性向なのかもしれません。

    このように「家族キャリアマップ」を眺めながらライフラインを描いてみると、自分では意識していない意外な顔が見えてきます。

    目指す方向性を具体的な言葉で表現する

    pixta_14275648_M.png

    次は、具体的に浮かんできた「目指すべき方向性」をさらに具体的な文章にしてみます。私の場合には、このような内容になりました。

    「一か所に所属して固定的に働くのではなく、自分の今まで培ってきた専門性をベースに複数の相手とパラレルに仕事をしていく」

    これは私がインディペンデント・コントラクター(独立業務請負人)として働いているまさに今の姿です。

    こうして作成した「目指すべきイメージ達成のためのスペック」「棚卸でわかった現在の自分のスペック」=この差が「今後計画的に獲得すべきスペック」です。「ライフライン」は、ポピュラーで単純なツールですが、「家族キャリアマップ」と連動させると非常に効果的にツールとなることを保証致します。

    自分として納得のできる基準を持ち、選択していく

    pixta_31775161_M.png

    皆様のライフラインは、いかがでしょうか。もちろん、私とは反対に同じメンバーと固定的に仕事をしていたときの方が満足度も高いという方もいらっしゃると思います。いずれにしても、過去を振り返って浮かび上がってきた仕事のスタイルや志向の要素は、ミドルシニアからのキャリアチェンジを考える際には一般的に考える職種、業種、そして単なる労働条件よりも重要なポイントになります。

    すでに社会人として十分な経験をお持ちのミドルシニアにとって、(新卒学生ではありませんので)会社の知名度や規模、みかけだけの月給水準などでキャリアを選択する必要はもはやありません。重要なのは、過去を十分振り返った上で自分として納得のできる基準を軸として、自分自身で仕事を選択していくことです。

    人生100年時代には、定年60歳、定年再雇用義務年限である65歳といった限られた期間のみでキャリアを考えるのではなく、その先も見据えて働けるうちは働き続けるという観点からキャリアを考えることが必要です。

    60代以上活躍中の求人・転職情報

    関連記事

    年末年始にぜひやりたい「キャリア棚卸し」のススメ!|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.03 エイジレスに働いていくための基本コンセプト|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.02 「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」連載はじまります! ライフプランセミナーを活用して、今後のキャリアと生活を見つめ直そう 平均寿命と平均余命、健康寿命の違いって何?

    記事をシェアする

    • Twitter
    • Facebook
    • Line

    あなたへのオススメ記事

    「超実務スキル」こそが自律的な人生を拓く鍵となる|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.10

    「超実務スキル」こそが自律的な人生を拓く鍵となる|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.10

    中高年専門ライフデザインアドバイザーの木村です。早いもので「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」の連載も今回が最終回となりました。

    • 木村勝のキャリアの教科書
    • 2018年2月27日
    40代以降の転職で考慮するべき4つのポイント|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.09

    40代以降の転職で考慮するべき4つのポイント|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.09

    中高年専門ライフデザインアドバイザーの木村です。前号では、ミドルシニアの皆さんが今後取りうる選択肢のうち、「今の会社に勤め続ける」シナリオの留意点、ポイントについて考えてみました。今回のコラムでは、「転職する」シナリオについて、「ミドルシニアの視点から押さえておかなければならないポイント」について考えていきたいと思います。

    • 木村勝のキャリアの教科書
    • 2018年2月21日
    転職するリスクと在籍し続けるリスク|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.08

    転職するリスクと在籍し続けるリスク|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.08

    中高年専門ライフデザインアドバイザーの木村です。前号では、ミドルシニアの皆さんが今後取りうる選択肢として、①「今の会社に勤め続ける」、②「転職する」、③「出向する」、④「独立起業する」の4つのシナリオをあげてみました。

    • 木村勝のキャリアの教科書
    • 2018年2月15日
    働けるうちは働く時代のキャリアシナリオ選択とは?|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.07

    働けるうちは働く時代のキャリアシナリオ選択とは?|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.07

    中高年専門ライフデザインアドバイザーの木村です。前号までは、ミドルシニアの皆様が一度立ち止まって自らのキャリアを振り返り、今までのキャリアを「見える化」するためのキャリアの棚卸に関して説明させて頂きました。

    • 木村勝のキャリアの教科書
    • 2018年2月 5日
    キャリアの棚卸しを行えば、職務経歴書に抜かりなし!|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.06

    キャリアの棚卸しを行えば、職務経歴書に抜かりなし!|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.06

    中高年専門ライフデザインアドバイザーの木村です。連載5回目では、今までのキャリアを振り返り「目指すべき方向性」を見極めるためのツールである「ライフライン」について。また、連載4回目ではキャリアを鳥の目で俯瞰する「家族キャリアマップ」の作成方法について説明させて頂きました。

    • 木村勝のキャリアの教科書
    • 2018年1月31日
    家族プランとセットで考えるのが成功の秘訣|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.04

    家族プランとセットで考えるのが成功の秘訣|「ミドルシニアのためのキャリアの教科書」vol.04

    前回コラムにてキャリアの棚卸の必要性について説明させて頂きました。キャリアに関する一切の資料を一か所にまとめ、あなた独自のキャリアに関するデータベースを作成していくイメージです。今回は、実際に集めた資料の具体的な活用法について話を進めていきたいと思います。

    • 木村勝のキャリアの教科書
    • 2018年1月11日

    おすすめ・シリーズ記事

    人気記事ランキング

    おすすめの求人はこちら

    雇用形態から探す
    募集条件から探す
    働き方から探す
    福利厚生から探す
    職種から探す