新たな一歩を踏み出す選択肢!ミドルシニアからの独立は「ゆる起業」がおすすめな理由
- 独立・起業
- 公開日:2025年5月 1日

会社に属さず働く人が増えている昨今、ミドルシニアから起業する人も。そんな中、「ゆる起業」が現在注目を集めています。
この記事の目次
「ゆる起業」がミドルシニア世代におすすめな理由!
「ゆる起業」とは、自分の好きな仕事で起業し、無理せずに収入を得ていくスタイルの起業のことを指します。一般的に、起業では多くの稼ぎや事業拡大にフォーカスが当たりますが、この「ゆる起業」では自身の幸せや充実感などを得る目的として「好きなことで適度な収入を得るための起業」という考え方が根本にあるといいます。
1990年代には起業家の平均年齢は約39歳でした。しかし、2020年の起業家平均年齢は43.7歳、50代以上の起業家は全体の26.3%を占めるといいますから、ミドルシニア世代での起業が近年増えていることがわかります。起業というと、お金をバリバリ稼いでいくイメージがあるかもしれません。
しかし、この「ゆる起業」では本当にしたいことややりがいを感じること、経験を活かせることを軸に、利益をあまり追求しないビジネスを展開している場合がほとんどです。利益を追求することが目的ではない「ゆる起業」でも、長く続けることで老後の資金にしたり、副業として本業を上回る収入を得たりすることにも繋がります。
「ゆる起業」では自分がやりたいことをビジネスにするため、特に業界や業種に縛りはありません。一般的な起業と比べて、事業規模が小さく、開業や運転に必要な資金が少ない事業で起業することが特徴です。気軽に始められるため、本業で忙しくしているミドルシニア層も起業に向けた準備がしやすいのです。
さらに、寿命が延びたことでセカンドキャリアの人生も長くなり、第二の人生について考える機会が増えました。定年後も生計や生きがいのために働く、という考え方が当たり前になりつつあります。昔と比べても起業がしやすくなっている点も「ゆる起業」が社会に浸透してきている理由の一つです。
働き方改革で終身雇用が前提ではなくなった今、会社に頼った働き方をする必要がなくなりました。さらに、企業でも副業の解禁など、個人の働きを尊重するような社会風土になってきています。また、以前は株式会社の設立には最低1,000万円の資本金が必要でした。しかし、2006年の会社法改正で実質資本金が1円でも会社設立できるようになったことも、起業の後押しをしているといえそうです。
「ゆる起業」をスタートさせるメリットとは?
「ゆる起業」のメリットをみていきましょう。
手間をかけず、最小限の資金でスタートできる
「ゆる起業」ではこれまでの知識を活かしたり、趣味を仕事にしたりと、無理なく起業することがポイントとなっています。ですから、多額の初期投資をすることなく、起業できることがメリットに挙げられます。
ご自身のこれまでやってきたことや、アイデア次第で収入を増やすことができるのです。そのため、「ゆる起業」で収入を得ることで老後の資金を確保し、定年後のセカンドライフを充実させられるという訳です。
副業から始められる
起業というと、清水の舞台から飛び降りるがごとく、キャリアの中で一世一代の大勝負といったことをイメージされるかもしれません。しかし、手間や費用を最小限に抑えてスタートできる「ゆる起業」なら週末や会社帰りに取り組む副業として始めることもできます。
また、本業をベースとした取り組みをすることができるので、現在の生活水準を落とすことなく仕事を始めることができるでしょう。
ゆくゆくは大きな稼ぎにもなる
最初は小さくスタートさせる「ゆる起業」ですが、収入が増えてくればスモールスタートであっても、ビジネスが軌道にのった後に本格的に力を入れた本業として取り組んでいくこともできます。
というのも、無理をすることなくビジネスを進めていく「ゆる起業」だからこそ、主軸を本業に置きながら将来的にはビジネス拡大に移行することができるのです。そのため、ゆくゆくは事業を本格的に展開していきたいという人にもメリットのある起業スタイルです。
リスクが低い
「ゆる起業」は副業や週末起業で始めるケースが多く、独立開業よりもリスクが低いのも魅力です。起業しても、事業がすぐにうまくいけば問題ありませんが、軌道に乗るまで十分な収益を得られない恐れも。
そんな中、「ゆる起業」では本業のベース収入があるため、軌道にすぐに乗らなくても損失やダメージが最小に抑えられるのです。また、十分な売上が見込めるようになれば、「ゆる起業」を一本化し、独立することも可能です。
「ゆる起業」の始め方とは?
では、どのようにして「ゆる起業」を始めたらよいのでしょうか。
まず、「ゆる起業」を行う上で大切になるのは【自分軸を見つける】ことです。これまでの人生で力を入れてきたことや、今後やっていきたいことを紙に書き出してみましょう。
その次に、【スキルの棚卸し】をしてみます。こちらも後で振り返ることのできるように、紙やパソコンで箇条書きにして文章化させてください。そして、【自分軸】と【自分の持っているスキル】が重なる部分を見つけていきます。
例えば、現在会社で企画・編集の仕事をしている方がいるとします。そして、趣味は映画鑑賞だとします。また、毎日欠かさず日記を書くほど、文章を書くことが好きな人だと仮定します。この方は、自分軸とスキルとやってみたいことが重なる、「映画レビュー」をしてみようと考えたとします。
最初は認知が難しいかもしれませんが、SNSを使って徐々に投稿を増やしていった結果、5年後にはフォロワー10万人を超えるインフルエンサーに。そしてそうしてフォロワーを増やしていった結果、将来的には広告を付けて収入を得ることもできるのです。
このように、「ゆる起業」では自分のペースで自分ができることを行うことに重きが置かれています。起業と聞くと大それたことをしなくてはいけないイメージがあるかもしれませんが、「ゆる起業」ではむしろ時間をかけて焦らずゆっくりと自分のやりたいことを深めていくような取り組みが推奨されます。
ビジネスを成功させるためには、やりがいが大切になります。本当に好きなこと、やっていきたいことを見つけることがビジネスの核となるのです。そのため、始めてみたけど気乗りがせずに長続きしなかった、という失敗もうまれてくるかもしれません。
しかし、「ゆる起業」に限ってはリスクを最大限に抑えることができるため、何度も失敗してもよい、という頭でいるようにしましょう。人によってはそんなトライ&エラーを繰り返すうちに得意分野とやりたいことを掛け合わせた、新たなビジネスの芽を発見するかもしれません。
独りよがりのビジネスにならないように、周囲のトレンドやニーズにアンテナを立てておくことも重要です。家族や友人などの意見も参考にすると◎。「ゆる起業」では自分の思いが強いがゆえに、需要のないビジネスを行ってしまう可能性もあります。と客観性が足りなくなってしまうことに気を付けるためにも、周りの意見も大切にしましょう。
「ゆる起業」、始めるには?
「ゆる起業」を始める手段としては、主に3つの手段があります。
・副業
本業以外の仕事で収入を得ていく方法です。本業の前後や休日などを使って副業として行えます。メリットとしては本業での収入の柱があるため、金銭的なリスクを抑えながらビジネスができる点です。
・週末起業
休日を利用して事業を行うことを指します。会社員であれば祝日が休みになることが多いため、このように呼ばれます。副業は本業の勤務時間外でビジネスを行うのに対し、週末起業では土日や休みなど、本業の日は本業、副業の日は副業とメリハリのある仕事スタイルを取ることができます。
・ECサイト
実店舗でなくても、ECサイトやWebショップによってビジネスが始められます。特に物販では資格やスキルは必要なく、初期費用も少ないため起業しやすい点がメリットです。このECサイトを活用した「ゆる起業」が年々人気となっています。
「ゆる起業」で気を付けなくてはならないこと
「ゆる起業」では気を付けなくてはならないポイントがあります。
老後の資金には手を付けない
自宅を利用してライターなどをする場合、必要なのはインターネット環境とパソコンです。これなら高額な費用は必要ないため、明日にも「ゆる起業」をすることができます。ただし、「お店をやってみたい」と計画した際には道具や店舗費用、仕入れなどといった初期費用がある程度必要になります。
ここで注意したいのが「ゆる起業」ではやりたいことやこだわりを追求した結果、資金難に陥ってしまうという点です。老後の資金を全投資してしまい、失敗してしまうといったことが起きてしまうのです。「ゆる起業」の良さはリスクが少ないこと。そのため、老後の資金など大切なお金はなるべく使わないようにするのが成功の秘訣でしょう。
自分の好みが受け入れられるとは限らない
「ゆる起業」は自分の好きなことを追求できる点が魅力ですが、起業である以上、収入がなければ続けることができなくなってしまいます。
いくら自身の好みやこだわりを出してビジネスをしていくといってもお客やクライアントに支持されない場合は、事業を畳むしかなくなってしまいます。そのため、独りよがりのビジネスに終始することなく、ニーズがあるかどうかの見極めをしっかりしなくてはなりません。
未知の分野では起業しない
建築関係で働く会社員が夢だからとカフェを開いたとしても失敗のリスクが高まってしまいます。なぜならスキルや経験がない分野では新たに学ぶことから始めなくてはならないからです。さらに、カフェという分野は競合他社が多く存在します。
安くてハイクオリティの大手のチェーン店が巷にはたくさんあります。そんな強者と闘っていかなくてはいけないのです。そのため、「ゆる起業」で成功するためにはある程度、自信のある分野で勝負することがふさわしいでしょう。
まとめ
人生は一度だけだとわかっていても、自分の好きなことを始めるには勇気が必要なことも。新たな一歩を踏み出すのに躊躇する方は、まずは「ゆる起業」でスタートしてみるのがおすすめです。