タクシー運転手への転職はどうなの?業界の今と働き方、資格までご紹介!

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タクシー運転手への転職はどうなの?業界の今と働き方、資格までご紹介!

今回はタクシー業界の現状やタクシー運転手の働き方など、就職するにあたり気になる情報についてご紹介します。必要な資格や年収も一緒にご紹介していくので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

この記事の目次

    タクシー運転手の現状とは?

    まず、タクシー業界の現状についてお伝えしていきます。
    2020年4月7日、新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項に基づき、緊急事態を宣言されました。その時の対象は都市圏を含め人口の多い地域のみでしたが、感染拡大を受け全都道府県に対象を拡大。

    5月末には宣言は解除されたものの、不要不急の外出自粛などが呼びかけられた影響で、小売り施設や公共交通機関を中心に人出が大幅に減少したことが確認されています。(※1)

    その影響を受け、2020年、2021年はタクシー業界を含め交通業界全体の業績は落ち込んでいましたが、2022年は3年ぶりに緊急事態宣言のない長期休暇を迎え、業績は回復傾向にあると言えます。

    ※1 国土交通省 令和3年版国土交通白書

    人材不足

    元々どの業界においても人材不足が言われて久しく、タクシー業界もまた人材不足が指摘されていました。特にコロナ禍では業績不振や体調の懸念などから退職が続き、それを受け業界全体が求人を強化している傾向が見受けられます。

    未経験歓迎の求人はもちろんのこと、感染症対策や新たなビジネスモデルなどより魅力的な求人も散見されます。業績が回復傾向にある今こそ、タクシー業界にチャレンジしてみても良いかもしれません。

    高齢化

    厚生労働省が運営する職業情報提供サイトジョブタグによれば、タクシー運転手の平均年齢は60.7歳と、まだまだシニア層が活躍している業界だということがわかります。

    元々60歳で定年した後の働き口としてタクシー運転手は定着しており、ミドルシニア世代歓迎の求人も多数見受けられます。そのため、例えミドルシニア世代で未経験であっても、スムーズにキャリアチェンジできる業界のひとつでもあります。

    収入に格差

    当然のことながら、タクシー運転手の仕事はお客様にタクシーに乗ってもらうことです。そのため、人口が多い地域の方が搭乗回数も多く、収入が高いことは事実です。

    一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会が毎年発表しているタクシー運転者の賃金・労働時間の現況(※2)によると、都道府県によっては、年収に30万ほど差があることも確認できます。
    タクシー運転手でより稼ぎたい、と思うのであれば、地域の年収差は考慮するべきと言えるでしょう。

    ※2 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会 令和3年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況

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    タクシー運転手の仕事あれこれご紹介

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    タクシー運転手の働き方

    タクシー運転手の勤務は、それぞれ「日勤」「夜勤」「隔日勤務」に分けることができます。

    ・日勤
    その名のとおり、日中の勤務です。朝起きて夜に眠る、という一般的な生活リズムで働くことができるため、身体的な負担が少ないのは間違いなくメリットでしょう。

    タクシー運転手にキャリアチェンジしたい方の多くが望む勤務形態でもありますが、タクシーの稼ぎ時は交通量の増える「早朝」か「夜~深夜」であるため、稼ごうと思えば、早朝出勤は避けられないのが実情です。

    ・夜勤
    夜勤は主に夕方~早朝までの勤務となります。深夜料金などが発生するため、日勤帯で働くより給料が高くなるのは大きなポイントでしょう。

    また、タクシーの稼ぎ時でもあり、深夜帯や終電後に駅前に行列ができることも珍しくありません。より稼ぎたい、と思う人は夜勤での勤務をオススメします。

    ・隔日勤務
    また昼勤と夜勤を組み合わせ、20時間程度勤務をする「隔日勤務」もあります。
    勤務時間としては、昼~夕方から翌日の朝~昼までで、次の日に休みが入るパターンが多いです。

    稼ぎながら長い休みを取ることもできる勤務形態のため、多くのタクシー会社が導入している勤務形態でもあります。もちろん休憩はありますが、長時間勤務となるため体力と相談して行う必要があるでしょう。

    タクシー運転手の年収

    続いて、皆さんが気になるのはやはり年収ではないでしょうか。
    厚生労働省が発表した令和3年賃金構造基本統計調査(※3)によれば、タクシー運転手(正規雇用)の月給は22.5万円、賞与は100万円であり、ざっくり計算すると平均年収は370万円ということができます。

    国税庁が発表した令和2年分 民間給与実態統計調査(※4)によれば、日本の正規雇用者の平均年収は496万円となっているため、正社員の場合、平均年収は全国平均より若干低めと言うことができるでしょう。
    ちなみに、非正規雇用の場合、タクシー運転手の平均時給は1317円で、平均年間賞与は11.7万円となっています。(※1)

    これはあくまで全国的な平均であり、タクシーを使用する機会が多い都心部と、人口の少ない地方部では、年収にも差があるのは前述したとおりです。また、地域差以外にも、勤務時間帯や会社の規模によっても給料は変わってきます。

    ※3 e-start 政府統計の総合窓口 賃金構造基本統計調査
    ※4 国税庁 令和2年分 民間給与実態統計調査

    タクシー運転手に必要な資格

    タクシー運転手は当然のことながら運転スキルが必要になります。しかし、一般的な運転免許は「第一種運転免許」であるため、タクシー運転手になるためにはこの「第二種運転免許」を所持している必要があります。

    タクシー運転手の業務はもちろん「運転」ですが、ただ運転するのではなく、車両を「旅客運送を目的として運転」する仕事になります。第二種免許が必要になるのもそのためで、運転に慣れている方や業務として行っていた方にとっては有力なキャリアチェンジ先と言えます。

    しかし、所持していなくとも資格取得支援制度のある求人も多く、タクシー求人で未経験歓迎の求人は実に多いです。求人を探す際にはチェックしてみてください。

    現在、タクシー運転手の平均年齢は正社員60.7歳。ミドルシニア世代が大いに活躍している職種でもあります。シニア歓迎の求人も多く、シニア世代で未経験であってもサポートや必要な資格取得支援を行ってくれる会社も多くあります。

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    タクシー会社に転職するメリット・デメリットは?

    メリットは?

    タクシー業界は歩合制を取っています。そのため、タクシーで人を乗せれば乗せるだけ給料も上がるシステムとなっています。
    もちろん自分の体力面と相談することにはなりますが、より稼ぎたい、仕事がしたい、と思う人にはピッタリの職業でしょう。

    また、タクシー運転手は隔日勤務など、稼ぎながら長い休みを取ることもできる勤務形態であるため、時間の余裕が生まれやすいのも大きなメリットと言えるでしょう。

    タクシーに乗るお客様は、年齢も仕事もさまざまで、話が盛り上がることもあるかもしれません。いろいろな話が聞けるのもタクシードライバーの楽しさの一つであり、そのような出会いが楽しめる方は向いています。

    お客様とのやりとりの中で「ありがとう」「おつかれさま」と直接声をかけてもらうことも多い職業です。自分の仕事が誰かのためになっている、と実感できるのは間違いなくやりがいと言えるでしょう。

    デメリットは?

    一方デメリットは、体調管理ができなければ長く働くことは難しいという点です。タクシー運転手の勤務形態は、夜勤や隔日勤務など、一般的な働き方と比べて特殊な勤務形態になることも多いです。体調がしっかり管理できていないと集中力がなくなり、事故につながることもあるため、自己管理は求められる職業と言えるでしょう。

    また、歩合制を取っていることから、売上が給料に直結します。数字や売上を気にしながら働くのが難しい、もっとのびのび働きたい、という方にはあまり向いていないでしょう。

    いくら資格取得支援制度があるとはいえ、二種免許を取るのは自分自身です。
    参考までにですが、警視庁の運転免許統計(※5)によると、令和3年度の普通自動車第一種免許の受験者数は22,209人。これに対し、合格者は11,139人であり、合格率は50.2%となっています。

    特別なスキルや経験は必要ありませんが、免許は必須ですので、そこを負担に思う方は向いていないかも知れません。

    ※5 警視庁HP 運転免許統計 令和3年版(2022年4月19日掲載)

    タクシー会社を選ぶポイント4つ

    pixta_54521800_M (1) (1).jpgではここからは、上記を踏まえてタクシー会社を選ぶポイントをお伝えしていきます。

    給与体系

    サラリーマンの様に毎月の給料が固定されている固定給制は、タクシー会社では珍しい給料体系です。乗せたお客様の分だけ給金が支払われるという「歩合制」もありますが、現在は完全歩合制だけではなく、複合タイプも散見されています。

    現在、タクシー業界においてもっともメジャーな給料体系は「基本給+歩合制」です。
    固定給と歩合給を合算し、一部が積立金として徴収され、年2~3回の賞与で還元されるパターンが多く、固定給の安定性と、歩合制の努力が反映されるシステムが両立されています。

    ただ、積立金として固定給や歩合給が徴収される割合や計算式について、法律で事細かにきまっているわけではありません。そのため会社によって定義もバラバラなので、気になる方は一度確認した方が良いでしょう。

    営業所のエリア

    前述したように、地域によって年収差がある業界であることは事実です。そのため、営業所のエリアと、年収はきちんと確認しておきましょう。

    また、一部地域では別に試験を受験する必要がある場合があります。
    タクシー事業の質の保証と利用者の利便性を確保するため「タクシー業務適正化特別措置法(※6)」と言って、タクシーの運転者の登録を実施し、指定地域において輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験を行うことを義務づけた法律があります。

    指定地域とは主に人口の多い地域であり、東京、神奈川、大阪の一部都市部エリアが中心となっています。

    ・東京特定指定地域(23区、武蔵野市、三鷹市)
    ・大阪特定指定地域(大阪市、池田市、箕面市、茨木市、高槻市、摂津市、島本町、豊中市、吹田市、東大阪市、八尾市、守口市、門真市、堺市、高石市、泉大津市、和泉市、忠岡町)
    ・神奈川特定指定地域(横浜市、川崎市、横須賀市、三浦市)

    このエリアでタクシー運転手になろうと思った場合は、「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」を受験する必要があります。
    この試験は「タクシー事業に係る法令、安全及び接遇」と「当該指定地域に係る地理」の二科目に分けられ、これらに合格することでタクシー運転手になることが可能です。

    「タクシー事業に係る法令、安全及び接遇」は45問、「当該指定地域に関する地理」については40問で、合格基準は正答率80%です。試験は各自治体のタクシーセンター(※7)で行われる他、過去問も掲載されているので、ぜひ参考にしてみてください。

    ※6 e-gov タクシー業務適正化特別措置法(昭和四十五年法律第七十五号)
    ※7 公益財団法人 東京タクシーセンター 輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験

    研修制度の充実

    未経験で不安に思う方は、研修制度が充実しているかどうかは確認しておきましょう。そのような研修制度が充実しているのは、やはり大手会社と言えます。

    大手タクシー会社であれば、ブランド力で抱えている顧客も多く、無理な営業をせずに配車営業だけでお客さまを獲得できる機会も多いです。稼げる仕組みを構築している会社も多いため、無理なく稼ぎたい人は大手のタクシー会社をオススメします。

    二種免許取得費用を負担してもらえるか

    二種免許は自動車教習所で申し込むとおおよそ22万円~25万円程度掛かるので、未経験からチャレンジする際は、資格取得支援制度のある求人を探すのもひとつの手段でしょう。

    しかしその場合、一定期間以上の勤務義務や、給料から差し引かれるパターンなど、何かしら規定もあります。自分に状況にあわせて、そちらもきちんとチェックしておきましょう。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか?タクシー運転手の平均年齢は60.7歳。
    ミドルシニア世代でも始めやすい仕事と言えるので、ぜひ、新たな転職先の候補の一つとして検討してみてください。

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